要 結城の日常   作:テンツク

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39話

あれから月島さんから車を借り、待っているであろうバンドの子達の所へ車を走らせていた。

 

「えっと、確かここだから・・・もうすぐだな」

 

俺は月島さんに言われた駅への道を信号待ちの間に確認していた。車の通りもそこまでなく、混むことなく来れたことで、言われていた時間より早く着きそうだ。

 

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それからしばらく走らせると、目的である駅へと着いたので俺は教えてもらった番号へ電話をかけることにした。するとかけた早々に出てくれた。

 

『はい、牛込です』

 

「あ、月島さんから連絡が行ってるかもしれないけど、君たちを迎えに来た要と言います」

 

『あ!はい!まりなさんから聞いてます」

 

「それは良かった。今どこにいるかな?」

 

『今、みんなで駅の前にいます』

 

「了解。えっと、あ、あれかな。君たちの右斜め前ぐらいで手を挙げてるんだけど、分かるかな?」

 

『えっと・・・あ!いました!』

 

「それじゃあ悪いけど、こっちに来てもらっても良いかな?」

 

『分かりました!』

 

それを聞いた俺は電話を切った。するとさっき電話していた子達、女の子四人組がこちらへと来た。

 

「すみません!」

 

「かまわないよ。さ、車に乗って、話は中でやろう。あまり遅くなると月島さんが心配しちゃうからね」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

そう言って彼女達は車に乗ったので、俺も運転席に座った。

 

「それじゃあ行くよ」

 

「「「「お願いします!」」」」

 

そうして車をCiRCLEへと向けて発車した。

 

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CiRCLE向かっている途中で、改めて挨拶をする事にした。

 

「えっと、改めまして、月島さんの代役で来た、要 結城です」

 

「あ、私は牛込ゆりです。私たちのバンド、Glitter*Greenでギターボーカルをやってます」

 

「牛込さんね、よろしく」

 

「次は私ですね。私は鰐部七菜と言います。キーボードを担当してます。この度はありがとうございます」

 

「鰐部さんね、気にしなくて大丈夫だよ。簡単な送迎だけだしね」

 

「それじゃあ次私だね。私は鵜沢リィです。ちなみにベースでーす!それで、この子がデベコです」

 

「あ、ああ、よろしく」

 

「はいはーい次は私ー!私二十騎ひなこって言いまーす!ドラム担当でーす!よろしくお願いしまーす!」

 

「お、おう、よろしく」

 

四人と車内で挨拶を交わしたが、なんとなくだがあの鰐部って子、苦労してそうな気がする。

そんなことを考えていると牛込さんが、

 

「今日は本当にありがとうございます。一時はどうしようかと思っていたんです」

 

「気にする事はないよ。ただの暇人だったしね。困っているんなら助けないとね」

 

「ミャ~」

 

「こいつもそうだとよ」

 

「「「「猫/ちゃん!?」」」」

 

「こいつはミユって言うんだ。てかお前さんいつの間に乗ったよ・・・CiRCLEに預けてきたはずだが」

 

そう、CiRCLEに預けてきたはずのミユがなぜか車の一番後ろの所にいたのだ。

 

「あの、この子って、要さんの飼い猫ですか?」

 

「鰐部さんの言う通り、うちの飼い猫だよ。こっちに来る前にCiRCLEの方に預けてきたはずだったんだがな」

 

「「猫ちゃん触っても良いですか!?」」

 

「ちょっとあんた達、そんないきなり」

 

「ははは、かまわないよ。でも乱暴に触らないようにね、ミユが怒っちゃうから」

 

「「分かりました!」」

 

そう言って鵜沢さんと二十騎さんは楽しそうにミユを触り始めた。

 

「全く、あなた達は・・・すみません、いきなりあんな事言い出して」

 

「気にする事はないよ。それでリラックス出来るんだったら、良い演奏も出来るだろうしね」

 

「ミユちゃん・・・・・」

 

「ゆり?」

 

「あの、一つお伺いしても良いでしょうか?」

 

「ん?ああ、俺が答えられる範囲でなら良いよ」

 

「ありがとうございます。あの、牛込りみって知ってますか?」

 

「ああ、知ってるよ。たまに家にバンドメンバーと一緒に来たりしたりするしね。もしかしてとは思っていたけど、姉妹とか?」

 

「はい!妹なんです!」

 

「なるほど、だから似てるわけだ」

 

「りみちゃんのお知り合いの方?」

 

「うん。ほら、よくポピパの子達が話してくれる人だよ」

 

「ああ、なるほど」

 

「なにか話してるのかい?あいつら」

 

「ええ。でも良い事ばかりですから、ご心配しなくても大丈夫ですよ」

 

「それは良かったよ。おっと、もう着くよ」

 

そんな話をしていると、どうやらCiRCLEに着いたようだ。時間的には全然大丈夫だな。

 

「さて到着っと。忘れ物ないようにね」

 

「「「「はい!ありがとうございました!」」」」

 

「はい、どうも。あと・・・二十騎さん、ミユは置いていこうね?」

 

車を降りた四人はCiRCLEの中に行こうとしたのだが、二十騎さんがミユを抱えたままそのまま行こうとしていたので、さすがに止めた。

 

「「「あんたは・・・・・」」」

 

「えへへへへ」

 

ミユを返してもらってから彼女達は中へと走って行った。俺はそれを確認して、車の鍵を閉めてから中へと入った。入ってからまずは月島さんがいるはずの受付へと向かった。

 

「あ!要さん、おかえりなさい!どうでしたか?」

 

「特に何事もなく行けましたよ。運よく渋滞になりませんでしたからね」

 

「そうですか、良かったです。今回は本当にありがとうございました!」

 

「いえいえ、お気になさらず。それとこれ、車の鍵です」

 

「はい、確かに受け取りました。これからどうしますか?もうすぐライブ始まっちゃいますけど」

 

「そうですね・・・それならついでに見て行きましょうかね。確か最初ってGlitter☆Greenでしたっけ?」

 

「はい、そうです!なんならパンフレットありますけど、見ますか?」

 

「んーーー、いえ、今回は見ないでどんなバンドがいるのか見てみたいので、見ずに行きますよ」

 

「そうですか・・・それなら、お飲み物はどうしましょうか?」

 

「飲み物か・・・それじゃ、アイスコーヒーで」

 

「アイスコーヒーですね!お砂糖とかはあちらにありますんで、ご自由にお使いください」

 

俺はアイスコーヒーを受け取ると、砂糖とかが置いてあるところに行き、砂糖などを入れて、月島さんの元へ戻った。

 

「あれ?そう言えばお金は?」

 

「今回は助けていただいたので、お代は結構ですよ」

 

「そうですか、それならお言葉に甘えて」

 

「それでは行きましょうか」

 

そう言って月島さんは奥へと入って行ったので、俺も後について行った。

 

少し歩いた所で月島さんが止まり。

 

「ここがライブ会場になります。場所などはご自由ですので、あ、でも今はもうお客さんが結構入っているので、あまり前の方は行けないかもしれないですが」

 

「分かりました。まぁ後ろの方でも全然かまいませんよ」

 

「そうですか、それならライブの方をお楽しみください」

 

そう言って月島さんが扉を開けてくれたので、俺は中へと入っていった。

 




リンドさん☆9評価ありがとうございます!

黒と影さん☆8評価ありがとうございます!


Glitter☆Greenのメンバーの口調が違う!みたいな感じに思うかもしれませんが、そこは優しい目でお願いいたします。

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