ほっこりしていただけると幸いです!
「提督。僕を飼ってくれ」
犬の首輪を着けた部下の少女に、こんなことを言われました。
どうしますか?
①飼う
②正気に戻す
⇒③いいだろう、俺なしじゃ生きていけないカラダに調教してやるグヘヘ
へっへっへっ。俺に飼って欲しいだと?
お望みどおり朝からたんまりと可愛がってやろうじゃねえか……って、ちゃうわボケ
いかんいかん。
起き抜けで頭がボーっとしているせいでトンデモナイことしでかすところだった。
というか、そもそも空耳だよな? あんな爆弾発言、寝ぼけて聞いたに違いない。
「
俺を起こしに来てくれたボーイッシュな艦娘、初月にそうお願いする。
我が鎮守府、空の守護神とも言える防空駆逐艦、
性能、容姿、精神面と共に駆逐艦離れした姉妹の中でも、際立って武人気質の艦娘。
俺の記憶にある初月は、あんな笑えない冗談を言うような娘ではなかったはずだ。
もちろん、その細い首に犬の首輪を着けるなんて、
うん。やっぱり聞き間違い&見間違いに決まっている。
俺、低血圧で朝弱いし。
きっと潜在的に眠るマニアックな性癖がこんな幻を見せているのだろう。
ははは、まったく俺のムッツリさんめ。
あとで自戒としてスクワット1万回だコラ。
そういうわけで初月。ワンモアプリーズ?
「提督。僕を飼って、身も心もすべて、お前の色で染めつくしてくれ」
「そこまでは言ってなかっただろ!?」
「なんだ。ちゃんと聞こえていたんじゃないか。ダメだぞ提督、人のお願い事は真面目に聞かないと」
「真面目に聞いてたまるか!」
とはいえ、事が事なので、ここは詳しく話を聞こう。
このままでは部下にアブノーマルなプレイを強要している変態提督に見られかねん。
身支度を整えてから、初月と正座で向き合う。
「どういうことなんだ初月。朝っぱらからそんな特殊なプレイをオネダリしてくるだなんて。7000字程度で説明しなさい」
「丸々一話分じゃないか。律儀に説明していたら僕の回が終わってしまうよ」
チッ。バレたか。
次回に持ち越して危機回避しようと思ったのに。
──────
「イヤな予感しかしないが、とりあえずワケを聞かせてくれ」
メタ的なやり取りは無かったことにして、改めて聞き直す。
「提督。これは僕なりのケジメというやつさ」
「ケジメ?」
「そうだ。提督は僕が着任したときのことを覚えているかい?」
「もちろん。随分と凛々しい駆逐艦が来てくれたと思ったもんさ」
艦娘たちとの初めての出会いは、一人ひとり常に胸に刻み込んでいるつもりだ。
初月との初対面も、印象強く残っている。
なにせ、伊勢、日向、叢雲に立て続き、女体にピッチリと張りつく黒インナースーツの魅力を再認識させてくれたからな。「うん、やはり黒インナーはいいものだ。将来の嫁さんにいつか着てもらおう」と、明るい未来への楽しみがまたひとつ増えた瞬間であった。
「初めて会ったとき、僕は言った。『お前は僕が守る』と」
うん、そうだったな。
可愛らしくもあり、同時にイケメンな少女にそんなことを言われたもんだから、不覚にも『キュン』と乙女のようにときめいてしまったっけ。
まったくもって、誰得なリアクションである。
だが、それほどまでに初月の言葉には有無を言わせぬ頼もしさがあった。
きっと女子相手ならば一発で恋に落ちてしまうほどに。
実際、仮に初月が女学園に通ったら間違いなくモテまくるだろうな。
くそぉ、いろんな意味でジェラシーだぜ……
しかしいま、そんな異性や同性すらも虜にする凛々しい美顔に、ひと筋の影が差している。
「守る、そう言ったのに……僕は約束を破った。お前を、失うかもしれなかった」
自責の念に駆られた初月は顔を俯かせる。
心なしか、獣耳のように逆立った髪がしゅんと垂れているように見える。
「初月……もう、いいじゃないかそのことは」
あれほどの激戦の中、俺を守りつつ敵を殲滅するのは、どう考えても不可能だった。
誰のせいにもできないし、初月が負い目を感じる必要だってない。
そこんところ、他の艦娘にも理解して欲しいのだが……
「気にするなよ。このとおり俺はピンピンしてるんだし」
「いや、それじゃ僕の気がおさまらないんだ」
初月は尚も食い下がる。
もともと責任感の強い性格だ。
口にしたことを曲げるなど、彼女が最も許せない失態だったに違いない。
「あの一件から僕なりに考えたんだ。どうすればお前に償えるだろうと」
「償いだなんて、そんな大袈裟なぁ」
「僕にとっては、それほどのことなんだ。だって……」
顔を上げた初月は、切なげな瞳でこちらを見つめる。
いつもの凛々しさはない、駆逐艦相応にあどけない、いまにも泣いてしまいそうな顔つきだった。
「僕の提督は、この世でただ一人──お前しかいないんだから」
「っ!?」
思わず見惚れてしまった。
クールな初月が滅多に見せない、乙女としての表情。
それは一瞬で男心を鷲掴みにしてしまうほどの破壊力を秘めていた。
「そんなお前を、また守ることができなかったら……今度こそ、僕は自分が許せない」
スっと初月は身を寄せてくる。
一度目が合ったら離せない。そんないまにも吸い込まれてしまいそうな、初月の整った美顔が、間近に迫って来る。
「最初の頃は、ただ部下として当然のことを口にしただけだった──でも、いまは違うんだ」
そっと手を重ねられる。
数々の激戦を乗り越えてきた武勲艦の手は、とても華奢だった。
深い情感のこもった瞳と、視線が重なる。
「提督、頼む。今度こそお前を守らせてくれ。もう二度と、傷つけさせない」
義務感とは異なる。
決して譲れない何かを秘めて、初月はそう宣言した。
「あらゆる危険から、あらゆる不幸から、お前を守ってみせる」
彼女は今度こそ誓いを
そう思わせる迫真めいたものがある。
「だから……」
小さな両手で俺の手を握りしめて、初月は、にこりと爽やかにほほ笑む。
そして言う。
「常にお前の傍にいられるように、僕を飼ってくれ」
「いや、その理屈はおかしい」
いつのまにか、俺の手にはジャラジャラと鳴る鎖を握らされていた。
その鎖は初月の首元に巻かれた首輪に繋がっている。
どう見ても年端もいかない少女に対して特殊プレイしている光景です。
「わからん。わからんよ初月。どういう発想の膨らませ方したら、そんなぶっ飛んだ結論に至るんだ?」
「僕はいたって真剣だよ提督」
「余計タチが悪いわ」
普通なら、ここで良い話で終わるところだったろうに。
どうしてこう、どの艦娘も肝心なところで台無しにするのだろうか。
「提督よ、これは知恵が足りない僕なりに必死に考えた上での結論なんだ」
「そうか。もっと知恵を身につける努力をしような」
「非才な僕は、戦うことしかできない」
「鮮やかにスルーしたなお前」
「僕は秋月姉さんみたいに完璧じゃないし、
おいおい。
そんなに姉と自分を比較してヘコむのは良くないぞ?
初月は初月じゃないか。
「そんな僕ができることと言えば……番犬のようにお前の傍に付き従うぐらいなんだ」
だから、なぜそうなる。
「そういうわけだから、僕を飼ってくれ」
「ちょっと落ち着けって」
ここはとにかくフォローして、初月に自信を取り戻させてやらねば。
「あのな? 初月にも初月ならではの魅力がたくさんあるんだぞ?」
勇猛果敢な武勲艦であることはもちろん、純粋で真っ直ぐで、お姉さんの思いなとことか、数え上げればキリがない。
そう初月に伝える。
あとはまぁ口にできないけど、駆逐艦のくせに龍驤がギャン泣きするレベルの抜群のスタイルも、彼女の魅力のひとつであろう。
というか前から思っているんだが、秋月型のみなさん本当に駆逐艦なのか?
揃いも揃って粗食のくせに、男を惑わすトンデモナイ恵体の持ち主。
海水浴のとき彼女たちの眩しい水着姿を拝んだときは、我を忘れて『みんな幸せにします』とつい求婚しかけたぐらいだ。
そんな娘に首輪を着けて犬のように飼うだなんて……ああ~ダメダメダメ! エッチすぎます! 開いてはいけない性癖が開いてしまいかねません!
というわけで、初月を正気に戻すため必死に説得する。
「提督は、やっぱり優しいな。こんな僕にも、気を遣ってくれて……」
俺の言葉に初月は落ち着きを取り戻したようだ。
わかってくれたか初月? なら、その首輪をいい加減に外しておくれ。
誰かに見られたら本気でマズイから。
「でもね提督。僕は気づいてしまったんだ」
「ん? 何を?」
「最初のうちは僕も、この案は『いや、ないよ』と思ったよ」
「最後まで思っとけよ」
「だけど、試しに想像してみたんだ。お前が入院している間、毎晩まいばん、提督に犬のように可愛がられる自分の姿を」
ん? 気のせいか。
初月の顔がどんどん上気していっているような……
「普通なら、屈辱的なことなのに、あっちゃいけないことなのに……どうしてか、頭から離れなくなってしまったんだ。首輪で拘束されて、お前の意のままに生活する日々を」
初月の息が荒い。
雄々しい貫禄に反して、牝として艶めかしく発育したカラダを蠱惑的に震わす。
初月が身を動かすたび、鎖がジャラジャラと背徳的な音色を奏でる。
「ハァ、ハァ。お前が、いけないんだぞ。お前のせいで、僕は……おかしくなってしまった」
「は、初月さん?」
「変なんだ。提督が戻ってきてから、想像の中で考えていたことを、して欲しくて、しょうがないんだ」
こ、これはもしや……
「僕は、提督に飼われたい」
初月のほうが、すでに開いてはいけない扉を開いてしまっている!?
「普段は情けないくせに、いざというときばっかり、肩を貸してくれたり、姉さんたちにも話せない僕の悩みに気づいたり。本当にお前は、僕を狂わせる──でも、そんなお前だから僕は……」
「うおっ!」
やたらと色っぽい顔色を浮かべたまま、初月は俺にしがみついてきた!
むにゅうと小生意気に膨らんだ乳房が、か細くも柔らかな初月の肢体の感触が、ダイレクトに伝わってくる!
「ちょっ、お、おい初月なにを!?」
「すんすん……提督の、提督の匂いだ……すうぅうぅっ」
あの初月が抱き着いてきたことさえ驚きだというのに、さらに『クンカクンカ』までし始めた!?
「は、初月!? 何してんだよ! は、離れろって!」
「いやだ。絶対に離れるもんか」
いつもなら聞き分けのいい初月が、まるで駄々っ子のようにしがみついてくる。
しかし密着してくるそのカラダは、とてもではないが、幼女のソレではない。
こうしてくっついていると改めてわかるが、やはり秋月型は駆逐艦とは思えない体つきをしている。
すでに男を受け入れられるように発育を始めた、女のカラダそのものだった。
少女としてのあどけなさを残しつつも、着実に大人の女に成熟する一歩手前にある肢体からは、この時期の肉体年齢にしか放てない、危うげな色香を、むせるほどに漂わせていた。
ボーイッシュな初月も、やはり女の子なんだなとしみじみ実感する。
……って、冷静に感慨に
「初月! 正気に戻れって!」
「言うことを聞かせたいなら僕を飼うと誓ってくれ。そしたら何でも言うこと聞いてあげるよ」
「だから、それをやめなさいってば! お姉さんたちが知ったら悲しむぞ!」
「心配ないさ。『これからは四六時中、提督の護衛に着くよ』と言ったら快く応援してくれたよ」
「言い方! それだけだと真面目に任務しているようにしか聞こえない!」
「僕はいつだって真面目だよ。真面目に提督の犬になりたいんだ。ワンワン」
壊れたァー! 初月が壊れたァー!
「提督。これまで僕は、泣き言なんて言っちゃいけないと思っていた。弱さは恥だと思っていた」
いま、まさに恥を
「……でも、僕は知ってしまったんだ。誰かに甘えることの喜びを。提督。お前は、『弱い僕』を優しく受け入れてくれた。それが、すごく嬉しかったんだ」
「……」
「そんなお前に、僕は何も恩を返せていない。そんな恩知らずな真似をする自分が、許せないんだよ」
そんなこと言われたら、俺も強く言えなくなってしまうじゃないか。
駆逐艦の中でも驚異的な戦歴を持つ武勲艦である初月。
しかし、前世のトラウマを払拭できるほど、彼女も強くはない。
武人としての皮を剥がせばこのとおり、彼女もただの、か弱い少女となる。
いつだって勇ましく、凛々しい雰囲気を纏った初月だが……本当は幼い駆逐艦相応に誰かに甘えたがっていたのだ。
敬愛する姉たちにすら見せてこなかった、初月の脆い部分。
そんな彼女の弱さを全面的に受け入れるのは、提督である俺の役目だった。
『すまない提督。でも……こうしていると、すごく安心する……提督は、暖かいな』
肩に寄り添いながら目を閉じる初月は、どこにでもいる繊細な女の子だった。
そんな些細な出来事でも、義理堅い初月は、俺に何か恩を返したいと考えている。
彼女の性分を考えれば、わからんでもないが……
それにしたって、首輪をつけて飼うってのは。
……さすがに、ねえ?
「……初月、お前の気持ちはよくわかった。で、でもさ? もっと別のやり方もあると思うんだけど」
こんな極端なことじゃなくたって、恩返しの方法はいくらでもあるはずだ。
しかし初月は首を横に振る。
「提督、僕は繋がりが欲しいんだ。決して切れない、提督との強い繋がりが」
いや、だからって物理的な繋がりを持つのはどうなのさ。
だが、初月が言いたいのは、どうやらそういうことではないらしい。
「僕が提督の所有物だという証──それがないと、提督の傍にいちゃいけない気がするんだ。いや、僕自身がそれを許さない」
「しょ、所有物って、お前なぁ」
「僕は本気だよ」
戦いに臨むときと同じ目を、初月は向ける。
決して折れない、決して逆らえない、武人としての気迫が宿る。
「提督。どうやら僕は、とっても弱くなってしまったみたいなんだ。提督を失うことが、とても怖い──だから」
感触を植え付けるように、初月は、起伏に富んだ肉体を押し付ける。
「お願い。僕に、提督を守らせて? お前の傍で、ずっと、片時も離れず」
耳元に唇を寄せ、熱く蕩けるような吐息を当てながら、初月は囁く。
「弱い自分は、好きじゃない。でも提督……お前だけには、見られてもいい。僕のすべてを、見てほしい」
いままで戦友として対等に接してきた初月が、
「提督──僕は、お前のものだ」
自らを従僕として差し出した。
ジャラジャラと、鎖の音が室内に響く。
人を惑わす蛇が蠢くように。
長い鎖を、初月は自らのカラダに巻き付けていく。
下乳に食い込んだ鎖が乳房を押し上げ、その豊満な膨らみを強調する。
くびれたウエストにも、丸い腰回りにも、黒く艶光るインナーに包まれた太ももにも。
まるで舐め回すかのように、早熟な肢体に、背徳の縛めが絡みついていく。
それはまさに、自分というメスをオスに捧げるための、礼装に他ならなかった。
「提督がしたいこと、して欲しいこと、僕が何でもしてあげる。だから……」
初月は、鎖の取っ手を差し出す。
いままでに見たことのない、魔性の笑みを浮かべながら。
「提督。僕を、飼って?」
窓から差し込む朝日の下。
首輪に鎖を巻き付けた美少女が、ほほ笑んでいる。
ひどく、いびつな光景なはずなのに。
なぜだろう。
それを、ひどく美しいと、思えてしまうのは。
「……」
だからこそ、俺は──
「ええ~こちら司令室~司令室~。秋月~? お前んとこの四女が俺に対して
「なっ!?」
通信機を使って長女を呼び出す。
まあ順当に考えて、そうすべきだよね。
はい、これにて無事解決。
「お、おい提督! あの状況なら普通、僕をものにして〇〇なことして××なことや挙句の果て△△△△するところだろ!? もしかして不能……あうっ!」
小生意気なこと言う小娘にデコピンを食らわす。
「だまらっしゃいこの
「うぅ~……」
涙目で睨む初月に俺はフンっと余裕の態度を見せる。
まったく、結婚する前にアブノーマルなプレイを経験してたまるかってんだい。
……まあ、実は結構危なかったんだけどな!
俺が少しでも発育良好なロリっ娘属性に目覚めていたら間違いなく即死であった。
初月、末恐ろしい娘っ!
その後、司令室にやってきた秋月に一部始終を説明。
真っ赤々な顔で目をバッテンにしながら「もう~! そんなことしちゃメッでしょう~!」と怒る秋月は、申し訳ないが怖いというより凄く可愛らしかった。
それにしても。
単純に過保護といっても、いろんな形があるんだなと痛感させられたな。
ここにきて、とんでもない変化球が来やがった。
……初月の場合、開花したての性癖に翻弄されている気があるが。
艦娘の個性は十人十色。
それと同じく、お世話、奉仕の仕方も、十人十色らしい。
この先、いったいどんな艦娘たちによる悪意なき誘惑が待ち構えているかはわからないが、より一層意思を強く持たなければならないのは確かだな。
負けん。俺は負けんぞ。
絶対、絶対に俺は結婚するまで純潔を貫いてやる!
「提督。僕はまだ諦めてないからな? いつか必ず僕の主人になってもらうぞ」
「お前はちゃんと反省しろ!」
いろいろとゴメンナサイ。