相棒 episode Drive   作:カサノリ

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ここまでの状況のまとめ

井江忠
名門高校に通う高校生。進ノ介の目の前で万引きを働き、享と進ノ介によって補導された。何やら隠された目的を持っているようで……。

井江加奈子
忠の姉。不審な行動を取り、何事かを企んでいるようだ。

井江亮平
井江姉弟の父。都議会議員。家族に対して高圧的な態度を示している。

井江真美
井江家の母。大人しく、儚げな印象。

河西充
興信所職員。歌舞伎町で撲殺体で発見された。暴力団へと協力し、有力者の脅しのネタを探す役割についていた。


第五話「この出会いは何をもたらすのか III」

 深夜の住宅街。虫も鳴き止む冷えた空間。高所得者層が多く生活を営むこの地域で、このような時間まで灯りをつけている者は少ない。人はおろか、鳥も迷い猫も注意を向けないその場所で、こっそりと動く集団がいた。

 

 背格好から分かるのは男性と言うくらいだろう。そのどれもががっしりとした体つきで、運動やらで鍛えているのが見て取れる。ただ、それだけでなく、集団の不審者としての存在を高めているのは、首元から頭までをすっぽりと覆い隠した覆面。誰かが不意に通りがかったりしたならば、すぐさまに警察へと連絡が飛ぶことになるだろう。

 

 彼らは足を忍ばせながらも決して迷うことは無く一つの民家へと歩いていく。それは蟻の行進のように、定められた目的地へと整然と進む様。

 

 彼らの目的について誤解なく言うならば、強盗であり、もっと言えば押し入りである。いくつかの条件はあったが、この権力者の家にて金品を全て持ちされというのが、彼らの上役からの指示。

 

 玄関前にたどり着くと、彼らは目くばせをする。定められている通りならば、戸や鍵は開けてあり、防犯システムも切られている。内部からそう手引きされている筈であった。かつて江戸の御代では、もっぱら鍵師のようなものがいたり、引き込み役がいたというが、その手口の有益性は数百年が経った現代であっても変わらない。

 

 計五人の男たちのリーダーは、背後で凶器を構えた部下たちを一度見て、そっとドアノブに手をかけて力任せに引く。しかし、

 

「なんだ、開かないぞ……!」

 

 ドアは頑として動こうとしなかった。そして、

 

「かぁくほぉー!!!」

 

 夜空につんざく野太い声。背後から押し寄せてくる大勢の警察官たちによって全員が御用となるのであった。

 

 

 

 相棒 episode Drive

 

 第五話「この出会いは何をもたらすのか III」

 

 

 

「どうやら、外のほうは落ち着いたようですねえ」

 

 冷たい灯りが照らす室内で、右京はそうつぶやくとソファへと座った井江家の面々へと目を向ける。数分ほどの怒声と罵声と争う音の後、玄関の外からはそれら喧騒は聞かれなくなった。代わりに聞こえてくる車のドアが閉まる音は、犯人グループが連行されていく音に違いないであろう。

 

 一人を除いては深夜に叩き起こされ、着の身着のままの井江家の面々は、それぞれに異なる反応でその激動の時間を過ごしていた。忠少年は俯いたまま、どこか苦悶するように握った手を見つめ、そして、母親である真美はどこか緊張に顔を強張らせ。

 

 その中で加奈子だけは進ノ介たちの到着時から既に動きやすそうな服装に着替えている。しかし、その活動的な服装とは違い、現在の彼女の顔は青ざめていた。握られた手は小刻みに震えている。その様子を可哀想だと刑事たちも思うが、彼女が計画したことは犯罪である。同情の余地はあるが、職務に手を抜くつもりは無かった。

 

 ただ、その前にこの場においてはしなければいけないことがある。この事件の全容、そして、罰せられるべきものを明らかとすることだ。

 

「俺達が家に来て、計画を中止にするならまだしも、予定を早めて実行とはね」

 

 カイトが困ったというようにため息を吐く。

 

「……一体、どういうことなんだ?」

 

 カイトの言葉を聞いて、ようやく口を開くつもりになったのだろうか。亮平議員は刑事たちを鋭く睨み付けながら問いかける。彼は終始不機嫌そうに、刑事たちを観察していた。カイトはそんな彼にどこか冷たい視線を向けながら、事件の説明を始める。

 

「根本はもっと深いところにありますが……。俺達がこの事件に気づいたのは忠君の万引きがきっかけでした。ただ、そうして気づいてもらうことこそが、忠君の目的だった。

 人目があるところを選んで、わざと警察官の目の前で犯行を行う。その矛盾した行動は、補導されることが目当てだったって考えると説明が付きます」

 

「ただ、忠君は取り調べの時も態とはぐらかすような言葉を使って要領を得ませんでした。警察の注目を集めたいのに、積極的じゃない。俺達はそんな彼の様子に疑問を持って、この家まで来ましたけど、きっと家庭に連絡が行けば十分だったのでしょうね。

 少なくとも、警察がこの家に注目しているということが、家族に伝わればよかった。……そうだね?」

 

 進ノ介が姿勢を屈めて、俯いている忠少年の顔を覗き込む。その顔に笑みや同意という明確な色は無かったが、小さくかすれるような頷きが返ってきた。

 

「じゃあ、なんでそんなことを望んだのか……。警察に注目されると困る人間が、この家にいたからです。それは、君だね、加奈子ちゃん?」

 

 進ノ介に続いて、カイトはそう告げると、加奈子の前に立った。

 

「忠君は君が犯そうとしている犯罪を止めたかった。この家への強盗計画を」

 

 加奈子をその言葉を聞くと、びくりと体を震わせる。その言葉に「どういうことだ!」と怒声を上げたのは父親である亮平議員だった。ただ、その言葉を気にも留めず、カイトは話を続ける。

 

「この家の周りでは普段と違うことが起こり始めていました。近所を不審な人間たちが徘徊するようになり、ご近所の番犬は不審死。そして、加奈子ちゃんは学校で妙な行動を取り始めています。外部へとこっそりコンタクトを取るような、ね」

 

「入念な下調べと、脅威の排除、内部からの手引き。ええ、この条件に当てはまる犯罪として適切なのは、窃盗や強盗と考えるのが適切でしょう」

 

 右京が後ろ手を組みながらふらふらと歩きつつ、カイトの推理に同意した。さらに、今度は両親へ向けて、自分の言葉で推理を述べていく。

 

「忠君としてはどんな事情があろうとも、姉が犯罪を、それも重犯罪を行うことを歓迎できなかった。ただ、彼としても加奈子さんがその計画を行う理由は理解できたのでしょう。

 だからこそ、穏便に考え直して欲しかった。警察官が家を訪問したり、周囲を嗅ぎまわり始めれば、貴女も計画を変更せざるを得ない。だから自身が犯罪を起こし、警察の注目を集めた。

 ただ、忠君にとっても計算違いであったのは、加奈子さんの決意が想像よりも固かったということでしょうか」

 

 花の里での情報の集約の後、すぐさま三人は井江家の近くで張り込みを行った。あるいは加奈子が考えを取りやめたのならば翌日、改めて事情を聞けばよかったのだろうが。

 

 加奈子としては警察に事情を探られる前に計画を実行することを選んだのだろう。

 

「追田警部ら五係の方々にも無理を言って待機してもらい正解でした。僕たちだけであの人数を取り押さえるのは、いささか骨が折れたでしょうから」

 

 張り込みを開始して数時間後、この地域に侵入してきた不審な一団が発見された。そして、右京達は外を捜査一課に任せると、自身は中に入り、家族を一か所に集めて護衛を行ったのである。その時すでに加奈子はドアの付近で待機していた。一団を家に引き込むためだったのだろう。

 

 そこまで説明すると、亮平氏はいささか冷静さを取り戻したのか、立ち上がると刑事たちを見回した。そして、どこか尊大な調子で睨み付けるように言い放つ。

 

「勝手に我が家を嗅ぎまわっていたというのは、いささか以上に抗議したいが……。今回は我が家を強盗から救っていただいたことで帳消しとしましょうか。

 ……それでは、お引き取りください。加奈子のことも、後は我が家で解決いたします」

 

 その言葉を聞くと、カイトは頭をふりながら呆れたようにため息を吐いた。

 

「また家庭の事情、家庭の事情。あんた、ほんとに、それで終わらせるつもりですか……。加奈子ちゃんだって未遂で未成年とはいえ、強盗の共犯です。然るべき手続きは必要です」

 

 すると、亮平氏はとぼけた声でカイトに反論した。

 

「あの連中とウチの娘が関わっていたという証拠は何処にありますか?」

 

「……事情聴取での証言、連絡手段の手紙、いくらでも出てくるでしょう?」

 

「かもしれない。だが、今、この場所で、ですよ。この子を連行する証拠はないはずだ。仮に、そのようなモノが出てきたとしても、あのようなチンピラ連中が用意したもの。本当に信頼がおけるものかどうか」

 

 そのような言動を見聞きすると、進ノ介もカイトも彼が言いたいことが理解できてきた。彼にしてみれば、娘が犯罪行為に加担していた、それも自宅を狙ったなどと言うのは大スキャンダルだ。表ざたにはしたくない。

 

「つまり、あれですか? 証拠も何もかもでたらめだって、もみ消すつもりですか」

 

「もみ消すなんて人聞きが悪い言い方はご遠慮いただきたい。ただ、厳正な捜査を行った結果、そうなる可能性が高いのでは、と言っているだけです」

 

 亮平氏は元法務省の現役議員。彼の言葉には、先日と同じく、警察機関へのコネにより問題を解決するという傲慢さが見え隠れしている。そして、何よりも二人にとって我慢ならないのは、先ほどから怯え切ったように震えている加奈子をこの父親が顧みようともしていないことだった。

 

「全部なかったことになるなんて、そんなこと許すわけないだろ。それに、あんた、加奈子ちゃんがどうしてこんなことをしたのか、理解できてるのか?」

 

 カイトの口調が崩れ、その目にはっきりとした敵意が満ちていく。その目を蔑むように見つめながら亮平氏は一歩、足を進めて圧を強めていく。

 

「娘の若気の至り。それで十分だろう?」

 

「違う! ……あんたにも自覚はあるだろ?」

 

 ともすれば殴り掛かりそうな危険な色を溜めていくカイトを見て、進ノ介は慌てて制止するように前に立つ。

 

「落ち着けって。……井江議員。俺達が何より気になるのは、あなたのこの家での振る舞いと、子ども達の安全です。なんでわざわざ加奈子ちゃんが自宅を襲わせようとしたのか。全てはあなたに復讐するためだったんじゃないですか?」

 

 震えてものもしゃべれない様子の加奈子。その代わりとなれるよう、進ノ介が訴える。忠少年はその様子を目を見開き、驚くような様子でその光景を眺めていた。

 

「何を馬鹿なことを」

 

「携帯も持たせない、友達も作らせない、放課後は自宅から動かさない。この子たちを家庭の他に、世間と関わらせてきたんですか? 自由を与えていたんですか? いや、この怯えようだ。それだけじゃないですよね? あんたは自分の子供たちに酷い仕打ちをしてきた。たとえ、直接手を出していなかったとしても、過度な支配的態度は虐待です。

 子ども達だけじゃない。奥さんだって、あんたに怯えてる。まともな家族の姿じゃないでしょう?」

 

 進ノ介が言いきると、亮平議員はそれを鼻で笑い、足音高く家族の周りをゆっくりと見回すように歩く。一歩一歩、密告者が出ないように監視するように。

 

「もう一度言わせていただくが、そのような言い方はご遠慮いただきたい。それは我が家の教育方針ですし、この子たちも納得して生活している」

 

 そうだな? 笑顔で、しかし、底知れぬ冷たい声に、子ども達は肩を少し震わせることでしか答えない。

 

「実際に、児童相談所、学校、警察。これまで全てに『納得』いただいています」

 

「それも得意の『家庭の事情』ってやつか。俺もあんたに似た人を知ってるよ。家庭のことは何でも自分の思い通りにしたいってやつだったが、驚いたな。あんたよりは大分マシだったみたいだ」

 

 カイトが吐き捨てる。だが、この男はそんな若い警察官の憤り等、どうとでもなると思っているのだろう。進ノ介とカイトの目を見ながら、猫撫で声で。

 

「分かるでしょう? 私だって若く未来ある皆さんのキャリアを潰したくはないんだ……。お二人とも前途有望な警察官だ。甲斐刑事部長のご子息に、有名な仮面ライダー」

 

 カイト、進ノ介という順番に肩に手を置きながら、亮平氏は言葉をかけていく。カイトはその言葉に激発しそうな表情を浮かべるが、静かに息を吐くことで堪えたようだ。進ノ介にとっても、カイトの父親があの刑事部長だということは寝耳に水であったが、それは今は関係ない。

 

「それが何だっていうんですか?」

 

「いえ。……ただ、その華々しい肩書きと違って今のお二人は不遇な立場のようだ。甲斐さんは所轄の一刑事。そして、泊さんは何があったかは知らないが、特命係なんて窓際部署。貴方たちに私をどうにかする職務も権限もない。……組織の中であなた方は吹けば折れる小枝に過ぎないんです」

 

 荒事にしたくないでしょう?

 

 亮平氏はそう告げて、答えを待つように、じっくりと二人の反応を待った。

 

 図らずも互いに伝えたくはなかった事実を暴露されてしまったカイトと進ノ介。ただ、その心に残っていたのは「だからどうした」という克己心。そして、奇妙なことだが、カイトにせよ、進ノ介にせよ、変な隠し事が無くなったことで胸の痞えが取れた気がしていた。

 

 二人で目くばせをし、そしてしかりと頷きを返す。彼となら、こんな脅しをはねのけられると、心が通じ合ったことを感じる。そして、二人は亮平氏へと目をしかりと向けると、力強く宣言した。

 

「断る。俺達、そんなに聞き分けが良くないみたいでね」

 

「目の前で苦しんでいる人を見捨てることはできないんだよ」

 

 そんな二人の様子に亮平氏は冷たい目で鼻を鳴らす。青臭いと蔑んでいるのか、あるいは、そうして自身の優位を保とうとしているのか。

 

 その状況を変えたのは、事件の起点となり、その最中でもじっと自分を押し殺してきた少年だった。

 

「忠君?」

 

 忠少年がゆっくりと立ち上がり、顔は俯いたままだが、進ノ介の手を引いた。そして、まだ半信半疑と言う様な、怖がるような声色で、こう尋ねるのだ。

 

「ほんとうに、俺と姉ちゃん、それに母さんを助けてくれますか?」

 

「忠! なにを……」

 

 亮平氏が怒りに顔を染めて忠少年へと詰め寄ろうとするが、それをカイトが体を挟んで止める。そして、それを見届けて、進ノ介は高い背を屈ませると、忠少年へと目を合わせる。不安に震える目が、そこにあった。その目に進ノ介は頷きを返す。

 

「ああ、もちろんだ。絶対に助けてみせる」

 

 力強く掴まれた手。しばらくの間、忠少年は進ノ介の目を見つめていた。そして、その不安の色が次第に変わっていくのを進ノ介は感じ取る。そして、数秒の沈黙の後、進ノ介から目を外すと、忠少年は大きく声を張り上げた。

 

「この人はずっと俺達を閉じ込めてきた! 少しでも逆らったら殴られて! 縛られて! 姉ちゃんは勝手に許嫁なんて決められて!! もう我慢できなかったんだ!!」

 

 忠少年ははっきりと声を出して父親を敵意と共に指さす。進ノ介はそんな勇敢な少年の肩に手を載せると、亮平氏へと向き直る。

 

「これで、証言も得られましたよ?」

 

 だが、それでも家庭の支配者はその現状をどうとでもなると侮っているのか、彼らをあざ笑いながら告げる。

 

「……まあ、何と言おうと、息子は万引きを犯したばかりです。親への反発心でね。そんな言葉くらい、幾らでもでっちあげるでしょう。子供に肩入れしている君たちではなく、第三者が見ればどちらの味方をしてくれるかは目に見えてる」

 

 あるいは彼の言う通り、仮面ライダーの名前を使っても、この家庭を父親の支配から解き放つことはできないかもしれない。だが、それを許さない刑事がもう一人いる。

 

「それはどうでしょうねえ」

 

 全員がその声にぎょっとする。先ほどまで部屋をふらふらを歩いていた杉下右京が、突然リビングのドアを開けて入ってきたからだ。井江家の面々には彼がいつ部屋を出たのかも分からなかった。そして、その突拍子に満ちた動きは、事前に聞かされていたとはいえ、進ノ介たちにとっても心臓に悪いものだった。

 

「そういえば、いつのまにやら家にいたが、君は誰なんだね? それに今言った言葉はどういう意味だ?」

 

「ああ、これは失礼しました。警視庁特命係の杉下と申します。端的に言えば、そこの泊君の上司でしょうか。そして、先ほどの言葉の意味ですが、これも単純です。……あなたの味方となる人が、果たしてどれだけ残るのでしょうねえ?」

 

「あなたが犯した殺人が明らかとなった後も」

 

 

 

 杉下右京は進ノ介とカイトを座らせると、役者交代というように亮平氏へと向き直る。亮平氏は右京の発言を聞いても冷静を装っていたが、先ほどよりも顔が強張っていた。

 

「言うに事を欠いて殺人? 私が誰を? 何のために?」

 

「ええ、ご心配いただかなくとも、一から説明します。ご家族の皆さんにも、ぜひ聞いていただきましょう」

 

 そう言って微笑むと、右京は懐から数枚の写真を取り出す。一枚目は右京が関心を抱いた殺人事件の被害者。

 

「こちら、河西充さんといいます。職業は興信所の職員、簡単に申し上げると探偵業。その彼が、二日前の晩に撲殺されました」

 

「……その河西と言う人がどうしたというのだね」

 

「実は彼、そうした探偵業を隠れ蓑に、暴力団に協力していたのです。有力者の弱みを見つけ、ターゲットを薬物の売人に仕立て上げる。ええ、仮に対象者に後ろ暗い所があろうとも、それを用いて更なる犯罪に引きずり込む。卑劣極まりない手口です」

 

 右京が新たな写真を見せる。

 

「そんな彼の事務所に、この写真がありました。とある女生徒と若い男性が街角であっている写真。皆さんにも見覚えがありますね?」

 

 それを周りの人間にも見えるようにぐるりと示す。そして、その誰もが目を見開いた。中でも、声を上げて反応したのは加奈子だ。

 

「それって……」

 

「ええ。貴女の写真です、加奈子さん。

 昼間の繁華街に女生徒と柄の悪い男の姿。あるいは秘密の逢瀬かもしれませんが、河西さんのような後ろ暗い人間が、それを大事に持っているはずはないでしょう。

 そう思い、制服から通っている学校を見つけ、事情を伺ってみると僕の前に刑事が来ていたというではありませんか。それも、そこの泊君が。何かあると思いまして僕も首を伸ばしてみることにしたのです。

 さて、この写真ですが、撮影の日付は約一ヵ月前。泊君が調べたように加奈子さんが高校を抜けだした日です。そして、貴女にはもう一人の彼が誰であるかもわかるでしょう?」

 

 右京は写真をしまうと、ゆっくりと言葉を紡ぎながら、部屋を歩いていく。

 

「実は、先ほどの泊君たちの推理には一つ、謎が残っています。家に監禁され、厳しく監視されていた加奈子さんが、どのようにして強盗の実行犯と知り合うことができたのか。今の時代、インターネットなどを用いれば直ぐにそう言う人間が見つかりますが、亮平議員がインターネットという手段を許していたとも考えにくい。

 では、どうしたか? 加奈子さんが能動的に動けないのならば、相手方から接触を図ってきたのでしょう。恐らくは学校の中で」

 

 その右京の言葉に加奈子はゆっくりと頷いた。彼女の脳裏には後ろ暗い遊びに耽っていた同級生の姿が思い浮かぶ。

 

『あんた、なんかイライラしてんでしょ? これやると気持ちよくなるよ』

 

 そんなことを言って怪しい粉を渡してきた同級生。加奈子はそれを使用することは無かったが、彼らの後ろに暴力的な集団が潜んでいることは察しがついた。それは加奈子にとって現状を変える力となるもので。

 彼女は薬物の売買に協力することを条件として、彼らに依頼を行ったのだ。

 

「名門の子女が通う女学院となれば、薬物売買の販路としては理想的です。貴女は彼らの薬物売買に手を貸す代わりに、その胴元へ自宅への押し込み強盗を依頼した。具体的には、言われた通りに動くことができる実行犯の手配を頼んだのでしょう」

 

 加奈子曰く、撮影された日はその最終確認をするためだったという。そして、取引が成立した後、加奈子は体育館裏にある隙間を通して、犯行計画を便箋で伝え、代わりに薬物を受け取り、学園に配っていた。

 

「覚せい剤、麻薬の売買というのは強盗とは別の大きな罪ですが、それは一先ず置いておきましょう。ここで、この写真が登場します。このようにはっきりと加奈子さんと男の取引の現場が写っている写真。河西さんのような人間が偶然出くわすということはあり得ません。

 加奈子さんは知らぬことだったかもしれませんが、桜花女学院に密かに薬を卸していた者たち、それが河西さんの上にいる秀英組、暴力団だったのです。そして、彼らは加奈子さんに協力しつつ、その裏では隠れて写真を撮影していた」

 

 何に使うか、分かりますね? 右京は居並ぶ者たちを見まわし、

 

「もちろん、脅迫を行うためです。加奈子さんは熱中するあまり気づかなかったかもしれませんが、忠君は反社会的組織に近づいていく貴女の様子に危機感を覚え、計画を中止することを期待して警察沙汰を起こした。この家の中で同じ環境を共有した姉弟二人。加奈子さんも忠君へと計画のことは打ち明けていたでしょうから。

 ……これで、忠君と加奈子さんについては大部分が説明できます」

 

 そこまで説明すると再び右京は亮平議員の前に立ち、人差し指を立てて挑戦的な目を向ける。

 

「では、ここで別の謎が出てきます。暴力団の下請け役であり、安易に彼らと接触した加奈子さんを撮影し、おそらくは脅迫の準備をしていた河西さんが殺されたのは、なぜか? 

 裏の仕事をしていた以上、いくらでも恨まれる理由は見つかりますが、殺害現場から持ち去られていた記憶媒体と、事務所の様子を見るに、仕事関係。それも直近の仕事である加奈子さんに関わる可能性が高い」

 

「疑問がもう一つ。河西さんが撮影した写真ですが、一体だれを脅迫するための物だったのでしょう? 加奈子さんはそんなことをせずとも協力していますので、この写真が最も大きく効果を発揮するのは」

 

 右京は上につきあげた指を、ゆっくりと亮平氏へと向ける。

 

「このようなスキャンダルは貴方の政治生命には致命的でしょうね。井江議員」

 

 右京の長い説明を聞き終えると、亮平氏は含み笑いを浮かべ始める。ただ、その目はまだ鋭く右京を睨み付けていた。

 

「ああ、面白い話だね。想像力豊かだが、証拠も何もないだろう?」

 

 確かに、右京の話はつじつまがあっているようだが、それは井江家にスポットを当てて考えたときの話だ。一つの仮説としてはあり得るかもしれない。だが、動機があるのと、犯行を行うのは天と地ほどの差はある。

 

 その反論に対し、右京は笑みを保ったまま、ゆっくりと忠少年の前に歩みを進めた。

 

「忠君、君が万引きを行った日。泊君と出会ったのは偶然だったのでしょうが、なぜ、あの日に行動を起こそうとしたのでしょう? 普段は家に閉じ込められている時間です。抜け出すのは、難しかったと思いますが?」

 

「あの日は、いきなりその人が帰れなくなったから……」

 

「ええ、ありがとう。井江議員は二日前の夜、つまり犯行時刻には自宅にいなかった。甲斐刑事が調べたところ、あなたは事務所を定刻に出ていますので、アリバイはありませんね?

 そして、先程、あなたは強盗犯たちのことを、このように言いました『あのようなチンピラ』と。加奈子さんが犯行グループに協力していたことはお伝えしましたが、彼らの外見については何も話していません。

 あなたは、河西さんが脅迫した際に、このような写真を見たのではありませんか? だから、襲撃犯がどのような人間か想像できた」

 

「それは言葉のあやだ」

 

 その言葉に右京は、それならば、と言葉を告げ、背後に隠していた一つの包みを取り出す。それは布のようなもので梱包されており、

 

「先ほど、泊君と甲斐刑事が話をしている間に、ご自宅を見て回ったのですが……」

 

「なんだと!? 何の権限があって!?」

 

「申し訳ありませんが、少々催してしまい、こっそりお手洗いを。皆さんのお話を止めるのも気が咎めましたので。ああ、棚などに見事な美術品がありましたから、興味にかられてしまい、ついででしたので色々と見させていただきました」

 

「……君、いったい何なんだ!?」

 

 亮平氏は驚愕と言う顔で右京を見つめる。進ノ介もカイトも、正直に言うならば、右京の屁理屈は普通の警察官が行うものではない。

 

「あくまで偶然なのですが。その時、興味深いものを見つけたのですよ。それが、こちらです」

 

 右京が包を丁寧に解くと、そこには黒い革靴があった。それを目にした瞬間、亮平氏はこれまでの強気の表情を崩し、無言で一筋の汗を流した。

 

「この革靴、靴底に少し湿った泥が着いているのです。犯行時間には雨が降っていました。恐らく、犯行現場の土壌サンプルと比較すれば、この靴の持ち主が歩いた場所がどこか、すぐに分かるでしょう。

 それともう一つ、被害者の指先には、何かに血液をこすりつけた跡が残っていました。殴られながらも必死に犯人へと手を伸ばしたのだと思われますが……」

 

 右京はその靴のかかと部を亮平氏へとみせる。

 

「ここ、このうっすらとついた黒いものです。僕にはどうも血痕に思えるのですが……、いかがでしょう?」

 

 そう告げて、右京はふくむように笑みを浮かべるのだった。亮平氏はそれを見ると、倒れこむように項垂れる。忠少年にも加奈子にも、そのような姿はこれまで見たことがなかった。彼は呆然と靴を見上げると、かすれた声を出す。

 

「……なんでだ。それは捨てたはずなのに」

 

 彼の記憶が正しければ、帰宅して直ぐにゴミ袋へとつめたはずだった。今朝には他のゴミと共に収集されていたはずの、ここにあってはならない証拠。

 

「実は、これ靴箱の奥深くにしまい込まれていたのですよ。このような風呂敷をかけて。あなたに心当たりがないのでしたら。……おそらく、こうして証拠を隠していらっしゃったのは奥様ですね?」

 

 右京に問われた真美夫人は静かに頷く。

 

「ええ。帰ってくるなり、靴をゴミに入れていましたので、何かが起こったのだと思ったんです。これがあれば、この人から子ども達を守れるかもしれない、そう思ってとっさに隠しました……」

 

 噛みしめるように言う言葉。その顔には刑事たちが夫人と出会ってから初めて、かすかな微笑みと安堵の表情が浮かんでいた。右京は首を垂れた亮平氏に静かに告げるのだった。

 

「……井江議員、ご家族をないがしろにした貴方には、相応しい終わり方だったのかもしれませんね」

 

 

 

 それからしばらく後、進ノ介とカイトは赤い線を引きながら走り去るパトカーを見送っていた。連れて行かれるのは、殺人容疑の亮平氏と強盗の共犯容疑で加奈子。加奈子は薬物売買の容疑もあるので、重い罰となるだろうが、それでも父親から解放されたからだろうか。彼女の顔は晴れやかだった。

 

「意外だったな……。殺人の動機が『娘を守るため』だったなんて」

 

 進ノ介がため息と共に呟き、大きく肩をすくめた。

 

 河西は右京の推理通り、加奈子の写真を用いて、亮平氏を脅迫しに来たらしい。そして、あの日は取引を行うために向かったのだが、亮平氏も薬物売買に加担するなどという行為は拒絶したのだという。

 

 すると、河西は娘の身の安全は保証しないと、告げたのだ。確かに、すでに彼女は秀英組と深く関わっている。その身を危険にさらすことなど彼らには容易だったのだろうが、それを聞いた途端、亮平氏は我を忘れて殴り掛かったのだ。あるいは、凶器を用意していたことからも、元々殺意はあったのかもしれないが、この期に及んで動機を偽りはしないだろう。

 

「あれだけ家族を支配して、怖がられていたのに、家族を守りたかったなんて、な。ほんと、勝手な言い分だよ」

 

 カイトもそれに同意しながら肩を落とした。

 

『あの人も昔は良い父親だったんです。けど、下の子が十年前に亡くなって……。事故だったんです。それからは人が変わったように私たちを管理するようになってしまって』

 

 真美夫人は疲れたように、そう告げた。あるいは彼女の言う通り、彼にとっては家族を守る手段だったのかもしれないが、それによって家族の平穏が奪われたのなら本末転倒だろうに。

 

 ただ、この先にどのような人生が待ち構えているかは分からないが、井江家は父親の支配から解放され、子ども達は新しい人生を歩むことになるだろう。もしかしたら、今までよりも辛いものが待っているかもしれないが、彼らには自分で選択する自由が与えられたのだ。

 

「泊さん、甲斐さん」

 

 玄関では忠少年が二人を待っていた。二人が振り向くと、彼は二人へと頭を下げる。

 

「ありがとうございました。……俺、姉ちゃんのこと何とか助けたかったけど、通報する勇気も、あの人に立ち向かうこともできなくて」

 

「最悪の事態にならなくてよかったよ。まあ、何かやるにしても万引きは止めるべきだったかも知らないけど……」

 

 進ノ介は苦笑いを浮かべながら忠少年へ告げる。とっさにそうしてしまった意図はわかっているが、それでも警察官としてはそれを認めるわけにはいかない。

 

「……しばらくは、世間の目もあるし、お母さんを守れるのは君だけだ。今度はあんまり無茶すんなよ」

 

 カイトはからかうように言うと、彼の肩を掴み、軽く揺らす。その言葉に忠少年は強くうなづく。

 

「ほんとは警察なんて信じられなかったんです。みんな、俺達のことを見てみぬふりしてきました。あの人を殺そうとか、そんなことまで考えるようになって。せめて姉ちゃんは助けなきゃって。

 そんな時に、街角で泊さんに会って、もしかしたら、俺を助けてくれるかもって思ったんです」

 

「助けてくれて、ありがとうございました」

 

 そう言って忠少年はにっこりと年相応の笑顔を浮かべる。つられて二人も顔がほころんだ。警察官として働いていて、何よりも嬉しいのは、市民の笑顔を見れた時だ。胸の奥がくすぐったくなり、暖かくなる。横を見ると、カイトもなんだか照れ臭いような、噛みしめるような表情を浮かべていて。

 

 自宅へ戻っていく彼の姿を見つめながら、二人は無言で拳を合わせた。

 

「よしっ、それじゃ、俺はそろそろ戻るよ。杉下警部にもよろしく頼む」

 

「ん? せっかくならもう少し話していけば良いじゃないか」

 

 カイトはその言葉を聞くと、都合が悪そうに少し頬を掻いて、

 

「んー、いや、たぶん悪い人じゃないんだろうけどさ。なーんか、あの人苦手で」

 

 そう言うカイトに、進ノ介は大きく同意を返す。

 

「わかる! けど、俺はカイトなら杉下さんとも上手くいくんじゃないかって思うんだよな。勘だけどさ」

 

「そんなこと言って、体よく特命係と交換しようとか、そういう魂胆じゃねえの?」

 

「ばれたか」

 

 そうして二人は笑い合い、最後にハイタッチを交わすと、玄関先で別々の道に別れた。実は、既にプライベートで遊びに行く約束も交わしている。進ノ介にとって、仲の良い警察仲間と言えばかつての相棒である早瀬刑事くらい。こうしてできた一期一会の縁を大事にしていきたい。きっと、それはカイトも同じ思いなのだろうと、不思議と思えた。

 

 最後に井江家の静かな姿を見あげて、進ノ介も歩を進める。すると、しばらく歩いた先で追田が右京と何やら言い争いをしていた。いや、一方的に追田が右京に詰めよって、右京がぼんやりとそれをいなしている。

 

「どうしたんですか? 現さん」

 

「しーんのすけー!! 聞いてくれよ!! 俺はお前のためになれると思って情報流したんだ! それなのに、特命係は逮捕権ないから、俺の手柄になるっていうじゃねえか!? どーなってんだ杉下!!?」

 

「そもそも僕は一言も手柄が欲しいなどとは言っていないはずなのですが……。泊君、追田警部はいささか早とちりが過ぎるようですねえ」

 

「なんだとー!? 進ノ介! ……頼むから一刻も早く特命係、いや、こんなやつから逃げ出してくれよ!? うちならいつでも受け入れるからよぉ」

 

 最後に悔し涙を流しながら、追田は走り去っていった。その大声で叩き起こされたのだろう深夜の住宅にいくつもの灯りがともっていく。なんだかその場にいると誤解されそうだったので、進ノ介は右京とそそくさとその場を離れることに。

 

「そういえば甲斐刑事は?」

 

「ああ、カイトならもう帰りました。けど、しばらくは俺もカイトも、忠君たちの様子は見に行こうって話はしてて。その時は杉下さんもどうですか?」

 

「ええ、それは良いかもしれません。それにしても、カイト君、ですか。なぜだか、その呼び方には親しみを覚えるのですが……。不思議なこともあるものですねえ。今度お会いした時はそう呼んでみましょうか?」

 

 幸子と同様に、右京もそんなことをぼんやりと話すのだ。どこか、楽しそうに頬を緩める姿に、進ノ介は、

 

「なんか珍しいですね。杉下さんが人のことあだ名で呼ぶなんて」

 

 興味深げに尋ねる。

 

「少し血気にはやるところはあるようですが、気持ちのいい方でしたから。きっと、彼は良い警察官となりますよ」

 

「……それ、俺に含むところありそうなんですけど」

 

「そうは言っていませんよ。それならば、君もあだ名で呼んでみましょうか。……しんさん、いえ、しん君」

 

「ストップ! うわっ、なんかぞっと来た……。あだ名で呼ばなくて結構です」

 

 そんなことを話しながら、特命係の二人は夜の街を歩いていくのだった。

 

 

 

 カイトは街灯の灯りの下で、そんな彼らを遠目で見送る。

 

「なんだかんだでいいコンビじゃんか」

 

 並んで去っていく進ノ介と右京を見て、苦笑い。その脳裏で思い返すのは進ノ介と出会ってからの数日間だ。まさか、自分が仮面ライダーと知り合って、共に捜査をするとは思ってもみなかった。

 

 世界を救った英雄、仮面ライダー。もっと自分とは大違いの立派な人かと思っていたけれど。話してみて、いい友人となれたのは驚きであり、そして嬉しいことだった。

 

 そんな彼と、子ども達を救うために奔走したことを思い、忠少年の笑顔を思い。甲斐享は街灯の灯りから夜の街へと歩みを進める。

 

「俺も、進ノ介たち見習って、頑張らないとな」

 

 甲斐享と泊進ノ介、二人の刑事が出会ったことがどのような運命を招くことになるのか。それは、全てを見届けることとなる杉下右京でさえも、誰も知らない未来の話だ。




あとがき

これにて第五話の完結です。

今話のテーマは「一期一会」。
進ノ介とカイトの出会い、進ノ介と忠少年の出会い、そのように偶然であろうとも人との出会いが、運命を変えることもある。そんなお話です。
隠しモチーフはSeason11第1話「聖域」。カイト登場回であり、あちらは大使館と言う聖域を相手にしていましたが、今話ではまた、一つの聖域である家庭にまつわる秘密と、それらに果敢に立ち向かう二人の若い刑事の姿で描きました。

さて、なんとか書き終えることができましたが、なかなか納得のいく形にならず、何度も事件全体の構造やカイトと進ノ介の出会いの形を書きなおしたりと皆様にお待ちいただく結果となり、申し訳なく思っております。
一方で、現さんであったり、カイトと右京の出会いはあっさり目に。カイトは今後も度々登場するキャラクターですので、進ノ介との出会いと友情を深める過程は丁寧に描きましたが、右京との相互理解は今後の話で追々描いていきます。
また、現さんは後に単独で美味しい回を用意しておりますので、その際には愛すべき現さんをお楽しみいただけると幸いです。

それでは、最後に第六話の予告!
次回は形がすでに決まっている話ですので、早めにお見せできると考えております。私が本作を書こうと考えてから、二年弱温めてきたネタ。かなり変則的な話になるかもしれませんが、ドライブ世界と相棒世界のクロスオーバーとして、面白い話にしたいと思っております。

そして、覚えてらっしゃる方々は、あの言葉を思い出していただきたい……。

第六話「悪魔の継承者」

どうか、お待ちいただけると幸いです。
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