あの女装事件から日付が変わった今日、俺は今ミユの散歩に出ていた。まぁ散歩と言っても、俺の暇つぶしも兼ねている。しばらく歩いていると、どこぞの有名ハンバーガーチェーン店の前に着いた。
「そういや、全然こういうのも食ってねーな、久しぶりに買ってみるか。ミユ、少し待っててくれ」
「ミャ~」
ミユの返事を聞いた俺は中に入った。
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中に入ってみると、お客さんも結構入っていた。まだ時間的にも早い方なんだがな。
俺は列になっているところに並び、自分の番を待った。その間に何を買うかを見ていると横から。
「良かったらこちらをご覧になられますか?」
そう言われて見てみると、そこに居たのは
「って、え、結城さん!?・・・失礼しましたーー!!」
いや、人の顔見ていきなり逃げ出すのはやめようね?知りあいではあるけど、一応お客さんだからね?彩ちゃん?しかし、よく見ると、レジにも知りあいがいるじゃん、こら花音、こっちを見てないで接客に集中しなさい・・・あら、良い笑顔。けどね、それは目の前にお客さんにしてあげなさい。
その隣でしっちゃかめっちゃかしているのはひまりだった。頑張ってるね。
彩は涙目でこちらを見ていた。
そうしてついに俺の番へと順番が来た。ちなみに花音の方のレジだ。
「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりでしょうか?お召し上がりですね。分かりました」
「こらこら、勝手に決めないの、持ち帰りだよ」
「え?」
俺が持ち帰りと伝えると、何故か花音は絶望した表情をしていた。いや、ダメなの?っておい、ひまり、彩、お前らもか。
「ごごごごご注文は、ななななにになさいいますか?」
「うん、一旦落ち着こうか」
花音を一旦落ち着かせた俺は注文をして、商品を受け取り店を出た。いや、君たちなんでそんな悲しそうな顔をしているんだい?ほらほら、まだまだお客さんいるんだからしっかりしなさいな。
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あの三人の悲しそうな顔が何度も頭をよぎるも、再び散歩を再開した。
あの店から少し歩いた所で俺は足を止めた。止まった場所は羽沢喫茶店の前だ。
「そういや最近、つぐみの店もあんまり行ってなかったな…行ってみるか。ここならミユも、もしかしたら入れるかもしれないからな」
そう言って俺は入り口を開け
「お邪魔しまーー・・・・したー」
俺はそっと入り口を閉めた。すると、
「「「ちょっと待った!」」」
中から勢いよく出てきたのは、そう、ひまりとモカ以外の三人だった。
「ゆ、結城さん、うちに用があって来たんですよね?どうぞどうぞ!ゆっくりしていってください!!」
「え?でも、俺、お邪魔だろ?俺の事は良いから、続きやってていいよ」
「「「もうやりませんよ!!」」」
「あ、そう?ならお邪魔しようかな、ミユも良い?」
「あ、はい!大丈夫ですよ!ミユちゃんもどうぞ!」
そう言われた俺は中に入り、席に着いた。
「ご注文は何にしましょうか?」
「そうだなーー、じゃあ、チーズケーキとコーヒーで」
「チーズケーキとコーヒーですね。少々お待ちくださいね」
そう言ってつぐみはカウンターの方に向かって行った。それを確認した俺は、残りの三人にさっきの事を聞いた。
「それで、さっきのは一体全体なんなんだ?」
「あれはですね、えっと、あはは」
「俺に言えないこと?」
「言えなくもないんだけど恥ずかしくて、な?蘭」
「うん」
「もう見ちゃってるから、今更じゃね?」
「「う!」」
そう、この子達が何をしていたのかと言うと、四人でお互いに胸を触りあっていたのだ。
「しっかし、お前らがあんな事するとは思わんかったな」
「「/////」」
「しかし、なんであんな事を?」
「もう良いか」
「巴?」
「もう打ち明けちまおうぜ、その方が後々楽だしさ」
「それもそうだね」
「なぜか、だったよね?」
「うん」
「それは、ひまりなんだ」
「ひまり?」
「ほらー、ひーちゃんって大きいじゃないですか?それで、その次に大きいのは誰だろー?って話になりましてー」
「それを確認するために、わざわざあんな事を?」
「「「「はい・・・・」」」」
「あはは、まぁ君たちもそういうの気にするんだな、あ、つぐみありがとう」
「そりゃあ、気にはなりますよ。ひまりのあれを見てると、ゆ、結城さんはど、どうなんですか?」
「俺?まぁ俺も男だからね、見るのは見るな」
「それじゃあ、ひまりみたいに大きいのが良いんだ」
「まぁ好きか嫌いかで聞かれれば、好きだが、俺自身はあんまり気にはしないぞ」
「それじゃーどこをー見てるんですかー?」
「そうだな、中身かな?性格、んで、顔の順番かな。胸はそこまでだな」
「じゃあ結城さんは胸の大きさはあんまり気にはしないんだ」
「ああ、蘭の言う通りだ」
それを聞いた四人は小さくガッツポーズをしていた。
「しかし、やるならつぐみの部屋でも良かったんじゃねーの?」
「「「「あ」」」」
「いや、気づいてなかったんかい」
「お客さんがいなかったから、考えてもなかった」
「て言うか、モカのせいだからな!?」
「えーー?あたしーー?」
「モカちゃんが、結城さんは胸の大きい人が好きって言ったから」
「あーー、確かに言ったかもー」
「おいこら」
「まったく、私達はただただ恥ずかしい思いをしただけだったな」
「「だね」」
「えーー?モカちゃん的には楽しかったよ~~?」
「「「モカ!/ちゃん!」」」
モカはあまり反省をしていない様子で、他の三人に言い詰め寄られていたのだった。
羽乃 秦御さん☆9評価ありがとうございます!
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