「お掃除お掃除ランランラーン♪ホコリを叩いてぶっ潰せー♪」
「塵も芥も残さないー消し飛べ消し飛べフンフフーン〜♪」
トールがなんだか変な歌を歌いながら部屋を掃除している。世界よ滅べ、なんて事を言ってたりして本当に物騒だ
「俊介さん掃除終わりましたよー!」
少ししてトールが俺に声をかける。辺りを見回すと部屋中がとても綺麗になっていて、床なんて自分の姿が映る位磨かれていた
「いつもお疲れ様、トールが居てくれて助かるよ」
「いえいえ、この位朝メシ前のアルマゲドンですよー」
「そういえば……トールって綺麗好きなの?」
物凄くツッコミたくなる衝動を抑えつつ、トールに聞いてみる。
「そうですねぇ、かなり綺麗好きですよ。水浴びも歯磨きも好きですし……あっ、歯の間に溜まった虫をほじくり出すのが好きなんですよ」
「む、虫かぁ……」
「いやーあれだけ小さいと入ってても気付かないじゃないですか」
そう言いながらははっと乾いた笑いをするトール
「……なんか色々大変そうだな」
「えぇ、住処を探すのも一苦労でしたよ」
「どうしてたの?」
「ほら穴だったときもあれば……廃墟だったり、山岳だったり時には空の上で寝ていることもありました」
「随分と器用なことするね!?」
だから偶に飛んでいるドラゴンがこっちを襲わずに通り過ぎる事があったのか……
「でも一定の場所に留まっていると捕まえようとする人間とか出てきて鬱陶しいんですよね」
「そのせいで身体が汚れるばっかりで……水浴びとか大変でした」
「あぁ……小さい泉じゃ洗えなそうだしね」
「雨が降ってくれればやりやすかったのですが……どうしても水場がない時は同族で身体を舐めあったりしてました」
「あっカンナともやったことありますよ」
「人間の姿でやったら色々とヤバそう……」
「流石にこの姿ではしませんよ」
そんな会話をしているとトールが
「そういえば……俊介さんが掃除してる姿見たことないですけど部屋は綺麗ですよね」
「あまり汚さないようにしてるから」
嘘である。実はこっそりと魔法を使って綺麗にしているだけだ
「そうですかー? まあ汚れててもトールがしっかりと掃除するので安心してくださいね!!」
トールが胸に手を置いて、誇らしげに言う
「いつもありがとうねトール、頼りにしてる」
「そういえばお世話してもらっているからお返しといってはなんだけど、何かトールにしてあげるよ」
「本当ですか! では早速ですが俊介さん、よければお願いしたい事があるんですけど……外に出てもらっていいですか?」
「外? まあいいけど」
外で何をして欲しいんだろうか? まあ行けばわかるかな
そう思いながらトールの後に続いて外に出る。
「では、少し待ってくださいね」
一呼吸置いたあと、トールが認識阻害をかけてから元の姿、ドラゴンに戻る
『お願いというのは私の身体を洗って欲しいんです……ダメですか?』
「なるほど……わかった、いいよー」
『ありがとうございます俊介さん!』
この後俺達はホースで繋いだ後、水をトールにかけて水浴びさせていたのだが、トールが水を飛ばすために身体をバタバタさせて俺がびしょ濡れになったりしたりした。