要 結城の日常   作:テンツク

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96話

 

再び歩き始めながら俺は一つの疑問が浮かんだ。

 

[あれ?そういや千聖の奴もだいぶ方向音痴だったはずだが]

 

『兄さん、それは気づいちゃいけないことよ』

 

「?紗夜、何か言ったか?」

 

「いえ、私は何も言ってはいませんが」

 

「そうか、それはすまんな」

 

[なんだったんだ?今のは、それより、目立ちたがりの彩に、迷子の花音に方向おn[兄さん?]・・・・おんt[お・に・い・さ・ん]・・・・・まともに買い物行けたのか?」

 

「お兄ちゃん、どうかした?」

 

「いや、少し疑問に思ってな」

 

「疑問?」

 

「ああ、お前ら三人で行って、買い物出来たのかと思ってな」

 

「えーーっと、あーーっと」

 

「どうした?」

 

「実はお買い物に行けてないんだよね」

 

「何でだ?」

 

「行こうとした時に、まずは私がバレちゃって」

 

「ああ、それで?」

 

「それで、それに気づいた千聖ちゃんが私と花音ちゃんの手を引いて、逃げたんですけど」

 

「ああ」

 

「安心できたと思ったら、次にそこがどこか分からなくて」

 

「ああ」

 

「しかも、花音ちゃんともはぐれちゃって」

 

「手を引かれてたのにか?」

 

「は、はい、それで元の場所に戻ることと、花音ちゃんと合流することをやろうとしたんですけど」

 

「ああ」

 

「結果的に、私と千聖ちゃんはさらにどこにいるのか分からなくんっちゃって、花音ちゃんも同じになっちゃって」

 

「ああ、予想がつくな、それで?どうやって合流したんだ?」

 

「えっと、私と千聖ちゃんはそこの近くのカフェとかに入って、花音ちゃんは美咲ちゃんに連絡を」

 

「ああ、なるほど(今度あいつに美味いもんでも食わせてやるか)それで?」

 

「それで、その後は美咲ちゃんも入れた四人でお買い物をしたんです」

 

「なるほどな、予想通りって訳か」

 

「ええ!?何でですかー!?」

 

「いや、だって、お前ら三人だしな」

 

「ええー!?ひどーい!」

 

「ひどくねーよ、そう思われたくなかったら、美咲に迷惑をかけないことだな」

 

「う!、はーーい」

 

そんなことを話していると、目的の場所に着いた。

 

 

「さてと、何処から見て行くよ」

 

「焼きそば!!」

 

「太るぞ」

 

「ガーーーン!!で、でも今日は良いの!!」

 

「はいはい、お前らも良いか?」

 

「「「はい」」」

 

そう言って俺達は店へと歩いて行き、並んでいると。

 

「どうした紗夜?気になるか?」

 

「え?あ、いえ、大丈夫です」

 

「・・・・・たく、ほれ」

 

「これは?」

 

「あれ食いたいんだろ?買ってきな」

 

「そ、そんな!私はべ、別に」

 

「ったく、今日ぐらいは人に甘えても良いんじゃねーか?いつもいつも気を張ってると、流石に疲れるだろうに、せめて今日ぐらいは羽を伸ばしても良いんじゃねーか?」

 

「・・・・・そうですか・・・・そうですね、分かりました」

 

「おう、行ってきな」

 

「はい!」

 

「あ、私も!」

 

「気を付けろよー」

 

「おじさん!焼きそば二つ!」

 

「あいよ!二つで五百円ねー」

 

「はい」

 

「あいよ、ちょうどねー、へいお待ち」

 

「ありがとー」

 

焼きそばを受け取った俺達は、紗夜と花音の元に向かった。

 

「買えたか?」

 

「はい、ありがとうございました」

 

「気にすんなよ、それで?どうする?先に店を見て回るか、それとも先にこっちを食うか?」

 

「もっと見て周りたーい!」

 

「私もー!」

 

「私もかな」

 

「みなさんに合わせます」

 

「そんじゃあ行くか」

 

そう言って、俺達は店をすべて見て回り、その店ごとに、いろいろ買ったりし、それをみんなで分け合って、食べたりして、時間が過ぎて行った。

 

 

ピンポンパンポーーン

 

『只今より、花火大会を行います、花火大会を、行います、ご覧になられる方は、、他の人のご迷惑にならないようにお気をつけてください』

 

ピンポンパンポーーン

 

「花火だって!!見に行こう!!」

 

「そうだね!!」

 

「うん!!」

 

「ええ」

 

「あいよ」

 

俺達は花火を見るために、案内板を確認し、花火が見えるとこに移動をした、結果的にはベストポジションでは見れず、少しだけ見いにくくはあるが、見えると載っていた場所に移動をして各々で花火を見て楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

時間は過ぎて行き、俺達は今家へと帰るために、来た道を戻っていた。

 

「楽しかったね!」

 

「はい!とっても楽しかったです!」

 

「あんな花火もあるんだね」

 

「そうですね、私も始めてみました」

 

女子達はさっきの祭りの事を言い合っていた、ちなみに花音が言っている花火は、何とクラゲの形をした花火の事だ、確かに俺も初めて見たな、あんなのどうやって作ってるんだ?

 

 

そんなことを思いながら歩ていると、どうやら紗夜の家に着いたようだ。

 

「お、着いたみたいだな」

 

「はい、今日はありがとうございました、とても楽しかったです」

 

「私も紗夜さんと一緒に行けて嬉しかったです!」

 

「私も!紗夜ちゃんと一緒にお祭りに行けてよかった!」

 

「私も嬉しかったな」

 

「皆さん・・・・・結城さんも、今日はありがとうございました」

 

「気にすんなよ、今日ぐらいはそう思ってもらわないとな」

 

「ふふ、そうですね、それでは私はこれで」

 

「「「バイバーイ!/さようなら!」」」

 

「おうじゃあな」

 

そう言って紗夜が家に入ったのを確認して、俺達は次のひまりの家へと向かって歩きだした。

 

 

 

 

 

続いてはひまりの家だ。

 

「あーあー、もう着いちゃった、もっと遊びたかったなー」

 

「怒られても知らねーぞ」

 

「う!わ、分かってるよー」

 

「「「ははは」」」

 

「もう!お二人までーー!」

 

「それがお前って事だ」

 

「むーー!まあいっか、それじゃあねお兄ちゃん!彩さんと花音さんも!今日はとっても楽しかったです!」

 

「「うん!私も」」

 

「そんじゃあ、行くな」

 

「うん!」

 

「「バイバーイ!」」

 

こうしてひまりを家に送り、次彩の番だな。

 

 

 

 

あれからしばらく歩き、今は彩の家の前に居る、あれ?俺ってここに来て良いのか?まあ良いか。

 

「今日はありがとうねお兄ちゃん!」

 

「おう、まあ楽しめたからこっちも満足だ」

 

「そう?えへへ、花音ちゃんもまた行こうね!」

 

「うん!」

 

「その時は美咲と麻弥を連れて行けよー」

 

「「もう!!」」

 

そんな感じで話をし、花音と二人で彩に別れを告げ、俺達は歩き始めた。

 

 

 

 

最後に花音を送っているのだが。

 

「どうした急に腕に抱き着いて来て」

 

「だって、今日は一回も抱き着いてないから」

 

「なんじゃそりゃ」

 

「うふふ、お兄ちゃんは気にしなくても良いよ」

 

「それこそなんじゃそりゃあ、おっと、着いたな」

 

「あ、ホントだね、今日はありがとうね、お兄ちゃん」

 

「気にすんな」

 

「うん、じゃあ気にしない、送ってくれてありがとう」

 

「おう、それじゃあ俺は行くな」

 

「うん、また何かあったら一緒に行こうね」

 

「ああ、気が向けば行ってやるよ、ニシシ」

 

「!!うん!!」

 

「じゃあな」

 

「うん、バイバイ!」

 

 

俺は花音の言葉を聞いて、家へと歩みだしたのであった。











みなさんにお聞きしたいことがございますので、もしもし良ければ、活動報告の方を見てもらえるとありがたいです。

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