貴様にも味あわせてやる!ゲッターの恐ろしさをな!!【本編完結】   作:小此木

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物数寄のほね様、望月様誤字報告ありがとうございました。


第9話

 

 

 

「実に興味深いロボットである。この吾輩でも『人が乗り込むと云う前提が無ければ』少しは近づける事は可能であるが…いかんせん、パイロットを人外に限定しても実用しようとは思わないレベルのロボットであるな。」

「オイオイ、乗ってる私の前で良くそんな事が言えるな。」

「だから言っているであろう、神隼人!このロボットに乗れる時点で人外決定だと!!」

 

此処は覇道財閥が保持している超大型倉庫。ドクターウエストは先の戦闘で傷ついたデモンベインを修理し、隣で隼人が各ゲットマシンの点検を行っていた。それを見ていたドクターウエストからの正直な感想が、先程の言葉だ。

 

「おーい、隼人!点検終わったか?」

「竜馬か。点検で問題は見つからなかったぜ。ま、無傷で楽勝だったしな。」

 

隼人の言葉通り、先の対戦でゲッターはアンチクロスの魔術師が駆る鬼械神(デウス・マキナ)に無傷で勝利を収めた。アルアジフ不在により十全ではないデモンベインでは、また数多の傷を負い修理に時間が掛かったはずだ。しかし、それを差し引いてもゲッターロボの強さは異常の一言に尽きる。

 

「で、何か用があるから来たんだろ?」

「そうそう、ライカ…俺の義妹が此処の施設の厨房を借りて炊き出しやってんだ。お前等も飯にしろ。食える時に食っとかなきゃ、いざって時に力が出ねぇぞ。」

「…フム、それもそうであるな。少し休憩にするのである。」

 

竜馬は丸一日修理作業をしていたドクターウエストに食事させ、少し休憩させようと此処へ呼びに来たのである。そして、隼人はそんなドクターウエストが無理をしていないか九郎やエルザ、竜馬からそれと無く見て来てくれと数時間前に送り出されていた。

 

「そろそろ痺れを切らした武蔵が「皆!美女が(よそ)った食事が無くなるぞ!!何を迷う事がある!早く来い!!」…来たぞ。」

 

バタバタと云う効果音が似合いそうな足取りで、武蔵が大声で倉庫へ入って来た。

 

「さて、私も行きますk<ドン!!>な、なんだ!?」

「大丈夫か、お前…ら!?」

「て、敵襲で…ある!?」

「こ、此処は何処だ!?」

 

一瞬の出来事だった。大きな音が鳴り響き、敵からの攻撃かと皆が身構えたが、

 

「暗闇…」

「声は聞こえるが、何も見えねぇぞ。」

「吾輩達は襲撃を受けたのではないのか?」

「び、美女の(よそ)った食事がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

周り全て闇に包まれ、声は聞こえるが他人の姿は見えない。若干一名、血涙を流しているが触れないでおこう。

 

<ドクン!!>

 

混乱している彼らの後ろで、此処へ一緒に()()()()()ゲットマシンから鼓動のようなモノが鳴ったが、

 

「美女の(よそ)った食事…」

「未練たらたらだな。」

「此処まで来ると尊敬すらするぜ。」

「吾輩ドン引き。」

 

彼らには聞こえていなかった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

『フ、フフフ。アハハハハハハハハハ!!君達には僕が造った舞台(地球)から退場してもらったよ。ゲッターロボにそれを操るパイロット…そして、()()()のドクターウエスト君!!魔術を使用しないロボットは君の十八番だったからね。直ぐ分かったよぉ!九郎君の第1のライバルとして何度も役立ってもらったけど、あんなモノを造る君は危険すぎる。この何も感じない時空の狭間でココロもカラダもコワレテ、消滅してしマエ!!』

 

竜馬達をこの空間に閉じ込めたのはこの黒幕。

 

『おっと、九郎君達の記憶を書き換えておかないと。あの忌々しいロボットは最初から存在しない、パイロットも。ああ、それじゃ九郎君の兄貴分も存在自体消しておかないといけないね。エルザ君には悪いけど覇道財閥の専用メイドロボと云う事にしよう。さぁ!これから忙しくなる!!』

 

黒幕は笑いながら()()から消えて行った。

 

 

 

■□■□

 

 

 

数秒、数分、数時間、数日、数年どれだけの時間が経ったのか分からない闇の空間。

 

「此処から脱出する方法を考えないと…」

「恐らく、魔術の類に違いないのである。術者を探すか、」

「風船の要領で更に膨らませ、破裂させるかだな。」

「でもどうやって「美女が渡してくれるはずだった食事が…」だぁー!メソメソすんな!帰ったらライカに頼んでやっから!!」

 

竜馬達は脱出の方法を模索していた。

 

「俺達は魔術がからっきしだ。ゲッターがあれば「…あるぞ。」武蔵があるってさ。」

「「「え!?」」」

「あ、あるのかゲッターが!?」

 

竜馬が無いと思っていたゲッターがこの空間にあると云う事実に驚愕した武蔵を除く三人。

 

「…私の声が聞こえる方向を向いてみろ。ゲッターが緑色に光っている。」

 

武蔵の声が聞こえる方へ三人が向くと、

 

「すげぇ。」

「こんな近くにあったのに何故気付けなかったのであるか?」

「…コイツが俺達を集めたのか。」

 

三機のゲットマシンが淡く緑色に発光し、パイロットが乗り込むのを待っているようだった。

 

 

 

 

 

「いいのか?こんなバケモンに乗り込んで?」

「背に腹は代えられないのである。そもそも、こんな何もない空間でのたれ死にたくはないのである!!」

 

ドクターウエストは竜馬が操縦するドラゴン号に一緒に乗り込んでいた。

 

「じゃ、こっからは寝言も泣き言も無視するからな!!」

「ちょーぴり、さっきの言葉に後悔しているのである。」

「へっ、もう遅いぜ!行くぞ!!『チェェェーンジドラゴン!スイッチ、オン!!!』」

 

闇の空間に1体のロボットが出現した。

 

『ゲッタァァァァ・シャァァァァイン!真・シャイィィィィン』

『『『スパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァク!!』』』

「グゥ!?」

 

そのロボットは凄まじい速さで空間を移動していく。そのGを今まさに初めて経験しているドクターウエストは意識を持っていかれないようにするのが精一杯だ。

 

(クソッ、まだこの空間を突破出来ないのか!これ以上はドクターウエストの奴がもたないぞ!!)

 

中々この空間の出口、或いは破裂しない事に焦りを感じる竜馬。

 

「ガッ!!」

 

そして、ドクターウエストは吐血しだした。

 

「(これ以上はコイツには無理だ!)クソォ、止め「ま、待つのである。」ド、ドクターウエスト!?」

「ま、まだ平気なので、ある。続けてくれたまえ…」

「…絶対死ぬんじゃねぇぞ!!(何やってんだゲッター!お前の力はこんなモンじゃねぇだろが!!)『真・ゲッタードラゴンの力は、こんなもんじゃねぇ!隼人、武蔵、ドクターウエスト!感情を込めて叫べぇぇぇぇ!!』」

『『『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

そして、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

彼らは、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

その空間を、

 

『『『『ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』』

 

脱出した。

 

『見えた!光だ!!』

 

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