***このマークは視点切り替えです。
VRMMO、仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム。正式名称、Virtual Reality Massively Multiplayer Online バーチャルリアリティー・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン。
俺はその中のひとつ、GGO ガンゲイル・オンラインのフィールドの荒野の真ん中をゆっくりと歩いている。
吹き抜ける風、舞う砂埃、崩れかけの廃屋。
殺伐としたこの世界では、PK プレイヤーキラーが非常に多く存在する。
そのPKこそが俺の狙いである。
俺、エイト・シャドウこと比企谷八幡は自分の腰にあるホルスターに目を向ける。そこには大口径のハンドガン、プファイファー・ツェリスカーと、スミス・ウェッソンM500が。
両方とも実弾銃であるため、このゲームでは対人武器となる。このふたつは、俺がわざわざPKを倒すためにボス狩りして手に入れた物であり、俺の主武器でもある。
いつもならフィールドに出たらすぐ襲われるのに、今日はなぜかまだ襲われていない。こうなったら自分から探すしかないのか?めんどくさいな...。
俺には2つ名をとして、【グック】とかいうのがあるが、調べてみたら労働が嫌いな死神らしい。なんでこんな不名誉な2つ名をつけられたのか理解できん。なんでだ?
...ま、どうでもいいか。それにしてもPKがいない。...じゃあ、さっさとPK探しますか。
* * * *
「ねえ、本当に【彼】を狙うの?」
「当たり前だろ。この前の分も取り返さねえといけねえんだよ」
私、シノンこと朝田 詩乃は今、自分の所属しているスコードロンの活動としてPK(ここではプレイヤーキルを指す)をするため、フィールドの廃屋の集まりに身を潜めている。
たった今までターゲットの名を聞かされていなかったが、まさか、腐った目とやせ細った体、そして異様な仮面を付けていることから【グック】の2つ名を持ち、二丁のハンドガンを使う事でPKK(プレイヤーキラーキラー)として有名である、エイト・シャドウとは思いもしなかった。
「...彼は、PKKとして有名なのよ?」
「あん?そんなこと知ってるさ」
「じゃあ、なんで彼をターゲットに?」
「いくらあの【グック】だろうが、この人数だ。弾数にも限りがあるし、何よりあいつは遠距離の対策を持ってないんだぞ?シノンがいたら勝ったも同然だ」
確かにそうかもしれない。今回、彼を襲う予定だったスコードロンと連絡を取り、大人数で勝負しようとしているのだから。
それに私はスナイパーであり、初弾は弾道予測線が見えないというメリットがある。私は反論の言葉に詰まってしまった。
「分かったな?じゃあ、射撃は頼んだぞ、シノン」
「...了解、ダイン」
なぜかはわからないけど、どうしてもスコードロンのリーダー、ダインを好きにはなれない。たしかに腕利きであり、判断力もあるとは思うのに、なぜだろう。
「...来たぞ!位置につけ!」
そして、戦端は開かれた。
ありがとうございました。
少し短めの投稿です。