IS~fighting‐soul~   作:肉焼きマン

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やっと専用機を書くことができた。このままでは主人公最強からオリ弟最強になっちゃう。


第5話 専用機

side一夏

 

「これがあなたの専用機、『色鋼(いろはがね)』よ。」

 

そう言ってエミリー先生は俺に鉛色の角ばったISを見せた。

 

「今は少し不格好だけど、一次移行したらちゃんと他の専用機みたいにカッコイイ機体になるわよ。」

 

「それは何よりですが、乗る前にこの機体のスペックはどうなっているのかを聞いてもよろしいですか?」

 

「ええ。この機体は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、機体も受け取って一次移行も済ませたわけだし、寮に帰るとするかな。

 

「おい。」

 

待ち構えていたのか?俺が通る道のど真ん中で兆秋が待ち構えていた。

 

「・・・あ、どっどうも兆秋さん、きっ今日は篠ノ之さんと一緒じゃないんすね。」

 

「やめろやテメエ!!もう誤解だってわかってんだろ!!」

 

「全裸の箒と絡み合ったのは事実だろうに・・それで、要件は何だ?」

 

「いつか痛い目見るぞテメエ・・・。」

 

大方いつものアレだろうなあ。

 

「まあいい。テメエ専用機を手に入れたみてえだなあ、調子に乗らないよう明日ボコボコにしてやるよ。テメエみたいな恥知らずがオレと同格なんて面されても不愉快なんでな。」

 

「断る。なんでお前と理由もなく模擬戦しなくちゃならないんだよ、そんなに戦いたいならオルコットさんとでもやればいいだろ。」

 

「ああ?何だったら今ここでシバき倒してやってもいいんだぜ?」

 

「お好きにどうぞ。それで済むなら、さっさとやれよ。先生には俺からごまかしといてやるからさ。」

 

「・・・言わせておけばああああ!!!」

 

兆秋が俺に向かってコブシを叩きつけようとしてきた。多少痛いが、それで済むならそれでいいさ。

 

バシッ!

 

「生徒会長として、校内の暴力は見逃せないな~。」

 

いつの間にやら現れたたっちゃん先輩が兆秋の腕を掴んで止めていた。

 

「テメエか、この恥知らずのクズ野郎の同室ってのは。」

 

「先輩に『テメエ』はないんじゃないかな?織斑兆秋くん?」

 

一触即発ってのは今みたいな状況を言うんだろうな。

 

「ハッ、飽きたぜ。」

 

そう言って兆秋はその場から去って行った。

 

「一夏くん、兆秋くんって昔からあんな感じなの?」

 

たっちゃん先輩がどこか悲しげに聞いてきた。

 

「そうですね。大昔はそこそこ仲良かった気もしますが、大体はあんな感じでしたよ。」

 

「・・・織斑先生に相談とかはしなかったの?」

 

「両親が蒸発してましてね、苦労かけていた姉の手を煩わせたくなかったんですよ。」

 

「だからって、兄弟とずっとあんななんて苦しいじゃない。」

 

「そりゃあ楽しそうに殴りかかってきたら俺だって手は尽くしますよ。でも殴りかかってくるあいつ自身が苦しそうなんですから、兄の俺も黙って耐えますよ。」

 

そう、そこなんだ。俺が兆秋を嫌わないのはそこが理由なんだ。

だからこそそれを間近で見てきた箒ちゃんも鳳さんも変らずに兆秋に恋心を向け続けられるんだと思う。

アイツが答えを見つけるまでは、俺も耐えてやるとも。

 

そんなことを改めて思っていると、たっちゃん先輩が言いづらそうにしながらも口を開いた。

 

「私も簪ちゃ・・妹と仲悪くなっちゃったから偉そうなこと言えないけど、兆秋くんに全てを委ねるんじゃなくて、一夏くん自身も動いてあげるべきなんじゃないかな。」

 

もちろん、暴力を振るう兆秋くんの方が悪いんだけどさ。と付け加えながらも、自分に言い聞かせるように言ってきた。

・・・この人にも色々事情があるんだろう。もしかしたら俺と兆秋の間に自分の何かを重ねてしまったのかもしれないな。でも・・・

 

「そんなこと言われたってどう動けばいいのかがさっぱり分かんないんですよ。先生たちに言って問題にしたって良い終わり方はしないでしょうし、俺が土下座してもどうにもならないでしょうし、真正面から喧嘩を買って殴りあったらそれこそオシマイでしょう。」

 

だから俺も最善手として今の状況があるわけで・・・

 

「そっか、そうだよね。そんな簡単に家族の仲が修復できたら苦労しないもんね・・・。」

 

「・・・慰めれませんよ、俺には。」

 

「うん、大丈夫。変に慰められたら逆に怒鳴っちゃってたかもしれないし。」

 

「帰りましょう。暗い気持ちになっても仕方ないですし。」

 

「そうだね。帰って一緒にトランプでもしよっか!お姉さん負けないぞー!」

 

空元気だな、俺に出来ることは少しでもたっちゃん先輩の気を紛らわせることぐらいだ。

ああでも、もう一つ出来そうなことがあったな。

 

「たっちゃん先輩。」

「なーに?一夏くん。」

 

 

「俺、たっちゃん先輩のこと結構好きですから、何かあったら頼ってください。全力で力を尽くしますから。」

 

もし向こうから頼ってくれたなら、何だってやってやるさ。

 

 

 

「・・・へ?」

 

「さ、行きましょうか。ババ抜きは結構得意なんですよ。」

 

俺は何となく照れ臭くなって早歩きになってしまった。

 

「あっちょっ待ちなさい一夏くん!」

 

 

 

 

 

side兆秋

 

「クソッタレ・・・」

 

オレはオルコットとの戦いが終わった後、軽い休憩をとった際に千冬姉から一夏に専用機が届くと聞いて、模擬戦を挑むためにわざわざあいつの通り道で待ち伏せしていたが、邪魔が入った。

 

・・・尤も、入ろうが入るまいが模擬戦をあいつが受けることはなかっただろうが。

 

アイツはいつもそうだ、誰とも闘わず、誰にも攻撃を仕掛けず、仕返しや報復といったことに対して「くだらない」「バカバカしい」と言い続ける。

 

努力するが結果を出すことにこだわらず、テストでも平均の10点ほど上の点数で満足する。

なぜ上を目指さない。なぜ埋没しようとする。なぜに織斑千冬の弟として結果を残そうとしない。

 

イラつくぜ、闘うのがそんなに嫌なら最初の敵を完膚なきまで叩きのめせばいいし、敗れても何度でも立ち上がればいい。ともすれば闘ったからこそ通じ合える何かが生まれる可能性もゼロじゃない。

 

そして何より気に入らないのが・・・

 

 

 

「おかえり、兆秋。」

 

ムシャクシャしながら歩いているといつの間にか部屋に着いたみたいだ。

 

「用があると言ってどこかに行っていたが、結局何だったんだ?」

「別に、専用機をもらった一夏の顔を見に行っただけだ。」

「そ、そうか・・・どうだった?一夏の様子は。」

「何も変わりゃしねえよ。殴りかかろうとしても無抵抗だった。」

「殴りかかろうとした?殴り倒したのではなく?」

「邪魔が入ったんだよ、同室のお姉さまだとよ。」

「そうか、殴らずにすんだのか・・・良かった。」

「ケッ・・あの女、守るより必要なこともあるだろうに。」

 

出会って7日間程度のやつにそんなこと求めるのは酷かもしれんが、言わずにはいれねえな。

 

・・・いつまでもこんな空気出してちゃならんな。

 

「悪い、嫌な感じだったな。それより箒、助かったぜ。やっぱ試合前に自分の控室に幼馴染がいると、緊張もほぐれたぜ。」

 

実際、箒がいなかったら体が固まってうまく動けず、負けてたかもしれねえな。

こういう醜い面を見せても見捨てずにいてくれる、良い幼馴染をもったもんだなオレも。

 

「そっそうか!それは何よりだ!・・・そうかそうか、私がいてよかったか・・・」

 

??、突然箒が顔を真っ赤にして悶え始めた。まさかコイツオレのことが・・・

 

・・・止めよう、自意識過剰だし何より違った時が悲惨だ。

こんな女の園でオレのこと好きなの?とか聞いて自爆した場合、オレはまず社会的に死んで次に飛び降りて肉体的に死ぬ。

 

これで学園の4割・・・せめて3割が男なら自爆しても馬鹿話にして受け流せるんだけどなあ。

 

あ、ダメだ。箒に限って言えば自爆した次の日から部屋にいられなくなる、気まずい。

 

やっぱ俺のこと好きなのとか聞くべきじゃねえな、親友親友。

 

「さてと、明日も朝練するし、シャワー浴びたら早めに寝るぞオレは。」

 

「うむ、私もそうしよう。・・・・ところで兆秋、その朝練、私も付き合っていいか?」

 

何言ってるんだ?箒、そんなの。

 

「いいのか?助かるぜ。むしろこっちから頼みたいくらいだぜ。」

 

「そうか!よろしく頼む!」

 

やっぱり刺激し合える相手がいるってのは張り合いがあるからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日のことだった。

 

「では、クラス代表は兆秋くんに決定しました。」

 

そうなんだよなあ、勝ったら勝ったでクラス代表なんだよなあ・・・

 

メンドくさいなあ・・・

 

そんな事を思っているとオルコットが手を挙げて“お時間を少しよろしいでしょうか”と言って立ち上がった。

 

「この間は申し訳ありませんでした。」

 

ほう、謝るのか。プライド高そうだからてっきりもっと時間がかかるもんかとばかり。

 

「わたくしとしたことが兆秋さんやクラスの皆様に対してとても失礼な態度をとってしまいました事、反省しております。」

 

とても素直じゃないか。本当はこっちが素だったのかもな。

 

「いや、オレの方こそ怒鳴ったり弱いとか言ったりして悪かったな。」

 

「他の方々も、わたくしの態度で御不快な思いをされた方もいらっしゃいますでしょう。誠に申し訳ありませんでした。」

 

「いいよいいよ。謝ってくれたわけだし。」

「留学初日なんてそんなもんだよね。」

「寧ろいい戦いもみられたし。」

「うんうん。」

 

クラスの奴らも許したっぽいな。いい奴らじゃないか。

 

「それでその・・・もしよろしければ兆秋さんのISの練習相手としてわたくしが・・・」

 

「その必要はない。何故ならこの私がどうしてもと頼まれたのでな。」

 

どうしてもとまでは思ってねえよ。

というか兆秋さん?名前呼びになるくらいには認められたってことか。ますます無様は見せれなくなってきたな。

 

「あら、ISランクCの篠ノ之さん、ランクAのわたくしに何かご用ですか?」

 

ほう、二人のランクは初めて知ったぜ。ついでに言うとオレはA、一夏はBだ。

 

「ランクは関係ない!そもそも射撃主体のお前が、格闘主体の兆秋に何を教えるというのだ!」

 

「それは「止めんか馬鹿ども。」織斑先生!?」

 

「貴様らのランクなど、まだまだゴミに等しい。殻も破れていないうちから優劣など競うな。」

 

おおう、厳しい発言が出てきたもんだぜ。だが天下のブリュンヒルデの言葉だ、誰も否定できねえ。

 

そうして授業が始まったのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兆秋くんクラス代表就任おめでとう!!」

 

夜の食堂ではオレのクラス代表就任パーティーが行われた。

何だろう結構気恥かしいなオイ。

 

「いやー男の子が同じクラスでよかったよねー。」

「ホントホント。」

「これで私たちのクラスにも活気があふれるわよねー。」

「ホントホント。」

「この間の試合もマジで凄かったもんな。」

「ホントホン・・・!?」

 

さっきから相槌打ってるやつ2組じゃなかったか?っていうか一夏、何サラッと混ざろうとしてんだよ、混ざれてねえよ相槌の娘メチャクチャ驚いてんじゃねえか。

 

そんな事を思っていると、ボイスレコーダーを持った眼鏡の先輩がやってきた。ネクタイを見る限り二年生だな。

 

「はいはーい、新聞部でーす。今日は話題の新入生の兆秋くんインタビューしに来ました!」

 

みんながオーと盛り上がる。学校の新聞を見てからなんとなく覚悟はしていたが、ボイスレコーダーまで持ってくるとは本格的だ。

 

つーか一夏、なにコソッと逃げてんだよ。食うだけ食っていきやがって、テメエも少しは弾よけになりやがれ。

 

「あ、私の名前は黛薫子(まゆずみかおるこ)。これ、名刺ね。」

 

名刺まであるのか、本格的だな。

 

「じゃあまずクラス代表になった感想をどうぞ!」

 

そりゃあまあ・・・

 

「代表戦、やるからには絶対に優勝するぜ。たとえ4組の専用機持ちが相手でも負けねえ。」

 

「おお!いい感想だね。じゃあ次にセシリアちゃん!兆秋くんと戦った時の感想を一つ!」

 

「こういったことは苦手ですが、仕方ありませんわね。まずわたくしが「長そうだからいいや、写真だけちょうだい。」ちょっと!?」

 

「いいよ適当に捏造しておくから。兆秋くんに惚れたってことでいいよね。」

 

「そ・・・そんなこと・・・!」

 

あ~あ~あのままじゃあ明日からも弄られまくっちまうなあ。よし、ここは一つオレがフォローしてやるか。

 

「まあ、オレもセシリアみたいな美女に惚れられたら嬉しいけどよ、嘘はいかんぜ。」

 

オレはセシリアと名前呼びをしあう関係になっていた。心からぶつかり合えば余程のことがない限り、距離は近づくもんだ。

 

しかしまあ、このオレの最高レベルのフォローでセシリアの尊厳は守られオレは隣にいる箒から途轍もない力の抓りを頂くことになるわけだだだだだいってえええええええええ!!!!!

 

 

「う・・・嬉しいですのね・・・そ、そうですのそうですの。」

 

「兆秋、しばらく見ないうちに随分女好きになったものだな・・・!!!」

 

「なんだ!俺は何かミスを犯したのか箒うわおいなにするやめr」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酷い目にあった・・・もう新聞部はコリゴリだ。一夏がいればここまでにはならなかったろうに。

うん?廊下の向こうから一夏と誰かの声がするな。こんな時間に何だってんだ。

 

「もっとお聞かせください!生徒会長と水着エプロンプレイをしているというのは本当なんですか!?後、兆秋くんにいたぶられて喜ぶ変態といううわさもありますが本当ですか!?」

 

「そんな事実は一切ございません!!俺はMじゃねえ!!」

 

「水着エプロンは否定しなんですね!!」

 

「もう、もういいだろ!!部屋に帰してくれ文春(ふみはる)先輩!!」

 

もっと性質の悪そうな新聞部に捉まっとる!?

 

 

 

 




補足
一夏は楯無が対暗部であることとロシアの代表であるということは既に知っています。



生徒プロフィール

大筒 文春(おおづつ ふみはる)2年生
平均くらいの身長とそこそこのスリーサイズを誇るサイドテールの生徒

新聞部に新入部員が入ってきて変な方向に力が入ってしまったかわいそうなお方(一夏が)。
平常時は不眠不休でスキャンダルの気配がありそうな所に張り込んだりするなど情熱にあふれた性格。

一時期、部屋からスキャンダルの匂いを織斑千冬の部屋から嗅ぎ取り、2か月ほどの死闘を繰り広げたとか。
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