巧の操縦するティーガーⅠは安全な経路で日本戦車道連盟の本部に向かっていた。
あちらこちらで砲弾の跡があったりしていて巧は唖然としていた。
自分の知らない間に世間で何が起きていたのか。
戦車道連盟の本部の駐車場にティーガーⅠを停車させて全員が戦車から降りた。
「お待ちしておりました。副理事長はこちらです」
「菊代さんはこの子をお願いします」
「はい。お任せください」
菊代さんに車長(柴犬)を任せて、戦車道連盟の職員に建物の中を案内してもらい進んでいく。
「副理事長。伊藤様が来られました」
とある一室に立ち止まりドアを開けられて中に入る。
そこには副理事長の玉木が座って待っていた。
「待っていたぞ。座ってくれ」
玉木の案内で座る巧。
巧は沈黙していた。
「状況はわかっているな?」
「わかってます。道中で確認しました」
「確認した通りで数校の戦車道チームと大学選抜が全国で争っているのだ」
全国各地に戦車道の爪痕が残っているのだ。
「僕としては社会人チームと連盟の審判員の篠川香音、高島レミ、稲富ひびき三名を政府軍として鎮圧したいと思います」
「それでよかろう。責任は儂がとろう」
重治が電話をあるところに掛けていた。
社会人チームと審判員の三人の呼び出しと政府への許可である。
政府としてはこれ以上事態を大きくしたくはない為に許可を簡単に承認する。
それに伊藤巧は西住流のコネだけで強化員になってない。
実力あってこその強化員だ。
伊藤巧は日本の二大流派から教えを受けている。
それに実力上では日本代表に匹敵しているのだ。
そんな実力もある人間が選手よりも強化員になったのは西住流の圧力である。
更に審判員の三人は現役時代ではかなりの実力で巧が目をつけていたのだが、審判員としての素質により審判員になった。
そして社会人チームは大学選抜に負けているが、巧と共に現役時代に戦った猛者が潜んでいるのだ。
巧の司令塔としての才能により真の力を発揮するのだ。
西住流と島田流の二大流派の長所も短所もすべて理解し、分析能力と対応力に長けている。
これにより伊藤巧率いる社会人チーム改め『政府軍』
『プラウダ』『サンダース』『聖グロリアーナ』に『大学選抜』と島田流が組み合わさった『連合校軍』
『黒森峰』『アンツィオ』『知波単』に西住流が組み合わさった『枢軸校軍』
そして西住と島田の二人の娘が組み合わさり、各校の副隊長クラスの猛者と大洗学園と継続高校の二校を軸にした『革命軍』
この4つの軍により戦いは加速し終息に向かう・・・。
だが何故この男一人によりこんな大きな争いが起きたのか・・・。
事の発端となる約14年前の西住家にやって来る伊藤巧13歳の時が大きな分岐点だ。
次回からは過去編にいきたいと思います。
12歳から始まり、高校編と大学選抜編。
そして強化員になって各校を渡る話の予定です。