奥沢美咲√   作:こつめ

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奥沢美咲√②&③

「はいはい、また明日ねー、こころ」

 

「……まったく、こころの元気はどこから来てるんだか……」

 

「……あ、おつかれさまー」

 

「うん、こころと帰ってたところ。 そっちは?」

 

「そっか、そっちも学校帰りなんだ」

 

「今日もバイトあるの?」

 

「あ、今日は無いんだ。そっか」

 

「…….なら、あのさ。……その、一緒に帰らない?」

 

 

 

 

 

「…………」

 

「……えっと」

 

「最近、急にあったかくなってきたよね」

 

「そうそう、この間まで雪が降ってたのにさ」

 

「ミッシェル的には、中もあったかいから寒くても平気なんだけどね」

 

「うん、ただ、あったかくなるとあいつらが元気になるからさー……」

 

「そう、雪が積もると逆に元気になるけど、そこまでじゃなければ大人しくなるから……」

 

「まぁ、最近はちょっとずつ、あいつらのことも分かるようになってきたけど」

 

「なんやかんや、もう1年近く一緒にいたからね……」

 

「……そっか、あんたともそれくらいか」

 

「……ありがとね、色々」

 

「分かってるから。あたし達のライブを成功させる為に、あんたが頑張ってくれたこと」

 

「大したことじゃない? ……そんなわけない。大変だったに決まってるじゃん」

 

「他の人が誰も見てなかったとしても、あたしはちゃんと見てるから」

 

「だからさ」

 

「もうちょっとくらい、あたしを頼ってよ」

 

「ね?」

 

「……ん」

 

「……な、なんか変なこと言っちゃってごめんねー! あいつらに当てられたからかなー!」

 

「お礼とかご飯でも奢ってくれればそれでいいし! ……なんて」

 

「……え、ホントに?」

 

「……ご飯のついでに映画でも、ってそれは、あの」

 

「イヤとかじゃなくて! 絶対行くから!」

 

「……あ、うん、えっと。……あたしも、楽しみにしてる」

 

「……そ、それじゃあたしこっちだから! またね!」

 

 

 

 

 

「…………」

 

「……デート……」

 

「…………」

 

「……っ!」

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

「……流石にまだいないかー……」

 

「……なんでこんな早く来ちゃったんだろ、あたし」

 

「絶対そういうキャラじゃないと思ってたんだけどなー……」

 

「……この格好、変じゃないよね?」

 

「うわぁ! い、いつからそこに?!」

 

「今来たとこ? な、ならいいけど……」

 

「や、あたしも今来たところだから、うん」

 

「え、やっぱり変……かな」

 

「似合っててかわいい……?そ、そっか。……ありがと」

 

「ん、そうだね。行こっか」

 

 

 

 

 

「映画なんて久しぶりだなー……」

 

「うん。前は時々1人で観に行ったりとかしてたんだけど、最近は忙しくてねー」

 

「どういうのが好きか? んー……わりと何でも見るよ」

 

「アクションから恋愛モノまで、ミステリーとかも見るし」

 

「あー、でも強いて言えば、ハッピーエンドのやつが好きかな」

 

「だって折角フィクションなんだから、ハッピーエンドの方がよくない?」

 

「わざわざ作りものの世界に辛いこと持ち込まなくていいじゃん、って思っちゃう」

 

「流石ハロハピ、ってそれ褒めてる?」

 

「……まぁいいけど」

 

 

 

 

 

「……はー……」

 

「……なんかさ、映画が終わった後の、現実に戻ってくる感じって、ちょっと切ないよね」

 

「やっぱりあるよね、あの感じ」

 

「とりあえずもうお昼だし、どっか入ろっか」

 

「何にするー?」

 

「あたし? あたしは何でもいいよー」

 

「どれどれ……パスタのお店か。 うん、いいよ」

 

 

 

 

 

「あたしはこのカルボナーラで」

 

「はい、お願いしまーす」

 

「……ん、映画の感想? そうだなー……やっぱり流石、って感じだったよね」

 

「そうそう、細かいところまで作ってあって」

 

「ね、あのシーンおもしろかったよね」

 

「ラストもさー……あ、料理来たみたい」

 

「おー、おいしそう」

 

「それじゃあ……いただきます」

 

「……ん、おいしい」

 

「そっちもおいしい? ならよかった」

 

「……あ、あのさー……その、もしよければなんだけど」

 

「お互いの、ちょっとずつ交換しない?」

 

「いいの? ありがと」

 

「……うん、こっちもおいしいね」

 

「……ふふっ」

 

 

 

 

 

「ありがとね、買い物付き合ってくれて」

 

「フェルトの材料ちょうど切らしちゃっててさー……」

 

「そうそう、ちょくちょくやってるの」

 

「最近は妹だけじゃなくこころとかにも作ったりしてるかな」

 

「んー、ミッシェルとか作ったこともあるし、色々かな」

 

「……そのうち」

 

「そのうち、あんたにもなんか作るかも」

 

「……あ、あんまり期待しないどいて」

 

 

 

 

 

「今日は、誘ってくれてありがと」

 

「楽しかったよ、ホントに」

 

「映画もおもしろかったし、ご飯もおいしかったし」

 

「買い物にも付き合ってもらっちゃったし」

 

「……その、さ」

 

「また、誘ってね。 ……待ってるから」

 

「そ、それだけ! じゃあね!」

 

 

 

 

 

「……あーもう何言ってんだろあたし……」

 

「待ってるから、とかさー……」

 

「……いや、うん、楽しかったって言ってたし、うん」

 

「……つぎ、あるといいな」

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