楽勝の修了任務。の筈が……
『アークス』。それは、宇宙に蔓延る害悪『ダーカー』を討伐する戦士である。
ダーカーを浄化することが出来る唯一の力『フォトン』を操り戦う、栄誉ある職業だ。
……まぁ名目上は各惑星の調査兵団なんだけれども。
ダーカーに対抗出来るのがアークスしかいないから、ほとんど対ダーカー戦闘兵団なのだ。
フォトンを扱うアークス以外でもダーカーを倒すことは出来るが、ダーカーが持つダーカー因子を浄化することが出来ず、体内に取り込まれてしまう。それが溜まり、限界が訪れた時、その生物は凶暴化してしまうのだ。
そうなってしまう生物―――『原生種』がダーカー因子に取り込まれてしまう前に、フォトンで浄化するのも、アークスの仕事である。
ダーカーが病原菌なら、アークスはそれに対抗する白血球なのだ―――医者の方がいいかな。
しかし、決して楽な仕事ではない。
戦士である故に、死と隣り合わせ。
今はまだ増える数も少ないわけではないとはいえ、アークスが死亡し、減っていく数も少ないわけじゃないのだ。
そんな中、新たに選抜されるアークスには適正が重要視される。
戦えるか否かではなく、適性があるか否か。
そんな理由で、本人の意思を半ば無視して、適性だけを見て戦場に駆り出されるアークスがいるのが現在の情勢だ。
「その点気軽に考えてる奴多いよなぁ……」
「? どうしたんだよ相棒。ボーっとして」
「なに。感慨深いなぁと思ってよ」
「あー成程なぁ。相棒、これまで大変だったもんなぁ」
「そんな日々も、今日で一区切りかと思ってな。色々考えちまった」
俺ことハクメイ、そしてアフィンの二人は、惑星ナベリウスに来ていた。
何故かって?
修了任務のためである。
アークスになるためにはまず、アークスを育てる機関である士官学校に入り、そこで修練を積まなければならない。通常より短い期間でアークスになれる特例も存在はするが、俺達は普通に士官学校に入り、普通に数年間修練して、そして普通に修了任務に臨むのだ。
初めて実地で戦闘をするこの任務で、アークスとしてやっていけるかどうか、戦えるかどうかを判断するのだ。
(この任務で合格すれば、正式にアークスとして認定。そうすりゃ……)
アークスになる人間には、様々な動機がある。
アークスという正義の職業に憧れるか。
適正が高いからなるか。
ダーカーが憎いからなるか。
様々な惑星に行けるようになりたいからなるか。
大まかに分けてそんなところだが、俺の場合は。
場合は……。
「……うーむ、やりたいこと多過ぎてズバッと言えん。アフィン、どう言えばいいかね?」
「いや、誰に向けて何をだよ」
「だってよー、アークスになったら『貴方はなんでアークスになったんですか?』って聞かれること多いじゃん? 実際俺もこの前まで聞く立場だったし。そういう時のこともシミュレートしとかないと」
「まだなってもいないのに、そんな心配かよ……」
呆れたように言うアフィン。
いやー、俺がアークスになりたい理由って大小様々なんだよね。
アークスカッコいいし、歴史に名を残すような英雄になりたいし、ダーカーと戦って勝てるようになりたいし、色んな惑星観光したいし、お金欲しいし、武器や防具作って自分で使いたいし、尊敬される男になりたいし、ついでにモテたいし。
ダーカーは倒すべき敵って認識はあるけど、ダーカー憎し! っていう動機でアークスになる人程じゃないんだよなぁ。
うちの両親はダーカーに殺されたとは言われるが、生憎俺は試験管ベイビー。母親が腹を痛めて生まれた訳でも、愛情持って育てられた訳でもない。
施設で育ててくれたおばちゃんやガキ共は元気でやってるし。
まぁ、今後も元気でやるためってのも理由の一つかね。
「アフィンは理由がシンプルでいいよなぁ。探し物のためにアークスになるんだろ?」
「そうだな。アークスになれば、色んな惑星に行ける。探し物が見つかるかわかんないけど、アークスにならないと探すことも出来ないからな」
そう語るアフィンは、少し遠い目をしていた。
アフィンは、俺が士官学校にいた頃のルームメイトだ。
背丈は俺より若干低いものの、引き締まった体をしている童顔の男で、金髪のニューマン。黒髪(ハクメイなのに、黒。それ一番言われてるやつ)のヒューマンである俺とは種族が違うわけだが、俺もこいつもそんなの気にする柄ではなく、気の合う同士仲良くやっているのだ。いやほんと、気にする奴は気にするからね。恋愛とかならまだしも、同性同士で友達付き合いするのにまで、種族ガーとかなんやら。
それで、アークスになる理由について話したこともあったが、めっちゃ語った俺とは対照的に、アフィンの理由はシンプルだった。
ただ、その探し物がなんなのかは教えてもらっていない。
アークスになった暁には探し物を手伝う、そうでなくとも情報が手に入ったら教えるぐらいはしてやろうかと思うんだが、どうにも語りたくないようなのだ。
けどさ。本人が語りたくないのを無理矢理聞き出す気にもなれんし。
語りたいときにでも語ってくれたらいいとは言ってある。
……あれから何年経ってるだろ。
「けど相棒。俺は相棒みたいに、アークスになる理由が色々あってもいいと思うぜ?」
「別に悪いとは思ってねーよ。ただ、人に紹介する時に困ったもんだなーとか思っただけでさ」
話しながら、俺達はナベリウスの地を歩く。
ここは森林エリアと呼ばれていて、緑豊かな土地だ。どこもかしこも緑だらけである。緑一面だ。草も木も生い茂っている。
ナベリウスの原生種は、猿のウーダン、ボス猿のザウーダン、狼のガルフ、ボス狼のフォンガルフ、逃げ足の速い飛ばない鳥のナヴ・ラッピー、赤い鳥のアギニス、硬い甲羅を持つデカいダンゴムシのガロンゴ。他にもデカいので、岩に覆われた巨人のロックベア、番いで行動する紫色した豹のファングパンサー・ファングパンシー。
デカい原生種はそう数現れないし、ここ辺りでは出ないとされているが、一応警戒は必要だろう。
さて、修了任務の内容はザウーダン討伐、その後指定ポイントまで到達して無事帰還することだが……。
「アフィン」
「お、どうした? 相棒」
「見つけたぞ、目標だ」
「早速か。場所は?」
「北北西の方角に500m。ただ、群れで行動してるな。小さいのが20、比べてデカいのが3」
「ウーダンが20で、ザウーダンが3……。いきなり集団戦かぁ。他の反応は?」
「無いな。多分、あの群れがここら一帯を縄張りにしてるんだろう。あいつらから離れて別の奴を探してもいいが、結構歩きそうだし、あいつらでいいだろう」
「わかった。でもその前に、俺等戦闘は初めてだから、動きの練習しようぜ。それくらいはさせてもらえるみたいだし」
武器の使い心地を試しているらしい。
俺も素振りくらいするか。
「
生命体以外をフォトンに分解して仕舞えるアイテムパックからエレキを呼び出し、何回か振ってみる。
エレキは、青に近い紫色の刀身を持つ双小剣だ。
俺の自作である。
その特性上、常に電気を帯びていて、刀身からパリパリという音が小さく聞こえてくるのだ。
このままなら電気には静電気程度の威力しか持たないが―――。
うん。使い心地は問題なさそうかな。
「お。相棒、エレキ使うのか?」
「ああ。近接の集団戦ならこれがいいだろう。もう行けるか?」
「おうよ。相棒、無いとは思うけどヘマすんなよ」
「抜かせ。お前こそ誤射なんぞしたらお仕置きだからな」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(いたぜ)
アフィンが小声で話し掛けてくる。
目標のザウーダン集団を補足し、俺達は近場の岩に隠れる。
向こうは俺達に気付いた様子はない。耳の良い原生種だが、隠密は上手くいっていると見ていいだろう。
(相棒、集団戦のプランAでいいんだよな?)
(ああ。とりあえず復習だ。どんな内容だったでしょう?)
(こちらが補足していて向こうが気付いていない時。相棒が合図と同時に突っ込んでいって、向こうが気付いて注目が集まった段階で俺が射撃を開始。最優先は相棒の遠くにいる奴から。ただし、状況に応じて目標を変えていく。俺にエネミーが来て、俺だけで対処できない時はプランCに移行。相棒が離脱したい時はプランEに移行。だろ?)
(花丸)
ザウーダン達は三体で一塊、その周囲を取り囲むようにしてウーダン達が歩いている構成だ。
木が生えていないエリアとはいえ、この辺りは崖が多い。どこから敵が来てもまずウーダンが相手をして対処に当たる形だ。これなら、ザウーダンを暗殺というわけにはいかないだろう。
ここから銃で狙い撃つのもいいが、初撃で多数を狩るためにはやはり俺が切り込むのがいい。
それに……銃じゃ感触が分からない。
今後のために、エネミーと言えど殺す感触に慣れなければならないのだ。
(行くぞアフィン)
(OK相棒。1)
(2の……)
((3!))
岩陰から飛び出し、一番近くのウーダン向かって駆ける。
「キィッ!?」
飛び出して6、7歩走ると、目標のウーダンがこちらに気付く。
速度優先とはいえ極力足音は消してるんだが、流石に察知が早いか。だが、これなら迎撃より早く攻撃できる!
反射的に爪を振るおうとするウーダンの眼前に滑り込み、その腕と首を同時に斬り飛ばした。
「……思ったより嫌な感触だな」
だが、大丈夫だ。
ちゃんと動ける。
気分は悪いが、固まりはしない。
こちらに気付いていた左右のウーダンの眉間を、両手の双小剣で同時に貫く。
肉の裂ける感触が剣越しに伝わってきた。
「キィッ!? キキッ!」
「キッ!」
「キャッキャッ!」
騒ぎに気付いた猿共が騒ぎ出し、俺を取り囲もうと動こうとする。だが、そう簡単に囲まれてはやらない。
囲もうと回り込むウーダンに、
「レイジングワルツ!」
弾丸のようにウーダンに直進し、到達した所でその顎をアッパーのように斬り上げた。
ウーダンの頭部が両断される。
飛び上がった俺に対して、ウーダンの一体が飛び掛かってきた。
「
そのウーダン目掛けて、もう一度弾丸のように直進。
「キッ!?」
空中で方向転換するとは思ってなかったのか、驚愕の鳴き声を上げるウーダンに、今度は打ち下ろしの刃で頭部を両断した。
その身体を踏んづけて、奥にいたもう一体のウーダンに飛び掛かった。
避け切れないと見たのか、そのウーダンは腕を上げて防御の体勢を取る。
俺は構わず、その腕を斬り付けた。
両腕を重ねていたので両断とはいかず、刃が途中で止まる。
だが―――
「ギギギィッ!?」
エレキから電撃が流れ、ウーダンの全身が硬直した。
電撃で肉が焼ける匂いを感じながら、電撃で空いた口にもう片方の剣を差し込む。
喉元を貫かれたウーダンが絶命したのを感じると、エレキを両方とも引き抜いた。
「さて、初撃で六体殺せたはいいが」
周りを見回す。
「……囲まれたか」
ウーダン達が俺を囲み、ザウーダン達がその後ろで全体を見る形だ。
エネミーといえど、成程。中々連携が取れていると見える。
ウーダンは……二体減ってる。ザウーダンも知らぬうちに手下が減っていて首を傾げているようだ。アフィンが上手くやったようだ。
周りのウーダンはそんなことも知らずに、俺を囲んだことに喜んでいる。
「ハン。所詮は猿知恵だな」
俺はそのアホ面向けて、テクニックを
「フォイエ・並列起動6」
俺の周りに展開された小さな爆炎が拡散するようにウーダンに走る。
周りにいたウーダン達は巻き添えを食わないよう跳んだが、目標にされたウーダンは避けることも出来ずに火の玉を受けた。
火で毛皮が焼け焦げ、消化しようとウーダンが地面を転がる。
チッ。やっぱ一発じゃ殺せねぇか。今後に期待だな。
「フォイエ・並列起動12」
その転がるウーダンに向け、一体につき二発ずつ追加で打ち込む。
抵抗も出来ず、ウーダンは全身火だるまとなる。後に残ったのは焦げた猿肉だけだった。
「後は……6と3か。掛かってこい」
「ギ…………ギキィ!」
遠距離は危険と見たのか、残り6体のウーダン達が突っ込んでくる。ザウーダン達はその後ろで、地面から何かを引っこ抜こうとしていた。
あれは……確か身の丈程の石を持ち上げて、こちらに投げてくる、ザウーダンの攻撃パターンだったな。前衛をウーダンに任せて、遠くから投げてくるつもりか。
あっちはアフィンに任せとくか。あいつも場所を移動して特定されないようにしてるようだし。
「となると俺は、ウーダン共だな」
一番先に到達した正面のウーダンに、右手の剣による逆薙ぎで一閃するが、後ろに大きく跳ばれ、躱される。
右から襲い掛かってくる二体。爪を振り下ろしてくるその攻撃を、返す刃で受け止めた。
「学習しねぇな」
エレキの機能を発動。
電撃が二体の身体に襲い掛かり、毛皮に覆われた全身が焦げる。
そのまま重力に従って落ちる二体にトドメを刺す前に、正面からのウーダンの爪を左手の剣で受け止め、左から来たウーダンは右足を背面に回して、腹部に蹴りを叩き込む。
そして上空に蹴り上げた左のウーダンを尻目に、正面のウーダンを電撃で沈め、後ろ二体を正面に捉える。
「ワイルドラブソディ!」
回転斬りと回転蹴りを組み合わせた
一太刀目、左前の奴に防がれる。
二太刀目、左前の奴の胴体を浅く薙ぐ。
一撃目、左前の奴に叩き込み、そのまま右前の奴にぶつける。
二撃目、左前の奴の頭部に叩き込み、二体纏めて地面に叩きつける。
半周して三太刀目、最初正面にいたウーダンの首を飛ばす。
一周して四太刀目、地面に叩きつけた二体まとめて回転を曲げて縦に切り裂く。
三撃目、落ちてきたウーダンを地面に叩きつける。
五太刀目、横回転を再開して電撃で固まっている二体の首を刎ねる。
六太刀目、三撃目で叩きつけたウーダンに剣を突き刺す。
周り六体の息の根が絶たれた。
「近接は問題なし、と」
さて、あとはザウーダンだが……周りを見回してみる。
ザウーダンは三体とも手を撃たれたようで、持っていたであろう身の丈程の石が地面に落ちていた。
手を押さえ、地面に蹲るザウーダン達。
俺はエレキを地面に突き刺し、新たに武器を取り出した。
「
法撃武器の中でも炎に特化した長杖を構える。
「フォイエ・並列起動3」
威力が増幅された爆炎が、それぞれに一発ずつ放たれ、直撃した。
爆炎はザウーダンの全身をたちまち呑み込み、耳障りな叫びが耳に響いてきた。
「一丁上がり」
「へへ。上手くいったな、相棒」
近くの木に隠れていたアフィンと合流し、その場を後にした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「やっぱ、相棒がいると楽だよなぁ。流石主席ってやつ?」
あの後も何度か戦闘が行われ、しかし一度の敵数が少ないのもあってより楽に、指定討伐数に達した。
今は道中のエネミーを遠距離からアフィンと一緒に銃で狩りつつ、指定ポイントに向かってる途中である。
「他の同期も二人一組だけど、俺達以上に早いのいないんじゃねぇかな?」
「道中でもこんなに出るんなら、最初から指定ポイントに向かってりゃもっと早かったろうけどな」
話ながら、道先に現れたガルフ三体の群れの内、二体を俺がフォイエ四発、一体をアフィンの長銃が仕留める。
学校の成績は優秀でも、初めての実戦だし、油断せずに挑んでいたつもりだが、ここまで楽勝だとな。
念のための休憩を挟みつつ任務を遂行する筈だったのに、息一つ切らさないせいでそれも入れなくても問題なさそうだ。
卒業試験がこんなんだと、なんか肩透かし。
「まぁいいか。これも俺の成長によって齎された寂しさよ」
「はは。相棒は変わんねぇな」
「当然。ゆくゆくは六芒均衡も超えた最強最高のアークスになる俺だ。修了任務くらいかるーく飛び越えないとな」
六芒均衡。
それは、アークス最高戦力の六人だという称号。
世襲制であるその称号と、アークス全体の一部権力を得ると同時に、失われた技術によって生み出されていた最強の武器・創世器をその手にすることが出来るのだ。
現存する数少ない創世器は、普通の武器とは天地の性能差があり、その武器を手にするだけで弱小の戦士が超一流を超えると言われている。中でも四十年前の大戦を戦い抜いた三英雄の一人、六芒の一・レギアスの持つ創世器『
そんな先達を超えるのが、俺の野望の一つ。
そんな創世器を超えた武器を作り上げるのが、俺の野望の一つ。
まぁそーゆー大言壮語を昔っから言ってたもんだから、士官学校じゃアフィン以外に友達いなかったわけだけれども。
俺は欲張りだからな。
これが欲しいと決めたら何としても手に入れるし、こうなりたいと決めればあらゆる努力を惜しまない。それが真の強欲だ。
「というわけで目先の野望、修了任務異例のスピード遂行を達成せねばな。ほれアフィン。道はこっちだぞ」
「そんなに急ぐなよ相棒。どーせ他はついてこれないって」
合格後に出来るようになることを一つ一つ頭に思い浮かべて、浮かれたスキップしながら立ち塞がるウーダンをフォイエっていき、道が十字に分かれた広場に辿り着いた。
その時だった。
『管制より、ナベリウスに寄港中のアークス各員へ緊急連絡!』
緊急用回線に、通信が入り込んだ。
「あ……? 緊急連絡?」
広場の中心手前で立ち止まり、横に追いついたアフィンにも同様の通信が入ってきたことを確認する。
緊急連絡。
普通、修了任務で持ち上がるような単語ではない。
それを押してでもこうして持ち上がったということは、普通でないということだ。
普通でないということは、異常事態ということだ。
『惑星ナベリウスにてコードD発令! フォトン係数が危険域に達しています!』
「コードD……ッ!?」
そしてコードDとは。
Dに当たるものが現れたということだ。
そのDとは―――
『繰り返します。惑星ナベリウスにてコードD発令! 空間浸蝕を観測、出現します!』
「お、おい相棒! あれ!」
そして、
まさに、黒。
まさに、醜。
まさに、影。
まさに、闇。
それこそ―――
「ダーカー……」
『ダーカー出現を観測! 空間許容限界を超えています!』
赤黒い靄のような何かを伴って地面から湧き出たそいつは、次々とその数を増やし、最終的には八体、俺達がいる広場に出現した。
「こいつらが……ダーカー? アークスの敵で、宇宙の敵で……全てを喰らい尽くすもの」
隣のアフィンが、怯えたようにそいつらを見る。
探知には……チッ。こいつら以外にも出現してるようだな。
目の前にいるダーカーは、四本足の蜘蛛のような造形をしている。中心にある赤いコアがついた本体から、斜め四方に分かれた脚が伸び、本体を支えている形だ。記憶の中にある資料によれば、確かダガンと呼ばれていた個体だ。
「なんでだよ! どうしてだよ! ナベリウスにはいない筈だろ!?」
「アフィン、落ち着け」
「相棒! でもよ!」
「元々ダーカーなんざ、空気読まずに現れて無差別に攻撃するのが生き甲斐みたいな連中だ。いや、生き甲斐っても生物かどうかも怪しいか」
アイテムバックから、新たな武器を取り出す。
「
大剣にカテゴライズされる、身の丈程ある鉄塊のような片刃剣を構える。
やっぱ重いな、こいつは。この重さこそが武器なんだが。
「アークスになりゃいずれ戦う相手だ。どこに現れるか分からんから試験に導入されなかったが、弱小個体のダガン如き、狩れずにアークス語れるかよ」
「相棒……」
「むしろ、俺と二人だけで隠す必要もない今だからこそ、
「! そ、そうだよな! 使っていいんだよな!?
「やるぞ」
「おう!」
怯えが抜けたアフィンと共に、叫ぶ。
その力を。
「「
実際にゲームでやるとなると難しいでしょうけど、テクニックを多数発動してまとめてドーンとか、憧れますよね。