新しい家族はメイドラゴン   作:akatsuki4612

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飲み会は疲れますね

「失礼しまーす」

 

そう言って俺は職員室から出る。あぁ〜今日もたくさん仕事したなあ〜

 

靴箱まで歩いていると、ポケットに入れていた携帯が震え出す。誰からだろうか……?

 

携帯のロックを解除して、誰からの通話かを見ると『小林先輩』と表示されていた。ボタンを押して通話に出る

 

「もしもし」

 

『もしもし、美隆くん?』

 

「どうしたんですか、先輩?」

 

『仕事ってもう終わってるかな?』

 

「はい、今終わったところです!」

 

「よかったら一緒に飲み行かない?」

 

「いいですよ」

 

「会社の同僚もいるんだけどいいかな?」

 

「ええ全然大丈夫ですよ」

 

「それじゃ、いつもの居酒屋で」

 

そうして通話が切れる。これから飲みに行くんだったら夕飯要らないかもな……

 

そう思って外に出ると、トールが外にいた。どうやら待っててくれたみたいだ。

 

「あっ俊介さん! お仕事お疲れさまです!」

 

「あぁありがとな」

 

「それじゃあ帰りましょうか」

 

「ちょっと待ってくれ」

 

「どうかしましたか?」

 

トールが不思議そうな顔をしながらこちらを見てくる。

 

「前、お世話になった先輩に飲みに誘われたんだけど……よかったらトールも行かないか?」

 

俺がそう言うとトールは

 

「このトール、俊介さんの為ならたとえ地獄の果てでも何時までも付いていきますよ!」

 

胸に手を当て誇らしげに言い切る。いい娘だなぁ……いや、ドラゴン?

 

「じゃあ早く行きましょうか」

 

トールが認識阻害を掛け、ドラゴンの姿になる。俺は背中に乗るとトールが翼を広げて空を飛ぶ。

 

『それで何処に行けばいいんですか?』

 

「あっち」

 

トールがそう聞いてきたので俺は指を指して答えた。

 

『了解です!』

 

 

 

そしてトールはスピードを上げる。慣れというものは怖いな。最初の頃は空を飛ぶ事さえ怖かったというのに今ではこの位の速さで飛んでいても全然怖くない。……まあその時は転生して間もなかったから仕方ないのか……?

 

『そういや、お世話になった先輩って男性の方ですか?』

 

「ん?女性だよ?」

 

『女性ですか!?』

 

トールがそう聞いてきたので俺が答えるとトールは驚いていた。別に驚くことじゃないと思うんだけど……

 

『着きましたよー?此処であってますか?』

 

少し考えている間に着いたみたいだ。だけど少し早すぎたか?普通に行けばよかったな……やはり慣れは恐ろしい。

 

「それじゃ行こうか」

 

「はーい!」

 

お店の扉を開けると店内から「いらっしゃいませ〜」という声が聞こえる。先輩が何処にいるか探していると、

 

「おぉーい、こっちこっち」

 

先輩の呼ぶ声が聞こえたので奥へと進む。

 

「先輩、お久しぶりです」

 

「いいよそんなに固くならなくて、あっ紹介するね、会社の同僚の……」

 

「滝谷 真です。よろしく美隆さん」

 

「よろしくお願いします、滝谷さん」

 

「いやいや、滝谷でいいよ」

 

「先輩の同期の方ですから……」

 

「俺、そういうの苦手なんだ。だから気軽でいいよ」

 

「わかったよ滝谷」

 

そうして俺と滝谷自己紹介が終わる。

 

「あっそういえば紹介したい人がいるんですよ……入っていいよ」

 

俺がそう言うとトールが扉を開けて入ってくる。

 

「どうも、美隆トールといいます。いつも俊介さんが世話になっております。私と俊介さんはとても仲良くさせてもらっています」

 

トールが自己紹介を終わらせると、先輩と滝谷も自己紹介をする。

 

「そういやトールってお酒飲める?」

 

「ええ、飲めますよ」

 

なら大丈夫か……そう思っていると先輩に声をかけられる

 

「ねぇ、トールちゃんって美隆くんの結婚相手?」

 

結婚相手……ではなくて……メイドですかね?

 

「「めっ……メイド!?」」

 

2人がガタッと音を立てて立ち上がる。まあまあ……座って座って

 

2人は座ると先輩が小声で「確かにメイド服を着てるな……なんか角付けてるけど」と言っていた。

 

ドラゴンだからしょうがないんです。許してやってください。

 

「まあ、とりあえず何か頼もうか」

 

滝谷がそう言ってメニューを取り出す。

 

「私は麦酒で」

 

「じゃあ俺もそれで」

 

「俺もそれにしようかな……トールちゃんは何がいい?」

 

「私はメロンソーダで」

 

「はいっと……すみませーん」

 

滝谷が店員を呼んで皆の分を注文している。俺はトールがお酒を頼まなかったので、トールに聞いた。

 

「そういやトールはお酒飲まないの?」

 

「そしたら帰りどうするんですか? まあ私はそこら辺のお酒じゃ酔いませんが」

 

そうなのか? ドラゴンで聞いた話によるとお酒に毒を盛られて酔った勢いで妹を犯したっていう話が……

 

「よくそんな話知ってますね!? 」

 

……まあ、その世界にいたときによく聞いたしな。

 

そんな会話をしていると店員さんが「お待たせしました〜」と言って麦酒3つとメロンソーダを持ってくる。それをそれぞれに回すと、店員さんがごゆっくりどうぞと言いながら襖を閉めて行く。

 

「それでは……今日のお仕事お疲れ、乾杯!」

 

「「「乾杯!」」」

 

そう言って俺らは麦酒を飲む。あぁ〜美味しいわー

 

「ぷはぁ! この1杯が堪らねえ!」

 

先輩がそう言いながら麦酒を飲む。親父臭いなあ……

 

「そういや美隆くん、クラスの担任になったんだって?」

 

「へぇ〜そんなに若いのに担任やってるんだ?」

 

「といってもまだまだ未熟ですけどね」

 

「へっ! 私は所詮底辺SEですよ〜」

 

「でも小林さんはいつも皆の役に立ってるじゃないか」

 

「それにしても担当酷くない!? 一生懸命やってるのに早めにしろだとかさ、こっちはエラーが起きないように丁寧にやってんの!」

 

「まあ、仕方ないよ。担当はそんな俺らに見向きもしてないから」

 

「しかも他にもやる仕事があるっつうの!」

 

「まあまあ、下がミスしたのも俺らに回ってくるし仕方ないよ」

 

先輩と滝谷が愚痴っていると、トールが会話について来れなさそうな顔をしていた。

 

「あぁ〜……ごめんねトールちゃん、こんな話じゃはいってこれないよね?」

 

「レ、レベルが低くて入る気にならないだけです! それよりラグナロクとかハルマゲドンの話にして下さい!!」

 

「えぇ!?」

 

トールよ、この世界じゃそんな話にはならない……

 

「あぁもう面倒臭い!こうなったら実力行使!! 殺して晒してジャッカルの餌だ!」

 

「ちょ……待てトール!?」

 

そう言ってトールは手だけをドラゴンに戻し、先輩に飛びかかろうとする。

 

「トールちゃんよぉ……!」

 

先輩がそう言うとトールと俺は身体がゾクリと震える。なんだたった一言だけなのに途轍もない威圧感を感じたぞ!?

 

「なっ……何でしょうか!!」

 

「メイドがそんな口調を使うなァ……!!」

 

怖っ!?こんな先輩初めて見たぞ!?

 

「大体トールちゃんのそのメイド服は何? メイド舐めてんの? それじゃもうコスプレ……」

 

「キターーー!!!」

 

滝谷が叫びながら席を立つ。どっどうしたんだ2人共!?

 

「小林殿! 確かにトールたんのメイドレベルはコスプレ……ッ!! 外人がニンジャやサムラーイしてるものでヤンス!!」

 

いきなり2人で談義をする。俺とトールは何が起きてるのかよくわからない状態だった。

 

「せっかくレベル高いメイド談義してんだから2人もとーくしろよぉ……!」

 

「すっ……すみません!!」

 

「トールたんのその角がコスプレ度をより高めてるんだよねえ……」

 

「自分ドラゴンなんでよくわかんないです」

 

正直、ドラゴンじゃない俺でもよくわかんねえよ……

 

「あぁ〜もういいから……脱げぇ!!」

 

そう言って先輩がトールの服を一気に脱がす。……目のやり場がないじゃないか!

 

「お前は何か芸しろぉ!!」

 

「無茶振りな!?」

 

「やれえ!!」

 

「はいぃ!!」

 

「ヒャッハー酒とメイド持ってこい!! ヴィクトリアンだからな!!」

 

あえて言わせてもらおう……恐るべし酔っ払い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね美隆くん トールちゃん 俺、ああしてメイド談義したくて小林さんと飲みいくんだー」

 

「隠れオタクってああやって発散する場ってかなり重要なんだよね」

 

「ええ……よくわかりました」

 

「全くだ……」

 

俺、決めたわ 二度と先輩と一緒に飲むものか……

 

「それじゃ、ここらで解散って事で」

 

滝谷がそう言い、酔って寝ている小林を背中に担ぐ。

 

「あぁ……それじゃあまたいつか」

 

そう言って手を振って歩いて行く。そうして滝谷が見えなくなる。

 

「あぁ〜疲れた……」

 

「えぇ……私もです」

 

「さっさと帰ろうか……」

 

「えぇ……私も早く帰りたいです」

 

そう言ってトールはドラゴンの姿になる。俺は背中に乗り、空を飛ぶ。

 

「家帰って寝ようかな……」

 

『そうですね〜……』

 

そうして俺らは家に帰っていった。

 

 

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