IS~fighting‐soul~   作:肉焼きマン

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せめて2週間に1度の投稿を下回ることは避けたいと思ってます(避けきれるとは言ってない。)


第10話 ドイツ軍人と3人目の男

side一夏

 

やれやれ、この間の無人機との戦いでは酷い目にあったけど、これでしばらくは平和に過ごせそうだな。

休み時間の教室でそんなことを思いながら過ごしていたら

 

「ねえ一夏くん知ってる?1組に転入生が入ったんだって、しかも二人も!」

「しかも片方は男の子なんだって!」

「もう片方は初っ端から兆秋くんの顔を引っ叩いたんだって!」

 

園山さんたち3人がそんな噂を教えてきた。

鳳さんに続いてまた二人もねえ、しかも片方は男か。

 

「その男の子とはぜひ仲良くなりたいな。」

 

もう片方は面倒くさそうだからパスで。

 

「ああ~、兆秋くんと仲悪いらしいもんね。」

「うんうん、同性の友達は大事だよね。」

「きっと一夏くんなら仲良くなれるよ!」

 

でも会いに行くには1組に行かなきゃならないんだよなあ。

 

「そもそも、俺と兆秋が違うクラスなんだから、その転入生も2組か4組にいれるべきだろう。」

 

「「「言われてみれば確かに・・・。」」」

 

「もう一人くらい男性操縦者が現れないかなあ。そうしたら3組にも来てくれるかもしれないのに。」

 

「もう望み薄じゃない?」

「今までずーっと見つからなかったわけだしね。」

「さらに同い年となるとねえ・・・。」

 

そうだよなあ、他に男性操縦者がいるとしても、そいつが4歳とか70歳とかの可能性が十分あるんだよなあ。

 

「そう言われると、なんか男性操縦者が3人とも高校1年生っていうのも作為的なものを感じちゃうよな。俺と兆秋だけなら双子だからって説明できたけど。」

 

「もしかしたら一夏くんたちが動かしたから同い年の男の子たちも動かせるようになったのかも。」

「ああ、ISのコアってネットワークで繋がってるらしいもんね。」

「学習ってやつ?」

 

だったらいいなあ。

 

「男の方が衝撃で忘れてたけど、もう一人の娘は兆秋のこと引っ叩いたんだって?」

 

「そうそう、教室に入ってきて早々に叩いたんだって。」

「なんでも“お前をあの人の弟とは認めない”とか何とか言ってたみたい。:

「一夏君も気をつけたほうがいいかもね。」

 

なにそれメチャクチャ面倒な奴じゃん。兆秋頑張れよ、兄は安全圏から見守っているぞ。

 

「さて、俺は認められているのかな?」

 

「「「多分、認められてないんじゃない?」」」

 

「だよなあ。」

 

認められる理由もないし、多分俺も嫌われてるんだろうなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side兆秋

 

 

バシーン!

 

弾かれたような快音が俺の頬から鳴る。

 

「私は認めない、教官の足を引っ張った貴様を教官の弟とは。」

 

このクソちび・・・!

 

「テメエいきなりご挨拶じゃねえか・・・」

 

オレは席から立ち上がり拳に力を入れる。

 

「フン、今ここで身の程をわからせてやってもかまわんぞ。」

 

この刺すような威圧感、見た目や振る舞い通り本物の軍人らしいな。

上等だ、やってやる!

 

「そこまでだ馬鹿者ども。」

 

「ああ!?」

 

「ふっ、命拾いしたな。」

 

「多少の不仲なら気にせんが、時と場所をわきまえることだ。」

 

ボーデヴィッヒは馬鹿にしたような眼でこちらを見ながら席に着いた。

その鼻っ柱必ず叩き折ってやる・・・!

 

 

 

side一夏

 

「うーむ。」

 

休み時間中、俺はトイレから帰ってくるときに考え事をしていた。

 

新しい男性操縦者に会いたい!でも兆秋とはち合わせたらトラブっちまう!どうしたもんかな。

そんなことを考えていると後ろから声をかけられた。

 

「貴様が織斑一夏か。」

 

「そうだけど、アンタ誰?」

 

振り向いてみると背が小さく、可愛らしい少女がいた。

しかしこの眼帯に制服。ああ、成程ね。彼女が兆秋をひっぱたいた娘ね。

 

「フン、軽薄そうな奴だ。足こそ引っ張ってはいないようだが、教官の家族にふさわしいとはとても思えんな。」

 

足を引っ張る?そうか、この娘はドイツ軍の出身か。そういえば姉さんはドイツ軍にISの操縦技術の教導をしに行ったことがあったな。

その理由が第2回モンド・グロッソで観戦に行った兆秋が誘拐され、その捜索にドイツ軍も協力をしたからその礼だっけ。

その時俺は、家を空にするのも難だからって留守番してたな。

つまり・・・

 

「まあいい。貴様がごとき有象無象、いちいち構うまでもない。」

 

俺に被害は来ねえ!

 

「そっか。じゃあ俺は急いで教室に帰らなきゃいけないんでね。」

 

そうして俺はさっさと教室に戻って行った。

 

「フン・・・。なんと惰弱な。」

 

何とでも言えばいいさ、変な争い事になるよりはマシだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな訳で俺は安全さ!」

 

昼休み中、園山さん達と弁当を食べながら俺は何故か自慢げにそんなことを言っていた。

 

「よかったね一夏くん。」

「平和が一番だもんね。」

「一夏くん殴られたら多分泣き寝入りしちゃうもんね。」

 

泣かねえよ。

 

「しかし本当によかったよ。あれはマジな軍人だったし、襲われたら大変そうだな。」

 

「そうなってくると兆秋くんの方は大丈夫なのかな?」

「ああ、兆秋くん売られたケンカは買いそうだもんねえ。」

「ボコボコにされちゃったりして・・・」

 

「ああ・・・」

 

確かに兆秋は立ち向かっちゃうんだろうなあ。昔、姉さんにエロ本捨てられた時に、俺は止めとけって言ったんだけど・・・

『オレは勝てるかどうかで戦う相手は決めねえ!』とか言って勇敢に姉さんに立ち向って行ったっけ。当然ものの数秒でボッコボコにされてたけど。

 

「けど俺が行ってもなあ。」

 

俺の弟に手を出すな!→よくも教官の二連覇を!→兄貴ぶっ殺す!→俺の弟(ry

 

「うん、碌でもない三竦みにしかならないな。」

 

「そっかあ。」

「でもそんな状況なら兆秋くんも協力してくれるんじゃあ・・」

「むしろ邪魔者として一夏くんが集中攻撃されちゃったりして。」

 

「何それ一番困る。」

 

何にせよ俺が首を突っ込むべきことじゃないな。この件はホントに全部兆秋に任せるとしよう。

 

「まあ、もし一夏くんが標的にされちゃっても私たちは陰ながら無事を祈ってるよ。」

「ちゃんと保健室に運ぶからね!」

「・・・」

 

「いやいやそこは助け船を頂戴よ。」

 

言ってみたものの、一般人にすぎない彼女たちが軍の関係者を相手にするのは無理があるだろうし、保健室に運んでくれるだけかなり優しい部類に仕分けされるな。

最も、俺が標的にされる可能性なんて今はもうすでにかなり低くなっているから、彼女たちも俺も冗談で言っているに過ぎないんだけどな。

 

「おっと、もうこんな時間か。早く教室に戻らなくちゃな。」

 

「ホントだ、結構な時間だね!」

「早歩きで行かなきゃ。」

「一緒に行こう!」

 

「悪い、菓子パンのゴミ捨てて行くから先に行ってて。」

 

「そっか、急いでね!」

「おっ先ー!」

「・・・」

 

そう言って彼女たち2人はさっさと教室に戻って行った・・・2人?

 

「園山さんは行かないの?」

 

そう聞くと園山さんは顔を少し赤くしながら意を決したように言葉を吐いた。

 

「転校生の娘が一夏くんに襲いかかってきても、私は味方になるから!」

 

そう言って彼女は小走りで去って行った。

 

「そんな事にはならないって園山さんもわかってるんだろうけど・・・。」

 

ああ言ってもらえると、すごく嬉しいもんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さーて放課後だ。ちょっと売店近くでもぶらぶらしてから帰るか。そう思っていたら後ろから声をかけられた。

 

「君が織斑一夏くん?」

 

「そうだけど君は・・・!」

 

このズボン、平らな胸・・・こいつは!

 

「君が噂の三人目の男性操縦者か!!」

 

「う・・・うん、そうだよ。」

 

おっと、いかんいかん。テンションが上がってつい食いつきすぎちゃったな。ちょっと引かれちゃった。

 

「悪い、学園の同姓が弟しかいなくてな、つい舞い上がっちゃったよ。」

 

「気にしなくていいよ、ちょっとビックリしただけだから。」

 

ふーむ、背は低めで体も細い、声も高いし顔も中性的だ。存外俺や兆秋よりも楽に学園に溶け込めるかもな。

 

「僕はシャルル・デュノア。フランスから来たんだ、よろしくね。」

 

「織斑一夏だ。改めてよろしくな。」

 

人柄も柔らかいし、仲良くなれそうだ!

 

そうして俺はシャルルと話をしながら売店を回り、寮に戻って行った。

この時、俺は自分の平和を信じて疑っていなかった。眼帯娘とは関わらず、シャルルと仲良くなり、何事もなく日々が過ぎていくと思っていた。

 

この数日後、タッグトーナメントで波乱が起こるとも知らずに・・・

 

 




おかしい、元々園山さんはただの名前付きモブ以外の何物でもなかったはずなのに。
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