【ラブライブ μ's物語 Vol.6】オレとつばさと、ときどきμ's × ドラクエXI   作:スターダイヤモンド

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アイテム発見!

 

 

 

「ここが『グロッタの街』?…まるで要塞だな…」

 

「バンデルフォンも、このユグノアも、魔物によって王国が滅ぼされたと聴きました。ですから…外敵から守るため、必然的にこのような強固で高い外壁を築いたのではないかと…」

 

「ウミュちゃんに全部言われちゃったわ」

 

「あ…すみません」

 

「ううん…。でも、もうひとつだけ付け加えると…ここはその意識が特化した街なのよ」

 

「その意識が特化した街…ですか?」

 

「世界中の腕自慢が集まる街なの」

 

「どういうことだ?」

 

「ふふふ…入ってみればわかるわ」

 

シルビアは不敵な笑いを浮かべながら、街の中に入っていった。

 

 

 

門をくぐると、まず目に付くのが、どデカイ銅像だ。

 

 

 

…ん?…

 

…コイツ…

 

…見たことがあるぞ…

 

 

 

「あれは?…」

 

「デルカダールの二大英雄…ホメロスちゃんと並び称される『グレイグ』ちゃんよ!」

 

 

 

…やっばり、あの城で見たヤツか…

 

 

 

シルビアは『ちゃん付け』で呼んだが、ホメロスとは違い、あごヒゲを蓄えた、そこそこのオッサンだ。

 

「なかなかシブいでしょ?」

 

 

 

…アリスといい、このグレイグといい…

 

…シルビアはこういうヤツらが趣味なのか?

 

 

 

「一本スジの通った、昔気質の騎士で、ユグノアを襲った魔物を蹴散らして王を救ったことから、この街では英雄って讃えられてるの」

 

「シルビアさん、随分、詳しいのですね」

 

「あら、やだ、ウミュちゃん…ネルセンの宿屋で聴いた話よ…」

 

「…そんな奴が、デルカダール王の手下?」

 

「リサトちゃんは勘違いしてるかもしれないけど…デルカダールの国王も、悪い人じゃないの。それは国の繁栄を見てもわかるでしょ?」

 

「では、何故リサトさんを悪魔の子などと…」

 

「そこが最大の謎なのよね…。何か心変わりがあったんじゃないかと思うんだけど…」

 

「その誤解を解くことが、この旅の目的のひとつ…」

 

「そういうこと!」

 

 

 

「ねぇねぇ、リサト!こんなの配ってたんだけど…」

とベロニコさんが、チラシを持ってきた。

 

 

 

「『仮面武闘会』?」

 

 

 

「そう、それがこの街の最大の『ウリ』なのよ!」

 

「すまん、シルビア…話が見えない…」

 

「つまり、街全体が魔物から逃れるため、強さを求めていくうちに…世界中から腕っぷしの強い者たちが集まってきた…ってワケ」

 

「へぇ…」

 

「そうこうしてるうちに、開催されるようになったのが…」

 

「この仮面武闘会?」

 

うん、うん…とシルビアは頷いた。

 

 

 

…なるほど…

 

…つまり、ドラゴンボールに出てきた『天下一武道会』みたいなものか?…

 

 

 

「『仮面』ってあるけど?」

 

「これは私の推測だけど…その昔は荒くれ者たちも多く参加してたみたいだし、素性を隠したい人も多かったんじゃないかと思うの。その名残じゃないかしら?今は逆に自分をアピールして、存在価値を高めよう!って人たちばかりだから、顔を隠す必要はないんだけどね…」

 

「ふ~ん…」

 

「まぁ、仮面を被ることによって、普段とは違う自分になれるって効果もあるんじゃない?」

 

「あぁ、それはあるかも…」

 

 

 

オレたちがそんな話をしていると

「リサトさん!あれぇ!」

とセーニャさんが叫んだ。

 

 

 

「どうしました?…あっ!…」

 

 

 

「虹の枝!?」

 

セーニャさんが指差したその先…とある建物のディスプレイ…に探し求めていたものが飾られていた。

『仮面武闘会 優勝賞品』と書いてある。

 

 

 

「優勝賞品が…」

 

「虹の枝…」

 

 

 

「こんな形で遭遇するとはね…」

 

ベロニコさんは驚いた…というよりは呆れた…といった表情をしている。

それはそうだ。

世界を救う重要なアイテムが、それとはまったく関係のない、不特定多数の誰かの手に渡る状況にあるのだ。

利用方法を知らない人間のコレクションとなれば、一生お蔵入りである。

二度と世に出てこないだろう。

 

 

「商人が売ったのでしょうか?」

 

「もしくは、この賞品にすることが元々の目的だったか…」

 

「どっちでもいいけど…ってことは、この流れからすると…オレがそれに出場して優勝しろ…ってことだな」

 

「そうなるわね」

 

「でも、リサトさん…1人じゃ出場できないみたい…」

とセーニャさんがチラシを見せる。

 

「『タッグマッチ』?…2人ってことか…」

 

 

 

…って、言ってもなぁ…

 

…ベロニコさんとセーニャさん…ってワケにもいかないし…

 

…ウミュも、接近戦はそれほど得意じゃないし…

 

 

 

…じゃあ、シルビアと…か…

 

…こんな時、アリスなんかは力になりそうなんだけどなぁ…

 

 

 

「リサトちゃん!『ペアはくじ引きによって決定』って書いてあるわよ」

 

「くじ引き?」

 

「エントリーした参加者を、ランダムに組み合わせる…ってことね」

 

「つまり、優勝できるかどうかは、相方次第…ってことか…」

 

「ふふふ…なかなか面白いじゃない!」

 

「ん?アンタも出るつもり?」

 

「当たり前じゃない!運が良ければ、リサトちゃんとペアになるかも知れないでしょ?」

 

「それはそうだけど…」

 

 

 

…そうじゃなければ、敵として闘うことになるかも…

 

 

 

「リサト、もうひとつ気が付いたことがあるんだけど…」

 

「なんですか?ベロニコさん」

 

「2位の賞品…」

 

「ニコちゃん、これって…オーブ?」

 

「間違いないわ。『イエローオーブ』よ!…まさか、こんなところにあるはねぇ…」

 

本日、2度目のセリフだ。

 

 

 

『6色のオーブ』という神器は、世界を救う『命の大樹』に辿り着く、重要なアイテムだ。

 

言い忘れていたが…そのうちのひとつ…『レッドオーブ』…をウミュが持っている。

当時はその利用方法まではわからなかったらしいが、ウミュが言う『神のお告げ』により、デルカダールに備えられていた『秘宝』を盗み出したんだとか。

それがバレて投獄されていたのだが「オーブをどこに隠したか」は吐かなかったらしい。

そのあとオレと出会い、脱獄して…『紆余曲折』はあったものの、今、それは手元にある。

 

もちろん、その紆余曲折にはオレも関わっていて…ウミュに頼まれてオーブの回収は手伝ったものの、それまでの経緯については詳しく知らされてなかった。

その真相…投獄されていた理由…は、ネルセンの宿屋からここに向かう途中で、初めて聴かされたのだ。

 

 

 

「2つ目がここに?…これで虹の枝と併せて…一挙両得ってヤツだ」

 

「…違うわ、リサト…問題発生よ…」

 

「ベロニコさん?」

 

「両方を手に入れる為には、2チームが決勝に残る必要があるってこと」

 

「そうですね…」

 

「あっ!なるほど…そういうことか…。こりゃあ、なかなか難儀な挑戦…ってことになりそうだぜ…」

 

ようやく見つけたアイテムを目の前にして、オレたちは高い壁にぶち当たった。

 

 

 

 

 

~to be continued~

 

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