要 結城の日常   作:テンツク

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50話

あの女装事件から日付が変わった今日、俺は今ミユの散歩に出ていた。まぁ散歩と言っても、俺の暇つぶしも兼ねている。しばらく歩いていると、どこぞの有名ハンバーガーチェーン店の前に着いた。

 

「そういや、全然こういうのも食ってねーな、久しぶりに買ってみるか。ミユ、少し待っててくれ」

 

「ミャ~」

 

ミユの返事を聞いた俺は中に入った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

中に入ってみると、お客さんも結構入っていた。まだ時間的にも早い方なんだがな。

俺は列になっているところに並び、自分の番を待った。その間に何を買うかを見ていると横から。

 

「良かったらこちらをご覧になられますか?」

 

そう言われて見てみると、そこに居たのは

 

「って、え、結城さん!?・・・失礼しましたーー!!」

 

いや、人の顔見ていきなり逃げ出すのはやめようね?知りあいではあるけど、一応お客さんだからね?彩ちゃん?しかし、よく見ると、レジにも知りあいがいるじゃん、こら花音、こっちを見てないで接客に集中しなさい・・・あら、良い笑顔。けどね、それは目の前にお客さんにしてあげなさい。

その隣でしっちゃかめっちゃかしているのはひまりだった。頑張ってるね。

彩は涙目でこちらを見ていた。

 

そうしてついに俺の番へと順番が来た。ちなみに花音の方のレジだ。

 

「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりでしょうか?お召し上がりですね。分かりました」

 

「こらこら、勝手に決めないの、持ち帰りだよ」

 

「え?」

 

俺が持ち帰りと伝えると、何故か花音は絶望した表情をしていた。いや、ダメなの?っておい、ひまり、彩、お前らもか。

 

「ごごごごご注文は、ななななにになさいいますか?」

 

「うん、一旦落ち着こうか」

 

花音を一旦落ち着かせた俺は注文をして、商品を受け取り店を出た。いや、君たちなんでそんな悲しそうな顔をしているんだい?ほらほら、まだまだお客さんいるんだからしっかりしなさいな。

 

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あの三人の悲しそうな顔が何度も頭をよぎるも、再び散歩を再開した。

 

あの店から少し歩いた所で俺は足を止めた。止まった場所は羽沢喫茶店の前だ。

 

「そういや最近、つぐみの店もあんまり行ってなかったな…行ってみるか。ここならミユも、もしかしたら入れるかもしれないからな」

 

そう言って俺は入り口を開け

 

「お邪魔しまーー・・・・したー」

 

俺はそっと入り口を閉めた。すると、

 

「「「ちょっと待った!」」」

 

中から勢いよく出てきたのは、そう、ひまりとモカ以外の三人だった。

 

「ゆ、結城さん、うちに用があって来たんですよね?どうぞどうぞ!ゆっくりしていってください!!」

 

「え?でも、俺、お邪魔だろ?俺の事は良いから、続きやってていいよ」

 

「「「もうやりませんよ!!」」」

 

「あ、そう?ならお邪魔しようかな、ミユも良い?」

 

「あ、はい!大丈夫ですよ!ミユちゃんもどうぞ!」

 

そう言われた俺は中に入り、席に着いた。

 

「ご注文は何にしましょうか?」

 

「そうだなーー、じゃあ、チーズケーキとコーヒーで」

 

「チーズケーキとコーヒーですね。少々お待ちくださいね」

 

そう言ってつぐみはカウンターの方に向かって行った。それを確認した俺は、残りの三人にさっきの事を聞いた。

 

「それで、さっきのは一体全体なんなんだ?」

 

「あれはですね、えっと、あはは」

 

「俺に言えないこと?」

 

「言えなくもないんだけど恥ずかしくて、な?蘭」

 

「うん」

 

「もう見ちゃってるから、今更じゃね?」

 

「「う!」」

 

そう、この子達が何をしていたのかと言うと、四人でお互いに胸を触りあっていたのだ。

 

「しっかし、お前らがあんな事するとは思わんかったな」

 

「「/////」」

 

「しかし、なんであんな事を?」

 

「もう良いか」

 

「巴?」

 

「もう打ち明けちまおうぜ、その方が後々楽だしさ」

 

「それもそうだね」

 

「なぜか、だったよね?」

 

「うん」

 

「それは、ひまりなんだ」

 

「ひまり?」

 

「ほらー、ひーちゃんって大きいじゃないですか?それで、その次に大きいのは誰だろー?って話になりましてー」

 

「それを確認するために、わざわざあんな事を?」

 

「「「「はい・・・・」」」」

 

「あはは、まぁ君たちもそういうの気にするんだな、あ、つぐみありがとう」

 

「そりゃあ、気にはなりますよ。ひまりのあれを見てると、ゆ、結城さんはど、どうなんですか?」

 

「俺?まぁ俺も男だからね、見るのは見るな」

 

「それじゃあ、ひまりみたいに大きいのが良いんだ」

 

「まぁ好きか嫌いかで聞かれれば、好きだが、俺自身はあんまり気にはしないぞ」

 

「それじゃーどこをー見てるんですかー?」

 

「そうだな、中身かな?性格、んで、顔の順番かな。胸はそこまでだな」

 

「じゃあ結城さんは胸の大きさはあんまり気にはしないんだ」

 

「ああ、蘭の言う通りだ」

 

それを聞いた四人は小さくガッツポーズをしていた。

 

「しかし、やるならつぐみの部屋でも良かったんじゃねーの?」

 

「「「「あ」」」」

 

「いや、気づいてなかったんかい」

 

「お客さんがいなかったから、考えてもなかった」

 

「て言うか、モカのせいだからな!?」

 

「えーー?あたしーー?」

 

「モカちゃんが、結城さんは胸の大きい人が好きって言ったから」

 

「あーー、確かに言ったかもー」

 

「おいこら」

 

「まったく、私達はただただ恥ずかしい思いをしただけだったな」

 

「「だね」」

 

「えーー?モカちゃん的には楽しかったよ~~?」

 

「「「モカ!/ちゃん!」」」

 

 

モカはあまり反省をしていない様子で、他の三人に言い詰め寄られていたのだった。

 

 






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