作者は転職活動とかでこの1年は忙しかったです。これからはもう少し早くやっていこうと思います(決意)
「……」
外から聞こえてくる子供たちの賑やかな声。それをベランダからじっと眺めているカンナ。最近はずっとそうしているのだが……もしかして
「カンナは学校に行きたいのだろうか?」
「学校? あぁ、俊介さんが働いてる場所ですよね?」
「まぁ、そうだね。行かせてあげたいけど、戸籍がないからなぁ……」
「戸籍?どういうものですか」
「あぁ、こういう紙で自分がここにいるよっていう」
「できました」
話している途中でトールが魔法で戸籍の紙を作り出す。
そしてトールに必要なものを言っては、魔法で作るという、奇妙な光景を生み出していた。
「ちゃんと透かしまで入ってる……魔法って便利だなぁ」
「ドラゴンですから、このくらい朝飯前ですよ」
トールはえっへんと自慢げに胸を張ると胸が揺れて……俺はそっと視線をそらした
「そっか、カンナー、ちょっとこっち来て」
俺がそういうとカンナはベランダからこっちへと駆け足で来る
「なに、シュンスケー?」
「カンナ、学校いけるかもしれないけど……もし行きたいなら」
「行く! 」
即答だった。それほど学校に行きたかったんだろう。
「じゃあ学校に行くための準備をしないとね、買い物に行こうか」
「うんっ」
「トールもお供します!」
「じゃあ三人で行こうか」
着替えを済ませて、家から出て外を歩く。
一応新米だけど学校の教員ではあるから……必要なものとかは大体わかるし、学校指定の上履きとかも覚えてる。
だからランドセルとかはすぐに決まるとして……問題は文房具だった。
トールが鳥の生きた羽を使おうとして不満そうな顔をしていたので結局デパートの中にある文房具店に来た。トールは途中まで嫌がっていた、まあカンナは満足そうだったからいいけど
まあ好みが人によって別れるんだが……最近はユニコーンのキャラが子供達に人気なのかコーナーが作られており、大量の子供達が並んでいた。それを見たトールは
「あれならユニコーンも本望でしょうね……」
等と言っていた。いや、うん……やめようか。
そこから色んな文房具を見ていき、ボールペンやホッチキス、印鑑などの使い方を教えていた。その度にトールが拷問器具かなんかと間違えていたが……まあホッチキスは指に刺さったら痛いけど。
「これで必要な文房具は買い終わったかな……」
両手に袋を抱えながらお店を出る。そしてランドセルが置いてある所へ向かう。いろんな色のランドセルが置いてある
「カンナちゃん、どれにする?」
「これがいい」
そう言ってカンナは赤色のランドセルを持ち上げる
「思ったより普通のを取ったな……」
「いいですよカンナ、人間の血の色が染まった色を選ぶなんて流石です!」
「えへへ……」
……なんだか恐ろしい言葉が聴こえた気がするけど気のせいだ。そうに違いない
そんな事を思いながら会計へと向かう。そして合計が約4万と出てきた。わぁ〜おたかいお値段だー!
「ランドセルって結構するんですね」
「まあ6年間も使うから丈夫に作らないといけないからね仕方ない」
そう言いながら財布からお金を取り出す。多めに下ろしてきて良かった……
そしてこの後も学校で使う上履きを買ってから家に帰る。
「シュンスケ、みてみてー」
ランドセルを背負いながらカンナが俺の所へ来る。
「おー、可愛いぞ」
なんだかカンナを見てるとポカポカする。
「トール様もみてー」
駆け足でトールの方へ向かっていく。そんなカンナを眺めながら、子供が出来たらこんなんだろうか?と考えてしまった。
「まぁ、子供とか作ったことないからわかんないけどね……」
少々自虐気味に呟く。
「俊介さんー! どうですか?」
ランドセルを背負ったトールが此方に来てそう言ってくる。
「いや、可愛いけど……」
犯罪臭がする、なんてとても言えない
「っ……えへへぇ」
そう言うと可愛いと言われて嬉しがっているトール
その後、食事をしてる時も遊んでる時もずっとランドセルを背負っていた。流石にお風呂に入る時にも背負って行こうとしたから止めたが。
そして今はランドセルを抱き枕代わりにして寝ている。
「カンナ、とても気に入ったんですねぇ」
「そうみたいだな……」
俺も子供の頃はこうやって喜んでいたんだろうか……今となってはそれも思い出せない
「明日は学校頑張ってくださいね」
「あぁ……そうだな、なんだったらトールもカンナを見に一緒に行くか?」
「まあ冗談だけ「行きます!!」……えっと、トールさん?」
「このトールに任せてくださいね!」
あぁ……もうダメそう。まあこれは自業自得だが……冗談でも口に出すもんじゃないな
「まあ早く寝ようか……」
「はい、おやすみなさい俊介さんっ」
「おやすみトール」
そう言って俺は自分の寝室へ向かった。……明日が心配だけど、何とかなるよな?
少しだけ不安になってしまったけど、まあ変なことは起きないだろうと思いベッドに横になってその日はぐっすりと寝た。