「あ、おはよー」
「朝から会うなんて珍しいね。 ……っていうか、昨日はお疲れ様」
「何のことかって? そんなの昨日のスタジオのことに決まってるじゃん。うちのこころが毎回毎回すみません……」
「もう慣れたから平気? ……いや、つまりそれって慣れるほど迷惑かけたってことだよね……ほんとごめん……」
「……ありがと。今度何かしら奢るよ……」
「ん、楽しみにしてて。 ……そういえばさー、あんたっていつも朝このくらいの時間にここ通るの?」
「ふーん、そうなんだ……」
「別に? なんとなく気になったから聴いただけだよ、ほんとに」
「じゃあ私こっちだから! またスタジオで」
「……いつもこの時間か〜。……頑張って起きよ」
「こんにちはー。 ……ってあんたか」
「あぁうん、ハロハピとしての練習はもうちょっと後からだけど、その前に自分の練習しとこうと思って」
「えー、そんなに驚くこと?」
「……それはまぁ、ちょっと思ったけど。 あたしらしくないなー、とは。」
「でも、さ。 ……あたしは決めたから。 こころの御伽噺に、もう少しだけ付き合うって。……だからまぁ、少しぐらいは頑張ろっかなーって、思ったワケですよ」
「……ありがとう。 ……さーて、それじゃあいっちょやりますかー」
「ぷはぁ。……やっぱミッシェルになるのは疲れるなー」
「あ、お疲れ様ー」
「え、差し入れ?……じゃあありがたくいただきます」
「んっ……やっぱりコーヒーはブラックが1番だよね」
「えぇー、そう? 私は甘いのそんなに好きじゃないからなー……」
「ふーん、甘党なんだ。……いやまぁ、別にどうでもいいんですけど」
「うん、もう帰るところ」
「わかった。 じゃあ待ってるから一緒に帰ろ」
「それじゃ帰ろっか」
「今日はどうだったか? 大変だったよホントにもう……」
「あの3馬鹿が好き勝手やるからさー……花音さんと私で頑張るけど手に負えなくて」
「ん、ありがと」
「それでまたこころが『新しい曲を作りたいわ!』とか言い出してさー……」
「そう、こころのアイデアを曲にするあの作業が待ってるってことなんですよ」
「大丈夫大丈夫、そんなに無理はしないって」
「……本当だって。……ありがとう、心配してくれて」
「……ていうか、なんかあたしばっかり愚痴言っちゃっててごめん」
「……あたしの楽しそうな顔が見れたからいい? ……はぁ?! 何言ってんの?!」
「そういうところ!」
「何がって? ……とにかく、そういうところ!」
「じゃああたしこっちだから!」
「……話聞いてくれてありがと。……それだけ」
「いきなり変なこと言わないでよもう……心臓が保たないじゃん……」
「って、こころ?! 先に帰ったんじゃなかったの?!」
「後を尾けてたっていつから?! ……最初から?!」
「してない、そんな女の子の顔なんかしてないから!」
「だーっ、忘れて!忘れてくださいこころさん!」