帝国貴族はイージーな転生先と思ったか?   作:鉄鋼怪人

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祝!お気に入り4444突破!!ですのでこの章で主人公をぼろ雑巾にしても問題ないよね?


第九章 前線で大軍の攻勢に回るなら危険に晒されないと思ったか?
第百十二話 同窓会は社会的地位の差が如実に現れる


発 宇宙軍カキン第三根拠地隊 

 

宛 サジタリウス腕方面討伐軍総司令部

 

 戦局最後ノ関頭二有リ、叛徒共来寇以来、忠君ナル麾下将兵ノ敢闘ハ真ニ戦神ノ如キモノナリ。特ニ想像ヲ越エタル量的優勢ヲ以テスル陸海空宇宙ヨリノ攻撃ニ対シ、克ク健闘ヲ続ケタルハ彼ラノ将トシテ喜ビ二堪エナイモノデアル。

 

 然レドモ執拗ナル叛徒共ノ猛攻二将兵相次イデ斃レ為二御期待ニ反シ、皇帝陛下ノ統治サル地ヲ敵手二委ネルノヤムナキニ至レルハ誠ニ恐懼ニ堪ヘズ、幾重ニモ御詫ビ申シ上グ。

 特ニ本星ヲ死守セザル限リ帝国本土永遠ニ安カラザルヲ思ヒ、タトヒ魂魄トナルモ誓ッテ帝国軍ノ捲土重来ノ魁タランコトヲ期ス、今ヤ弾尽キ、水涸レ戦イ残レル者全員イヨク最後ノ敢闘ヲ行ハントスルニ方リ熟々皇恩ノ忝サヲ思ヒ粉骨砕身亦悔ユル所ニアラズ。

 茲ニ将兵一同ト共ニ謹ンデ皇帝陛下ヘノ万歳三唱ヲ持ッテ決別ノ電ト致ス。

 

 皇帝陛下万歳!皇帝陛下万歳!皇帝陛下万歳!

 

 偉大ナリキ銀河帝国ヨ永遠ナレ!

 

 

 

 

 

 その決別電が打たれたのは宇宙暦789年6月8日1800時の事である。

 

 カキン星系第四惑星であり、星系名と同じ名を名付けられた惑星カキンは、その大部分が熱帯性気候に属する。さらに陸地の多くが環礁や湿地帯であるため、高温多湿な気候と相まって湖の水は細菌が繁殖し毒化しており、水面には毒虫も這う。地上戦ともなれば穴という穴に泥が入りそうになる最悪な環境であり、伝染病の発生も珍しくない。

 

 しかし、カプチェランカと並び豊富な地下資源と水資源、そして呼吸可能な大気を持つ事、加えてワープポイントが周辺に多く流通の要衝となっているがために、決して戦略的価値は低くない。そのため長年に渡りこの惑星をめぐって同盟軍と帝国軍による小競り合いが続いていた。

 

 そんな係争地であるこの星の戦況にも同盟軍の大反攻作戦により変化が訪れた。

 

 帝国と同盟の支配領域が錯綜する惑星南半球において同盟軍の総攻撃が開始され、現地帝国軍は圧倒的な火力の滝の前に半壊、残存戦力は南半球の簡易宇宙港に司令部を持つカキン第三根拠地隊を中核に集結し、宇宙艦隊や北半球の友軍の支援を受けつつ抗戦を続けた。司令官たるカリウス准将は三重に渡る防衛線を敷き同盟軍の攻撃を五度に渡り撃退したが……最終的には物量の前に踏み潰された。

 

 6月10日の夜明け前、カリウス准将の指揮の下、敗残兵約八〇〇〇名は玉砕同然の最後の総攻撃をかけた。猟兵部隊が後方に浸透し、朝日が昇ると共に砲兵部隊が砲撃し、装甲擲弾兵を前衛とした歩兵部隊が前線の同盟軍を蹴散らす。

 

 この攻撃の前に、同盟軍の最前衛にあった第一〇宇宙軍陸戦隊第一〇四陸戦師団・第一一三陸戦師団は一時的に混乱に陥った。だが最終的には急遽投入された航空部隊による爆撃と装甲部隊の突入によりこの攻撃を撃破、カリウス准将以下の将兵の大半は戦死。6月16日までに同盟軍はカキン南半球における戦闘を掃討戦に移行させ、主力部隊は北半球戦線へと移転させた。

 

そして………。

 

「ここから……基地まで数百キロはあるか……」

 

 カキン南半球のある湿地帯の草むらで、一人の帝国軍士官が携帯端末に映されるソリビジョン地図を見つめながら呟いた。

 

 あらゆる環境に適応し、簡単なパワーアシスト機能も有する簡易装甲服を着こなしたその中尉の顔を見れば、少なくとも女性であれば十中八九気を引かれるであろう。

 

 均整のとれた身長184cmの相当な美男子であった。黒に近いブラウンの頭髪は良く整えられその者の知性を感じさせる。多少泥に汚れ、顔に疲労の色が見えるものの、それでもその姿勢や表情からは育ちの良さと品性が滲み出ていた。

 

 だが、最も注目するのはその瞳だ。左右で色が違う。闇の深淵のようにミステリアスな黒い右目とサファイアのように輝く青い左目……所謂『金銀妖瞳』と言う物である。

 

 地球時代、その文化圏においては英雄の素質を持つとも忌み子であるとも迷信で語られた存在であり、現代においては単なる遺伝子の変異に過ぎないと証明されているそれは、しかしそれを理解していようともその風貌を見る者に異様な印象を与えてるように思えた。

 

「行くか……」

 

 『金銀妖瞳』の中尉は湿地帯でハンドブラスター片手に警戒しながら北半球の友軍基地へと向かう。友軍はいなかった。

 

 彼の部隊は既に全滅した。最後の総攻撃に対して彼は根拠地隊司令部の命令に反対し、友軍との合流を提案したが、所属する臨時陸戦隊司令部からは臆病者扱いされ碌に取り合われなかった。

 

 彼にとっては愚かとしか思えなかった。皇帝のために名誉の戦死なぞ呆れる。彼が軍に入隊したのは皇帝への忠誠心でも、体制への信奉からでも、まして反乱軍への敵意でもない。唯帝国において最も自身の才覚だけで高みに昇る事が出来るのが軍であっただけの事だ。

 

 故にこんな所で彼は死ぬつもりなぞ無かった。攻勢の最中に部隊から離脱した彼の判断は結果的に彼の生存の上では最善の判断であったろう。仮にあのまま部隊に同行していれば、彼は周囲の泥に沈み虫に集られる死体の仲間入りをしていた事であろうから。

 

 とは言え、まだこの時点では戦死の日が数日ズレる程度の事であろうが……。

 

「こんな所で死ぬつもりはない」

 

 そんな中、泥の中を掻き分けるように歩みながら彼は小さく呟く。それが単なる強がりではない事はその強い意志の籠る瞳から明らかであった。そう、こんな所で死ぬつもりはない。こんな下らぬ場所で………。

 

「っ……!!」

 

 次の瞬間人影を確認すると共に彼はハンドブラスターを発砲していた。同時に人影も構える狙撃用ブラスターライフルを発砲する。

 

 彼の正面に立つ『味方の背後の敵兵』を彼のハンドブラスターの光筋が撃ち抜いたのと、正面の味方が『彼の背後で狙いを定めていた敵兵士』を射殺したのはほぼ同時であった。

 

「「………!」」

 

 彼はすぐに正面の小柄な蜂蜜色の髪の士官と背中合わせとなり周辺を警戒する。

 

「俺の部隊は俺以外全滅、そっちは?」

「同じだ」

 

 返されるのは想定していたのと同じ答え。恐らくは彼もまた無意味に玉砕する味方から逃れたのだろう。

 

「ちっ……大勢おいでなすった」

 

 背後から蜂蜜色の髪の士官が愚痴を吐く。恐らく先程の発砲音か光で居場所が発覚したらしい。若干霧の立ち込める湿地帯の奥から幾つもの影がこちらへと向かってくるのが見えた。同盟地上軍の湿地帯向けの水陸両用装甲車であろう。聞き耳を立てればほかの方向からも装甲車と歩兵が近づいてくる音が響いてくるのが分かる。

 

「……装甲車への肉薄の経験は?」

「一度だけある」

「そうか」

 

 背後の小柄な陸兵の質問に淡々と彼は答えた。歩兵は兎も角、装甲車に対してハンドブラスターではまず撃破は不可能、であるならば生き残るためには装甲車に肉薄して手榴弾を中に放り込むなり、対車両地雷を投げるしかない。

 

「実は少し離れた所にトラップを設置してある。そちらに誘導して装甲車の足を止める。後は歩兵は俺がやるから肉薄攻撃を頼めるか?」

 

 普通ならふざけるな、というべき要望である。しかしそれは決していい加減な提案ではない。『金銀妖瞳』の中尉も自身と彼とでどちらがよりこのぬかるんだ湿地帯での肉薄攻撃に向いているか、小柄な男の狙撃技術が信用出来るか、その作戦内容の成功率は現実的か、短時間の内に計算をし、その勝率が小さくはない事を結論づけていた。

 

 故に、彼は小さく、淡々と頷いた。その返答に蜂蜜色の髪の士官は狼のようににやりと笑みを浮かべる。

 

「生きて戻れたら酒でも御一緒しよう」

「うむ、自己紹介はその時に」

 

 互いに目の前に迫る死に対して、しかし世間話をするようにそう語り合う。既に同盟軍はすぐそこまで迫っていた。

 

「「行くぞ!」」

 

 その掛け声と共に湿地帯で銃撃の音が鳴り響いた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うげっ」

「おい、何だその妖怪を見る目付きは?」

 

 私は会場に入ってすぐに視界に入って来た屈強な同期生に締められる直前の鶏のような声を上げた。

 

 宇宙暦789年7月1日、私はエルゴン星系惑星シャンプール星都クセシフォンにそびえ立つホテルカプリコーン・シャンプール地上三〇階で行われていた自由惑星同盟軍士官学校784年度卒業生同窓会の会場……正確にはそのシャンプール会場……にいた。

 

 シャンプール会場、という言い方をするのも当然である。軍人である以上任地は選べないし、態態休暇を取ろうにも限度がある。唯でさえこの時期は士官学校なり専科学校なりの同窓会が多いのだ。御上も可能な限り影響が生じないように退役軍人庁や後援会と調整はしているものの、零にする事は出来ない。

 

 なので、この784年度卒業生同窓会の場合もそうであるが、会場が複数用意される訳だ。このシャンプール以外にもハイネセンポリスとテルヌーゼン、ネプティス、パルメレント、パラス等九ヶ所が会場となり、それぞれ近隣で職務についている同期生で同窓会を開催していた。

 

 784年度卒業生の総数は4267名。その内、同窓会の出席者は3411名。その中でシャンプール会場に足を運んだ者は952名である。出席していない者の半分は軍務であり、残る半分はそれ以外の所用で日程が合わない者や病気や怪我で入院している者、唯関心がなく来ない者、そして戦死者で占められる。

 

「冗談だよ、冗談。想定内の反応でなによりだな」

「そういう貴様もまた後方で火遊びしてきたらしいな?」

 

 私がへらへらと笑みを浮かべてそう答えれば、反撃とばかりにこの旧友は指摘してくる。

 

「ホランド中佐、若様の武勲に対して何か御不満でも?」

 

 私の傍らでその反応を窺い、ベアトがむすっとした表情で尋ねる。苦々しげに聞こえるのは恐らく中佐という階級に対してであろう。

 

 昨年の10月に私は市民守護勲章と共に中佐に昇進したものの、流石にベアトやノルドグレーン中尉までは難しかったらしい。共に市民守護勲章の授与と一時金支給こそあったが昇進は見送られた。その間にホーランドが昇進してしまい、遂にベアトが下手に出なければならない状況に陥ったのだ。

 

「何故このような者が中佐なぞに……!」

 

 ベアトはそう不満そうにするが、実際の所、そこにあるのは必然のみである。第三次イゼルローン要塞攻防戦以降、第一一艦隊司令部作戦参謀スタッフ、第八宇宙軍陸戦隊第八四陸戦師団大隊長、同師団参謀、第一一艦隊第六九〇駆逐隊司令官等を歴任してその全てで大なり小なり戦功を上げてきた。そこに士官学校次席の経歴が加われば昇進しない方が可笑しいレベルだ。寧ろ異常なのは………。

 

「それはこっちの台詞よ!何でこんな奴が中佐なんかに………!!」

 

 そう答えたのはホーランドの影から現れたコーデリア・ドリンカー・コープ宇宙軍中佐だった。

 

「ふんっ!」

 

 コープは私の階級章を見てベアトがホーランドを見ていた時のように苦々し気に鼻を鳴らす。まぁ、気持ちは分からんでもないが……。

 

 宇宙暦789年6月時点で生存し、かつ軍に現役で在籍する784年度卒業生の総数は4088名。内、中尉は全体の二割、大尉が全体の七割以上を占める。即ち、殆んどの同期生は現在大尉である。

 

 実際、士官学校卒業から五年後の階級の平均は大尉が妥当なものだ。

 

 兵学校や専科学校卒業生の多数派にとっては大尉が退役直前に到達出来る終着点であるが、士官学校卒業生はせいぜい一、二分野の専門家であれば良い彼らとは違う。参謀教育は勿論、理系の技術知識、陸戦、語学、諜報技術、リーダーシップ……これらを高レベルで備えるエリート中のエリートとして軍の高官たるを期待されるのが士官学校卒業生である。彼らにとっては大尉なぞ卒業十年以内に通り過ぎる通過点でしかない。学歴格差ここに極まれりだ。

 

 残る一割以下の内、少佐は181名、殆どが士官学校上位卒業生ないし前線で複数回武功を挙げた者に限定される。ベアトのほかチュン、ヴァーンシャッフェ等がこの階級に任ぜられている。前線なら艦隊や地上軍司令部の若手参謀(の末席)、あるいは現場の歩兵大隊長や駆逐隊司令官等、後方なら部署の課長等に就く事が許される立場だ。

 

 中佐が現状の784年度卒業生の生者における最高階級である。筆頭はヤングブラッドであり昨年6月に昇任した。そのほか昨年の内にホーランドやコナリー、今年4月にコープが昇任する等、宇宙暦789年6月時点で計27名が任ぜられている。彼らは派閥の後押しを加味せずとも実際にそれぞれの任地で相応の働きを見せたが故に昇進を果たした存在であり、余程ヘマをしなければ間違いなく将官に手が届くであろうと予想される者達だ。もしかしたら二、三人は二十代で将官に昇任する可能性すらある。

 

 そんな同期の中佐達の中に私のような士官学校卒業席次ギリギリ千位以内合格、部署異動毎にトラブルの種を蒔き、醜聞に満ち満ちているような奴がいれば苦々しい顔にもなろうというものだ。

 

 とは言え、私も余り罵倒されるのは好きではないので一つおちょくってみる。

 

「おいおいコープ中佐、先任者にその態度はないだろう?ほれほれ、先に敬礼してくれよ、敬礼」

 

 軍隊において相手への挨拶でもある敬礼を行う順序は決まっている。同盟軍においてはまず自由戦士勲章を有する者が先に敬礼を受ける権利を持つ。次いで階級が高い順、同じ場合はその勤務地に着任した順か階級を授与された順に敬礼を受ける権利がある。

 

 私が中佐に昇進したのは昨年10月、コープが昇進したのは今年4月、つまり私は要求すればコープに先に敬礼される権利があるのだ……!

 

「うぐっ……ぐぐぐっ……!この下衆貴族がっ!調子に乗るんじゃないわよ……!」

 

 顔を憎らしげに歪めながら暫し葛藤し、しかし最後は抵抗しつつも凛とした完璧な敬礼を私に向ける。尤も顔はこっちを睨み殺せそうだがね。

 

「ふむ、宜しいコープ中佐、それが軍人の礼儀だからな?」

 

 私はどや顔で悠々と敬礼をしてやる。因みに軍規には上官が敬礼を終えるまで敬礼の姿勢を止める事は出来ないとあるので、軍隊内の苛めの中には相手に敬礼をさせた後何時間も放置するなんてものもある。もし相手が敬礼を勝手に止めればそれを基に叱責をする訳だ。まぁ私は屑じゃないのでそこまではしないが……。

 

「ふっ……」

「貴様今笑ったなぁ!?」

 

 私の傍に控えるベアトの冷笑にコープが反応する。長征派の名家の娘が亡命貴族に……しかも自身の主人に……嫌々礼を尽くす光景は随分と小気味が良い事だろう。

 

「ぐぬぬぬ………!………あっ!」

 

 屈辱に顔を歪ませるコープはしかし、次の瞬間何かに気付いたようににやり、と意地悪な笑みを浮かべる。

 

「いつまでそこで間抜けに突っ立ているつもりなのかしら?早く敬礼をしてくれないかしら、ゴトフリート『少佐』殿?」

「んなっ……!?」

 

 コープからの逆撃にベアトは顔を青くし、次に怒りに赤く染め上げる。

 

「ぐぐぐっ………!」

「まさか出来ないなんて無いわよねえ?軍規だからね、当然よねぇ、ましてぞんざいな敬礼なんてしたら実家の恥晒しよねぇ!そんな奴を傍においているような上官も底が知れるわよねぇ!」

「くっ……!!」

 

 コープは立て続けにベアトに口撃を加える。その度にベアトは顔を歪ませ……渋々と言った体で惚れ惚れする敬礼をコープに向けて行った。コープは完全な上から目線でそれに答える。

 

「いや、お前ら子供かよ」

「他人事のように言っているが貴様が発端だぞ」

 

 コープとベアトの低レベルな争いに私は呟くが直ぐ様ホーランドにそう指摘された。おい、やめーや。

 

「う、うぐっ……ごほん、それにしても……やはりシャンプール会場の出席者が多いな」

 

 私はホーランドの指摘に咳をして誤魔化した後話題を変える。

 

「当然よ、もうすぐ反攻作戦が開始されるんだから。というか貴方達の艦隊もそれでこっちに来たんでしょう?」

「まぁ、そりゃそうなんだが……」

 

 コープが何を今更、と言った口調で答える。そう、同盟軍は同盟領深く侵入している帝国軍に対して全面的な反撃を企て、既に一部では開始すらされていた。

 

 それは昨年2月にエル・ファシル陥落により中止された反攻作戦を修正し、より大規模にした物である。

 

 総司令官に長征派であり統一派とのパイプも太いデイヴィット・ヴォード宇宙軍元帥が指名された。第三次イゼルローン要塞攻略戦の司令官を務めた人物であり、現在はブランシャール退役元帥の後を引き継ぎ宇宙艦隊司令長官の地位にある。大軍を持ってセオリー通りに戦う正統派の用兵家であるが、それ以上に軍政家としての適性が高いように見え、将来的には統合作戦本部長、そしてそのまま政治家に転身を目指していると噂されている。

 

 投入される戦力は五個艦隊、四個地上軍、そのほか辺境域分艦隊、司令部直属部隊、更にはヴァラーハやシャンプール、エル・ファシル、カナン等の国境や占領惑星の星系警備隊が義勇軍として、また当然亡命政府軍も動員される。戦闘艦艇九万八八〇隻、兵員一七〇九万六二〇〇名は近年希に見る大動員だ。その目的は帝国軍の国境からの駆逐だ。作戦名は「レコンキスタ」……国土回復運動とはよく言ったものだ。

 

「こっちは去年エル・ファシルが陥落してから難民が来るわ来るわ……攻勢に出るはずがこの前まで難民の避難と防戦ばかりで休日返上よ。もう最悪だわ」

 

 コープは肩を竦めて苦労を語る。実際彼女の中佐昇進は避難計画の作成と実施の功績からであった。

 

「そういう貴方達は気楽で羨ましいわね?ずっとハイネセンにいたんだから」

「むっ……」

 

 こっちの捕虜収容所やら国防事務総局の極秘任務でそれなりに忙しかったのだが……いや、確かに最前線のコープ達に比べれば大したことはないだろうが……。

 

 実際去年の年末頃には極秘任務も少なくとも私が対応する範囲では終わり、4月の人事異動で第六艦隊第六陸戦隊所属になるまで文字通り暇を潰していた。お陰様で手が空いているからとヤングブラッドに御使い……エコニアから来た帰化帝国人の出迎えと世話……をさせられた。

 

……というかおい、ケーフェンヒラー何でてめぇ生きている!?

 

 どこでどうバタフライエフェクトが起きたのか分からないが、何故か不敵な笑みを浮かべてハイネセン宇宙港に到着した老男爵を出迎えて、その自宅の手配や暇潰しの相手を3月末までさせられていた。ハイネセン国立国会図書館の案内やハイネセン記念スタジアムでの生意気な銀河の妖精のコンサートや記念品グッズ購入の付き添い等等……老人介護かな?

 

 私はコープの非難を誤魔化すようにビュッフェ形式の料理を皿に取りに行く。うん、流石シャンプール最高級のホテル、最高の味だぜ!

 

「全く無礼なものです。若様より後で昇進した分際で生意気な……」

 

 傍らではベアトがコープの文句を口にする。因みにコープはホーランドに愚痴をボヤいていた。

 

 そんな子供じみた事がありつつも同窓会は比較的和やかな雰囲気で続いていく。軍務により普段顔合わせが出来ない旧友同士で親睦を深め、あるいは同じ部隊や艦隊に勤務する者同士で今後の任務について噂し合う。同じ派閥同士で情報交換を行い、別の派閥に探りを入れ、あるいはパイプを繋いでいく。

 

 当然私の元にも顔を出す者は多い。異例な程早く昇進した私に関心を持つ者、あるいは帰還派への顔繫ぎを望む者、統一派の中には恐らく私のハイネセンでの極秘任務を聞かされている者もいるだろう。士官学校ではそれほど親睦が無かった者が如何にも親友であるかのようにすり寄ってくる。素晴らしい友情だ。

 

 同窓会の終わり頃にそれは伝えられた。軍服を着た兵士が会場に入室した。その兵士は手元に何等かの伝言書を手にして周囲を探し長征派の同期生達の集まる一角に向かう。暫くしてどよめきが起こる。

 

「おい、コープ……!」

 

 コープの下に伝言書を持って険しい顔したスミルノフが駆け寄る。そして伝言書をコープに差し出す。コープはそれを僅かに疑念を持った面持ちで受け取り読みだして……若干表情を強張らせた。

 

「……あの馬鹿。あんな詰まらない場所で……!」

 

敵意と怒りを込めた表情でコープは呟く。

 

「どうした……?」

「っ……!」

 

 私の声に一瞬敵意を込めた視線を向け、しかしすぐにバツが悪そうにそれを消したコープは私にそれを渡す。受け取った伝言書を読んで私も僅かに渋い顔をする。

 

「この前マカドゥーが報告を受けたらしいわ。行方不明扱いからこれで戦死扱いね」

 

 伝言書の内容は第二方面軍司令部情報部勤務で今回の同窓会に任務から欠席したマカドゥー少佐からのものだった。……どうやら同期生の戦死が確認されたらしい。

 

 アブラハム・マスード地上軍大尉は長征派の軍人家系生まれであり、卒業時の学年席次は39位、カキンの地上軍師団の連隊直轄部隊の指揮官であった。以前コープとの戦術シミュレーションの際に地上部隊指揮官として対決した相手でもある。6月19日1400時頃カキン南半球での残敵掃討作戦中に指揮する部隊ごと行方不明になったが……どうやら数日前に遺体が回収され本人と確認されたそうだ。

 

「残敵だからって油断したのね。折角士官学校を出てこんな死に方をするなんて……!」

 

 死んだ同期生に悪態をつくコープ。だが、その表情には沈痛な面持ちが伺い知れる。カキンは決して戦略的に無価値な場所ではないが、純軍事的には重要かと言えばそこまで固執するべき場所でもない。まして予備役や下士官兵士上がりなら兎も角、エリートの集まりである士官学校卒業生……それも最上位卒業生……が戦死するにはもったいなさ過ぎる。しかも残敵掃討中に……。

 

「手持ちの小隊で掃討作戦中に全滅か……待ち伏せ、といった所か」

 

 伝言書に書かれた内容を読んで私は呟く。然程仲が良かった訳ではないが……それでも顔を知る同期生が戦死したとなればそれなりに思う所がある。

 

「………嫌な予感がするな」

 

 何とも言いようのない不安感を誤魔化すように私は会場に用意されていた葡萄酒を呷った。残念ながらそれによって不安が和らぐ事は無かった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エルゴン星系の惑星シャンプールの歴史は銀河連邦末期にまで遡る。所謂連邦末期から帝国建国期に放棄された旧銀河連邦植民地の一つであるシャンプールは、確認が取れる限りにおいてヴィックウェリントン社によりC級居住可能惑星をテラ・フォーミングされて植民が為されたと記録されている。

 

 宇宙暦281年頃に宇宙海賊の跳梁などで惑星植民の採算が大幅赤字となって実質的に放棄されて以来、残された住民は大きく二通りに分かれた。

 

 北部の比較的快適な気候である大諸島部は工業化が為されており、同盟との接触時点で原始的ながら人工衛星の打ち上げも行われていた等、比較的文明を維持していた。一方、南部の大大陸は沿岸部と百余りのオアシスを除くと砂漠化しており、機械も殆ど使わない原始的な遊牧民が生活していた。両者は基本的に互いに不可侵と限定的な貿易を行っていたとされる。

 

 宇宙暦574年に同盟が北部原住民と接触し、581年にシャンプールは同盟に併呑された。シャンプールは自治区、後に星系政府が成立して同盟の加盟国となるが、それは主に北部原住民が主導しての事だ。シャンプールの事情に疎い同盟政府は南部の遊牧民の意見を反映せずに貿易や関税の設定、インフラ建設を行い、それは南部遊牧民の反発を招いた。以来、シャンプールは親同盟派の北部と反同盟傾向のある南部の緊張と衝突が散発して現在に続く。

 

「まぁ、中佐殿には今更御伝えする事ではないですかな?」

「ははは、まぁ身をもって知りましたから」

 

 シャンプール南大大陸の緑化指定地域の向日葵畑を、数台のジープとトラックが走る。その内の一台に私は乗車していた。後部の席には私とベアト、運転するのがノルドグレーン中尉、先程から私に話しかけているのは助手席に座る士官だ。

 

「あの時は大変でした。まさか……誘拐されるとは。あの時は私の首も飛ぶと覚悟しましたよ」

「代わりにライターと金時計を盗られたけどな」

 

 私は肩を竦めて当時遊牧民達と交渉した浅黒い肌の少佐に答える。

 

 ハムザ・モハメド・マロン少佐はこの年二八歳、同盟軍第二方面軍の地域調整連絡官である。シャンプール生まれのシャンプール育ち、先祖も代々シャンプール生まれの生粋のシャンプール人である。

 

「ははは、同じシャンプールの民としてお恥ずかしい限りです。今回は注意しておりますので御安心下さい」

 

苦笑いを浮かべてそう謝罪するマロン少佐。

 

「いや、過ぎた事だし今更蒸し返す事でもないさ。郷に入っては郷に従えとも言うしな。……そろそろだな」

 

 ドローンが水やりと気温調整を行う向日葵畑を抜けるとその先は荒野が広がりその更に向こう側には灼熱の砂漠が広がる。

 

 そして丁度砂漠と荒野の中間地点、そこに複数の人影が見えた。

 

 ジープが彼らの集団の百メートル程手前で停まる。私はベアトとマロン少佐を連れてジープから降りてゆっくりと彼らの下に向かう。

 

 彼らもこちらに気付いたらしい。トリウマ(地球統一政府時代に品種改良で誕生した駝鳥のような乗用鳥だ)に乗った、日除けを被る古い火薬式銃を肩にかけた者達が数名程こちらへとやって来る。

 

「友よ、私はマロンシェの族長イヴンの息子ハムザだ。挨拶と礼のためにここに訪れた」

 

マロン少佐がトリウマに乗る男の一人にそう答える。

 

「………うむ、マロンシェの代理人、サラージ家のオマルだ。よくぞ来た同胞よ。それに……」

 

オマル・サラージと名乗る中年の男は私の方向を見る。

 

「アルレスハイム、ティルピッツのヴォルターよ。よくぞ参られた。友の来訪を歓迎する」

「恐縮です」

 

 私は僅かに苦笑いを含んだ笑みを浮かべる。友とか言っちゃってるこの人達に数年前拉致られたのだから皮肉なものだ。

 

 第三艦隊がシャンプールに駐屯していた頃、南大大陸の宇宙港周辺の街で誘拐された経験がある。降下前に注意は受けていたのだが……少し甘い考えだったよ。

 

 元々住民に反同盟の傾向が強い部族社会である。しかも先祖伝来とかいう土地の開発問題からそのまま同盟政府……というよりかは北部人が主体のエルゴン星系政府との交渉の人質となった。

 

 まぁ、何だかんだあってマロン大尉(当時)や現地の統一派を通じて粘り強く仲裁と説得を重ねて三か月後に無傷で解放されたのだけれど……。お蔭様で広大なシャンプール南大大陸の中でこの緑化開発地域周辺の部族は比較的同盟に融和的となった。調子の良い事に今では友扱いだ。いや、多分只の社交辞令だろうけど。

 

「族長が待っている。フリー・プラネッツからの使者でもある諸君達を歓迎したい。ついて来ると良い」

 

 サラージ氏は南シャンプール訛りの強い同盟公用語でそう口にしてトリウマの踵を返す。我々はジープに戻ってその後を追った……。

 

 

 

 

 

 

 砂漠地帯を十数キロ程進んだ先にオアシスはあった。人口は推定六万程度、砂漠の泉を中心に緑が生い茂り、そこに地球時代を思わせる煉瓦の街が広がる。

 

 我々はサラージ氏の誘導に従ってジープとトラックを駐車場?に止める。近場には相当年代物な(そして合法非合法の手段で手に入れたのだろう)同盟製の地上車、それに同じ乗り物の括りなのか何十頭ものトリウマが雑草をもしゃもしゃ口にし、オアシスの泉に嘴を突っ込ませていた。

 

「こちらです」

 

 日よけのスカーフで顔を隠し、コルネリアス帝の遠征時代に現地で遺棄されたのだろうモーゼル339ブラスターライフルを手にした兵士が私達を案内する。一応同盟軍のエルゴン星系警備隊所属であるが彼らは実質的には南大大陸に点在する五十近い部族が各々所有する私兵に過ぎない。北部の完全に組織化され機械化された部隊とは、そして同盟軍主力部隊とは全く別物と考えても良かった。

 

「以前来た時に比べれば結構変わってるでしょう?」

「そうですね、良くも悪くも、ですが」

 

 映画のセットのような街を観察していきながら私は答える。以前この街で人質に捕られていた時、思いのほか待遇は悪く無かった。まぁ、死なれたら困るからね、無駄にスパイシーなものや甘ったるい物が多かったが結構良い物を食べさせてもらった。水飲み放題に毎日風呂に入れるのはこの土地ではかなりの持て成しだ。代わりに私は下手したら銀河連邦時代に製造された発電機やら地上車の修理等をした。

 

「鉱山開発の見返りで結構補助金とインフラ整備をしてもらいましたからね。おかげで結構便利になりましたよ」

 

 マロン少佐は微笑む。近くに幹線道路を整備し、同盟の掘削技術と緑化技術、降雨技術等により緑地と街は拡大した。水も使い放題とは言わずとも以前より豊富に利用出来、医薬品や日用品もより安く流入している。よく見れば中古とは言え同盟製の洗濯機に主婦が並ぶ姿や炭酸飲料を飲みポテトチップスを口にする若者、超光速通信テレビ用のパラボラアンテナが家に備え付けられいるのが確認出来る。

 

「ですが長老方は余り良い顔していないでしょう?こっちでもよくある事ですから分かりますよ?」

 

 私がそう指摘するとマロン少佐は複雑そうな表情を浮かべる。恐らく保守派の老人方は反発しているのだろう。自分達の代々守って来た生活様式が侵食されるのは誰だって生理的に嫌悪するものだ。南北融和プログラムに基づき部族社会から幼少期に北部に留学、そのまま同盟流の教育を受け士官学校を卒業した少佐にとっては双方の価値観が理解出来るだけに一層難しい心中だろう。

 

 煉瓦造りの門を構えた屋敷が見えて来た。城壁にはフェザーン製の古い個人携帯用対空ミサイルランチャーや重機関砲を構えた私兵が警備する。門を潜り抜けて緑生い茂る中庭を通り抜けて屋敷に迎え入れられる。

 

「良く帰って来たな、不肖で親不孝の息子め!」

 

 絨毯の敷かれ、トリウマの丸焼きのほかバシンジャン・マクリー(揚げ茄子)、ムサカ(茄子とズッキーニのグラタン)、ゲバブにファターイル(パイ)、野菜入りヨーグルトといった料理が用意された屋敷の広間、その上座に座る年老いたマロンシェ族の族長にしてエルゴン星系政府の議員でもあるイヴン・モハメド・マロンは入って来たマロン少佐を一瞥して不機嫌そうにそう言い捨てる。

 

「帰宅してすぐその言葉はないでしょう、父上?」

 

マロン少佐は族長でもある父に困り顔で答える。

 

「ふんっ、北の腰抜け共やフリー・プラネッツとかいう輩の猿真似ばかりする親不孝者には丁度良いだろうて。全く折角家に帰ってきてもそんな服を着よって、ターバンすらつけんとはな!」

 

 同盟軍士官服の息子の出で立ちに顔を顰めた後、族長は我々に視線を向け歓迎の笑みを浮かべる。

 

「おっと、済まぬな客人方。此度の来訪、心より歓迎しよう。座ると良い、料理は出来たばかりだ」

 

 マロン族長は敬礼して挨拶する私やベアト、そのほかの地域調整連絡官達に絨毯の上に座る事を勧める。私達はベレー帽を脱いで頭を下げそれに従う。

 

「此度は貴方方の派兵協力、感謝致します」

 

 着席して部族の有力者達との食事が始まり、私は最初に感謝の言葉を紡ぐ。

 

 同盟軍の帝国軍に対する一大反攻作戦に対してエルゴン星系警備隊は議会の採決により艦艇八五〇隻、兵員一五万名の提供を約束していた。マロン族長はエルゴン星系議会議員の一人としてその派兵案採択に尽力し、部族自体も星系警備隊に所属する三〇〇〇名を超える兵士を派遣する事を決めていた。同盟軍の大反攻作戦「レコンキスタ」に動員される戦力全体から見ればそれは極々僅かであるし、大半は後方の警備や支援であるがそれでも万年第一線戦力が不足する同盟軍にとっては貴重な戦力だ。

 

 此度私がここに顔を出した理由は族長と面識があるためにマロン少佐と共に贈与品(賄賂ともいう)を渡すと共に謝意を示すためだ。拉致された経験のある私にこんな命令を平然としてくる第二方面軍司令部の正気を疑いそうだぜ!……え?下手に近くに置いておくと事件が起こるって?私は貧乏神かな?

 

「ふむ、フリー・プラネッツの奴らや北の奴らは気に食わんが……この星に帝国の輩が土足で足を踏み入れるのはもっと不愉快だからな。それに今回の派遣で我らの戦士団達の食い扶持を持ってくれる。見返りと礼儀があるのならば協力をしてやらんでもない」

 

 族長はアラク(ナツメヤシの蒸留酒)を飲みながら此度の派兵賛成について語る。決して就職率が高くない南大大陸の遊牧民達だが、彼らは目が良く山岳や砂漠地帯での戦いに長けている。戦士団の兵士達を食べさせ、外貨を獲得し、しかも派遣となるので中古品とは言え同盟軍の予備装備を提供され、それどころか鹵獲した帝国軍装備の一部接収すら許されているために彼らは同盟政府への兵力提供に応じた。派兵案に賛成したほかの議員も北部議員は帝国軍の来襲に備えて、南部議員はマロン族長と同じような考えからだ。

 

 同盟に対する愛国心や善意や義務感ではなく完全に打算による決定……とは言え貴重な兵士を提供しているのは事実だ。接待役としては煽ててやらなければならない。帝国カルステン公爵領のフェザーン経由ブランデー455年物を酌して機嫌を取る。

 

「全く最近の若者は困ったものでの。あの馬鹿息子だけでない。一番下のジブリールもトリウマよりホバーバイクの方が良いと抜かす始末でな。全く大人の言う事を聞こうともせん!全く生意気になりおってからに」

「それはそれは……」

「……ふむ、お主はその点素直で良い物だな、御父上もさぞ鼻が高かろうて」

「はは、だと良いのですが……」

 

酔いの回る族長に私は愛想笑いで答える。

 

 酔っ払う族長や有力者の愚痴聞きをして回り、外からでは分かりにくい部族や周辺の情勢を聞いていくのも仕事だ。後で第二方面司令部に報告して彼らやエルゴン星系政府……引いては同盟政府の南部遊牧民政策のための情報源にするのだ。とは言え多くの場合身内の話ばかり聞かされるのだが……。

 

 そしてこういう地方の保守的な部族の客人を持て成す宴会は数日に渡るのが御約束だ。結局私が彼らから解放されるのは三日後の事となる。

 

 宇宙暦789年7月10日、私は酔いでふらつきつつ報告書を第二方面軍司令部に提出。7月12日、第六艦隊第六陸戦隊に帰還、反攻作戦「レコンキスタ」発動に備えて第六艦隊は最前線への派遣の最終補給を受けるためにエルゴン星系からアルレスハイム星系へのワープを開始した。

 

……当然ながら胃の中の物をリバースしたのは言うまでもない。うえぇ………。




なぁ兄ちゃん、何で金銀妖精はヤリ捨てしてないのに中尉に降格されてしまうん?
→原作の抑止力(多分上官の奥さんでも寝取ったんじゃね?)

原作では後フェザーン事件で面識を得たようですがこの世界線では藤崎版で合わせました


……次で一話だけ故郷の話で次の次で前線(地獄)に投げ込み予定です

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