「くそっ! 次から次へと!」
のっそのっそと歩いてくるウォルガーダを前に、悪態をつく。
遭遇したくなかった大型ダーカーが、よりにもよって保護……いや、捕縛対象を前にするという、簡単に逃げるわけにもいかない状況で現れたのだ。舌打ちの一つしたくなるってもんだ。
しかも言動を鑑みるに、あいつが
それだけじゃなく、天敵のアークスであるザッカ―ドの言う事を聞く、しかもあんな曖昧な指示で操れるというのだ。
保護だなんて簡単に終わる気配がない任務だとは思っちゃいたが、こうも想定外の事態が起こるたぁな。
新人チームがやる任務じゃねぇだろ、ったく!
「ダーカーが、アークスの指示に従うなんて……こんなことって……っ!!」
ジェネが目の前で起こっている事実を受け止められないのか、口に出してそう言う。
モアもその後ろでおろおろとしていた。
二人の隣で、俺は武装を呼び出す。
「ライトランスッ!」
白一色の直槍を、ウォルガーダに向けて突き出した。
狙うは両肩にあるコア、右肩の方だ。そこに向けて一直線に突き出したライトランスから、光の槍が伸びていく。奴のコアに比べれば細い線だが、スピードは中々のものだと自負している。
果たして光の槍は、右肩のコアへと刺さっていく―――
直前で。
ウォルガーダの左腕がそれを防いだ。
「チィッ!」
光の槍は左腕の装甲と衝突し、ガラスが割れるように弾け、霧散する。
ウォルガーダの両腕には装甲が着けられていて、これが相当な硬さだと聞く。腕を構えれば盾となり、巨体から振るわれる時には武器となる。ウォルガーダ本体の膂力を活かした攻防一体の武器だと言えよう。とは言っても、身体から生えてるものを武器と言っていいものか。人間の歯や爪も武器っちゃ武器だし、同じカテゴリか。
先手必勝に失敗したので、ライトランスは仕舞う。
「お前ら!」
「え!? は! はい!!」
「お、おう!」
「考えんのは後だ! 今はこいつを倒す事を考えろ! ジェネ! 俺の後ろでスイッチの準備! モアはあいつの肩を飛び回って牽制! ただし回避優先で行け!」
「わ、わかりました!」
「よ、よっし! やってやるぜ!」
二人が武器を構えたのを見て、補助テクニックを掛ける。
「シフタ!」
赤いフォトン活性化フィールドを展開。
そしてもう一つ。
「デバンド!」
青いフォトン活性化フィールドを展開して、それぞれの強化を為す。
武器の威力とユニットの防御力の底上げ。正直言って微々たるもんだが、あるとないとじゃ大分違う。
正直言うと並列起動で同時に行いたかったが、今はまだ隠す段階だ。
……この戦いで、どこまでそう言ってられるかは分からんがな。
「
自身の肉体も強化し、ウォルガーダへと走る。
一直線に向かってくる俺に相対し、ウォルガーダはその場で身を屈め、力を溜めるような体勢を取る。
もう少しで攻撃範囲に入ると言う所で、ウォルガーダは張り手を交互に突き出すような連撃を繰り出してきた。
「ヒャハヒャハヒャヒャヒャヒャ!! 壊せ壊せ壊せぇ!!」
うるせぇな、あそこの狂人。
ゲッテムハルトも大概だと思ってたが、あそこまで話が通じないとレベルが違う。
向かってくるウォルガーダの連撃に対し、俺は進路を変えずに走る。
そして、その頭に向かって跳んだ。
一足飛びで突進してくる俺に、ウォルガーダはすぐさま対応。張り手の角度を上向きに変え、俺に突きをお見舞いしようとしてくる。
勿論、考えもなく空中に身を投げる俺ではない。
向かってくる張り手を前に、テクニックを発動。
「イル・ゾンデ!」
雷となって張り手を潜り抜ける。
同時にウォルガーダの頭上へと踊り出て、イル・ゾンデの解除と同時にブーステッドを取り出して、振り上げる。突進した勢いを殺さずにウォルガーダの頭頂部に到達したところで振り下ろし始める。加えてブースターを起動。
「ずぉらッ!!」
頭頂部後ろ側に、ブーステッドを叩きつけた。
張り手によって重心が前に傾いていたウォルガーダは、頭上からの衝撃に耐えられず、顔面から地面に突っ込んだ。衝撃が地面に響く。
「追撃!」
「はい!」
遅れて走ってきたジェネが、うつ伏せに倒れたウォルガーダの背に跳びかかる。
「サプライズダンク!」
落下の勢いを利用し、両剣をその背に突き刺す。
深々と突き刺さった両剣だが、大型ダーカーの体格からすれば致命傷には程遠い。ジェネはすぐさま両剣を引き抜き、その場から離脱しようとする。
「うあっ!」
が、一足遅かった。
俺が体勢を整えて着地をすると同時に、ウォルガーダは地面に張り手をするように両手を突き出し、その身体が跳ね上がる。
全身で下から押され、ジェネの身体が宙を舞った。
無防備となったジェネに追撃を掛けようとしていたが、そうはさせないとばかりにモアがウォルガーダの眼前に躍り出る。
「させるか!」
突如現れた小さなモアに反応出来ず、ウォルガーダは顔をモアのクレイモアに切り裂かれる。
しかし、モアの攻撃では大した傷をつけられる筈もなく、引っ掻いたような小さな傷が刻まれる程度だ。それでもジェネから注意は逸らすことが出来る。
モアが飛び回りながらひたすらクレイモアを振り回してウォルガーダを惑わせている内に、俺はスプラッシュをジェネに向けて投げる。二つに分離させ、中程で止まったところでゾンディール・弐式。スプラッシュの破片、続けて俺と繋いでいき、ジェネを左腕で抱き止める。
空中に押し出された勢いが死んで、落下し始める前に引き寄せたから、衝撃はほとんどない。無事を確認し、地面に下ろした。
「あ、ありがとうございます……つっ!」
「礼は後でまとめて受け取っとく!」
痛みに顔を歪めるジェネ。しかしそれに構ってはいられない。
ウォルガーダに向けて走り出し、ブーステッドを仕舞って、パイロソーサーを呼び出す。
視線の先で、モアがウォルガーダの振り払うような腕を受け、弾き飛ばされた。
「うわぁあああああ!!」
「モア!」
広場の端の方に飛ばされていくモアだが……防御は間に合っていたようで、大怪我には繋がってない。防いだクレイモアごと飛ばされたのだろう。
モアが作った隙を見逃さず、追撃する。
「デッドリーアーチャー!!」
上に注意が向いていたウォルガーダの右腿に、パイロソーサーを投げた。
吸い込まれるように直撃する。
上半身に比べれば細いウォルガーダの太腿。パイロソーサーの高速回転する熱刃ならばすぐに断ち切れてもおかしくはない。
が。
「くそっ……!」
出た結果は、ウォルガーダの右脚の太さ四分の一程の切れ込みを入れる程度に収まってしまった。
人間ならばそれでも大量失血によって死の危険がある傷だが、ダーカーには血など通っていない。傷から赤黒い蠢きが見えるだけだ。
……やはりダーカー相手だと、エネミーや自然物と同じ結果にはならないか。
ウォルガーダが腕で振り払うようにパイロソーサーを弾こうとするが、その前にブーメランのように返ってくるパイロソーサーをキャッチする。
(このまま戦ってもなんとか勝てるかもしれんが……ギリギリだな。ブーステッドも衝撃ばっかで切り傷はほとんど入ってないようだし)
……四の五言ってられねぇか。
パイロソーサーをジェネに投げ渡す。
「え?」
戸惑いながらもキャッチするジェネ。
「モアなら深刻なダメージは入ってないみたいだから、心配すんな。お前はこっちに集中しろ」
「で、でも!」
「い、いってぇぇぇ! 身体中がいてぇぇぇよぉぉぉ!」
弾き飛ばされた方から、そんな叫び声。
モアのものである。
「な?」
「「な?」じゃなくて! 大丈夫なんですか!? モア、本当に大丈夫なんですか!?」
「ほんとにヤバかったら逆に黙るから」
そうこう言ってる内に、ウォルガーダが短く跳躍した。
地面に着地し、力を溜めるように蹲る。
チッ。急がねぇと。
「とにかく、俺が注意を引くからジェネ。お前がパイロソーサーであいつの足を断ち切れ」
「た、断ち切る? でも、ハクさんがやって切れなかったのに―――」
「心配すんな。
「え?」
呆けた様子のジェネと俺に、ウォルガーダは蹲って溜めた力を解放するように、跳びかかってきた。
俺は右。ジェネは左に跳んで避ける。
着地し、ウォルガーダに向きなおせば、野郎はすぐさま体勢を立て直していた。そして短く跳躍し、俺に向かって蹲っている。もう一度跳びかかるつもりだろう。
やはり背中を突き刺したジェネより、足を四分の一切った俺の方がヘイトを集めているか。
ザッカ―ドもその辺に指示を出す気はないようだ。
「あと! これからやる事は秘密だからな!」
「は、はい!」
「セラフィさんも!」
『え!? は、はい! 了解しました!』
モアは見る余裕があるかどうか知らんが、後回しでいい。
もう一度跳びかかってくるウォルガーダを、今度は上に跳んで避けた。
そして、光杖『フラッシュ』を呼び出し、地上のウォルガーダに向ける。
「グランツ、並列起動60!」
照準をウォルガーダに合わせた、光の矢が生まれた。
その数、一つの起動につき8本。
8×60の480本!
「大盤振る舞いだ! 有難く受け取れや!!」
その全てをウォルガーダに降り注がせた。
局所的な光の雨と言っても過言ではない範囲面攻撃。ヘッドスライディング直後のデカブツに避けられる筈もなく、無防備な背中を的に、吸い込まれるように刺さっていく。
時に矢が矢を押し、より深く刺さっていく。
時に別の矢の僅かにズレた場所に刺さり、傷口を広げていく。
時に刺さりはしないものの、横腹を掠めて切り裂くように傷をつける。
そうして光の雨が止み、刺さった矢が消える頃には、その身体に無数の傷がつけられていた。
『こ、こんな数のテクニックを同時に……!?』
通信から聞こえてくるセラフィさんの声を流し聞きしつつ、背中側にスプラッシュを投げる。
落下しながらウォルガーダの様子を眺めていると、ウォルガーダはジェネにダメージを与えた時と同じように、両手をついて跳ね上がろうとしていた。
それを繰り返す俺ではない。ゾンディール・弐式でスプラッシュに俺を引き寄せ、後ろに下がる。
俺が元いた場所にウォルガーダの身体が跳ね上がる。
しかし、それで終わりではなかった。
ウォルガーダは未だ落下を続ける俺に向けて、拳を振り上げたのだ。
「っ! ブーステッド!」
スプラッシュとフラッシュを仕舞い、ブーステッドを呼び出す。
身の丈程の鉄塊を盾にするよう、前面に翳す。
その鉄塊ごと殴り抜く衝撃が、鉄塊を通して響いてきた。
斜めに叩きつけられ、地面に小さいクレーターが出来る。
「ごぼっ……!」
胴体を突き抜ける衝撃に、吐き気が込み上げる。
くっそ、地面に着地する為のスプラッシュの分離が間に合わなかった……!
喉まで迫り上げてきた胃液を飲み込み、ブーステッドを仕舞う。
倒れた俺の目線の先でウォルガーダが足を振り上げていた。
「チィッ!」
後ろに爆転して、踏み潰そうとする足裏を躱した。
震脚で広場の地面が震えた。
あっぶねぇな! 俺が四散したらどうしてくれるってんだ!?
遠ざかった地点に着地し、左手にフレアを呼び出す。
胃液で僅かに焼かれた喉に手を当てて回復し、テクニックを発動。
「フォイエ、並列起動60!」
ウォルガーダの上半身に集中して、絨毯爆撃を行う。
相手は両腕のガードで身体を守り、その爆撃に耐える。
その巨体が見えなくなる程の煙が上がる。
それを眺めながら、俺は声を上げた。
「ジェネ、断ち切れ!」
「はい!」
巨体の後ろから、その下半身に向けてジェネが走っていた。
上半身に向けた前からの爆撃を受けているウォルガーダはそれに気付いていない。
ジェネは、俺がパイロソーサーでつけた傷跡。その背中側に向けて跳びかかる。
手に持ったパイロソーサーを、薙ぐように振るい。
何の抵抗も無かったように、ウォルガーダの右脚が斬り落とされた。
「……えぇ!?」
斬った本人が一番驚いていた。
そんな驚きを余所に、ウォルガーダの身体はバランスを崩し、右側へと倒れ込もうとする。
が、野郎は倒れる前に左拳をジェネに叩きつけようとしていた。
「エレキ!」
右の逆手にエレキを持ち、フォトンを流し込んで、左肩のコアに向けて槍投げのようにぶん投げた。
余所見をしていたウォルガーダはそれを弾けず、ブスリと刺さる。
そこから電撃が流れ、ウォルガーダは悲鳴を上げた。
「右のコア!」
「え……は、はい!」
驚きから立ち直れてなかったジェネは、俺の声にハッとなる。
パイロソーサーを前面に構え、右肩のコアに向けて突進する。
「トルネードダンス!」
錐揉み回転しながら突っ込んでいくジェネ。
最早何の抵抗もせず、ただ倒れていくウォルガーダ。ジェネの身体がその右肩のコアへと吸い込まれていき。
貫いた。
「上出来!」
右肩に大きな風穴を開けられ、右腕が胴体から離れていくウォルガーダ。
声も出せないくらいに驚いているジェネを横目に、フレアを仕舞い、ブーステッドを呼び出す。
遂にズズン、と大きな音を立てて倒れたウォルガーダ。その左肩の傍に立つ。
「こいつで……トドメだ!!」
振り上げたブーステッドを、振り下ろした。
「スタンコンサイド!」
鉄塊を叩きつける二連撃。
それで左肩のコアも完全に潰れ、ウォルガーダは黒い靄へとその姿を変えた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、あああ、ああああああああ!!!」
黒い靄が晴れ、完全に消えた様子を見て、ザッカ―ドは悲鳴を上げた。
「くっ……!」
勝つには勝てたが……結構重いの貰っちまった。
回復出来ないことはないが、連戦はキツイな。
とにもかくにも、次を呼ばれる前に捕縛しとかねぇと。
「ハクさんっ、今のはどうして―――うぅっ……!」
痛みに呻くジェネ。
さっきは動けたようだが、ジェネも相当なダメージだったようだ。横腹を押さえて蹲る。
そこに、モアが狼狽えながら戻ってきた。
「ジェネ、ケガしてるじゃねぇかよ! くそっ、ダーカーってこんなに強いのかっ!」
「だい……じょう、ぶ……。ありがとう、モア。モアこそ、大丈夫です……?」
「オレはトリメイト飲んだから大丈夫だってば! 人の心配してないで、自分の心配しろよな!」
トリメイトは、モノメイトよりも効き目のある回復薬だ。骨折一本くらいなら応急処置程度の治療が出来るが、その効果もあって貴重かつ高価だ。
余程の事がなければ使わないようにと言ってあるが、今回はその余程の事なので、OKとする。
あの二人も、とりあえずは大丈夫そうだな。
俺は俺で自分の治療をしながら、ザッカ―ドへと向き直る。
「私の下僕を……なんで壊したっ!! なんで……っ、なんでなんでなんでっ!」
……そりゃ、ダーカーが襲ってきたら迎撃するのが普通だろうがよ。
なんて言っても通じないのだろう。まともに話し合えるような雰囲気じゃない。
「話なら後で聞いてやるよ。手荒に縛り上げられたくなかったら、大人しく捕まりやがれ」
俺の言葉にも、まともに取り合わないザッカ―ド。
「あぁ、怒ってるから……おこ、怒らない、で。研究所も綺麗に爆発できたのに……」
その、決定的な自白を口にしたザッカ―ドに、二人が目を見開く。
「あなた……あなたがっ!! ……研究所を……っ、爆破したの?」
「ひぃっ、ひひひっ……! あはははははははははっ!!!」
狂おしく笑うザッカ―ド。
それを肯定と受け取ったジェネが、非難の言葉を浴びせる。
「なんてひどいことを……!!! 家族がいた人だって……きっといた!! 平和の為に戦うアークスであるあなたが、たくさんの命を奪うだなんて……! あなたは……っ! 何の為に研究者になったの……!!」
「……なんのため、なーんのためっ? ふははははははははは!!!!」
「……ゲラゲラうるせぇな。いいからさっさと」
「礼を言う。目的を、思い出した。思い出したぞぉ……っ!!」
そう言って、ザッカ―ドはテレパイプを呼び出した。
「! 待ちやがれ!!」
スプラッシュを呼び出し、間髪入れずに投げたが、射程範囲内に入る前にザッカ―ドは転送された。
テレパイプはすぐに消えていく。
「ま、待ってください!! くっ……ううっ!」
「ジェネ、大丈夫か!? こんな酷いケガじゃ、追いかけるのはムリだ!」
『仕方ありません。ここは撤退しましょう!』
「……くそっ!」
俺がついた悪態だけが、虚しく響いた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ごめんなさいっ! わたしのせいで、ザッカ―ドさんを、逃がしちゃいました……!」
アークスシップに帰還し、怪我も大方治療し終えたジェネがそう頭を下げた。
「なに言ってるんだよ! ジェネのせいとかじゃないからなっ!」
「でも……」
「……お前が怪我してなくても、転送装置を使われちゃどうしようもねぇよ。いらん責任まで負うな」
「二人の言う通りです。ジェネちゃんのせいじゃないですよ」
テレパイプが消える前ならその座標を解析するなり出来たろうが、ああもすぐ消されちゃ手出ししようがない。
怪我っつーなら俺もモアもしちまったわけだしな。
モアは戦線離脱してたし、俺もPDしてなかったらジェネ以上のダメージになってたろう。
「三人のおかげでザッカ―ドさんが爆破事件の犯人だと、断定することが出来ました。また三人には、ザッカ―ドさんの……いいえ! ザッカ―ドの追跡をお願いします!」
「おう! もちろんだぜ!」
「……犯人、ね」
爆破の犯人は確かにザッカ―ドなんだろう。本人がそう言っていたのだから。
だが……どうにも引っ掛かるな。
ザッカ―ドのあの態度。言葉。ダーカーを呼び出して使役する技術。
事はそう単純じゃなさそうだ。
……思ったより、大きな事件になりそうだな。
「ハクさん! モア! 絶対に捕まえましょう!!」
「……ああ」
なんにせよ、あいつを捕縛するのが一番手っ取り早い。
ジェネの言葉にはとりあえず頷いておいた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
指令コード 0792-コードS
研究所職員 208893 ザッカ―ドの生存を確認。
チーム0808の報告により、E.M.A研究所爆破犯と断定。
ブルーノへの追加指示:爆破犯ザッカ―ドの研究内容の調査を再開せよ。
「次から次へと……ったく! 人使いが荒いぜ……」
ハクメイが事件の内容を訝しんでいるのと時を同じくして。
一人の男が、送られてきた指示書に悪態をついていた。
「ザッカ―ド。アンタならアレの保管場所、知ってるんだろうな……?」
指示書の画面を閉じ、代わりに映し出したのは、事件を担当する試験チーム。
そのリーダーを務めるハクメイの顔写真を見て、男は誰にともなく呟いた。
「殺さず拘束してくれよ。期待してるぜ。主席くん……」
この後生体反応を追って別の惑星にも飛んでいくのが本来の話ですが、ぶっちゃけいる? って思うので、ナベリウス内でこの章を完結させます。
並列起動、解禁しちゃいましたねー。
まぁずっと隠してると自分の書きたい欲が満たされないので、早めにやっちゃいました。
年末が近いせいか残業続きになって、ログインすらだるくなってくるんですが……。