こんなVRは嫌だ   作:猫黒

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ディアベルはんを

・・・・・・・・・ここは、何処だろうか、身体も、心も、全てが冷たく、まるで皮膚という皮膚が裏返り、血液が凍り付き、視界が全て何も映さず、ただ目の前の闇さえも感じ取る事は出来ない。

 

怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い―――――。

 

 全てが無に変わっていく感覚。

 

これが——。

 

これが、死なのか――――。

 

 

 

 

・・・・・・・・・パチリ、と目を覚ますと、それはアマデウスの中から見る景色ではなく、肉の身体。

 

間違いなく元の——『俺』が扱っていた筈の肉体。

 

懐かしさに感覚を馳せるも、自分へと起きた明確な異常を察知する。

 

 

「・・・目が覚めたかね、天城君。」

 

「・・・・・・・・・重村、教授っすか・・・あーー。」

 

「面倒だから、単刀直入に言うぞ、『俺』に、何をした?」

 

「・・・ふむ、実験は成功の様だな、分かれていた人格の再結合、君の記憶の修復は。」

 

 

・・・記憶の、しゅう、複?

 

——カット、『僕』、『私』だ、双方の最も古い記憶はSAOがサービスを開始する三日前となっている。

 

『俺』の身に何かしらの不都合が起き、本体である肉の身体を持っている『俺』の修復の為アマデウスシステムを重村教授が利用したと思考する。

 

——カット、『私』、『僕』だ、目の前のこのおっさんは、ただそれだけの為に『俺』を治したとは考えづらい、何らかの意図を持って利用したと考える。

 

——以上の理由から、人格『俺』の模倣をし、完全再現の為に情報を集め回復を図る。

 

——カット。

 

 

「・・・おい、てつひ——いや、鉄人、コレ、なんだ?自己完結して悦に浸ってないで、これから暫くは『俺』の質問タイムだ、大人しく答えやがれ。」

 

「・・・ふむ、ふむ、これなら、ユウナも——ん?ああ、君の頭についてるその肉体補助式感覚機械の事かい?」

 

「は?・・・おいおい、んだそりゃ、俺と茅場がお遊びで作った代物が、何で俺の頭に引っ付いてんのかって聞いてんだよ。——いいからさっさと答えろ――――キレんぞ。」

 

「そうしたいのは山々だが、現実の世界での君の活動限界は大凡六時間といった所でね、残りの説明は、仮想世界で、何故病院にいるのか、何故未だに生きているのか——そして、これからの君の役割についても、教えよう。」

 

「・・・・・・・・・おい!!テメェ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・目を覚ます、という感覚が仮想世界でも正しいとは言い難いが、兎に角、プライベートエリアと思わしきその仮想世界での空間では、同じく、アバターとして自身の姿と同じように重村教授の姿があった。

 

そして、語られる内容は、映し出され否が応にも理解せざるを得ないそれは——。

 

 

 

 

——約束されし神ゲーが、クソゲー化したという、そんな内容だった。

 

 

 

 

「アマデウスにてロックされていた君たち二人の事は元の君から伝え聞いている、記憶の再現による黄泉返り——そう、ソードアートオンラインをプレイして、そのゲーム内での敗北を喫し、脳を焼かれた君は、重大な損傷を負った、が、事前に君は、君の脳を、記憶を複写していた。」

 

「——私は、君の損傷したその脳を、君の言うお遊びと、茅場学生、アマデウスにより復元させた。」

 

「——だが、その代償として、今の君は、現実時間ではほぼ睡眠を取る事しか出来ずにいる。」

 

「君の脳を、補助器具で賄い、仮想現実空間でのリハビリを続ければ、やがては現実世界でも生活が出来る様になるだろう。」

 

「その時こそ、君の作ったお遊び——君の発明品であるパワーアシストアーマー・・・GANTZスーツ、と君は呼んでいたかな、それを纏い、私の願いを叶えてもらおう。」

 

「今は、まだ準備段階なのだ、ARヴィジョン、オーディナルスケールの開発には、まだ・・・」

 

「今の君は、私によって、生き返り、命を握ってもいるのだ、忘れるなよ、君の身体を誰が生かしているのかを。」

 

「そして——頼む、私の、私の娘を、ユウナを!君の様に生き返らせる為、協力してくれよ、お願いだ・・・天才、神代天城君・・・・・・・・・」

 

 

言っている事は支離滅裂、脅したかと思えば協力をせがんでくるようなそんな精神状態。

 

だが

 

だが

 

だが——

 

 

 

 

 

 

 

 

え?リハビリに仮想現実?

 

 

「・・・つまり、リハビリにはゲームがあると?」

 

「?・・・ああ、成程、この空間だけでは、リハビリになり得ないからね、君には準備が整うまでの間、あらゆるゲームをしてもらおう、その方が回復も早いだろう、そして、ユウナを・・・ああ・・・ユウナ・・・」

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

『『『よっしゃ!ゲームし放題か!』』』

 

 

 

「わかった、協力しよう。」

 

「ああ、そうか、良かった・・・期待しているよ、元SAO攻略組最前線、神雷のアマキ君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——アルヴヘイムオンライン――

 

 

 

 

そう呼称されるゲームのソフトを仮想世界でダウンロードする。

 

私/僕が統合した後のあのゲーム生活が戻ってきているみたいで寝ても覚めてもゲーム三昧、それもこれまでとは一線を駕す程のVRMMO!!

 

正直ゲーマーとしてSAOが出来なかった?っつーかやったけどクリア出来なかったのは糞程悔しいし茅場まじぶちころ・・・となってるのは事実だがゲームはサービス終了、運営は瓦解したならしゃーない。

 

プレイヤーは何れもゲームのサービス終了には勝てないのだ。

 

しかし、その後に続くゲーム達の中からおススメサイトでもトップの評価のこのゲーム!なんと調べてみたらSAOの技術をまるでそのままパクったかのようなグラでプレイ出来るらしい。

 

やっぱりゲーマーの楽しみって、こうゆうゲームショップでソフトを選んだりする時も大切にするべきだと思うのよ、俺は。

 

うんうん、やっぱりゲームに触れる事で『俺』が戻るのを感じるぜぇ。

 

何より、このゲーム飛べるって?!はぁーー!もう、最高かよ!神ゲーかな?

 

いやまて、フラグは良くない、ここは落ち着いて、もう我慢できないもんねーーーーーーーーーーー!プレイ!リンク・スッターーーーーーーーート!!

 

 

 

ログインすると、機械音声ながら、女性調の柔らかい声が響いてくるので、聞いてみるとキャラクリのお時間らしい。

 

おっしゃ!種族選択ーースプリガンとか、絶妙に、ハズレ臭そうじゃん、いいじゃん。

 

あとは、あとはーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなん絶対おかしいよ。

 

 

 

一気にテンションが下がった。

 

キャラクリを終えて、いざゲームをと意気込むも、何故だかゲームがフリーズ、レバガチャよろしく体をしっちゃかめっちゃかに動かしてみるも抵抗空しくポリゴンが崩壊していき虚空に落ちる。

 

 

――あ、これバグだ。

 

 

そう思うも束の間、途中で体の動きを明らかに通常では有り得ない速度で横にたたきつける様に動かされ、恐らくHP全損。

 

死んで暫くの間何処とも言えぬ場所に残り続けた後、死に戻り。

 

さて、問題です、私の、リスポーン地点は?

 

A 空  中 です。

 

ざけんな。

 

どうやら俺のVRゲーでの神ゲー評価はことごとく覆されるらしい。

 

こうなったらやけだ、というレベルでなんとか調べた飛び方を実践。

 

コントローラー?ないよ、そんなの・・・・・・・・・

 

思考錯誤の末、どうやら、俺のぶつかったものはデカい樹の様なものと判明した。

 

そして、その樹の葉や枝が連なっている先になんかちらっと見る限り鳥籠?みてーなのと通路みてーなの。

 

――すなわち、フィールドを発見した。

 

辛うじて受け身を取れるか、デスペナがそろそろ厳しいか?というレベルになった時、ゲーマーとしての勘と悪戯ごころが疼いた。

 

どうせ、バグなんだし、理不尽な死を開幕からエンドレスなんだ、これぐらいの役得はあってしかるべきだろう?

 

そう判断し、幾分か慣れた感じの背中に羽を生やすという感覚。

 

ログインすると同時に上を向き舵を切る。

 

近づいてみると、可憐な少女が信じられない、という言葉をそのまま顔に張り付けた様な表情をしながらこちらを見て来たところで――――。

 

取り敢えず切りかかってみようか、と初期装備の剣を向けて全力で投擲した。

 

 

 

 

 

 

――PK推奨だったよな?このゲーム・・・

 

 

可憐な少女が、余りに余りな自分の境遇に、おおよそ乙女とはかけ離れた悲鳴を挙げながら、凶刃を―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





可憐な少女・・・一体何スナさんなんだ・・・・・・・・・
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