コードギアス~死亡キャラ生存if√(旧題:シャーリー生存√)~   作:スターゲイザー

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作品タイトルをギアスif√か、シャーリー・ユーフェミア生存√に変えるべきか思案中……。





STAGE2 ジュリアス・キングスレイ

行政特区日本が始まろうとも、ブリタニア資本であるアッシュフォード学園には何の影響もない。ないはずだった。

 

「スザク、バリカンを持っていないか?」

 

 騒動の発端は、昼になって学園に現れて生徒会室にやってきた枢木スザクの顔を見たルルーシュ・ランペルージが言ったことから始まった。

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 珍しく全員が揃っていた生徒会室の空気が文字通り凍る。

 驚きのあまり、ニーナが操作ミスをして貴重なデータを消してしまったり、シャーリーが運んでいた紅茶がリヴァルに降りかかって飛び上がってカレンに抱き付いてしまい殴られたり、書類にサインしていたミレイの字がビーと伸びたり、全員が等しく驚いていた。

 

「バリカンは持ってないな。何に使う気? あ、もしかして何かの罰ゲームで使う気じゃないよね」

 

 空気を読めないことには定評があるスザクが真面目に付き合っている中で、違うだろうという五人分の心の声が一致する。

 

「いや、使うのは俺だ」

「「「「「っ!?」」」」」

 

 再びの衝撃第二弾が生徒会室を襲う。

 だが、流石に二度目となると回復も早く、動揺している皆の総意を束ねたミレイが立ち上がる。

 

「る、ルルちゃん? バリカンなんかで何をしようとしているのかにゃー?」

 

 ミレイの動揺は全然収まらなかったらしい。語尾がニャーに成っている上に、声まで震えてしまっている。

 

「何を言っているんですか会長? バリカンなんて髪の毛を剃る以外に使い道はないでしょうに」

「誰の髪の毛を剃るの?」

「欲しがっているのは俺なんですから、俺の髪の毛に決まってるじゃないですか」

「そ、それもそうよね」

 

 何を当たり前のことを聞くのかという顔をしているルルーシュに、自分が間違っているのかと考えたミレイは椅子に座り直して考える人になった。

 

「会長っ! そこで納得しないで下さいよ。ルルーシュ、バリカンで髪の毛を剃るってどういうことだよ」

「ハサミでは時間がかかるから、そっちの方が便利だからだ」

 

 会話が通じているようで微妙に噛み合っていない友人に一度気持ちを切り替えたリヴァルは、頬にカレンに殴れられた痕をくっきりと残したまま大きくを息を吸う。

 

「どれだけ切る気なんだい?」

「思い切って丸坊主にしようかと」 

「ガッ!?」

 

 これまた空気の読めないスザクの疑問に正直に答えたルルーシュの考えに驚いたリヴァルは息を吸い過ぎてしまい、ブタのような声を漏らして倒れ込んだ。

 

「ど、どうしたんだ、リヴァル!? 急に倒れ込んで」

「いや、アンタの所為でしょうが」

 

 病弱の設定であるカレンも思わず素が出て突っ込んでしまった。

 

「何故だ?」

「鏡を見なさい」

「うん、本当に」

 

 本気で分かっていない様子のルルーシュに再度の突っ込みを入れたカレンにシャーリーも追従する。

 ルルーシュが生徒会室に置かれている姿見の近くに行って自分の姿を見ている間に、ミレイの傍に集まった一行は混乱していた。

 

「ルルーシュって風邪引いてるんだと思う?」

「それはないかと」

 

 司会進行を行うミレイの疑問にスザクが否を突き出した。

 

「体力の無いルルーシュが風邪を引いてたらあんなにスタスタ歩けないはずだし」

「確かに」

「ルルーシュって体力ないしな」

 

 運動能力は良い方だが、致命的なまでに体力がないルルーシュのことを良く知っている、同級生のシャーリーやリヴァルがスザクの意見を肯定する。

 カレンはそこまで言わなくても良いだろうと思うのだが口には出さなかった。

 

「もしかしてリフレインとかの薬に手を出したとか?」

 

 ニーナもルルーシュ個人に対して多くを知っているわけではないが、流石にいきなり丸坊主にするなんて言う人間ではないことは知っている。風邪でもないとすれば、やはり薬を疑ってしまうのは物理学に傾く彼女の論理的な思考故のことだった。

 

「リフレインであんな症状にはならないと思うけど」

「詳しいのね、カレン」

「…………怖い薬だから調べたことがあるの」

 

 まさか母がリフレインの常習者だったとは言えないカレンが失敗に気付いたのも後の祭り。シャーリーから突っ込まれて顔を逸らしながら、辻褄が合うように考えながら嘘をつく。

 

「まあ、どんな薬を飲めば丸坊主にするなんて言い出すかなんて分からないわよね」

 

 カレンのことよりも今はルルーシュの問題が大きすぎて、誰も気にすらせずに背を向けているルルーシュを見る。

 

「じゃあ、失恋とか?」

 

 薬でもないとなれば、一番普通なシャーリーが真っ当な意見を出した。

 

「それは女だけじゃないの?」

「リヴァル、それは偏見よ」

 

 真顔になったミレイに突っ込まれたリヴァルは肩身を狭くして消えて行った。

 

「急に眼帯なんて付けちゃうし、何かあったんじゃ」

 

 病弱設定を思い出しながらカレンは、今日になって左目に眼帯を付けていることも関連しているのではないかと言ってみた。

 

「朝、ベットから落ちて怪我をしたって言ってたけど」

「関係あるのかな」

 

 朝一番に聞いたミレイはう~んと唸り、流石に気になるニーナとしても原因を解明したい。

 

「そんなに気になるなら本人に聞いてみれば?」

 

 あまり付いていけていない感じのスザクが少し考えながら核心を突いた。

 

「誰が?」

 

 ここでああだこうだ言うよりもその方が圧倒的に早い。しかし、とんでもない理由もありえそうで怖いのでシャーリーが不安そうに皆を見る。

 

「ここはやっぱり言い出しっぺのスザクで」

「異論なし」

 

 ミレイの鶴の一声にリヴァルが重く力強く頷いたことで満場一致で賛成された。

 

「…………というわけで、みんなルルーシュが髪を切りたい理由を知りたいんだって」

 

 特にスザクには断る理由はなく、普通にルルーシュに声をかけてあっさりと聞いてしまった。

 

「特に理由はない。気分転換だ」

「嘘だ!」

 

 これまたあっさりと答えたルルーシュにリヴァルが喝破した。

 

「第一、丸坊主なんて格好悪い姿をファンクラブが認めてくれないぞ!」

「ファンクラブ? なんのことだ?」

 

 自身の容貌を自覚はしているが、好かれているとは思っていないルルーシュは、ファンクラブがあることに気付きもしていなかった。

 

「お・ま・え・のファンクラブだぁあああああああああ!!」

 

 マイクでもあれば全力シャウトが響き渡っていそうな、とある世界で失恋コンテストで優勝したリヴァルら生まれ持っての敗北者達の嘆きが生徒会室をビリビリと震わせる。

 

「お、俺の…………俺のファンクラブっ!?」

「本当に自覚がなかったのね……」

 

 寧ろ自覚が無かったことに驚くカレン。ルルーシュに対して色々と悪いイメージはあっても、その顔の良さに関しては認めていたのである。

 

「鈍いよね、ルルーシュって」

「スザクにだけには言われたくないと思うなぁ」

 

 ユーフェミアの騎士となったことや、その並外れた運動神経と女性を優先する姿勢から、スザクにも隠れファンクラブがある、ということを知っているシャーリーは言わざるを得なかった。

 

「知らなかった……」

 

 愕然としているルルーシュが頭を剃りたい理由が分かったニーナは興味を失って、消してしまったデータをなんとか復旧しようと頑張っている。

 

「それはともかく」

 

 そうやって脱線した話を戻したミレイは腕を組んでルルーシュを見る。

 

「気分転換で丸坊主にするなんて聞いたことがないわ。正直に理由を言いなさい」

「…………じゃあ、スザクと会長にだけ」

 

 理由に繋がる大元のことを知るのが二人だけなので、不満を漏らすリヴァルとシャーリーから離れて生徒会室の隅に行く。

 

「俺は行政特区日本を手伝うつもりだ」

 

 読唇されないように手で口元を隠しながら小声で言われた言葉に、スザクは喜色満面になり、ミレイは表情を消した。

 

「ルルーシュっ!」

「お、おい、抱き付くな馬鹿」

「それだけ嬉しいんだよ!」

 

 何度も誘いをかけていたが行政特区に否定的だったルルーシュが手伝いを申し出てくれたことが嬉しくて、その背景を知らなくても感極まって抱き付く。

 

「それは、あなたの立場を分かった上での発言かしら」

 

 身体能力の差は如何ともし難く、背骨を折り潰されそうなルルーシュを助け出したミレイは低い声で訊ねた。

 

「その為の変装だ。これも、丸坊主にするのもな」

「変装のつもりだったんだ……」

 

 幼少期から目の見えないナナリーの為に髪型を変えようとしなかったルルーシュ。眼帯を指差している姿を見て、丸坊主にするのが変装の為だと聞いて少しミレイの肩が落ちる。

 

「そこまで極端に走らなくても。大体、行政特区を手伝うなんてそんなリスキーなことは止めるべきよ」

 

 変装で髪型を変えるのは常套手段だが丸坊主はやり過ぎである。それ以前の話として、正体を知られるわけにはいかないルルーシュが行政特区に関わるのは危険が多すぎるとミレイは思っていた。

 

「学園祭でユフィに頼まれましたから」

 

 淡く笑ったルルーシュにミレイは何も言えない。

 

「そういうわけだ、スザク。ユフィに知られてても他の奴にバレるわけにはいかない。俺のことは黙ってろよ」

「うん、任せて」

「会長には新しい人物を作る手助けをしてほしい。アッシュフォードで事務をしていた在日ブリタニア人辺りが良いか」

 

 既に参加するものとして話を進めるルルーシュに、喜ぶスザクとは裏腹にミレイの顔は不安げだった。

 

「本当に、良いの……?」

 

 ミレイの問いに、ルルーシュは重い荷物を下ろしたような、逆に重い荷物を背負ってしまったような複雑な顔をしていた。

 

「良いんですよ、これで」

 

 ルルーシュは秘密を抱えたまま誰にも明かさない道を選び、二人にも全てを話すことはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 行政特区が始まって早一ヶ月。

 政庁の執務室にて、最近は安定してきたエリア11の内情に複雑な感情を抱きながら日々の政務を行っていたコーネリア・リ・ブリタニアは、ユーフェミアに付いている側近であるアンドレアス・ダールトンから報告を受けていた。

 

「ジュリアス・キングスレイ?」

 

 はい、とダールトンが頷くのを見ながら、机に置かれた書類を手に取る。

 

「事務能力が桁外れている、と。それほどなのか?」

「十数人分の仕事をしていると報告を受けています。それも短時間に関わらず」

 

 一週間の勤務表が添付されている書類には、件のジュリアス・キングスレイが他の者よりも勤務日数・時間共に少ないながらも高い能率を上げていることが記されていた。

 

「これは凄いな。政庁の者でもここまでは出来んぞ」

 

 自身もこういう作業に秀でているとは言えないコーネリアも特に今は行政特区のこともあって、シュナイゼル・エル・ブリタニアから人材を送ってもらっていることもあって事務方の優秀さは良く知っている。

 仕事内容の差はともかくとして、単純な能率だけを挙げるならば政庁の者でもここまで高くはない。

 

「ブリタニア人ではない、か」

「在日ブリタニア人三世なので四分の三は、ですが」

「せめてブリタニア国籍を持っていれば言うことはなかったのだがな」

 

 これで純粋なブリタニア人ならば何も問題はないのだが、四分の三も日本の血が入っているとなれば、人を使う立場のコーネリアも残念そうな面持ちになる。

 

「親類がブリタニアにいれば話も変わったのでしょうが、祖父が日本に永住を決めた時に縁を切っていたとのことで、七年前の日本が征服された時に戸籍や資料、両親なども全て失ってしまったとのことです。親からも祖父のことは何も聞いておらず、桐原に拾われるまで随分と苦労したようです」

 

 七年前に日本に侵攻したのがブリタニアであるだけに、ダールトンは心情はともかくとして、外面は鉄面皮のままで話を続ける。

 

「桐原というとキョウトの?」

「ええ、テロリストを援助していたグループです。証拠を抑えて手を引かせました。どうやら奴は行き場のない孤児を何人か引き取っていたようです。彼もその一人だったようで」

 

 キョウトの一件はもう終わった話なので詳しくは話さず、ジュリアス・キングスレイの話に戻る。

 

「元々、桐原の下で働いていたようですが、その優秀さを買われて行政特区に派遣されたとのことです。テロリストを援助していた男から派遣された人間ですので監視を付けていましたが、今のところ怪しい点は何も」

「だが、どうしてここまで勤務日数と時間が少ない? 能力は評価するが、これではいくら優秀だろうがユフィの側近に取り立ててやることは出来んぞ」

 

 行政特区日本は軌道に乗っている。それに伴って人材が不足しており、宰相であるシュナイゼルにも人を出してもらっている状況である。

 しかし、ナンバーズの為に働くことに難色を示すブリタニア人も多く、本来ならば皇女であるユーフェミアの側近に取り立てられるのは名誉であるはずなのだが、騎士が名誉ブリタニア人である枢木スザクなこともあって敬遠気味なのが現状だった。

 その為に自身の側近であるダールトンをユーフェミアに付けて、人材を探してもらっている状況である。

 

「体が丈夫ではないということのようです。写真を見て頂けると分かりますが、戦時中に傷を負った左目にも障害が残っていて、フルタイムで働くと体調を崩すと」

「軟弱な、とは言えんか」

 

 日本人らしい黒い短髪と右目の黒目、そして左目の場所に中が見えない機械的な眼帯を付けた、少しキザッたらしい写真に写る姿を見たコーネリアは息を吐き出した。

 幾ら書類上では日本人=イレブンだとしても、少なくとも真面目に働いて結果を出している者を無理に働かせても逆に能率を下げるだけだと理解していた。

 

「気質的には日本人そのものだろうから行政特区に関わらせても問題はないが」

 

 側近不足で連日激務だというユーフェミアを少しでも楽にさせるために文官として送り込むのは簡単である。

 

「やはり妹君のことが気になられますか」

「分かるか」

「それはもう」

 

 コーネリアとしては、能力は認めても名誉ブリタニア人である枢木スザクのことも受け入れ難いのに、ブリタニア人の血が入っているとはいえ日本人と変わらない気質の者を送り込むのは気が進まない。

 

「私としてはブリタニア人の側近で固めたいのだがな」

「もう何人も送り返されてきましたからな」

 

 コーネリアやシュナイゼルが送り出した人材の幾人かは日本人に差別的過ぎてそぐわないと送り返されてきた。

 

「彼らの気持ちも分かるのだ。幾ら仕事と分かっていてもナンバーズと平等に扱われることに我慢がならないのは」

 

 送り返されてきた者達の気持ちも良く分かるので、コーネリアも特段処罰を与えるようなことはせず、政庁の方に回して仕事をさせている。

 

「ですので、能力があり、日本人にある程度は協力的な人物をリストアップしろとのことでしたので、該当したのが彼なのです」

 

 首根っこを抑えられた状態の桐原が獅子身中の虫を送ってくるとは思えないが、警戒はして然るべきである。

 

「上手くはいかぬものだな」

「本人に会って直接確認しますか?」

「その方が人となりを知るのに手っ取り早いか…………ダールトン、まさか連れて来ているのか?」

「はい」

 

 頼りない主を支えるのも面白いが、優秀な主に仕えることも悪くない、と感懐を抱きながらダールトンは執務室を出た。

 すると、部屋の外の壁に凭れて腕を組んでいたジュリアス・キングスレイがダールトンの姿を見る。

 

「随分と待たせてくれたものですね。コーネリア殿下はお話が長い方なのでしょうか?」

 

 腕を解いて壁から離れて皮肉気な笑みを向けるジュリアスに、ダールトンは苦笑した。

 

「其方が面倒な人物でなければ、こんなに説明に時間はかかっておらんよ」

「それは失礼」

 

 当て擦る意図がないわけでもない返しに、ジュリアスは下手な貴族よりも優雅に礼をする。

 

「面倒な人物であることは否定しないのだな」

「事実ですので。否定したところで意味はありますまい」

 

 この数週間でジュリアスの扱いに慣れたダールトンは、一々言動や行動が大袈裟な男に突っ込んでいては終わりがないことを良く知っている。

 

「言っておくが、コーネリア総督を怒らせれば私も庇えんぞ」

「ええ、承知しています。ブリタニアの魔女を怒らせるほど、私は浅慮ではありません」

 

 今まで数多の人材を送り返させた張本人であるジュリアスに保証されても、イマイチ信用出来なかったダールトンの鉄面皮が僅かに崩れる。

 

「頼むから変なことを言わないでくれ」

「信用がありませんな」

「それだけのことをしてきたと自覚してくれ」

「私は何時だって場と状況と人物を弁えて行動しています」

 

 何も嘘を言っていないのだから、このジュリアス・キングスレイは曲者なのだ。

 

「ユーフェミア皇女殿下の邪魔をする者を排除したに過ぎません」

 

 ユーフェミアに邪魔になる者を容赦なく排する能力と弁舌を持ち、この忠誠心を評価したからこそダールトンはコーネリアにジュリアスの側近入りを進言したのだ。

 

「能力を信用されても信頼されていないことは自覚しています。下手な言動や行動は控えますよ」

 

 疑わしい余地は残るが信用すると決めたダールトンは、執務室の扉を開こうと手を伸ばした。

 

「ああ、その前に一つだけ言っておきたいことが」

 

 ドアノブに触れるか触れないかのところでかけられた声に、ダールトンは反射的にジュリアスの方を見た。

 カシュンという音と共に機械的な眼帯が開かれ、隠れていた奇怪な紋様が浮かぶ左目が現れているジュリアスと目が合う。

 

俺とナナリーのことを知っても誰にも言うな(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 絶対遵守のギアスの光がダールトンの目の中に飛び込み、その意志を捻じ曲げる。

 

「分かった。誰にも言わない…………ん、すまない。少し立ち眩みがした」

「疲れているならば休んだ方がいいのでは?」

「人を疲れさせている元凶に言われたくはない」

 

 ギアスで意志を捻じ曲げられたことを知ることもなく、ダールトンは執務室へと入っていく。

 その背中に続きながらジュリアス・キングスレイは――ルルーシュは、閉じた機械的な眼帯を撫でて嗤った。

 

「全てを欺かせてもらおう、姉上」

 

 誰も信用していないルルーシュは新たな仮面を被った。

 

 

 




本話より原作との変更点は終了です。
大体変わってくるから書いていると切りがないので。

言っておきますが、ルルーシュに行政特区日本を壊すような意図はありません。寧ろ大成功させてブリタニアを変えて行こうとしています。

それまでが戦場だとすれば、これからは政争になるのかな?

いいや、まだ分からない。これはコードギアス。裏切りとすれ違いが起こる物語なのだから。

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