要 結城の日常   作:テンツク

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88話

 

この日俺は姉貴に呼ばれて、姉貴のいる事務所へと向かっていた。

 

「たく、いきなり事務所に来いって、何考えてんだ?」

 

そう思いながら事務所へと歩いて行くと、事務所に入ろうとしたところで。

 

「あの、すみませんが、豊川京香さんの弟さんでしょうか?」

 

「はい、そうですが」

 

「あ、良かった、私はあなたをお迎えするように言われた者です」

 

「あ、それはどうも」

 

「いえ、それではこちらへどうぞ」

 

そう言って歩いて行ったので、俺はその後について行った。

 

 

 

 

事務所に入って少し歩いた所で。

 

「それではこちらで少々お待ちください」

 

「分かりました」

 

そう言って俺は案内された部屋に入った、すると。

 

 

カチッ

 

っと扉の方で音が聞こえたので、確かめてみると、どうやら鍵がかけられたようだ。

 

「マジかよ」

 

俺はとりあえず中に進んだ、すると。

 

「彩、お前こんな所でなにしてんだ?」」

 

「あ、お兄ちゃん!!」

 

そう言って彩は俺に抱き着いて来た。

 

「おっと、それで?何でここにいるんだ?」

 

「えっとね、マネージャーさんにこの部屋で待つように言われたんだ」

 

「そうか」

 

「お兄ちゃんは?」

 

「俺は姉貴に事務所に来るように言われてな、来たところで案内役の人にこの部屋を案内されてな」

 

「そうなんだ、それじゃあここでマネージャーさん待ってよっか?」

 

「その必要はないぞ」

 

「なんで?」

 

「多分来ないだろうからな」

 

「来ないの!?」

 

「さっき俺を案内した人が出て行った時にどうやら鍵を閉められたようでな」

 

「そ、そ、そ、それじゃあ、どどどどどうしよ!?」

 

「落ち着け、とりあえず何かねーか探すか」

 

そう言って部屋の中を探索しようとした瞬間。

 

『えーっと、あ、あ、あ、あ、あーーーー、大丈夫これ?繋がってる?OK?はーい、ゴホン!!今そこの部屋に居るはずの結城に彩ちゃん!・・・・・いるよね?ま、まぁ良いかな、えーーっと、それでは今から二人には協力しながら二人でその部屋から出てもらいたいと思います!ルールはいたって簡単!その部屋のどこかしらに問題が書いた何かしらがあるからそれを見つけて問題に答えてもらい、最後に脱出用のキーワードを答えてもらったら脱出成功よ、と言っても、問題もそこまで難しいものではないから大丈夫なはずよ、でも彩ちゃんだけだと心配だから、結城にも手伝ってもらうわね、あ、基本的には彩ちゃんが考えてね、結城は考えるのは良いけど、答えるのは無しで、どーーーしても彩ちゃんが分からなくて、イライラして暴れだしそうになったら答えてね、後が怖いから、ではそんな訳で、頑張ってねーー』

 

その声と共に、姉貴の声は聞こえなくなった。

 

「そんじゃまあ、その問題とやらを探しますか?」

 

「う、うん」

 

そう言って、俺達は部屋の中を物色し始めた、すると。

 

「あ、お兄ちゃん、これ」

 

「ん?金庫か」

 

彩が見つけたのは、小型の金庫だった。

 

「でもそれ番号分かんねーと開かねーから他も探すか」

 

「そうだね」

 

再び物色を再開したところで、本棚の所で、一枚の紙を見つけた。

 

「これか、おい彩」

 

「なに?あ!それだね!」

 

「そうだな、それじゃあさっそく」

 

そう言って俺達は、内容を確認した。

 

 

 

問題   数字を答えなさい

 

 

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っと書かれたいた、それにご丁寧に棚の上には鉛筆まで置いてあるとか、ほぼ答え言ってねーかこれ。

 

「ほれ考えなさいな」

 

「え!?え?お兄ちゃんも考えてくれるんじゃないの!?」

 

「一緒に考えたら意味ねーだろうが、それはさっき姉貴が言ってたじゃねーか」

 

「お兄ちゃん」

 

「おねが~~い~~」

 

「早くしようか?ん?」

 

「ごめんなさいごめんなさい、考えます、すみません」

 

「さっさとやれ」

 

「はい」

 

そう言って彩は考えにはいったので、俺は再度なにか無いか探し始めた。

 

 

 

 

 

~十分後~

 

あの後探したが、特に何もなかったので、彩の所に戻ると。

 

「おーい、そっちはどうだ・・・・って、なんでお前泣いてるんだよ」

 

「お”に”ぢゃ~ん”!!」

 

戻ってくると何故か彩がガチ泣きしていた。

 

「いや、どこに泣く要素があるよ」

 

「分がんないよ”~」

 

「ええー」

 

マジかこれは流石に分かると思うんだがな、しかたねーか。

 

「頭だけで考えねーで、そこにある鉛筆を使ってみな」

 

「・・・鉛筆?」

 

「そ、ほれ、早くしねーと帰る時間が遅くなっちまうぞ」

 

「・・・・うん」

 

俺がそう言うと、彩は再び考え始めた。

 

 

~十五分後~

 

 

「出来たーーー!!」

 

お、どうやら出来たみたいだな。

 

「出来たか?」

 

「うん!!これでしょ!!」

 

彩が見せてきた紙を見ると、正解の数字が浮かびだされていた。

 

「お、出来たじゃねーか、えらいえらい」

 

俺がそう言って頭を撫でてやると。

 

彩は嬉しそうに目を細めて、ゴロゴロ言いながら気持ちよさそうにしていた。

 

 

「さて、それじゃあ金庫を開けて、次のやつをやろうぜ」

 

「うん!!」

 

そう言って俺達は金庫の鍵を開けた、すると、紙が一枚入っており、その紙を見ると、問題が書かれていた。

 

「・・・なんじゃこりゃ」

 

「・・・なに?これ?」

 

問題は某四人の人の帽子の色当てのあれです。気になる方はG〇〇gl〇先生で調べてみよう。

 

 

この問題は俺も頭を唸らせた。

 

 

~二十分後~

 

 

・・・・・・・!!そう言う事か、なるほどな、これは彩にはちょいと厳しいかもしれんな、まあとりあえずは様子見ってところかな。

 

 

 

~三十分後~

 

あれ?あいつやけに静かだな、これだけ時間がかかるんなら泣いてこっちに来そうなのにな。

 

俺は気になって彩の方に行ってみると。

 

 

「・・・・・・zzzz」

 

 

・・・・・・寝てやがる、こいつ、考えてるかと思ったら寝てやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果だけ言えば、俺達は無事?に帰宅する事は出来た・・・・・が。

 

 

 

 

 

あの後彩を叩き起こして考えさせてやっていたら、結果。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱出するまでに三時間かかって部屋を出て、俺と彩は、俺を部屋に案内した人の運転で家へと帰った、その時に聞いた話しだが、姉貴と他のパスパレのメンバーは同室であまりにも遅いため、寝ていたと言う。

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