コードギアス~死亡キャラ生存if√(旧題:シャーリー生存√)~ 作:スターゲイザー
予想よりも長くなった結果、二つに分けたら前回予告に相応しくなくなったのでタイトルが違います。
次話への溜めの回ということで。
幼き頃にチェスで一度も勝つことが出来なかったと、ルルーシュはシュナイゼルを目下の所、最大の敵と見ていたことをC.C.は知っている。
「ルルーシュは父上を許さないのだろう? 私が最も恐ろしく思い、最も愛したルルーシュの願いを叶えたいと思うのは間違いかな」
そのシュナイゼルから明け透けな好意を向けられてルルーシュが表情を歪めたのは絆されたからだと、嘗て特区成立の前にユーフェミアの信念に折れた時のことを知っているC.C.には分かった。
「気持ち悪い」
「ちょっとルルーシュ、そんな言い方」
ミレイが窘めているが、素直ではないルルーシュの照れ隠しの一種である。
帝国の宰相であるシュナイゼルを慮っているミレイと違ってユーフェミアなどは寧ろ微笑ましそうに見ている。C.C.も同じで、あのアッシュフォード学園で別れてからルルーシュの心に何重にも張り巡らせれた柵が取っ払られていくのに満足していた。
(共犯者の私にまで敵意を向ける必要はないだろうに)
斑鳩での再会時、どう好意的に見ても敵を見るかのような態度であったルルーシュに反発を覚えてディープなキスまでしてしまったが、後になってやり過ぎたと自分の心を持て余している人の気持ちが分からない童貞坊やに不貞腐れたものである。
「ははっ、その通りだよ。これが私だ。愛しているよ、ルルーシュ」
マリアンヌからシュナイゼルの悪口を散々聞いていたので、まさかここまで愉快な性格になっているとは思わなかった。これもルルーシュの良くも悪くも人に影響を与える所為なのだろうかと益体もなく考えながら、シュナイゼルが両腕を広げてベットに座る義弟に近づく背中を見る。
「止めろ寄るな近づくな!」
こうまで過剰なまでの愛情表現をしなければルルーシュは人を信じられないと、その冴え渡る頭脳で理解しているのか、素でそうなっているのかは分からないが。
「ジェレミアは、ジェレミアはどうした!」
シャルルの監視役としてジェレミア・ゴットバルトが配置されているとは、シュナイゼルからユーフェミア経由で聞いていたので微笑ましい窮地に陥ったルルーシュが助けを求める名を聞いてC.C.は少し驚いてた。
マリアンヌから計画の全てやC.C.の目的を聞かされても人を信じているルルーシュに謝りたくなった。
「この中華連邦にある嚮団という施設を抑える為にカノンと協議しているところだよ。もう直ぐ戻って」
シュナイゼルの言葉が不自然に止まった。
C.C.がルルーシュからシュナイゼルに視線を移そうとして、部屋の面々の動きが時が止まったかのように静止していることに気がついた。
「な」
にが、と続けようとした言葉は外から力強く開かれた扉に意識を引っ張られる。
「V.V.っ!?」
ドアを蹴破って室内に入って来た淡い金髪の少年が自分と似て非なるコードを持つV.V.であると気づいたが、突然の登場と不可解な状況にC.C.は反応しきれない。
「あっ!?」
「君の為に特別に誂えた麻酔銃だよ」
V.V.が手に構えた麻酔銃を避けることは出来ず、咄嗟に顔に飛んできたのを腕で庇うのが精一杯だった。
「大型動物も簡単に眠らせる麻酔だから無理はしない方が良い」
一瞬で襲って来る睡魔に抗おうとするも、意識が混濁して膝から崩れ落ちる。
なんとか倒れ込むのを手を差し出して堪えたが力が抜けていく。
「さあ、ロロ。裏切り者二人に報いを」
「はい」
V.V.に次いで室内に入ってきたナナリーとそう変わらない年齢の少年が懐からナイフを取り出す。
「ぎ、アス……」
ロロと呼ばれた少年の右眼に輝くギアスの模様に、まるで時が止まったかのように動かないルルーシュ達の異変の理由に見当がついても、麻酔銃の所為で指一本動かすのも億劫になっていた。
「まずはルルーシュからだ」
薄れゆく意識の中で鼓膜に届いたV.V.の言葉に、C.C.は躊躇いなく残った力を振り絞って舌を噛んだ。
噛み切れれば意識も完全に取り戻したのだろうが、麻酔に弱った力では痛みが感じる程度しか振り絞れない。しかし、それでも闇に沈みかけたC.C.の意識を引き戻し、足に力を籠める切っ掛けとなった。
「……っ!」
走ったというより飛んだ、飛んだというより一度は起こした体を投げだした。
表現はどうであれ、油断しているV.V.の横を飛んだC.C.はロロに体当たりして、今にもルルーシュの喉を掻っ切ろうとしていたのを外させた。
結果的にせよ、ルルーシュの命を救ったC.C.の献身は動揺しながらも殺す手を止めなかったロロによって更なる悲劇を生むこととなる。
「くっ」
ルルーシュがいる側にいたC.C.がロロを押したことで、その刃の標的がシュナイゼルに変わったのだ。振るわれた刃はシュナイゼルの首筋を薙ぐ。
「まだ動けたのか、C.C.!」
ロロと共に倒れ込んだC.C.の背中にV.V.が更なる麻酔弾を撃ち込んだ。
「ちっ、欲を掻き過ぎれば危険ということかい。C.C.に起きられたら面倒だ。撤退するよ」
今度こそ、抗い様も無くC.C.の意識は闇に完全に沈んだ。
「分かりました」
ロロは答えつつ、左胸の辺りを抑える。
効果範囲を迎賓館の一部とはいえ広大な範囲に広げているので、ギアスの発動時に心臓が止まってしまうのもあってその負担は重い。
一度外に出たV.V.が持ってきたカートにC.C.を乗せて部屋を出る。
「よし、誰もいない。一度ギアスを解いていいよ」
「……はい」
廊下の端で身を顰めたV.V.に言われたロロがギアスを解くと心臓の負担も軽減する。
「嚮団員に迎賓館の近くの建物にナイトメアを運ばせている。そこまで逃げ切れば僕達の勝ちだ」
ギアス嚮団において嚮主の命令は絶対である。
嚮主であるV.V.の命令に逆らえるはずもなく、ロロは幼い頃から暗殺を命令されてきた時と同じく「はい」と答える以外の言葉を持っていなかった。
「待て、貴様達!」
迎賓館を抜け出す時にカートは邪魔になるので放置し、V.V.と二人でC.C.を抱えてよたよたと進んでいたロロの耳にありえない言葉が入って来た。
「ジェレミアかっ!? ロロ、アイツにはギアスは効かないよ。何をしてでも足止めするんだ!」
「…………はい」
左目に機械的な装置を身に着けた男に表情を歪めたV.V.に命令され、広範囲に連続のギアスの使用に心臓の負担が限界に達していたロロは、口を開くのも億劫ながらもシュナイゼルの血が付いているナイフを再び取り出す。
「そ奴はC.C.!? V.V.、また貴様か!!」
「行かせない」
背後でC.C.を小さな体で抱えながらナイトメアを隠してある建物に向かっているV.V.の命令を守るため、ナイフを構えて低い姿勢で飛び込んでいくロロ。
「逃げるか、V.V.!」
ギアスの負担に弱っているロロの動きは精彩を欠き、ジェレミアは横っ飛びで簡単に避ける。
しかし、ロロも自分の体が不調を訴えていることに気付いているので避けられることは予想済み。間髪入れず、ナイフをジェレミアの生身の右眼に向かって投げた。
「小癪!」
これにもあっさりと反応したジェレミアだがナイフから身を守るために掲げた腕が結果的に自身の視界を遮ってしまった。
そこへロロがタックルを仕掛ける。
反応出来たがロロがギアスを使った所為でギアスキャンセラーが発動した為、咄嗟の反応がコンマ数秒遅れてしまう。
「ぬっ!?」
低い姿勢のまま足下に突っ込んできたロロの体当たりを受けてジェレミアも後方に倒れ込む。
「このジェレミア・ゴットバルトを舐めるな!」
体を捻って片手を付き、足に纏わりつくロロを蹴り飛ばしたジェレミアは自身の最大の敵であるV.V.が逃げた方向を睨みつける。
「い、かせま、せん」
ジェレミアにギアスをキャンセルさせられてもギアスをかけ続けるロロ。
体感時間停止とギアスキャンセルが連続で繰り返されては、この地に味方がやってくるのに時間がかかるし、何よりもギアスキャンセラーの動力が切れてしまうかもしれない。
「少年、邪魔をするなら容赦はせんぞ」
「…………」
もう喋ることすら出来ない様子のロロの虚ろな様子を見たジェレミアは覚悟を決めた。
「御免!」
袖から隠し剣を抜き放ち、一足で踏み込んでロロの体を貫く。
「死して尚、立ち続けたその覚悟だけは認めよう、少年。名を知れなかったのが残念だ」
心臓が止まるのが先か、剣が刺し貫くのが先だったかは分からないが、このような少年に命を捨てさせたV.V.への怒りを胸に宿してジェレミアは走り出した。
その場に横たえられたロロの体が動くことは、もうなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
C.C.の意識が戻ったのは鋭い痛みの所為だった。
「がっ!?」
両手足に走る激痛に口から呻きが漏れ、C.C.の意識はゆっくりと浮上する。
それでも麻酔の影響か、痛みとは裏腹に意識はまだ混濁している。
「あ、ようやく目が覚めた?」
まるで重度の船酔いに成ってしまった時のような酩酊感に苦しむC.C.に、傍で覚醒を待っていたV.V.は腰をゆっくりと上げる。
「致死量の気付け薬を使って麻酔から覚めるのが二時間か。良いデータが取れたよ。活用先はないだろうけど」
台に物理的に固定されているC.C.の顔を覗き込んだV.V.は薄く笑う。
「…………ここは、どこだ?」
血が足りないのか、まだ麻酔が残っているかは分からないが、吐きたくても吐けないような気持ち悪い身体状態にあるC.C.はそれだけを口にした。
「中華連邦にあるギアス嚮団の本部だよ」
「私は、知らないな……」
「嚮団を抜けた君に知らせる義務はないだろう?」
全く以てその通りではある。大体、C.C.にしても責める意図があったのではなく、体の状態を回復させる為の時間稼ぎだから、どうでも良かった。
「ああ、そうだな。人の、手足に……釘を打つような……奴と、離れておいて、正解だった」
C.C.の手の甲と足に巨大な釘が打ち込まれて下の台に固定されている。先程からの鋭い痛みはこれが原因だった。
「また逃げられると面倒だからさ。幾ら再生能力があっても、これじゃあ逃げられないだろ?」
確かにC.C.は塵になっても時間をかければコードを受け継いだ時と何一つ変わらない肉体に戻る。しかし、釘などの物体で肉体を貫通したまま固定されると、再生しても肉と癒着してしまう。
これも物理的に引き抜けば放っておいても傷は治る。魔女狩りに遭った時に同じことをされたのでC.C.も良く知っていた。
「お前に、しては、良い……アイデアじゃないか……」
精一杯の皮肉である。
「どう致しまして」
C.C.の強がりを見抜いたV.V.は嘲笑を浮かべている。
そう、強がりだった。既に釘はC.C.の肉と癒着していて容易には外せそうにない。C.C.が逃げるのは不可能だと知っているのだ。
「さあ、シャルルの下へ連れて行き、そのコードを渡してもらうよ。死を望む君も本望だろう」
今の自分の状況こそ俎板の鯉と言うのだったな、とスザクやカレンの下で潜伏している間に覚えてしまった日本の諺を思い出したC.C.は諦観を覚えた。
「おや、嬉しそうじゃないね」
ずっと長い間、望んでいた死が近づいているというのに覚えたのは諦観だったC.C.の表情は、どう見ても喜んでいるようには見えない。
「どうしてだろうな。死こそが望みだというのに、私にも分からない」
分からないが、こんな死に方を前にして喜ぶ気にはどうしてもならなかった。
「まあ、なんだっていいよ」
自分達から離れて行ったC.C.に仲間意識などもう無くなったV.V.は気にしようともしなかった。
「死にゆく君と問答をしても意味はない。ないとは思うけど、ルルーシュがここにやってくるかもしれないしね。シャルルが直ぐに来れたら良かったんだけど、皇帝っていう立場も面倒だよ」
そう言ってV.V.が嘆息した直後だった。
「っ!?」
V.V.が立つ地面とC.C.が釘で固定されている台が大きく揺れた。
「なんだいっ!?」
「――――嚮主V.V.! ナイトメアが遺跡内に!」
部屋の外にいる嚮団員に呼びかけると、ローブを纏う彼らは室内に入って来て常に身に着けている通信機からの情報をV.V.に伝える。
「機体はフロートユニットを付けたサザーランドやヴィンセントとのことです」
「じゃあ、ブリタニア軍ってこと? そんな早すぎる――」
直ぐにルルーシュの手の者と予測したV.V.はあまりの早さに瞠目して、それだけ早く動けるタネに思い当たった。
「そうか、ギアスを……っ! 眼帯を外したか、右目にも現れたのか知らないけど、やってくれるじゃないか」
ルルーシュの絶対遵守のギアスの汎用性を知るだけに、V.V.はギアスを使える理由よりも打開策を直ぐに模索する。
「C.C.を台ごと黄昏の間に連れて行く。君達、早く動かすんだ」
「分かりました」
嚮団員はどんなに理不尽であろうとも嚮主の命令に逆らわない。
断続的に振動する床に難儀しながらC.C.の下へやってきた嚮団員達の内、一人が一瞬躊躇うように伸ばした手を止める。
「…………申し訳ありません、C.C.様」
ローブで目元以外が隠れているので面相は分からないが、声からしてそこそこの年齢の嚮団員にC.C.は頬に入っていた力を緩めた。
「いいさ、気にするな」
前嚮主であるC.C.のことを知っているということは殊更に嚮主に逆らうことはしないと知っているので、助けてくれると期待などしない。
「ねぇ、C.C.」
研究データを移すことも諦めたV.V.は、元々C.C.を台ごと運ぶ為に切り離しが出来るようになっているのを外そうとしている嚮団員達を尻目に話しかけた。
「ずっと聞きたかったんだけど、どうして君は僕達の下から離れたんだい? シャルルは君の望みを叶えてくれたのに」
固定具が外れ、人力で台ごと抱え上げたられたC.C.はガクンと頭を揺らしながら考える。
「お前がマリアンヌを殺したからだよ」
「…………へぇ、どこで分かったんだい?」
「分かったんじゃない。聞いたんだよ」
「誰に?」
「殺されたマリアンヌに」
黄昏の間に向かって動いていた嚮団員が足を止めたのは、V.V.がマリアンヌを殺したとC.C.が言った時か、V.V.が否定しなかった時か、それとも殺された当人に犯人を聞いたというC.C.の言葉が放たれた時か。
「ほら、足が止まっているよ」
自分達は聞いてはならないことを知ってしまったと、嚮団員達は自分達の末路を想像しながらも、感情の感じられないV.V.の言葉に追い立てられるように進み出す。
自ら地獄への階段を昇って行くように、彼らの足は重い。
「まさかC.C.はCの世界にいる死者と話が出来るっていうのかい? 知らなかったね。そんなことが出来るなら教えてほしかった」
「マリアンヌの体は確かに死んださ。だが、その精神はどうかな?」
明らかに信じていない様子のV.V.をC.C.は哀れに思った。
彼は想像だにしていなかっただろう、自らの行いと嘘を弟であるシャルルが知っていることを。
「私と契約してもギアスは発現しなかったが、肉体が死亡したときに他者の心を渡るギアスが目覚めて居合せた行儀見習いに意識を転送していたんだ」
「馬鹿な、あの場には誰もいなかった」
「隅々まで確認したか?」
していないし、偽のテロリストがアリエス宮に銃弾を撃ち込む手筈になっていたからV.V.は直ぐに立ち去っている。
「ありえない。マリアンヌの意識が生きていて、僕が肉体を殺したというならシャルルはどうして責めないんだ」
マリアンヌの死を他人事としてシャルルに話していた。
二人が最も忌み嫌っていた嘘をついたV.V.をシャルルが許すはずがない。例えマリアンヌの意識が生きていたとしてもだ。
「お前のコードが必要だったからだよ。私がいなくなった後に二つのコードがなければ確実性がないと分かった時、仮にV.V.を閉じ込めたとしても反抗的になってラグナレクの接続の時に変なことをされては何の意味もない」
これから死す者が生きている者を呪う言葉。
「マリアンヌの肉体は保存されているのは何故だ? 意識があるのだから戻れる可能性があるからだ」
時間稼ぎにもならない会話を続けているのは単なる嫌がらせだった。
「偽の目撃者に仕立て上げられたナナリーが都合良く目が見えなくなったのは何故だ? シャルルがギアスを使って記憶を操作したからだ」
後はV.V.の中で勝手に事実が繋がっていく。
「あの二人の息子であるルルーシュと私が契約したのは本当に偶然か? そんな都合の良い偶然などあるものか。計画したのはマリアンヌで、私達は取引した」
事実かどうかなど、今この場でC.C.は証明できない。
「ありえない! そんな非効率的なことなんて」
「ラグナレク計画はまだ途中だった。そして私は非協力的だったが取引に応じる余地があった。効率に拘る必要なんてなかったんだよ」
本当にありえないと断じるには、C.C.の理屈にV.V.は半ばまで納得してしまっていた。
どうしてマリアンヌの遺体を保存しているのか。その疑問をずっと抱え続けたV.V.に否定できる論拠はない。
「人は仮面を使い分ける。お前達はその嘘を嫌って、嘘を失くそうとした。でも、そんなお前達の間にも嘘があった」
どれだけC.C.の言葉を否定しようとも、V.V.がマリアンヌを殺したのは事実だった。そしてシャルルに嘘をついた事実もまた覆しようがない。
「どうしてお前達から離れたのかと聞いたな、V.V.。答えは簡単だよ。気づいてしまったからだ」
「気づいた? 何を気づいたって言うんだい」
自分の矛盾に気付かないV.V.がC.C.は哀れに思えてならない。
「他人の嘘を認めないくせに、自分は平気で嘘をつく。お前達は自分が好きなだけなんだよ」
子供達が大切だと言いながら死んでも構わない扱いをするシャルルとマリアンヌと同じように、V.V.も自分が好きなだけだとC.C.は断言した。
「…………不愉快だよ」
「図星を突かれてか?」
「…………」
台に固定されているC.C.には流れていく天井しか見れないが、きっと今のV.V.が表情を歪めているのは言葉を返そうとしないことから予想がついた。
「たった四人でも、こんなに食い違う。おこがましいことだったんよ、最初から全てが」
「関係ないね」
だとしても、もう止まることの出来ないV.V.に選択肢は最初から残されていない。
「嘘を失くすんだ。それが僕達兄弟の願いなんだから」
黄昏の間に繋がる地下の最下層に辿り着き、一直線に伸びる道へと続く両開きの扉をC.C.を抱えていて開けられない嚮団員の代わりに開けたV.V.は過去ばかりを見て足を進める。
「シャルルもきっと分かってくれる。あの姦婦を殺したのは正しかったんだって」
進む。過去の約束にしがみ続けるしか時に残されたV.V.の頭にはなかった。
例え嘘を見抜かれていたとしてもV.V.に止まるという選択肢はない。V.V.の人生は幼き頃に双子の弟と交わした約束を果たす為だけにあったのだから。
前話最後辺りをC.C.で振り返り、天敵であるジェレミアを前にしてロロ死亡。
拉致されたC.C.、キリストみたいに十字架に打ち付けられた感じになっている。
ある意味、ルルーシュと良く似ているV.V.。血縁関係的にルルーシュがV.V.に似ているんでしょうけど。
次回こそ、『STAGE14 憎しみの連鎖』