「――昔はワシもバリバリのポケモントレーナーとしてならしたもの!」
じーさん話長いんだよ。と幼馴染みのグリーンが小さく悪態を吐いた。
今日は13歳の誕生日であり、私が旅に出る日。
目の前のテーブルには三つのモンスターボールが並び、手元にはポケモン図鑑。
まさに夢の様な瞬間である。
目の前で昔話を延々と語るこの人はオーキド博士。
これでも、ポケモン研究の第一人者らしい。
私の幼馴染みのグリーンのおじいさんでもある。
今回、私が旅に出ると博士に言ったらなんと珍しいポケモンをくれるというのだ。
代わりにポケモン図鑑なるもののデータ取集を手伝えばいいようで、何だか致せり尽くせりな気がしないでもない。
フシギダネ・ゼニガメ・ヒトカゲ。
どれも育てがいがあり、頼りになるであろうポケモン。
ここ数日は誰を選ぼうかということで頭も胸もいっぱいいっぱいであった。
「――今はポケモンも三匹しか残っとらんがお前に一匹やろう!さあ、選べ!」
おや、博士の話が終わったようだ――全く聞いてなかった。
グリーンを見ると「先に選ばしてやるよ」と珍しく譲り合いの精神を見せてきた。
お言葉に甘える事にして、私は一つのボールを手に取った。
人は道に迷った時左右のうち、左を選ぶという。
だが、敢えて私は右を選ぼう。
どれを選んでも特に変わりは無いのだろうが。
「ほう、ヒトカゲか。そいつは元気がいいぞ!!大切に育ててくれい」
ボールから飛び出たのはオレンジ色で尻尾で小さな炎が燃えているとかげポケモンのヒトカゲ。
つぶらな瞳が私を見つめ、きゅいと甘えるように鳴いた。
「ふーん、ほのおタイプのヒトカゲな」
グリーンもヒトカゲをじっと見ている。
まあ、こんなにかわいらしいから見惚れるのも当然だと思ったら奴は迷うことなく真ん中のボールを手に取る。
「じゃあ、オレはみずタイプのゼニガメにするぜ!!」
……お前、最初からそれが狙いだったのか。
そうだった。お前はそんな奴だったよ。
みずタイプはほのおタイプに強い。
恐らく私がゼニガメを選んだら奴はフシギダネを、フシギダネを選んだらヒトカゲを選ぶつもりだったのだろう。
13歳にもなって完全に後だしじゃんけんである。
恥を知らないのかお前。
昔から妙に私に張りあってくるのは未だ健在であるようだ。
三つ子の魂何とやらだ。
……うん、私は早めに帰るとしよう。
お母さんが今日の為にプレゼントを用意してくれるらしい。楽しみだなぁ。
では、マサラタウンにさようならバイバイ。
「待てよ、リーフ!!」
変に絡まれないうちにさっさとこの場から立ち去ろう。
そう思って、ヒトカゲを小脇に抱えた私にグリーンはニヤリと嫌な笑みを浮かべて私にビシッと指を突きつけてきた。
こら、人に指を向けるな。
「折角、じーさんにポケモン貰ったんだぜ……ちょっとオレの相手してみろ!」
お前はカツアゲをするチンピラか。
……いや、ちょっと待て。
――もしかして、これって人生初のポケモン勝負?
ポケットモンスターオリジン楽しみでついつい書いてしまいました。
基本的に原作通りにすすめますがたまに改変する事もあるかもしれません。
基本的に主人公はモノローグで語ります。