「この選択に意味があるとは思えない」
ミカが相も変わらずひねくれた事を言っていた。
「流石に熊本に戻ってしほさんに謝りたいからさ」
ミカがポロロンとカンテレを奏でていた。
巧はしほの電話の件と仕事の件を直接謝りたかったのだ。
何故かミカが陸路からではなく海路から行けと言われた。
それなので仕事関係で知り合った親友に頼んで機動艇に乗せてもらうことにした。
あくまで私物なので私用で連れて行ってもらうのだ。
「ミカちゃんには感謝しているからまた今度お礼をしに行くよ」
三号戦車を機動艇に載せて継続の三人に別れを告げようとしていた。
「巧さーん!また今度ね~!」
「元気でな~」
アキとミッコが手を振って見送っている。
ミカは相変わらずカンテレを弾いて見送っていた。
巧は第二の故郷の熊本に向けて船が出航した。
「行ったねミカ」
「そうだねアキ」
ミカとアキがこのようなやり取りをしている間にミッコがBT-42の出発準備をしていた。
「プラウダに向けて行こうか?」
「うん」
「あいよ」
三人がBT-42に搭乗してプラウダに向けて出発した。
まさかの犬猿の仲のプラウダになぜ向かうのだろう?
それは近々わかるだろう。
それよりもプラウダが現在どうなっているのだろうか?
~★~
~青森・プラウダ~
「現在、プラウダ前線部隊が地の利を生かしている為こちらが有利です」
プラウダ高校の戦車道隊長カチューシャと副隊長のノンナが隊長室に居た。
カチューシャがノンナの報告を受けていた。
「ノンナ!大学選抜に時間をかけてる暇はないのよ!ニーナかアリーナに指揮を執らせなさい!」
「了解ですカチューシャ」
一年生ではあるが、ニーナやアリーナは次期隊長、副隊長の座に一番近いのだ。
何よりカチューシャの
「それよりカチューシャ。三校同盟と聖グロリアーナとサンダースの同盟は耳に入ってますね」
三校同盟とは西住流家元の元で黒森峰とアンツィオと大洗による同盟の事である。
三校の欠点を補っている同盟なのである。
サンダースと聖グロリアーナの同盟は急ながら成立はしており、お互いに強豪校同士の同盟であった。
さらにシャーマンの一部バリエーションは英国が作っていたので戦車の相性も抜群だ。
「プラウダも身近な高校と同盟を結んだ方がいいのでは?」
ノンナがカチューシャに提案するのであった。
その一言にカチューシャは悩んでいた。
「大学選抜を倒さないと同盟を組めないし、身近に同盟を組める学校なんて・・・」
「私達がいるじゃないか?」
「!?」
プラウダ隊長室の扉が開くと同時に声が聞こえた。
そこには継続高校の戦車道隊長のミカとアキ、ミッコが居た。
「継続と同盟?」
「ソ連の戦車を鹵獲したフィンランドが改修したのと同じで、学校同士の相性はいいんじゃないか?」
確かに第二次世界大戦で敵軍であるソ連から鹵獲したBT-7快速戦車を改修したのがBT-42である。
敵軍ではあるが鹵獲した戦車を尊重しつつ改修をしているのである。
「分かったわ。ちっちゃいかーべーたんの事も水に流してあげる」
ちっちゃいかーべーたんとは継続高校が盗んだプラウダ高校のKV-1である。
「よろしくね。継続さん」
「こちらこそ。プラウダの皆さん」
隊長同士で固い握手をした。
「それよりT34こちらにくれないか?」
「冗談でしょ!?あなた達とは同盟は組んだけど戦車はこれ以上渡さないんだから!」
プラウダの主力のT34を継続に渡せと言ってきたのだ。
「いいのかい?伊藤巧の居場所を知りたくないのかい?」
プラウダの二人は驚いて声が出なかった。
最も最優先で見つけらければいけない人の情報を持っている人間が目の前に居るのだ。
「どこに居るの!?」
「落ち着け。こちらもT34くれれば教えるよ」
「くっ!?」
カチューシャはこの要求を呑むしかなかったのだ。
「いいわ!早く教えなさい!」
「彼は熊本に居る」
「今すぐ熊本に!」
「それには少なくとも倒すべき敵がいるんじゃないか?」
倒すべき敵とは少なくとも現在戦ってる大学選抜と西住流である。
そうなると黒森峰と大洗は必然的に倒さなければならない。
そして彼は・・・。
~★~
~熊本・西住家~
「久々に帰ってきましたね」
西住の家に到着していた。
次回北部決戦の予定です!