「んねんね、ひりゅー。そこの漫画とって。」
「はーいよっと。」
「んーー、ありがとね。」
「って!いくら非番だからってぐだぐだし過ぎだよ!
ほら、そーりゅー!外行くよ、外!」
「えぇー…いいじゃん。第一さ、外行ってもやること無いんじゃ?。」
「……そうだけども!そうだ、武道場いこう!」
「まぁ、弓の鍛練は毎日やるっていってるからね~。」
「ほらほら!行くよっ!」
そう言って、飛龍は蒼龍の手を取り無理矢理引っ張った。
「わかったから引っ張らないでよ、やだやだぁ!」
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この鎮守府では武道場は、弓道場と剣道場を合併して造られている。
その場所で私は目の前に作られた藁の人形を睨み木刀を構えていた。
「ふっ!」
素早く木刀を頭上から振り下ろし叩き抜き人形の後ろへ、そのまま右足を軸に回り胴に一撃を叩き込む。
我ながら悪くない動きだ。
もっとも、御父さんには、及ばんが───。
「あっ!提督も来てたんだ。」
「えぇ、飛龍と蒼龍。鍛練しに来たの?」
そうですよ、と返事をする飛龍の後ろに居る蒼龍が苦笑いしつつ、
「部屋でぐだぐだしてたら、怒られて引っ張られてきました。」と。
彼女たちが戦っている所は見たことあったが、鍛練は見たことはなかった。
「それなら、折角だし見ていこうかな。」
飛龍はほんと?!と嬉しそうだが、蒼龍は、恥ずかしがっていた。
「あんまり人に見られたくないんだよね~…。」//
「えー、戦闘してるときは大丈夫なのに?」ニヤニヤ
と、飛龍がからかいながら突く。
わざわざ来たのに私のせいで出来ないのは申し訳ない。
「なら、私は執務室に戻ろうかな。」
「い、いえ嫌って訳では!」//
かなり食い気味に言ってきた。
「そう…だったら、見させて貰うね。」
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「………。」キリキリ
そこにいるのはいつもの飛龍ではない。
「ふっ!」ビュン
さっきまでここに居た飛龍は消えてしまってような気がした。
ズダーーン
いつもどうり真ん中を射ぬいていた。
「流石、飛龍だね。」
「うーーん、まだまだかなぁ…もっと鍛練しないと多聞丸に顔向けできないしさ。
で、どうだった?提督。」
「飛龍ってすごかったんだね。」
提督の感想を聞いた飛龍は、頬を膨らませて
「なにそのいつもすごくないみたいな感じ~……。」ムーッ
「自業自得よ。いつもふざけてる飛龍が悪いんだから。」
「もー、それなら提督にこちょこちょしてやる!」
「ちょっ、なんでやめっ」
「…楽しそうだなぁ…w」ギャァァァ
すると提督が苦しそうにこっちを見て助けを訴えてきた。
「ちょ、そうりゅ、みてないで、たすk 」
私は静かに親指を立てた。
ソーリュウウウウウギャァァァャァァァ
このあと、二人とも提督にこっぴどく叱られました。
「……。」キリキリキリ
飛龍──テ敵空───撃セシメ、機──隊ハ一応北──避退、兵──結───トス
ビュン
ズダーーン
「……やっぱり、邪魔してくるかぁ~…。」
私の射った矢は的から少しずれたところに刺さっていた。
「これだから、嫌なんだよなぁ…。」
「そーりゅー、まだいたの?」
「あれ?ひりゅーこそ、帰ってなかったの?」
飛龍は、私の射った矢を見て言った。
「まぁね。また?」
「そ~なのよ。困ったものだよね。まともにできやしない…。」
いつも…夢で見る…。あの海戦を。飛龍を 守りたいんだ。
でも、体は正直で あの戦いが 怖いんだ。
それであっても、飛龍は 戦っている。私は────
「もー!そんな怖い顔しないで!そーりゅーのそんな顔見ると私まで不安になっちゃうんだから。」
「でも…………!「でもじゃない!」
私は飛龍に抱き締めてられていた。
「私は元気なそーりゅーがいいんだよ?だからさ、立ち直るまで私が支えていくよ。」
飛龍は抱き締めるのを止め、肩に手を置いたまま、思いっきり笑って見せた。
「それが、二航戦ってものでしょ!!」
「はは、やっぱひりゅーには敵わないね~。」
「よしっ!今夜は飲もうよ!ぱーっとさ」
「それは違う人の~。てか明日は出撃だけどいいの?」
──────
まっててね、飛龍、いつか必ず 貴女を助けるから。