要 結城の日常   作:テンツク

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49話

パスパレのメンバーと一緒に移動している最中に一つの疑問が浮かんだ。

 

「そういや、日菜は?」

 

「日菜ちゃんは他でお仕事です」

 

「日菜だけで?」

 

「ええ、元々私と彩ちゃんはお休みだったんです。それで、イヴちゃんがここでお仕事をするって聞いたので、一度見てみようと思って来たんです」

 

「なるへそ。それじゃあ麻弥も別か」

 

「そうっす」

 

「それで今に至ると…おっとここだな」

 

そんな会話をしていたら目的の場所に着いた。

 

「ここだな。んじゃあ開けるな」

 

そう言って俺は扉を開けた。

 

ギィィィ

 

扉を開けて、俺達が見たものは。

 

「あら、あなた可愛いわね。食べちゃいそう」

 

「あ、ありがとうございます!豊川さんにそんな事言ってもらえるなんて」

 

「あら、こんなことでいいならいつでも言ってあげるわよ。それより、このあとみんなでご飯とか行かなーい?」

 

「「「「「行きます!」」」」」

 

「ああん!みんな可愛いいーー!」

 

 

俺はそっと扉を閉めた。

ちなみにさっきの光景は携帯のムービーでばっちり撮影済み。

 

「さて、みんなは何も見てない。いいね?」

 

「「「「「は、はい」」」」」

 

「それじゃあ良い画を撮れたから帰ろうか」

 

すると、扉が勢いよく開き。

 

「ちょっとまったーーー!」

 

「うるせぇよ、なんだよ大声出して」

 

「帰ろうとしてたでしょうが」

 

「そりゃあな、こんな面白いもんが撮れたんだ。拡散しない手はないだろ」

 

そう言って俺はさっき撮った動画を見せた。すると。

 

「いやあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

と、今世紀最大であろう絶叫を叫んだのであった。

 

 

 

 

 

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それからしばらくして姉貴は落ち着きを取り戻し、今は仕事モードに戻っている。

 

「それで、手伝いって、何をやるんだよ」

 

「あ、そうそう、撮影なんだけど、こっちで衣装を用意してるから、着替えてみて」

 

「へいへい、あそこにあるのか?」

 

「ええそうよ」

 

俺は言われたところの部屋に入った、そこにあった物は。

 

 

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~十分後~

 

あれから十分が過ぎたところで結城が入って行った部屋の扉が開き、結城が出てきた・・・が、その姿にパスパレのメンバーは絶句した。

 

それもそのはず、今結城が着ている服はなんと女物の服、つまり、女装している感じなのだ。それを見た面々は

 

「やっぱりバッチリね♪」

「あ、あ、あれが・・・結城さん////」

「すっごく似合ってます!可愛いです!」

「確かに、似合ってるっすね・・」

「なんか、すごく負けた気になっちゃった」

 

っと、各々思うところがあるようだ。しかし当の本人はと言うと、殺気ムンムンで姉を睨みつけて一言。

 

「姉貴、すこし俺とO・HA・NA・SIしようじゃないか…なーーに仕事には影響しないように短くするから心配しなくて良いぞ」ゴゴゴゴ

 

「ゆ、結城、ま、待って、少し、いや、ちょっと落ち着こ、ね?」

 

「何言ってんだ?俺はいたって落ち着いてるぞ?姉貴こそどうした?少しOHANASIするだけなのにそんなに怯えて」

 

「いや、だ、だってね」

 

「まぁ良いや、これ以上はカメラマンさんにご迷惑かかっちまうから、撮影をやろうじゃないか」

 

「え、ええ、そ、そうね」

 

何とか一難を去った京香であった。

 

 

その後撮影は順当に行われ、結城もなんやかんや言いながらも、要望に応えて、ポーズをとってお手伝いをしていたのであった。

 

 

あ、ちなみに撮影後に無事に京香さんは結城君とOHANASIをしたのでした。

 

 

 

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~それから数日~

 

今CiRCLEには五組のバンドメンバー全員が集まっていた、その目的はと言うと。

 

 

「みんな、持って来たわよ」

 

「「「「「待ってました!」」」」」

 

千聖が持ってきたそれこそがみんなが待ちわびていたものだった、それは一冊の雑誌だった。

 

「いやー千聖、ごめんね、無理言っちゃって」

 

「大丈夫よ、気にしないで」

 

「早く見ましょう!」

 

「こころ落ち着きな」

 

「ふふ、そうね、それじゃあ開けるわね」

 

そう言って千聖が雑誌を開くと、そこには。

 

『豊川京香!再び!』と言う見出しがデカデカと見出しが出されていた。

 

「京香さんだ!かっこいい!」

 

「香澄うるせぇ・・・まぁ確かにな」

 

「だね、すごいね」

 

など、各々に感想を述べていた。

 

「それじゃあ次行くわね」

                    ・・・・・

そう言って千聖がページを捲ると、そこには二人の女性が写って、それを見た日菜以外のパスパレのメンバー以外は。

 

「この人可愛い!」

「綺麗」

「すごい」

 

などと口々に喋っていた、千聖、彩、麻弥は苦笑いを、イヴは目をキラキラさせていた。

 

「こんな人いたんだね。千聖は知ってたの?」

 

「いいえ、最近知ったわ」

 

「千聖でも最近なんだ。イヴは?同じモデルじゃん?」

 

「この格好を見たのは初めてですけど、みなさん知っていますよ?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「イヴちゃん、ここにいる誰も、見たのは初めてよ」

 

「「確かに」」

 

「彩先輩、この方ご存じなんですか?」

 

「う、うん、これ言っちゃって良いのかな?」

 

「まぁ別に隠すなとは言われてないから、大丈夫じゃないかしら」

 

「え、誰!?この人誰なの!?」

 

リサが彩に迫ると、彩は観念したように。

 

「えっとね、この京香さんの隣にいる人はね」

 

「「「「「いる人は?」」」」」

 

「みんなが知ってる、結城さんなんだ」

 

「「「「「・・・・・・・え?ええええええ!?」」」」」

 

「ちょ、ちょっと彩、冗談きついよ、え?これが結城さん!?」

 

「う、うん、そうなんだ。私も未だに信じたくないけど、この目で見ちゃってるから」

 

それを聞いた大半は肩を落とし、OTZ状態になり、蘭、友希那、リサ、美咲、花音、沙綾は再度確認したうえで、顔を赤らめていた。

 

 

ちなみに香澄、こころ、はぐみ、あこは。

 

「「「「結城さん??」」」」

 

っと、頭をコテンと傾けて、誰だか分かっていないという事態になっており、CiRCLE内は一種の地獄絵図になっていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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