【ラブライブ μ's物語 Vol.6】オレとつばさと、ときどきμ's × ドラクエXI   作:スターダイヤモンド

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ご注文は…うさぎです!

 

 

 

「…と言うことで…ビビアンジュさんとサイエリナさんが、仲間に加わってくれました」

 

オレが改めて2人をみんなに紹介すると

「でかしたぞ!さすがワシの孫じゃ」

とじいさんが、ハイタッチを求めてきた。

 

 

 

「私たちも、あのようなところで燻っているのは本意ではない」

 

「うふふ…『ツバサ』には悪いけど…私たちだけで『ワールドツアー』っていうのも、いいかな…って」

 

「どうしても私たちは『その他2名』扱いされてしまうからな…」

と自嘲気味にサイエリナさんは言った。

 

 

 

彼女たちは、日が落ちる前に『ネルセンの宿』に来てくれた。

必死にナンパした…いや、スカウトした甲斐があっったというもんだ。

 

 

 

「ちょっと、人数多くなり過ぎじゃない?」

 

セクシーコンビを連れて船に戻ったオレに、ベロニコさんは冷めた視線を投げ掛ける。

まぁ、想定内の事だ。

 

「この際、仲間はひとりでも多い方がいいですから」

と、もっともらしい反論を一応してみる。

 

「でもニコちゃん、アリスさんを除けば、これで9人でしょ?セーニャはこの人数、なんとなく落ち着くけどなぁ」

 

「そうでしょうか。無理にその数に合わせる必要も無いと思うのですが…」

 

ウミュのこんなセリフも、なんとなく想像できた。

 

「まぁまぁ、ウミュ殿…ワシには、なんのことかわからんのじゃが…こうして仲間となったんじゃ、みんなで力を合わせようぞ」

 

今まで、こういうことに関しては『アウェイ感満載』だったんだが、幸か不幸か理解者が増えた。

正直、それがこの先、吉と出るか凶と出るか…は読めないとこではあるが…今はじいさんの力を借りるとしよう。

 

「受け入れるか、受け入れないかは…リサトさんの態度次第です!!」

 

「なんでだよ!?」

 

「2人の見る目が破廉恥です」

 

「そ、そんなことないって…。純粋に戦力としてだな…っていうか、それを言うならオレよりもそこのじいさんの方が、よっぽど怪しいだろ」

 

「な、なにを言う!姫の見てる前で、そのようなことはできんじゃろが」

 

「見てなければするのですか?」

 

ウミュの鋭いツッコミ。

 

「うっ…い、いやぁ…その…言葉の綾じゃ…」

 

「とにかく、破廉恥なマネはしないでくださいね」

 

「も、もちろんじゃ…」

 

「あ、あぁ…」

 

ウミュは…心配事が2倍になりました…と呟き、大きなため息をついた…。

 

 

 

 

 

数日後、外海(そとうみ)に出る為の重要ポイント『ソルティコの街』に到着した。

 

オレたちは2度目だが、あとから仲間に加わったメンバーは、初訪問みたいだ。

カジノがあるリゾート地と聴いて、彼女たちは少し嬉しそうにしている。

 

それとは別に…ウミュは

「わ、私はおとなしくしています」

と言って、遠くを見た。

 

「それね、アンタは確かにおとなしくしてた方がいい」

 

「う、うん…そうだね」

 

ベロニコさんとセーニャさんは、苦笑しながら頷いた。

 

やはり前回の滞在で、散財してしまったことを、相当悔いているようだ。

 

 

 

すると今度は、街に着くなりシルビアが

「別件で用があるから…またあとで」

とオレたちに告げきた。

 

やはり、ヤツとこの街の間には、何かしらの謎があるらしい。

 

「前回もそんなことを言って、船を降りなかったじゃん」

 

「放っておいて!アタシにはこの街の空気が合わないのよ…」

 

「空気が合わない…ねぇ…」

 

 

 

「シルビア殿…」

 

それを聴いていたじいさんが話し掛ける。

 

 

 

「は、はい!?」

 

 

 

「ひょっとして…お主…『ジエ…』」

 

 

 

「待って!それ以上言わないで!!」

 

 

 

「…」

 

 

 

「ロウちゃん…まさか…アタシのことを…」

 

「いや…直感じゃよ。伊達に長生きはしておらん…」

 

「そう…」

 

「噂は聴いておったが…ふむ…そうじゃったか…」

 

「お願い、黙ってて!」

 

「…」

 

「時期が来たら、自分の口からちゃんと話すわ」

 

「…ふむ…仕方あるまい…承知した…」

 

「ありがとう、恩に着るわ!」

 

「その代わり…」

 

「『ムフフ本』をくれっ…て言うんでしょ?」

 

「なぜ、わかった!」

 

「『オンナ』の直感よ!」

 

「ほほう…これは一本取られたわい」

 

「いいわ、わかった。そのくらいお安い御用よ」

 

「うむ…宜しく頼む」

 

「じゃあ…またあとで!」

 

言うが早いか、ヤツは船を降りると、あっという間に街の中に姿を消してしまった。

 

 

 

「じいさん…シルビアと知り合いだったのか?」

 

「その前に、なんの約束してるのよ!」

 

「ベロニコ殿、そこは流してくだされ…」

 

彼女は両手を広げて、呆れたという顔をした。

 

 

 

「で、シルビアは何者なんだい?」

 

「さぁ…正直、ワシも…今の今まで、何者なのかは知らんかったのじゃ」

 

「はぁ?」

 

「だが、この街の噂で思い当たることがあってな…もしやと思い訊いてみたら…図星だったということじゃ」

 

「この街の噂?…」

 

 

 

…何かあったっけ?…

 

 

 

「なぁに、彼にも色々、あるのだろう。そのうちわかるじゃろうて…それまでは、ソッとしておいてあげるがよい」

 

「なんだよ、もったいつけて…」

 

「安心せぇ…決して悪いヤツじゃない」

 

「それはわかるけど…」

 

「それより、しばし、このひと時を満喫しようではないか。ワシは腹が減ったわい。ちょっと食事に行ってくる」

 

「私も一緒に行こう。せっかくだから『地』の物を食してみたい」

とサイエリナさん。

 

「うむ、ここのワインは美味いと評判じゃからな」

 

「ふ~ん、それは楽しみね」

 

ビビアンジュさんは、妖しく微笑んだ。

この人は…アル中…では無いと思うのだが…相当、飲むのが好きらしい。

 

「…他の者は?」

 

「では、私もご一緒いたします」

 

ウミュも手を上げた。

 

 

 

…そりゃ無難だ…。

 

 

 

カジノに興じるわけにはいくまい。

 

 

 

「では、行ってくる」

 

「おかしなマネするんじゃねぇぞ」

 

「ウミュ殿が一緒じゃ」

 

「あぁ、そりゃそうだ」

 

「私は監視人ですか!!」

 

彼女はそう言いながら、じいさんたちと食事に出掛けた。

 

 

 

「セーニャさんたちは?」

 

「アタシたちはショッピングに行ってくるわ」

 

「ショッピング?」

 

「この間来た時、すごくお洒落なお洋服があったんだけど、買いそびれちゃって!」

とセーニャさん。

 

「お洋服?…そっか、この世界でもセーニャさんは、そういうのに興味があるんだ」

 

「ふん!本来μ'sのファッションリーダーと言えはアタシのなんだけどね」

 

「そうだよね。ニコちゃんのファッションは独創的だもんね!」

 

「…バカにしてるでしょ?」

 

「…ん?う、売り切れちゃうといけないから、早く行こう!」

 

そう言うとセーニャさんは、ダッシュでここから立ち去った。

 

「逃げたわね!」

 

そのあとをベロニコさんが追いかけていく。

 

 

 

「うふふ…」

 

「エリティカさん?」

 

「あ、ごめんなさい。ちょっと新鮮だったから」

 

「新鮮?」

 

「『向こうの世界』だと、衣装を作ってるとき以外、あんまり2人でいるのを見たことがなくて」

 

「そうなんですか?」

 

「…とか言って、私もことりと2人きり…とか、にこと2人きり…なんてことは、ほとんどなかったけど…」

 

「はぁ…」

 

「もっと上手にコミュニケーション取れてれば…って今さらながら、思うことがあるわ」

 

「へぇ…そんなもんですかねぇ…」

 

「それより、私、カジノに行ってみたいんだけど…」

 

「えっ?」

 

「生まれてから1回も行ったことないの…付き合ってくれる?」

 

 

 

…そういえば…前に海未ちゃんから聴いたことがある…

 

…確か、帰国子女だったから、昔は日本の文化に馴染んでなくで、意外に浮世離れしてたって…

 

…ハンバーガーすら、高校の時分に初めて食べたとかなんとか…

 

 

 

…まぁ、帰国子女であろうがなかろうが、カジノはあんまり関係ないけど…

 

 

 

「えぇ…いいですけど…」

 

 

 

 

 

「…って、メッチャ強いじゃないですか!」

 

彼女がカジノで遊んだ結果は…爆勝だった。

 

 

 

最初こそ『目の保養』と称し、店内で働くバニーガールのおねえちゃんを眺めていたオレだったが、彼女のその派手な勝ち方に周りの客がざわつき始め…次第に騒然としてきたのを受け、マネージャーの如く、勝負を見守った。

オレも落ち着いてはいられない。

 

ルーレット、ポーカー、スロット、バカラ、ジャックポッド…何をやっても『エスパーじゃないか?』っていうほど、引きが強い。

 

ディーラーが

「エリティカ、半端ないって!もう…」

というレベルである。

 

その勝ちっぷりを聴きつけて集まってきた店員たちは「イカサマでもしているんじゃないか」…と怪しんでいるようだった。

いや、事実、このオレもそう思ったくらいだ。

 

あまり『事が過ぎる』と、トラブル…面倒なこと…になりそうなので、適当なところで、彼女を諭し切り上げることにした。

それでも充分過ぎるコインを手に入れたのだが…。

 

 

 

「ビギナーズラックだわ。初めてボウリングをやったときも、パーフェクトが出ちゃったし…そういう運はあるみたい」

 

「うひゃ!ボウリングでパーフェクト!?…いやいや、それはもう、実力か才能か…ですよ…」

 

「そうなのかしら…」

 

「マグレで、それはできません…」

 

 

 

…ちなみにオレはAve. 180くらい…

 

…過去最高が263…

 

…結構、上手い方だと思っていたんだけど…今後、このスコアじゃ自慢はできないな…

 

 

 

…少なくとも、絵里さんとのデートする時は、ボウリングに誘うのはやめておこう…

 

 

 

「…それで、集めたコインはそうすればいいのかしら」

 

「えっ?…あ、あぁ、これは…そこの景品交換所で…。これだけあれば、色々なものに換えられますねぇ」

 

「何がいい?」

 

「やっぱ、武器か防具がいいと思いますけど…。でも案外、こういうとこに置いてある『アイテム』もバカにできないんですよ…」

 

「じゃあ『新しいクロー』はあるかしら」

 

「クローは…なさそうですね…って…ちょっと待ってください…」

 

「どうかした?」

 

「オレに目に間違いがなければ…あそこに『バニーガールセット』って書いてないですか?」

 

「あるわね…」

 

「バニーガールセット…バニーガールセット…」

 

 

 

…なんだっけ?…

 

…このキーワード…なにかあったような…

 

 

 

「?」

 

 

 

…思い出した!!…

 

 

 

「あぁ!!」

 

 

 

「ちょっと!急に大きな声を出さないでよ!!」

 

 

 

「これにしましょう!バニーガールセット!っていうか、これにしてください!!」

とオレは半ば強引に、コインをそれに引き換えた。

 

 

 

「な、なに?」

 

「それで、急ぎ、これに着替えてください!」

 

「えぇ!?どうして、私が?」

 

「エリティカさんじゃなきゃ、ダメなんです」

 

「私じゃなきゃ?」

 

「訳はあとで話します!でも決してエロいことが目的じゃないですから!」

 

「本当に?」

 

「いや、したいのはしたいですけど…それはそれとして…人助けだと思ってお願いします!!」

 

「…はぁ…そこまで言うのなら仕方ないわ……」

 

「サンキューです!」

 

さすがエリティカさん!

ウミュと違って、理解力がある。

彼女であれば、どんなにお願いしても、決して承諾してくれないであろう。

 

 

 

 

 

「…着替えたわ…でも…いくらここがリゾート地だからって、いきなりこんな格好をさせて…」

 

 

 

「わお!!」

 

 

 

…これじゃエリティカさんじゃなくて…エロティカさんだよ…

 

 

 

その衣装の…想像以上の破壊力…に、理性が抑え切れなくなる。

 

 

 

「ちょっと、大丈夫?フラフラしてるみたいだけど」

 

「大丈夫じゃないかもしれません。今、自分自身と必死に戦ってます」

 

「?」

 

「い、いえ…確か…『これからのSomeday』の海未ちゃんも、白ウサギの衣装だったと思うんですけど…色っぽさが…その…全然違います」

 

「いいの?そんなこと言っちゃって?」

 

「もちろん、内緒でお願いします」

と言うと、彼女はクスッと笑った。

 

「『これからのSomeday』は私と希が入る前の曲ね。あれは『不思議の国のアリス』がモチーフだったんじゃない?」

 

「残念です。絵里さんがその格好で歌ってる姿を見たかったです」

 

「ありがとう…」

 

彼女は顔を赤くした。

 

 

 

「それで、どうすればいいのかしら?」

 

 

 

「すみません。会わせたい人がいるんです」

 

 

 

「会わせたい人?」

 

 

 

「はい。ちょっと浜辺までお願いします」

 

 

 

「えぇ!?」

 

 

 

 

オレは少し強引に彼女の手を引っ張って、海岸まで歩いて来た…。

 

 

 

 

 

~to be continued~

 

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