「ごめん、おまたせ!」
「今来たとこ?ならよかった」
「今日はわざわざ来てくれてありがとね」
「いきなりこころが『みんなでお花見をしたいから各自でお花見できそうな場所を探してきて! 』とか言い出すからさー……」
「一緒に探してくれるって言ってくれて助かったよ」
「まだ花見とかしてなかったから丁度よかった? ……うん、それでも来てくれてありがと」
「それじゃあ、ぼちぼち行きますかー」
「まぁ、探すっていってもこの近所だけなんだけどね」
「でも意外に色んなところにあるからね、桜って」
「去年? 去年は、ハロハピみんなでってわけじゃなかったんだけど、こころの家で花見をしたよ」
「なんか気づいたら花女の1年組ですることになっててさ……」
「……まぁ、大変だったよ、色々……」
「……はは。どうせ今年も大変になるんだろうけどね……」
「川沿いの桜が満開なの? じゃあちょっと行ってみよっか」
「あたしこの辺は最近来てなかったからなー」
「……わ、ホントだ。 満開になってる」
「……綺麗だねー……」
「……」
「……ありがと、ここ教えてくれて」
「……ん」
「あと見てないのは学校の方とか?」
「じゃあ次はそっちの方に……って、あれ」
「うわ、急に雨降ってきた!」
「とりあえずどっか雨宿りできるとこに……」
「……え、うわ、ちょっと!」
「アーケードか……確かにここなら屋根付いてるし濡れないか」
「……とりあえず、あの……手、もう大丈夫だから……」
「いや、全然平気だから、そんな謝んないで、うん」
「……最初は、ちょっとびっくりしたけど、別に……その、イヤとかじゃ、ないから」
「……えっと、どうしよっか」
「この雨じゃ桜を見るってわけにもいかないとして、どうやって帰ろう……」
「すぐ止むのかなーこれ……」
「……え、折り畳み傘ならある?」
「それじゃ、えっと……お邪魔します?」
「そっち濡れてない? こっちは割と平気だから、もっとそっち向けていいよ」
「そう? ならいいけど……」
「……」
「……近いね」
「……」
「……あのさ」
「……こういうこと、誰にでもするの?」
「……こうやって一緒の傘に入ったりとか、その、さっきみたいに……手、繋いだりとか」
「……誰にでもはしない?……そ、そっか」
「……」
「……あ、雨、止んでる……」
「……ありがとね、傘」
「……えっと」
「あたしも、花見とか、誰とでもよかったわけじゃなくて」
「一緒に見たかったから、誘った、ので」
「だから、その……」
「あたし、あんたのことが、」
「あら、美咲じゃない! 奇遇ね、こんなところで会うなんて!」
「こ、こころ?! なんでここに?!」
「楽しいことを探していたら、2人を見かけたらよ! それで、2人は何をしてたの?」
「あ、ちょっと、それは」
「……お花見? 私はそんなこと言ってないわよ? 」
「でもいい考えだわ、美咲!ぜひやりましょう! こうしてはいられないわ、私もいい場所を探しに行かなきゃ! それじゃあね!」
「……行っちゃった」
「……えと、これは、その」
「……違う! いや、違くないけど、とにかく違うから!」
「違うって言ってるじゃん! そんな顔しないでよ、もう!」