女主人公のカントー制覇旅   作:ムイコ

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第5話-② ハナダシティ②

「はー食った食った!!」

 

マサキに奢ってもらったハンバーグは大変美味であった。

速めの夕食を終えて、店の外に出ると辺りはそろそろ暗くなりかけていた。

……今日はもう探索は止めにしよう。

早めに帰って寝て、イワヤマトンネルに行くのは明日からにしよう。

『命の恩人にハンバーグだけやったら何かショボいからな』とマサキから貰ったモンスターボールを見る。

中に入ったポケモンはぐっすりと眠りこけている。

 

 

「ほな、そいつの事よろしくな」

 

マサキは大きく欠伸をすると、ひらひらと手を振りながらゴールデンボールブリッジを渡って行った。

随分とあっさりとした別れである。

でも、マサキがこの子の事を大切に思っているのはもう分かりきっている。

『こいつを旅に連れて行って世界っちゅうもんを見せて欲しいんや。ずっと家に閉じ込めておくのも可哀そうやしな』

肉汁がたっぷり詰まったハンバーグをじっくりと噛みしめながらマサキは何処か遠い目をしていた。

 

 

――マサキは珍しいポケモンを手に入れるためなら何でもする。

 

ハナダシティに来たばかりの頃に聞いた噂を思い出した。

私はマサキと知り合ってすぐだけれどそういう人間だとは微塵も感じなかった。

大体、根も葉もない妬みから来た噂なのだろうけど。でも、もしかしたら過去のマサキはそういう人間だったに違いない。

どちらにせよ、マサキに今回の事故が影響を及ぼしたのは間違いないだろう。

それで、手元に置いておくよりも私に渡した方がこの子の為だと判断したのかもしれない。

 

……どちらにせよ、責任重大だな。

 

ボールをベルトに付け直すと、私はポケモンセンターへと帰った。

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

――みさきのこやの事件から数日後。

 

私はハナダジムに居た。

次々とくるジムトレーナー達をいなし、今はカスミの目の前である。

 

「ふーん、あんたが挑戦者?」

 

明るい色の髪をサイドテールにした彼女はすらりとした水着姿を惜しげもなく晒している。

今まで泳いでいたのだろう、水が滴り落ちる身体をタオルで拭きながら、彼女はボールを手の上で転がしている。

 

「今までいたトレーナー達はあっさりやられたみたいだけどアタシはそうはいかないからね」

 

まっすぐと私の目を射抜くように見る彼女は同年代とは思えない程、力強い目をしていた。

ジムリーダーとしての覚悟やプライドがあるからの気迫だろう。

 

「あんたってポリシーとかある?あたしはポリシー無い奴に負けてあげるほど器用じゃないから」

 

でも、私だって負けられない。

私自身そして私のポケモン達の為にもカスミを倒してバッジを手に入れる。

 

「……ふーん、少なくとも田舎から旅行気分で舞い上がってるおのぼりさんじゃないのね」

 

カスミはその気の強そうな顔をニコリとさせると、ボールのロックを外した。

 

「教えてあげる。アタシのポリシー……それはね」

 

ボールから飛び出したヒトデマンがコアを赤く輝かせる。

 

「みずタイプで攻めて攻めて攻めまくることよ!!」

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

ハナダジムのバトルフィールドはニビジムとは大分毛色が違う。

まず、バトルフィールド全体が巨大なプールとなっており、水深も中々ある。

そして、所々には水タイプ以外のポケモンへの配慮である浮島が幾つか浮かんでいる。

 

 

ヒトデマン、タイプはみず単体。

カスミのボールから飛び出してすぐに水中へと隠れてしまった。

このフィールドは水ポケモンの独壇場になる。

陸上で生活するタイプのポケモンでは浮島の上でしか動けないという不利な状況だ。

本来なら、こちらも水タイプのポケモンを出して対抗すべきなのだろうが私は水タイプのポケモンを持っていない。

 

……勿論、リザードは今回は休みだ。

浮島から落ちたりしたら命取りでしかない。

そこで、私は一つのボールを選び、投げる。

灰色の小さな子供位の大きさのポケモンが飛び出し、浮島の上に華麗に着地する。

 

「リッキィ!!」

 

イワヤマトンネルで捕まえたワンリキー。

敵を見つけ、彼はその肉体美を惜しげもなく見せつける。

うん、ナイスポーズ。

さあ。その肉体美でそのヒトデ野郎を水底に沈めてやれ!!

 

「……趣味悪」

 

呆れた風にカスミはポツリと呟いたが、まあいいやと気を取り直したのか顔付きを変える。

 

「先手必勝よ!!ヒトデマン、『たいあたり』!!」

 

「ヘアッ!!」

 

水中から勢いよく飛び出したヒトデマンはワンリキーに全身を使っての攻撃を繰り出す。

ワンリキーは間一髪で身を捩ってかわす。

 

「まぐれで避けたからっていい気にならないでよね!!ヒトデマン、更に『たいあたり』よ!!」

 

カスミの指示でヒトデマンが攻撃のスピードを速める。

攻撃をかわした次の瞬間には、追撃が来ている。

息をつく間もないとはまさにこの事だ。

一応、こちらも『けたぐり』や『からてチョップ』でワンリキーに反撃をさせているのだが『じこさいせい』ですぐに回復される。

決定打を与えられていないのはこちらも同じことだが、やはり、地の利というハンデと水の動きに合わせて揺れる浮島という不安定な足場がワンリキーの動きを鈍らせている。

 

しかし、この不利な状況でもワンリキーは笑っている。

野生では絶対に遭遇する事の無い敵は常に戦いを追い求める彼にとってはむしろ最高であるようだ。

 

「ヒトデマン!!トドメよ、『たいあたり』!!」

 

「ヘアッ!!!!」

 

今までは加減をしていたのだろうか、それ以上のスピードでヒトデマンがワンリキーに渾身の一撃を繰り出す。

これまでの攻撃ですら避けるのが精いっぱいであったワンリキーは避けられずに、思い切りダメージを食らう。

 

 

「……なっ!?」

 

この一撃で倒れると思っていたのだろう、カスミが隠し切れない驚きを見せる。

 

確かに、本来であればワンリキーは戦闘不能になって戦う事は出来なかったであろう。

しかし、ジムに入る前に渡しておいたオレンの実で回復をし、未だワンリキーは足を地にしっかりと着けてヒトデマンをその手で拘束していた。

 

マサキから聞きかじった知識だ。カントーの人間はきのみの事を軽視し過ぎだと彼は不満そうに言っていた。

 

ヒトデマンはもがいて逃げようとするも、細くても鍛えられた筋肉の前では無駄な足掻きでしかない。

ニヤリと笑うワンリキーに私は反撃の指示を出す。

 

――『リベンジ』!!

 

「リッキィィィィィ!!」

 

さながらプレロス技のように――ワンリキーは高く飛び上がり、自らの全体重と重力を利用してヒトデマンを浮島に叩きつける。

浮島は、その威力に堪えられなかったのか派手な音を立てながらバラバラに崩壊し、破片と水柱を作り上げる。

 

「……」

 

「……」

 

カスミと審判が茫然とし、何とも言えない沈黙がフィールドを支配する。

 

 

――勝負は一体どうなったのだろうか。

 

頭から被った水を乱暴に拭い、フィールドを見る。

ちなみに、ボールの中ではリザードがパニックになっていた。

 

 

「リキ……」

 

 

ワンリキーはかなりの疲労を見せながらも近くにあった浮島に辿り着いており、ヒトデマンはコアから光を無くして浮島の残骸と共に水面に浮いている。

 

「ヒトデマン戦闘不能!!」

 

審判の声で我に返ったらしいカスミはボールにヒトデマンを戻す。

 

 

「きのみか……どうやらアンタの事見くびっていたみたいね」

 

先程までのどこか余裕を持った笑みは消えていた。

意志の強そうなその瞳は静かに炎が宿っていた。

彼女はそうとうの負けず嫌いらしいで、自分はそのスイッチを入れてしまったようだ。

 

 

――ああ、面白い。

 

 

以前の自分だったら、ここで怯えていたのだろう。

確かに今カスミを本気にさせてしまったこの状況に危機感は感じている。

しかし、危機感以上にタケシ戦では決して出てこなかった高揚感が胸を躍らせているのだ。

 

カスミがもう一匹の入ったボールを取り出し、私もワンリキーをボールに戻す。

彼は十分に仕事をしたし、体力もかなり消耗している。

ここで残しておいてもひんし状態になるのは目に見えている。

 

私たちは同時にボールを投げ、二匹目のポケモンを出す。

 

カスミはヒトデマンの進化形であるスターミーを、私は黄色い身体をして尖った耳を持ち、電気をビリビリと体中に纏わせるアイツを繰り出した。

 

 

「……珍しいじゃない、サンダースなんて」

 

 

カスミの声に反応するかのようにサンダースは嬉しそうに鳴いた。

 

――そう、私の新しい二匹目の手持ちはイーブイだったのだ。

 

イーブイは様々な進化の可能性を持つポケモン。

現在分かっているだけで三つの進化先を持つ。

電気タイプのサンダース・水タイプのシャワーズ・炎タイプのブースター。

ナオコがくれた進化の石を使って、私はイーブイをサンダースに進化させた。

 

……進化の石を取り出していたら少し目を離した隙に進化していたというオチなのだが。

 

「でも、タイプが有利だからって簡単に倒せると思わないでね?私のスターミーは一味違うわよ!!」

 

カスミがそういうと、スターミーは空中で身体を高速回転させ、サンダースの立つ浮島に突っ込む。

サンダースは隣りの浮島に飛び移り、難なくかわす。

『こうそくスピン』先程のヒトデマンの体当たりよりスピードは更に増してまさか威力までもが……呆然とする私にカスミはペロリと小さく舌を出した。

 

「これでおあいこよね。お返しはこれからどんどんするから遠慮しないで!!スターミー、そのまま反撃の隙を与えないで『スピードスター』!!」

 

――『でんきショック』!!

 

星形をした光線とでんきショックが互いの威力を打ち消し合う。

ただでさえ限定された足場がこれ以上破壊されたら手も足も出なくなってしまう。

そうなる前に決着を着けなければ……サンダースに指示をさせて、更に『でんきショック』を撃たせる。

 

「ダースッ!!」

 

全身の毛を逆立てて、電気を放出させるサンダース。

電気の筋が幾筋にも別れてスターミーを襲う。

 

 

「避けて!!」

 

スターミーはカスミの指示も虚しく、電撃を食らう。

水タイプに電気タイプの技はの効果は抜群だ。

これで幾分かはダメージを与えられたか、と思った瞬間スターミーの赤いコアが光を強くし、プールの水を巻き上げる。

 

 

「スターミー、『みずのはどう』」

 

カスミの声が響くと同時に水はサンダース目掛けて発射される。

避けようとサンダースは動いたが、水は浮島全体を包み込みひっくり返る。

サンダースはプールの中に叩き落とされ、姿が見えない

スターミーも後を追うように水中に潜る。

 

――何だ、この威力は!?

 

それより、サンダースは無事なのか?目を凝らすものの、サンダースらしきものは此処からは見えない。

 

「そのまま、『こうそくスピン』!!」

 

「フウッ」

 

水中から打ち上げられたサンダースが浮島の上に叩きつけられる。

サンダースは水を吐き出し、身体をぶるぶると震わせ水を飛ばす。

ダメージは受けてはいるが技自体が低威力らしくまだ戦えるようだ。

 

「それはどうかしらね?」

 

してやったりとした顔をするカスミ。

……嫌な予感がする。

サンダースをみやると、フラフラとして足がおぼつかない。

 

「『みずのはどう』は超音波に水を乗せて攻撃する技よ、たまに混乱する時があるのだけどいい感じになってくれたわね」

 

……なんだって?

じゃあ、今サンダースは混乱しているという事なのか。

私が声をかけても反応することは無く、まるで酔っ払いのようにおぼつかない足取りだ。

 

「ふふ……このまま畳み掛けるわよ、『スピードスター』で追い詰めてスターミー!!」

 

再び、星形の光線がサンダースに降り注ぐ。

今度は全てを打ち落とすなどという言もできずに、サンダースは浮島の上を転がる。

 

「ダース……」

 

混乱していてもなお、立ち上がるサンダース。

スターミーは『こうそくスピン』を繰り出そうとしているのか身体を高速で回転し始める。

 

――『でんこうせっか』!!

 

「……ダァ!!」

 

咄嗟に言った指示だったが、サンダースには通じたようだ。

瞬時に駆け出し、スターミーに全身でぶつかる。

ふいうちにスターミーはバランスを崩し、水中に落ちる。

 

「……!?スターミー!!」

 

――?

 

サンダースと共にスターミーが水中から飛び出す。

その光景に一瞬、言葉にならない疑問が頭に引っかかる。

 

だが、その答えは出てこない。

今は目の前のバトルに集中するのみだ。

 

スターミーに振り落されたがサンダースが浮島に着地する。

どうやら混乱状態は無事治ったようだ。

 

「混乱状態なんておまけよ、そんなもの無くったってあたしは勝てるわ!!『こうそくスピン』!!」

 

――『でんこうせっか』で攻撃を受けるな!!

 

数少なくなった浮島の間を二匹が飛び交う。

接近戦に持ち込めば、それはタイプの関係しない肉弾戦に変化する。

サンダースの圧倒的な素早さの前ではスターミーも距離を取る事が出来ない。

 

つまり、発射するのに多少の溜めが必要になる『みずのはどう』や『スピードスター』を封印する事が出来る。『じこさいせい』をさせる暇も与えなければ体力を回復されることも無い――まあ、それはこっちも持たせたオレンの実を使う暇がないからおあいこなのだが……。

 

――おあいこ?

ある技を出させないために私は接近戦に持ち込ませた。

……もしかしたら、カスミも同じことを狙っている?

 

空中を飛び交うスターミー。

 

決して、水中に留まったり浮島に降り立ったりしない。

 

――!!

 

ピンを頭の中が冴え渡り、状況を鮮明に映す。

そうか、分かったぞ。

……カスミの狙いが。

なら、私はそれを破って見せる。

 

――サンダース!!『でんきショック』!!

 

「ダース!!」

 

「こっちは『スピードスター』よ、スターミー!!」

 

サンダースは『でんきショック』を放つためにスターミーと距離を取り、毛を逆立てて身体中に電気を集める。

『でんきショック』を放つ前に攻撃を仕掛ける事は無理だ――そう思ったらしいカスミは『でんきショック』を叩き落とすための『スピードスター』を繰り出させた。

 

流星のように星がサンダースを狙ってフィールドを飛ぶ。

 

――全部下に叩き落とせ!!

 

「ダアアアアアアッス!!」

 

バリバリと音を鳴らして、『スピードスター』と『でんきショック』が浮島に落ちる。

その威力にもろい浮島は耐える事が出来る筈も無く、水飛沫と派手な音と共に破片を散らす。

その爆発にサンダースは巻き込まれて空中に飛び上がる。

 

「きゃあっ!!」

 

今度はカスミが思い切り水を被り、一瞬指示が遅れる。

 

「……っ!!みずのはど」

 

――『でんこうせっか』!!

 

「フゥ!?」

 

サンダースはスターミーに圧し掛かり、ゲシゲシと攻撃を繰り出す。

その衝撃にバランスを崩したスターミーはサンダース共々水中に落下する。

 

「しまった……スターミー、今すぐ空中に!!」

 

そんな暇など与えるつもりはない。

焦るカスミの声はこっちが最大のチャンスが与えていることを知らせる。

 

 

――全力で『でんきショック』!!

 

 

水中でサンダースが『でんきショック』を繰り出す。

びしょ濡れの私とカスミは感電しないように思わず、フィールドから距離を取る。

 

 

 

水は電気をよく通す。

それは子供でも知っていることだ。

だからカスミはスターミーをずっと空中に待機させたのだ。

確かに、水中は水タイプの独壇場。

だが、電気タイプがいる時に水中に潜れば確実に電気技を受けてしまう。

 

それを避けるためカスミは接近戦に持ち込み、自分の技を封じさせると同時にサンダースの『でんきショック』も封じたのだ。

 

ただ距離を取って『でんきショック』を出させても避けられる可能性は大きい。

しかし、空中に飛びあげっても『みずのはどう』や『スピードスター』で狙い撃ちにされる。

 

 

だから、浮島を壊した。

空中で方向転換できるような足場を作り、スターミーの元まで飛び掛からせる。

そのまま『でんきショック』を食らわせてもいいし、水中に落としても技の威力はそのまま通じる。

 

――そして、雷光が静まりチカチカとするフィールドを見る。

 

回復していく目を凝らす。

 

やがて、審判の旗が高く揚げられた。

 

「スターミー戦闘不能!!よって勝者、マサラタウンのリーフ!!」

 

 

 

 

* * * *

 

 

 

 

犬掻きをしながらプールサイドまで泳いでくるサンダース。

それを抱き上げてやると、甘えた声を出しながら私の頬をペロペロと舐めてくる。

こそばゆい感触に思わず目を細める……だが、背後から感じた殺気に思わず気を引き締め振り返る。

 

 

「……はい、ブルーバッチ」

 

若干涙目になりながらもカスミは気丈に振る舞う。

ブルーバッチを押し付けるその手はふるふると小刻みに震えている。

 

 

――わ、分かりました。

 

 

思わず敬語になる私にカスミは更に怒り出す。

 

「ていうか、何よ!!さっきの作戦!!アンタあれでスターミーを倒せなかったらどうなってたか分かってる?」

 

痛い指摘に反論もできない。

 

確かに、あの一撃でスターミーを倒さなければサンダースは少ない足場で戦わざるを得ない。

カスミも二度も隙を取られるようなことはしないだろう。

つまり、失敗すればかなりのデメリット所か自分で自分を追い詰める作戦だったのだ。

 

……いや、作戦というより思いつきか。

 

自分で自分にダメ出しして思わず落ち込む。

慰めるようにサンダースがポンポンと前足で私の肩を叩く。

 

「次からはポケモンの事はちゃんと考えて行動するのよ!?ヘマしたら傷付くのはポケモンなんだから」

 

ひとしきり言い終えたらしいカスミは自分を落ち着かせるかのごとく深呼吸をする。

そして、そっぽを向きながら聞こえるか聞こえないかの大きさの声でぽつりと呟いた。

 

「……でも、その度胸は素直に凄いと思ったわ。それだけは褒めてあげる」

 

――デレが来た。

正直すさまじい破壊力である。

気の強い美少女が顔を赤らめ、もじもじと顔を少し赤らめる。

ギャップとは恐ろしいものだ。

古典的な手法だとしてもこうも心に訴えかけてくるとは。

それに、水着だし。

 

おてんば人魚おそるべし。

 

「かっ勘違いしないでよね!!次に私があったら絶対の絶対にボッコボコにしてやるんだから!!覚えときなさいよ!!」

 

ムキーと声をあげるカスミをジムトレーナーはニコニコと微笑ましそうに見守っている。

どうやら、彼女の性質は周囲に完全に把握されているらしい。

 

「ほら、アンタの番号は!?さっさと教える!!」

 

……え、マジで再戦するの?

 

「当ったり前よ!!あたしは有言実行する女なんだからね!!ポケギアくらい持ってるでしょ!!」

 

 

 

この日、私のポケギアに新しい連絡先が追加されたのだった。

 

 

 

 




ヒトカゲデスロード編終了です。

※「ポケギア出るの金銀からじゃねーか」というツッコミはあると思いますが、ポケモンの世界でケータイぽちぽちやってるのも違和感を感じたのでポケギアと表記しました。
一応、設定上では金銀のポケギアより性能の劣った通話機能だけで圏内エリアも狭いものという感じです。

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