戦車乙女たちに追われています   作:神崎識

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神崎識です!
この回は詰め込めるものをすべて詰め込んだのでごちゃごちゃしてます。


『第一次争奪戦』戦車乙女は追いかけます
争奪戦開始です!


僕はどこで間違ったのだろう?

 

順風満帆の人生のはずだったのに。

 

中学生時代から西住流の門下生になり、西住師範からお墨付きをもらって、大学に進学して、島田流の師範からもご指導を頂いた。

 

その時に西住流師範のしほさんからは呼び出されて監禁されかけた。

 

でもそれは僕が反省すべきことだと理解はしていた。

 

敵対する流派に教えを乞うのだから普通はおかしいことだ。

 

だけどしほさんに大学を卒業したら日本戦車道連盟の高校戦車道連盟の強化員として働くことを誓い許してもらった。

 

しかし、しほさんの娘のまほちゃんとみほちゃんになぜか家から出させてもらえず、結局にしほさんの夫の常夫さんの手を借りて脱出し大学に戻った。

 

そして大学卒業間近に島田流師範の千代さんから猛烈なスカウトがあったが丁重にお断りした。

 

ただ、お世話になったので時々なのだが大学選抜の指導をさせていただくことを約束した。

 

その時に千代さんの娘の愛里寿ちゃんとも仲良くなった。

 

もとは人見知りだったけど色々話していくうちに仲良くなっていた。

 

僕が大学生活をしている時もみほちゃんやまほちゃんから連絡を毎日もらっていた。

 

小さい頃から仲良くしていたので寂しいのだろう。

 

年頃上まだ甘えたい年頃だったし、常夫さんやしほさんも仕事で忙しいだからだろう。

 

大学を卒業して、高校戦車道連盟の強化員として就職した僕は各地の学園艦を回り指導をした。

 

大学に進学する優秀な選手を大学選抜チームに勧誘したりして日本の戦車道を盛り上げていった。

 

特に近年で言うとアズミ、ルミ、メグミという三人はとても優秀だった。

 

とても熱心で個別指導もお願いされるほどに熱心に取り組んでいる。

 

なぜかその時にやたらとボディタッチをされたりした。

 

あとは同じ強化員で陸上自衛隊に行った同じ西住流の教え子で後輩の蝶野亜美に再会した。

 

どうやら僕が強化員になったのを知って追いかけてきたらしい。

 

とても先輩思いの良い子でお酒を一緒に飲みに行ったりしている。

 

アルコール度数の高いお酒とかをごちそうしてくれたりするが、亜美が倒れてしまうので自宅に連れて帰って泊めてあげたりしている。

 

何故か亜美を泊めた後には家の物が少しなくなっているような気がする。

 

さて話はズレたがここまではよかった。

 

なぜ間違ったと思ったのかというと、ここ最近の事だが視線を感じたり、監視されているように感じる。

 

自宅に無言電話や謎の電話が鳴りやまない。

 

携帯も同様だ。

 

自宅の物が消えたりもした。

 

凄い不安感で眠れない夜が続いた。

 

睡眠不足で仕事も手をつかない。

 

そのせいか神経衰弱と人間不信に陥ってしまった。

 

多分僕を恨む人の犯行だと思っている。

 

辞表を提出し、携帯を捨てて旅に出ることにした。

 

旅に出て正解だった。

 

視線も感じないし、なにより自由だ。

 

これまで仕事で貯めた貯金もいっぱいあるから金の心配はしなくて大丈夫だろう。

 

それに相棒の三号戦車が居るから心細くない。

 

これが僕こと伊藤巧(いとうたくみ)27歳の追憶である。

 

余談だが三号戦車を用意してくれたのは辻廉太さんである。

 

児玉理事長に飲みに連れてもらった時に知り合って意気投合して親友になった。

 

年齢も立場も廉太さんの方が上だが、廉太さんは気にしないでいいと言ってくれた。

 

今回も廉太さんを信用してお願いし、文部科学省の三号戦車をもらった。

 

廉太さんも今忙しいらしく電話した時も廃校がどうとか言ってた。

 

最近ニュースも見ないせいか、まったく世間の事も知らない。

 

さてこれからどうしよっかな?

 

だがしかし伊藤巧の知らないところで事はどんどんと大きくなっている・・・。

 

~★~

 

~熊本・西住家~

 

西住の家は異様な緊張感に包まれていた。

 

「菊代、彼は見つかった?」

 

家元に襲名した西住しほがとある和室に居た。

 

長年付き添ってきた女中の井手上菊代もしほがこんなに強い威圧を放っているのは初めてだ。

 

「まだ見つかりません」

 

「そう。西住の門下生を総動員して探しなさい」

 

「はい」

 

菊代は襖を閉め部屋から出て行った。

 

「お母様。

 

黒森峰の選抜部隊シュバルツバルト戦闘団の用意が整いました」

 

菊代と入れ違いになるようにしほの娘であるまほが入ってきた。

 

シュバルツバルト戦闘団とはタンカスロン用に編成された選抜部隊である。

 

いつも通りのパンツァージャケットの上からダッフルコートを羽織っていた。

 

「すぐにあなたも捜索に出なさいまほ。

 

ですがまほ、まだ夏なのにコートを着ているのですか?」

 

しほが指摘するとまほが少し緩んだ表情をした。

 

「このコートは昔に巧さんから貰ったものです。

 

巧さんが居なくなってからこのコートを身に着けていないと不安なので身に着けています」

 

「そう」

 

まほがそのまま退出して行く。

 

これが黒森峰と西住流家元がとった判断である。

 

~★~

 

~長崎・サンダース大学付属高校~

 

サンダース大学付属高校の戦車道隊長室にも異様な空気が立ち込めていた。

 

「アリサどんな手を使ってもいいからいち早く情報を手に入れること。

 

いいわね?」

 

「い、イエスマム!」

 

普段からフェアプレイを心掛けているケイの口からは絶対に言わないに困惑しつつもアリサは盗聴器を手に取り情報をかき集めていた。

 

「ナオミは捜索隊の指揮に回って」

 

「イエスマム」

 

だがナオミは普段と変わらずガムを噛みながら冷静な表情をしていた。

 

「すいません隊長!私がもっとしっかり監視していれば・・・」

 

涙目ながら語る隊員にケイが近づいて隊員の肩に手をのせた。

 

「隊長・・・」

 

「反省室に今すぐ連れて行きなさい!」

 

「えっ!」

 

隊員が出て来た二人の隊員に引きずられていた。

 

「隊長!許してください!隊長!」

 

隊員の悲痛の叫びはケイの耳には届いていない。

 

いつものような笑顔や周りを盛り上げるムードメーカーのような感じは一切なく、冷酷な人間に変わってしまった。

 

残された隊員達はビクついていた。

 

『私たちもああならないように気をつけなければ』

 

~★~

 

~サンダース大学付属高校・戦車格納庫~

 

「アリサの情報によると黒森峰も選抜隊を出動させている。

 

接敵する可能性もある。整備が完了しているシャーマンから出動しろ」

 

『イエスマム!』

 

シャーマンが次々と戦車倉庫から出て行く。

 

ナオミも自分の戦車であるシャーマン・ファイアフライに乗り込もうとしていた。

 

「ナオミ副隊長!」

 

呼び止められ搭乗をやめたナオミが振り返った。

 

「どうしたんだ?」

 

「副隊長おかしくないですか?

 

隊長の私情の為にサンダースの戦車を出撃させて!よくわからない男の為に!」

 

「よくわからない男・・・」

 

ナオミはその言葉を何故か復唱した。険しい表情をしてたった一言を言った。

 

「こいつを反省室に連れて行け!」

 

「ナオミ副隊長!?」

 

隠れていた隊員達が暴れる隊員を抑えて連れて行く。

 

「あなた達は狂ってる!いずれ天罰が下る!」

 

わめきながら連れて行かれる隊員を気にせずナオミがシャーマン・ファイアフライに乗り込んだ。

 

「またですかナオミさん」

 

乗り込んだナオミに搭乗員の一人が声をかけた

 

「聞こえてたのならわかるだろ?」

 

「そうですね。あの人の事を『よくわからない男』なんて言うなんて」

 

「時間もないし。行くぞ。GoAhead!」

 

戦車格納庫から次々と出て行くシャーマンたち。

 

これがサンダース大学付属高校の物量の捜索方法である。

 

~★~

 

~青森・プラウダ高校~

 

「いい?役立たずはツンドラで強制労働365ルーブルよ!見つけた者はレーニン勲章あげるわ!」

 

「学園艦のすみっこで樹木の伐採1年と校長先生からの表彰ですね」

 

カチューシャの遠回しの言葉を副隊長であるノンナが訳してみんなに伝える。

 

「同士諸君!黒森峰もサンダースもバグラチオン並みにボッコボッコにしちゃって!!」

 

『ypaaaaaaaaaaa!!』

 

プラウダの隊員達がどんどん戦車に乗り込んでいく。

 

その中のKV-2の装填手であるニーナとアリーナは困惑していた。

 

「ちびっ子隊長、さすがさ今回は横暴だばね?」

 

「んだんだ」

 

普通の人間なら絶対に従わない命令だが、プラウダの戦車道チームは隊長のカチューシャを信頼している者、隊長(副隊長)に恐怖する者の二種類の人間で構成されている。

 

だから今回もカチューシャの命令を疑わず、不思議にも思っていない。

 

「ノンナ!クラーラ!カチューシャが寝ている間に同士タクーシャを見つけ出してタクーシャに酷い事をした奴を粛正しなさい!」

 

『Да!』

 

カチューシャが自室に戻って行くのを見届けたノンナとクラーラが一息ついた。

 

「流石に私達も巧さんを監視しすぎましたね。ノンナ様」

 

「そうですねクラーラ。ですが私達だけではないようです」

 

そう言って机の上にノンナが机の上に写真を並べ始めた。

 

クラーラが机の上の写真を確認し始めた。

 

「これはサンダースですね。こっちは聖グロリアーナですね。後は個人でしょうか?」

 

写真に写っているのは二校の監視員と個人に雇われていたり、所属がわからない監視員

だ。

 

「多分ですが西住流と島田流が絡んでいますね。

 

そうなると黒森峰と大学選抜も関わってきます」

 

日本戦車道担う二大流派の後継者が所属する常勝集団黒森峰と社会人チームを打ち破る

下剋上を起こした大学選抜チームは脅威な戦力である。

 

一方サンダースはプラウダ高校とほぼ互角の戦力。

 

「サンダースと黒森峰は北上してきます。

 

予測ですが大学選抜は関東から二手に分かれて南下と北上するはずです。

 

その前にプラウダが南下して同志巧を保護します」

 

「Да」

 

戦車道強豪校による日本を縦断が始まりつつあった。だがそれは強豪校だけではない。

 

中堅校や弱小校も同じである。あらゆる手を使って巧を捕獲しようとしている。

 

~★~

 

~静岡・アンツィオ高校~

 

「いいか諸君!必要のない戦闘は避け機動力で逃げ、いち早く巧さんを探し出すのだ!」

 

『わかりました!姐さん!』

 

元気よく返事をしたアンツィオ高校の戦車道の隊員達。そして快速戦車のCV33に搭乗し

て行く。

 

本来アンツィオ高校はカルロベローチェとセモヴェンテ、秘密兵器のP40があるが、今回

はカルロベローチェだけだ。

 

なぜなら燃料代が無いからだ。

 

その他にも機動力ではアンツィオのカルロベローチェの右に出る者はいないからだ。

 

それに試合ではないため、撃破が目的ではなく、伊藤巧の確保が目的だからだ。

 

だが忘れてはいけないアンツィオ高校の隊員達のほとんどがおつむが弱いことを。

 

『迷った~!』

 

無線機の存在も忘れて周りをさまよい、燃料の無駄遣いとなっていることに隊長のアンチョビ(安斎千代美)が気付くのはもう少し後の話だ。

 

~★~

 

~関東地方某所・大学選抜チーム~

 

「アズミとメグミ、ルミこのまま南下し、サンダースとBC自由、継続を潰せ。私は北上してプラウダを潰す。

 

お母様が直々に島田流の門下生を引き連れ黒森峰と西住流を潰す。

 

各員は標的を排除後お母様と合流しろ」

 

『了解!』

 

島田流家元の娘で13歳で飛び級して大学選抜チーム隊長をしている島田愛里寿の命令を聞くバミューダ三姉妹こと中隊長のアズミ、メグミ、ルミの三人。

 

愛里寿は普段はあまり感情を表に出さないが優しい子だ。

 

だがしかし現在は鬼神の如く命令を下している。

 

しかし中隊長三人も母校を攻め落とす命令に対して異論はなく、愛里寿同様鬼神のようになっている。

 

「お母様から三人にセンチュリオンが支給されている」

 

「ついに私達にも!」

 

「隊長と同じ!」

 

「最強の!」

 

『センチュリオンが!』

 

普段は隊長の愛里寿だけしか乗れない戦車のセンチュリオンが中隊長に支給されるのは

異例の事である。

 

「邪魔する者はすべて排除し、接敵した場合は殲滅しろ。

 

サンダースとBC自由、継続を占領し傘下に加えろ」

 

『了解!』

 

三人はセンチュリオンに搭乗した。各中隊長の部隊が中隊長に続いて出て行く。

 

大学選抜チームが保有するパーシング、チャーフィー、シャーマン等の数多くの有力戦車たちを中心に出て行った。

 

残ったのは愛里寿の部隊のみ。

 

 

「大丈夫。私が助けてあげるからね」

 

愛里寿が普段見せない笑顔を一枚の写真に向かってした。

 

その写真には大学生時代の巧の膝の上に幼い愛里寿が乗っている写真だった。

 

~★~

 

~神奈川・聖グロリアーナ女学院~

 

「GI6の情報によりますとサンダース、黒森峰、プラウダ、アンツィオ、大学選抜が進軍を開始したそうです」

 

アッサムの報告を聞きながら紅茶を飲む聖グロリアーナ女学院の戦車道隊長ダージリン。

 

「巧さんを逃したGI6の者を直ちに退学させなさいアッサム。

 

我が聖グロリアーナ女学院には優秀な人材しか必要ありません」

 

「わかりましたダージリン。直ちに」

 

たしかに聖グロリアーナ女学院は優秀な人材の宝庫だが要らない者を退学にさせるようなことなんてよっぽどのことだ。

 

「ダージリン様、我々は動かなくていいのですか?」

 

ダージリンの右腕ともいえる少女オレンジペコが助言をする。

 

「いいえペコ。私達は傍観者。

 

お互いに邪魔者同士で潰しあってもらうのを見てから一気に押しつぶしましょう」

 

「はい。『イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない』ですね」

 

「その通りね」

 

ダージリンが一息つきながら紅茶を口に運ぶ。

 

「ダージリン先程入った情報ですが、文部科学省学園艦教育局長の辻廉太と日本戦車道連盟理事長の児玉七郎が姿を消したそうです。

 

大方誰かに拉致されたのでしょう」

 

「その誰かが二人から吐かせた情報を私達がおいしくいただくだけよ」

 

「そうですね」

 

こうしてまた聖グロリアーナ女学院も争奪戦(大戦争)にひそかに参戦するのであった。

 

聖グロリアーナ女学院の情報力は他校の比ではないほどだ。

 

だがしかし個人ではもっと強大な戦力が動こうとしていた・・・

 

~★~

 

~日本近海・大洗女子学園~

 

ここは大洗女子学園の学園艦の西住みほの住んでいるマンション。

 

その一室のみほの部屋。現在いつも通りの平日なのに学校に行かず、カーテンで光が入らないようにしてある。

 

みほはベッドの上に寝っ転がったままある一体のボコを抱いていた。

 

みほの部屋のボコにはランク付けされており、ベッドの上のボコは巧が毎年みほの誕生日プレゼントに送っている特別な物。

 

更に巧の手作りなので世界に唯一無二の物だ。

 

その他のボコはみほが買った物だ。だがみほの抱いているのは巧が作ったボコに巧の服を裁縫して作った服を着せている。

 

いわゆる伊藤巧ボコだ。

 

みほの携帯が鳴った。

 

『一件のメッセージが届きました』

 

みほはすぐさま携帯を手に取り確認する。

 

『黒森峰が北に向けて進軍を開始しました。

 

それ以外にサンダースとプラウダ、島田流家元が指揮する大学選抜も動いています。

 

それ以外にも勢力がありますが現在調査中です。

 

陸上自衛隊の蝶野亜美が文部科学省学園艦教育局長の辻廉太と日本戦車道連盟理事長の

 

児玉七郎の尋問したそうです。

 

こちら側の人間が掴んだ情報ですがやはり居場所は知らないらしいです。

 

このまま捕まえておいて交渉の材料にするそうです。

 

以上で報告を終わります』

 

西住みほが雇っている情報員からのメッセージだ。

 

これにより陸上自衛隊も参戦していることが判明している。

 

そのままみほは床に携帯を落とした。そして伊藤巧ボコを抱いたままそのままベッドの上に寝っ転がった。

 

「巧さんは渡さない・・・」

 

瞳の光が消えたみほが一言つぶやいた。




いかがでしたか?
次回からは各サイドに分かれて話を進めて行くので今回みたいにごちゃごちゃしないと思います。ある程度したら過去回するのでよろしくお願いします!
それじゃあまた次回に!
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