春休み中はケータイを触るなと父に取り上げられまして…
書くに書けない状態だったのです。お許しください。
話は色々溜め込んでおいたのでわりかし早く投稿できると思います。
一刻も早くここから逃げようと足早に通路を歩く。今日は本当に最悪だった。家に帰ってゲームしよう。そして今日のことは忘れよう。
そんなことを考えつつ競歩で進んでいると、見覚えのある背中が2つ見えた。
「兄様、鋼さん」
ポン、とその背中を叩く。2人はビクリと震えた。
兄様と呼ばれた男が振り返る。小町を見る顔は不機嫌そうに歪んでいた。
「お前かよ、驚かせるんじゃねーよ」
「何を言うですか。呪いがあるでしょう」
「てめーの視線には感情がこもってねーんだよ!」
荒々しく怒鳴る、B級2位の影浦雅人。小町は口を尖らせて目を逸らした。
呪い、というのはサイドエフェクトのことである。
影浦は向けられる視線の感情を読み取るどギツイサイドエフェクトを持っているのだ。
「それで?何か用かよ」
「呼んでみただけですが。兄様は鋼さんとデートですか?」
「ちげーよ!何で男と!あと兄様って呼ぶなよ」
ちょっとだけ期待の目を向けて問うと、影浦はペシッと小町の頭をはたいた。小町は頬を膨らませて抗議した。
「なんですか、つまらないですね。それに、兄様は兄様です。兄様と呼んで何が悪いのですか兄様」
「呼ぶなっつったろ!何で連呼すんだお前!」
「まぁまぁ、落ち着けよカゲ」
小町の頬を引っ張りまた怒鳴る影浦をNo.4アタッカーの村上鋼が止める。
「別にいいじゃないか。小町は従兄弟なんだから」
そう。小町と影浦は従兄弟同士なのだ。これを他人に言うと、皆に驚かれる。あまりに似てなさすぎて。
「そうじゃねえよ。俺と知りあいって知られたらただえさえぼっちなコイツが余計にぼっちになんだろーが」
「兄様にだけはぼっちとか言われたくないのですが!鏡見てから言ってほしいです!」
「ああっ!?(怒)」
ギャイギャイと言い合いを始めた2人。村上ははぁとため息をついた。
この2人のケンカを止める方法が見つからない。会うたびにこうなのでいい加減うんざりしてきた。
「よし。お前ブースに入れ。斬り刻んでやらぁ」
「鋼さんと戦るのではないのですか?浮気とはいい度胸です。そんなだからモテないんですよ」
「浮気言うな!」
「あーもう…」
村上は分かりやすく頭を抱えた。どうして仲良くできないのか。お前らは従兄弟で呪いを持つ者同士だろう。
―いや、違う。
未だにわめいている2人を眺め、村上は思い直す。
彼らはケンカをしているわけではない。これが彼らのコミュニケーションなのだ。
他人から、身内から気味悪がられ、避けられ、否定され続けてきた影浦と小町。
きっと2人はお互いを励まし合いながら生きてきたにちがいない。
この会話がケンカでない証拠に、2人からは怒気が全く感じられないのだ。
そんなことを村上が思っていると、
「あら」
「ん?」
「あ?」
「げっ、やば」
不意に、聞き慣れた女性の声が聞こえた。
―加古望だ。
小町は急いで影浦の背中に隠れるが、遅い。
加古は惚れ惚れするような身のこなしで小町の腕を引っつかみ、ぐいと顔を寄せる。
「こんなところで会うなんて奇遇ね、小町ちゃん。運命かしら」
「ヒッ―、いえ、違います、はた迷惑な偶然です手を離してください」
にこりと笑う加古。美人なので見とれてしまいそうな笑顔だが、小町には邪悪な魔王のいやらしい笑みにしか見えなかった。
「いいえ。これは運命なの。やっぱりウチに入るべきだと思うわ。風間さんのとこより断然いいわよ!」
「どっちも同じくらい入りたくないので勘弁してください」
「まあ、物事には順序が必要よね。これからチャーハンを作る予定なのだけど一緒に食べましょう?ついでに入隊も…」
「どっちも遠慮します!」
小町は加古の手を振り払い逃げ出した。
その後ろから「まってー」なんて可愛らしい声で、そしてすごい勢いで追いかけて来る加古の姿が。
チラリと小町が加古を見ると、彼女の背中に死神が憑いているような気がして、いっそう顔を青ざめさせた。
小町は悲鳴をあげながら、影浦たちに話しかけるんじゃなかったと後悔した。
影浦と小町は従兄弟です。
サイドエフェクトを持つ者同士、兄妹のような関係になっております。
一応、小町のサイドエフェクトのことを知っている人たちをご紹介します(変更するかも)
・影浦 ・菊地原
・迅 ・遊真
・村上
サイドエフェクトを持っている人たちばかりです。
まあ、他にも予定している人はいるのですが。
感想、評価待ってます!
…昔の小町の言葉遣いが悪かったって話を書くタイミングが迷子な件。