帝国貴族はイージーな転生先と思ったか?   作:鉄鋼怪人

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本当に今月忙しく、多分四月中は一話か二話しか進められません
代わりに後一つだけ設定集(帝国軍組織図)を投稿するので許してください。4月10日9時に投稿する予定です


銀河帝国官庁・行政組織図

【銀河帝国官庁組織概略図】

皇帝 

  ┗枢密院 枢密顧問官長(元老院長)

     ┗枢密院事務局 

  ┗オーディン教皇庁

  ┗皇帝政務秘書官

  ┗帝国宰相(通常国務尚書が代行)

     ┗内閣書記官長

     ┗国務省(国務尚書)

      ・玉璽局

      ・帝国統計総局

      ・フェザーン高等弁務官事務所

      ・帝国国営テレビ局

      ・帝国報道局

      ・帝国臣民保護局

      ・帝国外縁域巡視隊

      ・各帝国直轄領(皇帝領)行政機関(長)

        ・オーディン市庁(帝都市長)

        ・オーディン総督府(惑星オーディン総督)

        ・各帝国直轄都市(市長)

        ・各帝国クライス大総督府(大総督)

             ┗各惑星総督(総督)

                ┗各州知事 

                  ┗各郡・市・町・村長

      ・各帝室荘園代官

      ・各貴族領巡察官

      ・各司教府監督官

      ・各自治領監督官

      ・各流刑地監督官

     ┗軍務省(軍務尚書)

     ┗財務省(財務尚書)

      (内局)・帝国主計局

          ・帝国主税局

          ・帝国関税局(対帝国直轄領・貴族領・自治領)

          ・帝国理財局

          ・帝国証券管理局

          ・帝国銀行局 

          ・辺境金融統制局(対同盟・フェザーン)

       ┗帝国造幣工房

       ┗帝国印刷工房

       ┗帝国中央銀行(ライヒスバンク)

       ┗帝国商標庁

     ┗内務省(内務尚書)

      (内局)・(内務省)帝国警察総局

          ・(内務省)帝国航路警察局

          ・(内務省)帝国社会秩序維持局

          ・(内務省)帝国麻薬監督総局

          ・(内務省)帝国星間通商監査局

       ┗帝国農務庁

         ・帝国農業局

         ・帝国食糧流通監督局

         ・帝国畜産検疫局

         ・帝国食品衛生局

         ・帝国林野局

         ・帝国水産局

       ┗帝国厚生庁

         ・帝国就労監督局

         ・帝国医政局

         ・帝国公害衛生局

         ・帝国疾病衛生局

         ・帝国思想衛生局

         ・帝国保険局

         ・帝国年金局

         ・帝国労働監査局

       ┗帝国消防庁

      (外郭機関)

         ・帝国郵便公社

             ┗帝国郵便警察隊

         ・帝国鉄道公社

             ┗帝国鉄道警察隊

         ・帝国通信公社(ライヒスネッツ公社)

         ・帝国星間運輸公社

         ・帝国鉱物資源・エネルギー公社

         ・帝国電力公社

         ・帝国水道公社

         ・帝国林業公社

         ・帝国製塩公社

         ・帝国穀物公社

         ・帝国製糖公社

         ・帝国住宅公社

         ・帝国星道公社

 

     ┗司法省(司法尚書)

         ・帝国大法官府  

         ・帝国貴族裁判所

         ・帝国上級裁判所

         ・帝国中級裁判所

         ・帝国下級裁判所

     ┗学芸省(学芸尚書)

      (内局)・帝国工芸局

          ・帝国義務教育総局

          ・帝国体育教育局

          ・帝国健全思想指導局

          ・帝国公文書館

      (施設等機関)

          ・各帝立大学

          ・各ギムナジウム

          ・各帝立女学院

          ・各帝立神学

          ・各帝立習剣士学校

          ・帝立教育研究所

          ・帝立学芸協会

          ・帝立健康文化協会

        ┗文化庁

          ・帝国公用語教育局

          ・帝国文化・映画芸術局

          ・帝国出版局

         (施設等機関)

           ・帝立歴史博物館

           ・帝立文化博物館

           ・リヒャルト一世帝立美術館

           ・ゲルマニア文化財保護研究所

     ┗科学省(科学尚書)

      (内局)・帝国航空宇宙技術局

          ・帝国工学技術局

          ・帝国情報技術局

          ・帝国通信技術局

          ・帝国生化学技術局

          ・帝立科学技術研究所

       ┗帝国特許庁

     ┗宮内省(宮内尚書)

          ・皇宮事務総局

          ・皇宮警察局 

          ・警衛局

            ┗近衛軍団

          ・猟園管理局

          ・帝室博物館

    ┗典礼省(典礼尚書)

          ・儀典局

            ┗儀典局儀仗隊

          ・紋章院

          ・貴族年鑑編纂局  

 

 

 

【帝国国内の行政区分について】

 銀河帝国の国内区分の類別に関しては大きく分けて三つがある。即ち帝国(皇帝)直轄領と男爵以上の爵位を有する門閥貴族の統治する貴族領、旧銀河連邦加盟国の自治領である。

 

 内、帝国直轄領は旧銀河連邦中央宙域及び比較的安定していた辺境部、及び辺境・外縁部の一部の要害惑星・人工天体、主要星間航路、皇帝領の流刑地・荘園がそれに当たる。

 

 貴族領は主に銀河連邦末期に混乱状態にあったフロンティア地域がそれに当たる。貴族領は小額の朝貢が求められるが、基本的に各領主がほぼ完全な自治権の下に統治を行う。

 

 自治領は旧銀河連邦中央宙域の惑星の内、銀河統一戦争時代からの独立国である連邦加盟国を指し、帝政成立後、帝国政府との妥協の末設立されたものである。内政及び政治体制の自由権と引き換えに、軍備の制限、特に宇宙戦力保持の禁止と一定額の朝貢が求められる。また自治領内部に更に自治区がある場合(地球自治領内の火星自治区、月自治区等)もある。

 

 上記の例外として司教府があるが、これは帝国政府から教皇庁に寄進された領地であり、規模としては極めて細やかなものでしかない。

 

 帝国国内は『帝国クライス』という大区分により分けられる。これは帝国直轄領・貴族領・自治領を航路・宙域により区枠したものであり、各帝国クライスには大総督府(多くの場合その方面の帝国直轄惑星等)が置かれ、国務省から派遣された大総督が赴任する。

 

『帝国クライス』の最大の役目は各方面における意見調整である。大総督府には諸侯議会があり、大総督を主宰者として各貴族領貴族、自治領主、司教、総督、帝国都市市長等が集まり中央が干渉するレベルでない治安・経済・政治・宗教・文化問題等の調整を行うほか、必要に応じて宇宙海賊や反乱勢力に対する辺境部隊の派兵や災害派遣、飢饉地域への食糧放出、中央への上奏も行われる。帝国国内には全一〇個の帝国クライスが設けられている。

 

 また中央(国務省)から貴族領には巡察官が、流刑地・司教府・自治領には監督官が派遣される。彼らは所謂中央からの監視役であり、帝国中央政府に対する叛意が無いか、統治状況に対して問題がないか等を監視する役割を担っている。

 

 

【帝国政府の社会保障・福祉政策について】

 銀河連邦の崩壊と帝政成立により「行き過ぎた弱者救済を排除し社会保障制度を大幅に縮小した」とされる銀河帝国であるが、その説明は必ずしも公平な論評とは言えない。

 

 現実の所、銀河連邦末期の政府機能不全は深刻で、治安の維持はもとより、食料供給や義務教育制度、失業者対策、医療制度の多くが破綻しており、文化的生活を享受しえていたのは中央宙域に住まう一部の富裕層のみに限定されていた。

 

 寧ろ、中抜きが常態化して有名無実化していた社会保障制度の撤廃と、より現実に即した新しい福祉システムの構築は、少なくとも銀河連邦市民の絶対的多数派の支持を得るに十分なものであったと言える(逆説的に、そうでなければ建国期のまだ基盤が脆弱な帝国は市民の暴動で崩壊していただろうことは疑いない)。

 

 財政赤字の中で、銀河帝国はより効果的かつより低コストの社会保障・社会福祉政策を実施した。難民・失業者の農奴階級への斡旋や業務の世襲化奨励は人権の部分停止や職業選択の自由の縮小を齎したが、生活の安定化とノウハウ蓄積によるスペシャリスト育成・人材投資コストの低減に一定の役割を果たしたと言える。

 

 帝国政府は臣民の健康と生存のために第一に強大な警察権力による監視体制を構築し、刑罰の重罰化を推し進めた。特に連邦末期から猛威を振るったサイオキシン麻薬、オハギ、バリキドリンク、エンジェルダスト等は利用者は当然として売人・生産者までもが処刑という厳しい罰を課せられる事となる(各種電子ドラッグも同様の処置を受けた)。また煙草・酒類に対しても階級ごとの販売規制や依存性・毒性を緩和した代用品の開発が急速に実施された。

 

 食料の安全性に関しても大いに心血が注がれる事になる。遺伝子組み換え・化学薬品の利用禁止、治安機関・軍による流通航路の安定、奴隷・農奴を利用した天然食品の価格低減、防疫体制の強化、安全な水道水の安定供給等がそれに当たる。

 

 社会保障費用の内訳で特に大部分を占めるのは医療費である。連邦末期の不健全文化の蔓延や公害・食害は市民の健康寿命の低下を招き、それに伴う医療費の増大が財政を大きく圧迫した。この問題を解消するため、前述の食料の安全性向上に加えて厳しい自然保護政策や公害対策が取られたほか、抜本的な改革として特に重視されたのが医療体制の刷新である。

 

 帝国においては疾病は基本的に予防・早期発見・早期治療がモットーとされている。臣民の食事・就寝時間にまで干渉し、運動・身体鍛錬の推奨、予防健康診断の義務化、早期治療に秀でた保険制度の設立、国家功労者や一部の不可抗力な状況を除いた末期患者に対する積極的安楽死政策など、数々の施策によって帝国は社会保障予算の低減とサービス向上、健康寿命の長期化を同時に達成した(対して平均寿命は低下した)。銀河帝国は同盟・フェザーンに対して平均寿命では劣位にあるが、健康寿命では優位にある事で知られている。

 

 

【国務省の優越】

 帝国国務省の前身は銀河連邦の複数の加盟国間の意見調整機関である。凡そ現在の国務省の役割は銀河帝国における外交全般及び人事がそれに該当する。

 

 国務省の業務は基本的に帝国国内の帝国直轄領の行政官の任命・派遣、そして貴族領・自治領・外縁域、後にはフェザーン、自由惑星同盟との外交交渉・意見交換の任務を遂行、また貴族領・自治領・流刑地。司教領の監視要員の派遣も行う。

 

 その職務内容から帝国領域内外にその影響力を有するために主要官庁の筆頭とされ、席次としては帝国宰相に次ぐ役職と見なされている。

 

 

【銀河帝国における官僚制度および身分制度とその実体】

 銀河帝国における各行政組織の最上位層が門閥貴族を中心とした貴族階級により占められているのは事実であるが、それは必ずしも才覚・実務能力に劣る人材によって帝国行政が牛耳られている事を意味するものではない。

 

 銀河帝国における公務員は国家公務員・地方公務員に分けられる。更に前者のうち中央行政に関わる各省・庁・局等の基幹職員等、後者のうち大総督・総督・州知事・市町村長等の職員を上級職(所謂官僚、更にその中でも幹部を指定職とする)とし、その他下級公務員を一般職として取り扱う(軍部においては将官を指定職、その他士官を上級職、下士官兵士を一般職として扱う)。

 

 所謂一般職においてはその要求能力は高いものではなく、貴族階級の保有するコネクションにより比較的容易に就労が可能ではあるが、現実問題として貴族階級の外聞もあるため宮内省・典礼省を除けば下級貴族も含めて一般職に就く貴族は決して多くは存在しない。

 

 実際のところ、門閥貴族の内で領地経営に専念する者を除いた圧倒的多数派は帝国軍、あるいは行政組織の上級職、即ち官僚に出仕する事になるが、その場合は門閥貴族であろうとも無制限・無条件での出仕は許されない。

 

 上級職に採用されるには「帝国高等文官試験」(帝文)に一定以上の水準かつ定員内で合格する必要がある。これは教養(学力)・専門試験・三度に渡る面接・適性検査・人格検査・身体能力検査・健康検査・遺伝子疾病検査などから構成され、特に教養(学力)・専門試験・身体能力検査に重点を置いて極めて厳しい水準を要求されるものである。

 

 この試験は全帝国臣民階級(貴族のみならず、平民、自治領民、農奴、更には奴隷階級にすら)に対して門戸を開いており、ほぼ全階級構成員に対して公平な内容で実施される。門閥貴族階級には一部試験の免除があるが、それは主に面接・人格検査・遺伝子疾病検査であり、学力・身体能力に関してはそれ以外の階級と遜色ない水準を要求される。

 

 門閥貴族の上級職合格率、人口比構成比率は他階級に対して隔絶しているが、これは寧ろ幼少時代からのエリート教育の成果であり、実務能力の差である。また上級職においてはルドルフ大帝の掲げた弱肉強食の実力主義が徹底されており、多少の門閥貴族間のコネクションのみで昇進を重ねる事は困難を極める。

 

 実際、上級職に着任する平民階級(特に富裕平民)の絶対数は全階級の中で最も高く、また歴代の指定職に関しては平民や奴隷階級出身の者も存在する。この点から考えた場合、帝国官僚制度は階級制度社会を布く銀河帝国にあって、軍部と共に比較的階級制度に関して寛容かつ実力本位の組織であるといえる。

 

 




一応例として日本・米国・英国・ロシアの官庁組織を参考にしました

国務省は米国だと所謂外務省なんですよね……帝国の場合貴族領や自治領の監視、地方人事に関わる部署としました

内務省は農務省や国土交通省、厚生労働省等等内政全般を担当(戦前日本内務省参考)

学芸省は文部省を参考としています

殴り書きなのでおかしい所もあるのでちらほら修正するかも




因みに帝国の官僚が身体能力を重視されるのはひ弱だと激務で過労死するためです

また原作で尚書とか貴族ばかりなのは基準の問題です。平民は上級職になるだけで一族の英雄でちやほやされ燃え尽きますが門閥貴族は寧ろ上級職に出仕出来て当然、指定職で一人前扱い(寧ろなれなければ周囲から笑われる)ために大半は試験合格後もガンガン仕事します。結果、出仕後も働きまくる門閥貴族出身者ばかりが尚書や局長になります(ですので平民で花形な社会秩序維持局局長だったハイドリッヒ・ラングは化け物エリートです、小物扱いしないで……)。








尚、日本政府における指定職(官僚の中でも最高幹部)は2018年時点で929名、帝国臣民の人口比で比べると単純計算で帝国には19万3000名余りの指定職がいる計算、キャリア官僚(本設定の上級職に当たる)を含めると軽く十倍以上となります。

尚原作では門閥貴族は数千家です。一家20名として4300家程度(門閥貴族の大半が参加したリップシュタットが3700家前後)で計算して本作の門閥貴族人口は10万程度、半分は女子、子供と老人を除けば5万程度………やっぱり門閥貴族数千家って少な過ぎません?

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