クロラボさんよぉぉっ!ほんっとお前よぉぉっ!
ああああああ!!タンスの角に小指ぶつけろ!タンスの角でブレイクダンスしろ!
──地獄絵図とは正にこの光景なのだろうか。真っ二つにへし折れたソファ、幾重にもヒビが入った内装。駄目押しに赤く染まった壁と、その壁に初老の男性を押し付ける男。ミチミチと生々しい音を上げながら初老の男性は呻き声のような悲鳴をあげる。
「……金、金ならいくらでも」
「あぁ! 金だァ!?お前が俺を犯罪者にして手に入れた金を誰が欲しがるってんだ! 」
そんな悲鳴を聞き男は更に押し付ける力を強くした。ミチリ、身体から嫌な音が鳴るが、男は構わず壁に押し付けていく。
「──ざっけんじゃねぇよ! どいつもこいつも俺ばっかり槍玉にあげやがる! 耐えて耐えて最後は不祥事を俺に全部押し付けて尻尾切りってかぁ!? 死ね死ね死ねぇ! 」
床に巻き散らされた硬貨と紙幣をゴミのように踏み潰し、男は激昂する。彼は人付き合いの苦手な青年だった。小さな頃から夢だったヒーローを諦め銀行員という仕事につき、人付き合いに苦労しながらも職務に務めていた。
「ノルマだって頑張ってこなした! それなのに成果はお前らが全部総取り。頑張った俺は無能扱い……ストレスでどうにかなりそうだった!それでも耐えて耐えて耐えて耐えて! 」
「耐えた結果が犯罪者だ! どういうこった! アァ!?」
簡単に言うならば彼はボロ雑巾のように扱われ尻尾切りに合った。身に覚えのない犯罪を被らされ路頭を迷った。
「違う……違うんだ。ごめんなさい、死にたくない、死にたくな」
「死ね」
グチャリ。まるで熟した果実を握りつぶすかのように、男は初老の男の頭を握り潰した。その潰した頭を壁に押し付け真っ赤な壁を更に赤く染め上げる。
「俺の『圧力』手に触れた物に圧力を加える事が出来る」
自己紹介のように己の個性を語る男は怒りに支配されていた。己にこんな目を合わせた奴らが憎い、どいつもこいつも己の個性で潰してミンチにしてやりたいと。
「……助けて。ヒーロー、誰か……」
「ヒーローなんてこねぇよバァァカ! 来る前にお前ら全員死ぬんだよ! 」
そう言いながら男は1人の女性に目を付ける、その女性は彼の記憶に深く刻まれている存在。
「……お前。俺の手柄横取りした奴だよなぁ? 」
「ヒッ! 嫌っ!嫌っ! 嫌っ! 」
頭を掴む男から逃れようと必死になる女性の顔を覗き見る。恐怖と絶望で支配された顔だ。その顔を見て、男は自分の溜飲が少し解消されたのを感じる。
「俺も嫌だったなぁ……辛かったなぁ」
ミチリ、女性の顔が醜く歪み始める。男の個性『圧力』が女性に使われているのだ。
「ごめんな…ごべんなざ……」
必死に懇願する女性の顔は既に歪みつつある。このまま解放された所で彼女の顔が元通りになる事はないだろう。
「へへっ……死ね」
「ゴメバッ!?」
女性の頭は彼の手の中で爆発した。辺り一面に脳漿と血液を撒き散らし女は絶命する。
「あー……気持ちイイ。気分がスッキリしていく感じだ」
「なんで我慢してたんだろうか? とっとと殺してやれば良かったんだ。俺が個性を使えば誰も敵う訳ないのに」
崩れ落ちる女性の身体に見向きもせず、男はこの場で生き残った者達に宣告する。
「……そろそろヒーロー共が突入してきても可笑しくない。お前ら全員人質だ」
「長生きしたきゃ俺の言う事を従うんだなぁ! クヒ、クヒヒヒヒヒ! 」
「いんや、その前に皆殺しかぁ!?すっかり忘れてたわ! クヒヒヒヒヒ! 」
崩壊した銀行の中で男は嗤い、生き残った者達は恐怖で震える。彼等では太刀打ちする事が出来ない。だからこそ、ヒーローが自分達を助けにきてくれるのを願うばかりだ。
「まだ突撃命令は出んのか!? 」
「……どうやらお上の奴らが俺達が突撃するのを止めているようだな」
そんな地獄絵図と化した銀行の外、筋骨隆々な男と全身を木で纏った男が話し合う。彼等はプロヒーローと呼ばれる者達、個性を悪用する犯罪者『ヴィラン』を制圧する者達の総称である。
筋骨隆々なプロヒーロー デステゴロ
全身を木で纏ったプロヒーロー シンリンカムイ
本来ならば直ぐにでも現場に突撃しなければならない彼等が何故か現場の目の前で立ち往生するばかり。それは一体何故か。
「すいません! 何故か本部から突撃命令が中止されており、連絡を求めておりますが全て音信不通で……」
そんな2人にペコペコと謝罪する警察官の言葉を聞きシンリンカムイは、ある事を思い出す。
「……そう言えばこの銀行は悪評が絶えなかったな。お上としても何か暴かれてはならない事がここにはあるのも知れない」
「それがどうした! 人命と悪評! 上の奴らはどちらが大切だと……ッ! 」
プロヒーローである彼等は公務員、つまり国から給金を貰っている立場だ。故に彼等は国に逆らう事が出来ない。
本来ならば構わず突貫すべきなのだろう。だが……それを行った瞬間彼等は命令違反の犯罪者、ヴィランとなる。
故に彼等は動けない。人命を救うべきプロヒーローが命令一つで動けなくなるとは皮肉にも程がある。
『おーっとプロヒーロー達が全く動かない!? シンリンカムイにデステゴロ! 一体何故動かない!? 』
「マスコミの奴ら……言いたい放題言いやがって」
怒気を隠さずマスコミを睨みつけるデステゴロにシンリンカムイが覚悟を決めた声色で話し掛ける。
「しかし……このままでは状況が悪化する一方。ここはもう突撃するしか」
「……やるしかないか」
「理由が必要なのね? 」
2人が覚悟を決めた瞬間、彼等の後ろから声が掛かる。その声に振り返った2人の目に映ったのは1人の少女、だが彼等はこの少女の事を良く知っている。
「正義を求める声が聞こえた。貴方達に力を貸すわ」
「……日本一ちゃん。何しに」
「正義を求める声が……私を呼ぶ人達の声が聞こえたのよ」
茫然自失としたシンリンカムイの言葉に日本一ちゃんは決意の秘めた凛とした声色で宣言する。そんな日本一ちゃんを見てデステゴロは頭を抱える。
「再っ悪だ……最悪のタイミングで最悪な奴が来やがった」
無免許ヒーロー。『ヴィラン』日本一ちゃん、ヒーロー活動を行う為には免許が必要不可欠であり、日本一ちゃんはそれを持たずにヒーロー活動を行う犯罪者。故に見つけ次第確保しなければならない存在なのだが、プロヒーローにとっては確保したくない存在なのだ。
『緊急事態です! 正義の味方、日本一ちゃんが現場に現れました! プロヒーローよりもヒーローしていると定評のある日本一ちゃんが現れました。これで彼等は救われます! 』
遠巻きに見ていたギャラリーが騒ぎ出す。彼女はヒーロー活動の他にも奉仕活動を積極的に行っており、街に住む者は皆、彼女を快く思っているのだ。
捕まえてしまえばバッシングは必死、故に彼等プロヒーローは見つけても捕まえるフリしかしない。だが、このような場所に現れてしまったらそのフリが出来なくなる。故に最悪、デステゴロにとってこの場に日本一ちゃんが現れるのは最悪としか言い様がなかった。
「……悪い事は言わん。帰れ」
「正義は悪から逃げない! 」
デステゴロの言葉を跳ね除け日本一ちゃんは声高らかに宣言する。
「聞きなさい悪党! 貴方が何を思ってそこで暴れてるかなんて皆目検討もつかない !だけど貴方に虐げられ、助けを求める者がいるならば私が相手になるわ! 」
その言葉を最後に日本一ちゃんは銀行へと突貫する。
『正義の味方日本一ちゃん! 声高らかに宣言を行い銀行へと突貫したァァッ!』
盛り上がるマスコミ、突然の日本一ちゃんの登場でボルテージが上がる観衆達。突貫した日本一ちゃんを見て舌打ちをしながらデステゴロは動き出す。
「行くぞシンリンカムイ! アイツを『確保』しに行くぞ! 」
「……成程ッ! 日本一ちゃんを『確保』しに行くのか! 」
銀行への突撃は上からの命令により出来ない。だが、日本一ちゃんを『確保』するのは命令違反ではない。例え日本一ちゃんが銀行へと突撃し、それを追う為に銀行に入った所で命令違反でヴィランとはならない。
上からの命令は守っている。だが、突如現れた確保対象が銀行に入っただけだ。
屁理屈ここに極まれり。と言った所だが、彼等は正当な理由があれば動く事が出来る。もしもあのまま現場へと突撃していたら、本部と連絡がつかない状況での独自判断は命令違反だのと様々な理由を付けられ、罰せられていた可能性があった。だからこそ彼等が動き出す理由となる日本一ちゃんの存在は大きい。
『日本一ちゃんに続きついにプロヒーロー達が遂に動き出したァァッ! 現場にいる人達は無事なのか!? 』
まるでアトラクションのような実況を行うマスコミの声を意識から遮断し、彼等は銀行へと突撃していく。中で何が起こっているのか、それを何一つ知らずに。
「あー……日本一ィ? 確か奉仕活動が大好きなキチガイ女だったか? まぁ良いや。プロヒーローと一緒にまとめて殺そう」
頭を掻きながら、男は興味無さそうに呟く。日本一ちゃんとプロヒーロー、彼等が突入した。その言葉に生き残った者達は安堵する。これで大丈夫、自分達は助かるのだと。
「……取り敢えずコイツ人質にするか」
男は呟きながら視界に映った1人の少女に手を掛けんと動き出す。
「……嫌ッ! 助けてママ! 」
「やめて! 子どもには手を出さないで下さい! 」
「黙れ糞共ッ! 黙って人質になれや! 」
震える子どもを抱き抱え懇願する女性の声を、罵声で脅し付けその手で子どもを触れようと歩み寄る。女性を跳ね除け子どもに触れようとする、その瞬間。突然の衝撃と共に男の身体は宙を舞った。
「──正義の求める声が聞こえる」
カツ、カツ、カツ。彼等の耳に誰かが歩み寄る音が聞こえる。その姿は誰もが知っている。蒼天の如く青く美しい髪を束ね、頭に被るように付けたゴーグルが光でキラリと輝く。
「──あぁ……来てくれた。来てくれたんだ! 」
「もう大丈夫よ皆! 私が来たわ! 」
彼女の名は日本一ちゃん、正義の味方だ。
「ざっけんなよ……糞! 糞! 糞! 世間の厳しさを何一つ知らないガキが調子にのりやがって! テメェも死ねぇ! 」
殴り飛ばされた男が両手を地面に付ける。その瞬間、地面が大きな音を立てながら割れ始めた。
「──不味いッ! 必殺、ウルシ鎖牢! 」
シンリンカムイの手が枝分かれするように被害者の元へと進んでいき全員を保護していく。
「よくやったシンリンカムイ! 」
デステゴロは声を掛けながらひび割れていく地面を駆け出していく。彼が駆ける先にいるのは、今回の事件の主犯である男、ヴィランだ。
「ヴィラン! 貴様を個性無断使用並びに住居破損、殺人の容疑で拘束させて貰う! 」
「死ね死ね死ねぇ! 」
絶叫する男の下へとデステゴロは辿り着き、腕を大きく振りかぶる。彼はパワーヒーロー、全身の鍛え抜かれた肉体こそが彼の武器。
「ダイナミックゥ……」
力とは筋肉よって作られる。鋼鉄の如く鍛え抜かれた肉体から放たれる一撃はあらゆる全てを打ち砕く。
「イィンパクトォォォッ!」
振り下ろされた鉄拳は男を撃ち抜き、地面に叩き付ける。デステゴロの鉄拳をモロに受けた男は、地面をバウンドし壁へと激突し意識を失った。
「……○○時○○分、ヴィラン拘束! 」
デステゴロの拘束宣言で生き残った者達の歓声が湧き上がる。誰もが生き残った事で喜ぶ中、悲しみで涙を流す者達もいた。
「お父さん……お母さん……ねぇ? 起きてよ? ねぇ? 」
現状を理解出来る年齢ではなく、両親を失った事すら分からず、ただ両親を揺さぶる子ども。
「何故……儂が生き残ってあの子が死んだんだ? 何故? 儂が死ねば良かった、こんな場所にあの子と共に来た儂のせいで……」
大切な孫を失った者。
「……結婚したばかりだったのよ。来週はフランスに旅行に行く予定だったのに、なのに……こんな事で」
愛する者を失った者。
「ねぇ……日本一ちゃん。お父さんとお母さんが起きないの。何で? 」
少女は日本一ちゃんに問う。両親が起きない、一体何故なのかと。
「……お父さんとお母さんはね、疲れて休んでるの」
「……そうなの? でも揺さぶっても起きないよ? 」
無垢な瞳が日本一ちゃんを貫く。その視線を一身に受ける日本一ちゃんの姿を見たシンリンカムイは声を掛ける。
「……日本一ちゃん。この場は任せて欲しい。だから君は早く」
「……大丈夫ですシンリンカムイさん。私は自分の意思で正義を貫いています。正義がある限り私は決してへこたれたりなんてしません! 」
そう言い切る日本一ちゃんの目は決してヘコたりなんてしていない、涙は流せど決意は固く。
全ては愛と正義の名の下に。
『犯人確保です! ヴィランでありながら人々の為に戦う正義の味方日本一ちゃんとプロヒーローデステゴロとシンリンカムイの3名が事件を解決しました! 』
ピクリ、日本一ちゃんの肩が揺れる。
『それでは日本一ちゃんにインタビューをしたいと思います! 日本一ちゃん……ってその子』
「……? 日本一ちゃん。いたいよ」
マスコミの言葉を聞いた瞬間、日本一ちゃんは少女をカメラから庇うように強く抱き締める。
「大丈夫。大丈夫だから……ね? 」
優しい声で少女に語り掛ける日本一ちゃん。そんな姿を見たマスコミは特ダネだと言わんばかりにカメラを日本一ちゃんへと向けた。
どんな時でも笑顔である日本一ちゃんが涙を流しているのだから。
『えー……日本一ちゃん? インタビューなんですけども 』
「悪いがコイツは未成年でありヴィランだ。肖像権、プライバシーの侵害、未成年保護法に則り撮影しないで貰おうか?」
『デステゴロさん!? ちょっと何してるんですか!? カメラがぶっ壊れましたよ!? 』
「買い直したらちゃんとレシートをうちの事務所に送っとけ。払ってやる」
マスコミのカメラを粉砕しデステゴロは虫を振り払うように上下に掌を揺らす。
「日本一……だから帰れって言ったんだ。お前の大層な正義感が悪いとは言わん。だが、お前みたいなヒヨッコが正義感だけでやっていくにはこの業界は辛い」
少女を抱き締める日本一の背中にデステゴロは語る。
「しかもお前は無資格、ヴィランだ。お前がどんな人間なのか知っている。誰かの為に戦える優しくも勇気のある子どもだ。実力もある、それも分かってる。だけどな、お前がヒーロー活動を行おうとする限り、こんな事態は常に付きまとう」
「奉仕活動だけで良いだろ? こんな荒事は俺達ヒーローに任せて「正義を求める声が聞こえるんです」……なに?」
デステゴロの声を遮るように日本一ちゃんは語りだす。
「助けを求める声が聞こえるんです。私はそんな声を見捨てたくありません」
日本一ちゃんは少女を抱き抱えデステゴロを見る。その目に既に涙はなく、固い覚悟と熱い意志が渦巻いていた。
「貫くは正義! 砕くは悪! この街の平和は私が守ります! 」
「……だったら資格を取れってあれほど言ってんだろうが」
呆れたように呟くデステゴロに日本一ちゃんは否と返事を返す。
「正義は誰にも縛られちゃいけません! 例えそれが国……いや世界であってもです! 」
「私は誰かが定めた正義ではなく、自分の正義を貫きます! 」
日本一ちゃんの無法宣言を聞き、デステゴロは溜息を吐きながら言葉を返す。
「……どうでも良いがヒーローの目の前でヴィランが長話してて良いとでも思ってるのか? 」
ピタリ、日本一ちゃんの動きが止まる。抱いていた少女を下ろし、自身の脚力を持ってそのまま天高く、空へと飛び上がる。
「それじゃあ! またどこかで! 」
その言葉を残し、日本一ちゃんは現場を去る。後ろ姿を呆れた顔をしながら眺めるデステゴロにシンリンカムイが話し掛ける。
「ついに無法宣言……か」
「その理由はその辺のプロヒーローよりヒーロー滲みた理由だがな。全ては自分の信じる正義の為に、助けを求める声に答える為に……青臭いな」
「だが、それこそがヒーローの原点である事は確かだ。国に縛られている俺達は、あの時動く事が出来ず。国に囚われる事のない彼女がいたからこそ、動く事が出来た」
「……ヴィランは犯罪者。どれだけアイツが高潔な人間であろうともそれは変わらない」
デステゴロの言葉にシンリンカムイは待ったを掛ける。
「だからこそ。俺達プロヒーローが彼女が間違った道へと行かぬように導くべきなのだろう 」
「現在ヴィラン街道疾走中だがな」
そう纏めると、デステゴロは少女を持ち上げ話し掛ける。
「嬢ちゃん、日本一の事は好きか? 」
「うん! 日本一ちゃん優しいから大好き! 大きくなったら日本一ちゃんみたいになるの! 」
「……アイツは嬢ちゃんが自分と同じようになって欲しくはないだろうな」
その言葉に少女は頭を傾げる。
「……良く分かんない」
「今はそれで良い。嬢ちゃんが大きくなったらきっと理解出来る時が来る」
日本一ちゃんは無資格でヒーロー活動を行うヴィランである。愛と正義の名の下に、彼女は今日も街を駆ける。
「日本一ちゃーん! 」
少女の声に日本一ちゃんの動きが止まる。日本一ちゃんが声の方向を見ると、そこには笑顔で笑う少女と仏頂面のデステゴロがいた。
「はーい! どうしたの? 」
「俺は仕事が入ってる。暫くの間、嬢ちゃんの世話を頼むぞ」
その言葉に日本一ちゃんは二つ返事で了承し、少女を預かる。その姿を確認したデステゴロはノシノシとその場を後にする。
「日本一ちゃん! デステゴロと日本一ちゃんの絵を描いたんだ! 」
「ほんと!? 見せて欲しいな! 」
「今度じむしょに来た時に見せてあげる! 」
「……これでもヴィランなんだけどなぁ。というかデステゴロも私を捕まえなくて良いのかな? 」
困ったように笑いながら頬をかく日本一ちゃんを見て少女は笑みを浮かべる。
「日本一ちゃんはヴィランじゃないよ! ヴィランは悪い人! 日本一ちゃんは優しくてかっこいいもん! 」
「……えぇ! 私は愛と正義の名の下に戦うヒーローよ! 」
少女の純粋無垢な笑み。それに答えるように日本一ちゃんは少女を肩車する。
「よーっし! パトロール開始! 」
「おー! 」
正義の味方は何時でも笑う。皆の心を守る為、皆の笑顔を守る為に。愛と正義の名の下に、日本一ちゃんは今日も今日とてヒーロー活動に勤しむ。
「見つけたぞ日本一! 今日こそ捕まえてやる! 」
「時には逃げる事も大切よね! 」
「逃げろーッ! 」
日本一ちゃんは今日も笑顔で街を守っています。
日本一ちゃんは熱血正義の味方可愛い
アサギは知らん