side一夏
対抗戦まであと少しか。そんなことを思い、少し高揚するような緊張感を覚えながら俺は過ごしていた。
そんな中、園山さんが休み時間中に話しかけてきた。
「ねえねえ一夏くん、兆秋くんと2組代表の鳳さんがケンカしたって知ってる?」
「知らないなあ。でもあの二人がケンカをするのなんて中学の時はそこそこあったと思うけど。」
ケンカするほど仲が良いっていうしな。と思っていたら近くにいた川本さんが補足してきた。
「いやいやそれが結構本格的らしくて、クラス対抗戦で決着をつけるんだって!」
「なんでも鳳さんが告白したら兆秋くんが勘違いして怒らせちゃったんだって!確か毎日酢豚をどうとか!」
最後に原本さんが爆弾を落としてきやがった。
毎日酢豚?それってあれか?味噌汁のあれか?私が作った味噌汁を毎日飲んでくれる?っていうあれか?
「それで鳳さんが烈火のごとく怒ってるんだって。」
「怖かったよね~。凄くピリピリしてて。」
「邪魔する奴はぶっ潰すみたいな感じだったよね。」
まあ告白をそんな風に勘違いされたら怒るよな~って今何て言った?
「邪魔する奴はぶっ潰す?じゃあ1回戦で俺と鳳さんが当たったら俺って邪魔者?」
「「「・・・」」」
「烈火のごとくとかぶっ潰すとかちょっと誇張表現入ってるよな?実際はそこまでじゃないよな?」
そうだ、噂には尾ひれが付くもんだ。
「「「一夏くん・・・死なないでね。」」」
「まって!不吉なこと言わないで!ってかまさかそんな噂が立ったから恥ずかしくなって引くに引けなくなっちゃったんじゃ・・・」
「「「あ・・・」」」
3人の顔が“ヤッベ”とでも言いたげになった。
「・・・初戦は4組と当たることを願おう。」
「「「私たちも願っとくよ・・・」」」
どーか鳳さんと当たりませんように!!
side鈴
信じらんない信じらんない!!
普通あんな勘違いする!?
何よ毎日酢豚を奢るって!!告白に決まってるでしょ!!それに何より・・・
「鳳さんが兆秋くんに告白したって。」ヒソヒソ
「勘違いされちゃったんだって?」ヒソヒソ
この噂よ!!なんでこんなに噂が広がってるのよ!!しかも肝心の兆秋には要らない気を使って一切入っていかないし!!
「あれもこれも全部兆秋のせいよーー!!!」
絶対対抗戦でボッコボコにしてやる!!!
side兆秋
何故か鈴を怒らせてしまった。
「兆秋、お前には乙女心を学んでもらうぞ。」
「そうですわ。これでは鈴さんがあんまりなので。」
箒とセシリアからは有難いお説教を頂いちまっている。
「じゃあ何だったんだよ。まさかこくは・・」
「「そういうわけではないだろうが(でしょうけど)!!」」
そうだよな、告白かな?とは思ったがもし違ったら・・・
兆秋想像(妄想)ワールドin
意を決して聞くオレ
「もしかして、告白か?」
「え?普通に奢るって話だけどあっ(察し)いやその・・・確かに兆秋はいい男よ?それは違いないわ。けどまあ・・・うん。アタシはそんなつもりじゃなかったっていうか・・・」
目を合わせずやっちまった感丸出しの鈴。
「うわ~」
痛々しいものを見る目の箒。
そして次の日・・・
「兆秋くんって自意識過剰だよね~www」
「やめなよ~ww本人は真剣だったんだから~ww」
「お・・おはよう皆・・」
「き・・兆秋さ・・・プフ・・いい朝ですわね・・クククww」
「・・・」
そして引き籠るオレ。
「兆秋、出てこい。振られたのが悲しいのはわかるが、皆待ってるぞ・・・」
「千冬姉さん・・・」
そして絶望・・・
「なんだよこれ・・・」
“ネットニューストップ記事・男性操縦者の織斑兆秋、振られてヒッキー化!”
“兄の一夏氏「いつかこうなると思っていた」”
“明かされていく兆秋氏のナルシズム”
そして最後は・・・
「貴様のようなナルシストがいると男の品位が下がってしまうんだよ。」
「何だテメエは・・うわ!!」
「安心したまえ、君は自殺として処理されるからね。」
「やっやめ・・グワアアアアアアアア!!」
“号外・振られ男性操縦者兆秋、自殺か!?”
兆秋想像(妄想)ワールドout
変なことは言えねえ!!
「「聞いているのか(いますの)!?兆秋(さん)!!」
何か別の乙女チックな何かがあるんだきっと!!
それをここで学ぶんだ!!
side一夏
あれから、専用機を園山さんたちやたっちゃん先輩にお披露目して訓練したり、兆秋とギスギスしたり、ガチで不機嫌な鳳さんにドン引きしたりと色々あったがついに来てしまった。
クラス対抗戦の日が。
「ついに決まるんだね、一夏くんの命運が・・・」
やめて園山さん。変なプレッシャーかけるの止めて。
そしてトーナメント表が出された
第1回戦 1組代表・織斑兆秋 vs 2組代表・鳳鈴音
第2回戦 3組代表・織斑一夏 vs 4組代表・更識簪
「やった!!やったぞ!!対戦相手は4組だ!!4組のさらし・・・え?」
更識簪?この人ってもしかして・・・
「そう、私の妹よ。」
「たっちゃん先輩、気配を消して近づかないで下さいよ。」
「そう固いこと言わないの☆」
結構ビックリするんだぞ。
「たしか4組の更識さんは日本の代表候補なんですよね。まだ専用機が完成してないって噂ですけど、どうするんですか?」
園山さんがたっちゃん先輩に遠慮がちに聞く。
「まさか未完成の機体で出るわけにもいかないし、量産機で出場することになるわね。けど、簪ちゃんも代表候補だからかなり強いわよ。」
かなり自慢の妹さんらしいな、どこか自慢げだ。
「俺もそう簡単にやられるつもりはありませんよ。これでも織斑家の人間なんでね。」
「お姉さんは一夏くんが勝っても恨んだりしないから安心していいよ❤」
おおう、『出来るもんならね』って目に書いてあるぜ。
さてと、そろそろ選手控室に行くかな、試合を見るにしても特等席だ。
「あ、一夏くん行く前に教えて、兆秋くんと鳳さんどっちが勝つと思う?」
歩こうとした俺に対して園山さんが慌て気味に質問してきた。急いでるわけじゃないからいいのに。
それにしてもあの二人の戦いかあ・・・うーん。
「鳳さんの情報が無さ過ぎてわからないかな。けどもし鳳さんがオルコットさんと同じくらいの実力なら五分五分かな。」
「え?この前はオルコットさんをあんなに圧倒してたのに?」
「兆秋の逆転勝ちの仕組みは二つあってね、一つは成長、もう一つは学習なんだ。だからあの時より成長したとはいえ鳳さんの戦闘は学習してないから、確実に勝てるとは言えないな。それに鳳さんも兆秋の力はよく知ってるからオルコットさんみたいな慢心は期待できない。」
「なるほど~、じゃあ鳳さんは短期決戦を狙ってきて兆秋くんは長期戦を狙ってくるのかなあ。」
いや、兆秋の場合は長期戦を狙ってるんじゃなくて長期戦になっちゃうんだよなあ。
本人は不利でも攻撃に気をまわしてるし、短期決戦の攻め方で失敗しても中々負けないから格上相手だと結果的に長引くだけで。
でも説明するのめんどくさいし、いっか。
「じゃあ俺そろそろ行くな。」
「頑張ってね一夏くん、応援してるから!デザートのためにも!!」
園山さんのデザートへの熱意が伝わってくるな。
「優勝したら私がデザートになってア・ゲ・ル☆」
「!?」
「また同じ手口ですかいつか罰が当たりますよ!!」
side鈴
とうとうこの日が来たわ・・・兆秋と決着をつけるこの日が!
「おい鈴!ぜってえオレが勝って、怒ってる理由を教えてもらうからな!!」
アタシの目の前に、ISを纏った兆秋がいる。
「絶対教えてあげないわ!!アンタは黙ってアタシに負ければいいのよ!!」
「言ったな!!容赦しねえからな!!」
試合開始のカウントダウンが始まる。
「・・・っし」
「・・・!」
さっきまでの、不機嫌ながらも友好的な雰囲気は消え去った。
かなりの威圧感が兆秋から放たれる。1年間努力してきて多くのライバルたちと相対してきたけど、ここまでの物はそうそうお目にかかれない。とても初心者とは思えない・・・
思えば兆秋とガチで戦うのは初めてかもしれない。
中学の時はいつもアタシがくっついて、一緒に悪ふざけしてたっけ。
ケンカすることはあってもじゃれあい程度。
そりゃそうよね。ワルっぽい雰囲気だしてても天才で、何だってできる超人。
何やったって勝負にならないものね・・・
でも今は違う。アタシはISで代表候補生になった!専用機だって手に入れた!!
もう兆秋に引っ付いてるだけのアタシじゃない!!!
試合が始まった。
「うおお「どりゃあああああああ!!!」なっ!?」
兆秋は開幕直後の奇襲で先制攻撃しようとしたみたいだけど、甘いわよ!!
アタシは兆秋が奇襲してくる事も考慮して奇襲した。当然アタシが打ち勝つ!!
「先制もらったああああ!!」
「ぐううううう!!」
ズバン!!
アタシの双天牙月が兆秋の胴体に当たった、これで試合の流れをこっちに引き込めそうね。
でも油断せずに攻撃の手を緩めるようなことはしない。
「このまま墜ちなさい!!」
双天牙月を回転させ、時には分離させてとにかく攻撃をしまくる。
成長される前に叩く!
アイツは一本、アタシは二本、ブレードの手数ならこっちが上。
ガガガガガガガガガ!!
ぐっ!押してはいるけどヒットしない・・・ギリギリのところで防がれるか避けられる。
でもかまわない、兆秋に攻撃させないのが最優先よ!
右、左、左、上、右、下、下、上
素早く、不規則に攻撃を与える。
どんなに早く攻撃しても規則的になったら読まれて対応される。
どんなに不規則な攻撃でも遅ければ無理やり攻撃を押し込まれる。
両方こなさなければ即座に反撃されて逆転される!
正直辛い・・・全く気を抜けない。圧倒されてても兆秋の目から力強さが一切消えない。
でも負けたくない!押し切って勝つ!
ガギィン!!
兆秋のブレードとアタシの双天牙月の内の一本が火花を立ててぶつかり合う。
でも・・・
「双天牙月は二本あるのよ!!」
「クソっ!」
ズドン!!
2撃目の攻撃が兆秋にヒットした。
ここで後ろに下がろうとしてくれるなら読みやすくて助かるんだけど・・・
「舐めんじゃねえ!!」
ギュオン!
兆秋はブーストを使って無理やり体勢を立て直して逆に突っ込んでくる。
せっかく攻撃当てて精神的に有利になっても全然気が休まらないから結局余裕が無くなるじゃない!
ドガ!ガキ!ズガガガ!!
攻撃攻撃!とにかく攻撃!!アイツに反撃させちゃダメ!切り札を使うにももう少し削っておかないと押しきれない!!
ガガガガガ!ズバッ!!ドゴゴゴ!!ジョリ!ボゴン!!
アタシの気迫が届いているのか、かすり傷程度なら与えられるようになってきた。
このままダメージを蓄積させて優位に立つ!!
「はあ!!」
アタシが双天牙月を振ろうとした瞬間・・・
「オラァ!!」
振ろうとした双天牙月の刃に逆に兆秋が突っ込んできた。
勢いに乗っていないブレードじゃあ与えられるダメージはたかが知れてる。
マズい!もう片方の手は既に攻撃を終えていて力が入ってない!!
「貰ったああああ!!」
白式の文字通りの鉄拳がアタシの視界を埋めた。
ドゴオオオン!!
「おうぐううう!!」
顔面にとんでもない衝撃を感じる。
ただISのパワーアシストだけで殴ったんじゃこうはならない。
「どうだ!ブーストとPICの制御で威力を叩き出す対IS用格闘術の味は!」
「アンタねえ女の顔をなんて威力でぶん殴るのよ!!メチャクチャ痛いじゃない!!」
しかも装甲も何もつけてない顔を至近距離から殴られただけあって結構シールドを削られてるわね。
「あんな殺気立った攻撃してくれやつに加減なんざ出来るか!!今度はこっちから攻撃させてもらうぜ!!!」
いいえ、攻撃なんてさせないわ。
ドオオオオン!!
「ゴフゥ!?」
兆秋に目に見えない砲弾が襲いかかった。
悪いけどいいとこなしで終わってもらうわよ兆秋!!
「龍咆の力、思う存分味わってもらうわよ!」
side箒
私とセシリアは兆秋の勝利を祈りながら観戦していた。
先ほどまでは兆秋がかなりの劣勢だったが・・・
「やった!ついに兆秋が鈴に一撃をくらわせたぞ、ここから反撃だな。」
兆秋ならここから鈴を圧倒して倒すことができる力があるはず。
「いえ、それはどうでしょうか。」
だが、セシリアはそうは思っていないようだった。
「なに?あの一撃で兆秋に試合の流れが傾いたのではないのか?」
「鈴さんの専用機もおそらくは第3世代。わたくしのBT兵器と同じく切り札のようなものがあるはず。」
「そんな!今までは手を抜いていたというのか?」
「いえ、そうではないでしょう。一度に出しても押しきれないと判断したのでしょうね。最初に二刀流で奇襲を仕掛け、対応され始めたら第3世代兵器でもう一度奇襲を仕掛ける。2段構えの奇襲で兆秋さんに見せ場を作らずに倒しきる算段ですわね。」
「そんな・・・」
ドオオオオン!!
兆秋が突然轟音を立てて吹き飛ばされた。
「何だあれは?」
「衝撃砲ですわね。空間に圧力をかけて砲身を作り、余剰で生じる衝撃を撃ちだす目に見えない兵器ですわ。」
目に見えない?それでは避けれないではないか!
兆秋が勝つにしても一体何発それを受けることになるのか・・・。
「勝たなくてもいいから無事で帰ってこい・・・兆秋。」
side兆秋
クソったれ!!
さっきからまるで自分のペースがつかめねえ!!
「逃がさないわよ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!
ガガガガガガガガガガガ
チクショウ、なんて攻撃してきやがる。
目に見えない砲撃、龍咆だったか?と二刀の猛撃、攻撃に移る隙が一切ねえ。
だがブレード一本のこの機体で距離をとろうもんなら逆に鈴に余裕を持たせちまう。
こっちも攻撃を狙って攻め入るしかねえ!
「ぐうううううう!!」
ガガガガガガガガ!!
ドン!ドン!ドン!ドン!
今は何とか致命傷を避けているがいつクリーンヒットしてもおかしくねえ。
「ウオオオオオオオオ!!!」
ギュン!!ドドドドドド!!!
鈴が龍咆を撃ちながら接近してくる。
後ろには下がったらジリ貧。
馬鹿正直に前から行ったら龍咆の餌食。
蛇行運転で当たらないことを祈って突っ込むしかねえな!
ギュイイイイイイン!!
ゴウ!ゴウ!ゴウ!
すぐ横から風切り音が聞こえる。あと少しずれていたら龍咆に当たってたな。
ゴギィィィィィン
ブレードから重い音が鳴る。
ここでこのまま斬り合ってなんとか一撃喰らわせたいが・・・
ドドドドド!!
そのまま留まっていたら龍咆で吹き飛ばされる。
急いでそこから離れるしかない。
後ろに下がらず上下左右に回避しなくちゃならんが、辛いな・・・回避できるスペースが小さすぎる。
しかもお互い高速移動しつつ戦っているから離れる気がなくても自然と距離が開く。
今はまだ何も出来ねえな・・・だが、このまま何とか攻撃の姿勢をし続けてブレードで一撃でも喰らわせられれば勝ち目はある。そう・・・
零落白夜なら・・・
side一夏
俺は選手控室の見渡しのいい所から二人の試合を眺めている。
「鈴は昔から兆秋を知ってるだけあって油断が一切ないな。」
「そうね。攻撃は最大の防御っていうのをこの上なく表した戦い方ね。」
「そ・・・そうですね会長。」
「俺さっき一人で控室に来る雰囲気だったじゃないですかなに無許可で入ってきてるんですか叱られるなら園山さんを道連れにしないで一人で叱られてくださいよ。」
「ごめんね一夏くん。やっぱり不味かったかなあ。」
「細かいことは言わないの☆」
何故かこの二人は俺より先回りして控室にいたのだった。
俺、結構近道しながら来たよ?二人とも変な道使ってないだろうね。
「ホントに物凄い攻撃・・・鳳さんってすごく強いんだね。」
園山さんは鳳さんの猛攻にすっかり圧倒されてしまっていた。
でもあれは兆秋限定の戦い方だと思うよ?
「あれは兆秋がブレード一本しか持ってないこと前提の戦い方だよ。もし他の武装を持っていたら手痛いカウンターを貰うかもしれないからね。」
「そうだねえ、あんながっつり攻撃してたらマシンガンやライフルに対応できないものね。」
「じゃあ兆秋くんって結構対策しやすい相手だったりするんですか?」
対策しやすいかって言われればそりゃあ・・・
「「本来ブレード一本だけの奴なんてカモだよ。」」
千冬姉さんがおかしかっただけさ。
「そ・・そっかあ、じゃあ兆秋くんはこのまま負けちゃうのかなあ。」
「それはわからないわ。」
「鈴ちゃんも体力的に追い詰められてきてるからね。」
「え?」
「あそこまで派手に動き回って攻撃してるんだから、相当疲れてるはずだよ。兆秋の爆発力も気にしてるんだから余計に。」
その証拠に、時折膠着して止まった鳳さんを見ると汗が滝のように流れ、目の焦点がおぼろげになりつつある。
「グロッキー寸前ね。でも兆秋くんもダメージが蓄積してるみたい、このまま良いの一発貰っちゃえばエネルギー切れになるかもしれないわね。」
「どっちが勝ってもおかしくはないですね。」
それに、どっちが勝っても明日明後日でクラス対抗戦の決勝をできるような状態じゃあないだろうな。
そうこう言ってる間にも試合は進んでいった。
ほう、どうやらついに鳳さんに隙ができたな。
兆秋がそこを狙って斬りかかろうとする。
鳳さんもそれを察知して防ごうとする。
そして二人がぶつかり合おうとした刹那・・・
ドオオオオオン!!
上からの謎の閃光が二人の動きを止めた。
アリーナのバリアが破られた!?
「っ!不味いわね、二人とも避難して!!」
「え?え?どういうこと?」
「空から“2体”のISが侵入してきたようだな。園山さんは逃げる準備をし」
ドオオオオオオオオン!!!
片方のISが俺たちのいる控室側にビームを撃ってきた。
「ヤバいわねえ。私、今ISを整備に出してて持ってないんだけどなあ。」
「え?嘘??え?え?」
何か嫌な予感がする。俺は急いでアリーナの出撃ゲートの出口のすぐ外側に出た。これで何かあってもすぐ加勢することができる。
そこで最悪の出来事が起きた。
「い??一夏くん??何してるの??アリーナの外は危ないよ???」
完全にパニックになってしまった園山さんが俺についてきてしまったのだ。
「園山さん早く戻ってきて危険よ!!」
「そうだ!戻るんだ!!」
しかし・・・
ガシャァァァン!!
アリーナの出入り口がしまった。クソ、完全にロックされてる。
パニックになった園山さんを放置するなんて、俺も動揺してしまったということか。
「え??え??嫌・・・死にたくないよお・・・!」
・・・責任は取るか。
「園山さん、落ち着いて。」
「で・・・でもお・・・!!」
園山さんは涙を流し震え上がってしまっている。当然だ、生身でISの戦場に立つことになってしまったのだ、その恐怖は計り知れない。
「俺があの二人に協力して所属不明のISを倒す。だから園山さんはここを動かないで。」
「え・・・」
「これでも千冬姉さんの弟さ。不審者程度蹴散らして見せるさ。」
さーて、戦うか。
行くぞ色鋼!
まずい、このままではオリ弟最強どころか主人公交代騒ぎになってしまう!