ある日、家でのんびりしていると自分の携帯に電話がかかってくる。
「電話なってましたよー!」
トールが俺の携帯を持って来てくれる。携帯を受け取り、掛けてきた相手を確認すると『母さん』と表示されていた。
「誰からなんですか?」
「母親からだった」
「えぇ!?俊介さんのお母様からですか!?」
俺がそういうと、トールがとても驚きながら何かつぶやいている。少し気になりつつも電話に出る。
「もしもし」
『もしもし、俊介よね?』
「そうだよ母さん、むしろ誰が出るのさ?」
『そうねぇ……彼女さんか、宇宙人とか?』
「宇宙人はないって……」
母さんはすこしあれだ……天然? なんといえばいいのだろうか、まあこんな感じなのだ。
そうして最近の状況や、仕事はどうか、なども話をしてきたので、しっかりと返していった。
まあトール達のことは話してないけど。
『そういえば俊介、彼女とかできたの?』
「彼女……いないかな」
『早く彼女さんを見つけないと将来が大変よ?』
今まで転生してきた中で実は結婚したことがない。何ていうか、ずっと戦争に行っていたから悲しませる人を作りたくなかったからだろう。
あまり人とは関わらないようにしてきたはずだけど、戦友はなぜか増えていたな……
思い出にふけっていると、トールが何か言いたそうな顔をしている。
なぜだろうか……?
「俊介さん、私とあなたは結婚を前提に付き合ってるのではないのですか!?」
いきなりトールが大声で俺にそう言ってきた。
「そんなことはない、そもそもメイドだろお前は!!」
『あら~俊介、彼女いるじゃない。しかも結婚まで考えてるんですって?』
はっ!? こ、こいつ……わざと聞こえるように大声で言いやがったな!?
早く訂正しないとっ……
「ち、違うよ母さん、今のは……」
訂正しようと言っている途中で携帯を取られてしまう。
「あっお義母様、初めまして結婚を前提に俊介さんと付き合っておりますトールと申します!」
『へぇ~トールちゃんって言うのね。それにしても俊介に彼女ができるなんて嬉しいわぁ』
「それでお義母様、俊介さんをください!」
『いいわよーあの子、これを逃したらもうだめな気がするから』
「ありがとうございます!!」
なんか外堀埋められていってる感じがする……俺は悲しい。
「やりましたよ俊介さん! 私たち結婚していいんですって!」
トールが嬉しそうな顔で俺に言ってくる。
う、うん……それは、よかったね?
「とりあえず電話返してトール」
「はーい!」
案外素直に返してくれる。それを受け取り、耳元に当てる。
「えっと母さん? 今のは彼女じゃなくてメイドさんで……」
『いいわよ〜恥ずかしがらなくても母さんはわかってるわよ』
うん全然わかってないよ母さん!? メイドさんだって、なんならドラゴン! 竜だから!
『今度、時間があったらトールちゃん紹介しにうちに帰ってらっしゃい?』
「ちょ、母さん……だからあの、」
訂正しようとしている途中で切られてしまった。
どうしよう……勘違いされたままになってしまった。父さんにも説明されるだろうな。
頭を抱えながら、次回母さん達に会った時どうしようか考える。
「トール様、シュンスケどうしたの?」
「あっカンナ、聞いて下さい。私達、結婚することになったんですよ!」
「なってない!! 嘘を付くな!」
兎に角、両親の事は後で考えるとして、今はこれをどうにかしないとな……