心月流抜刀術を継ぐ者が行くIS   作:一刀斎

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第13話 イメージが大事

 

 

 

「これよりISの基礎飛行操縦の実践をしてもらう。専用機持ちは前に出てこい」

 

 

 俺も専用機持ちになったんだよなぁー。面倒って思っていたハズなんだけどなぁ。

 翠鴉が嫌ってワケじゃあないからいいけど。

 

 

「先ずは、ISを展開しろ…始め!」

 

 

(翠鴉、展開)

 

〈了解〉

 

 

 時間は一秒位か?コア意識の翠鴉と会話出来るって物凄いアドバンテージだよな。

 

 

「織斑、遅いぞ。早くしろ、熟練したIS操縦者なら一秒もかからず展開できるぞ」

 

 

(翠鴉。隣は何であんなに苦戦しているんだ?)

 

〈アレは単に展開するイメージが出来ていないだけです。マスターは、常にイメージトレーニングをしている事で無意識でも出来てしまうので、そこまで苦労はありません。展開するイメージをしっかりとすれば0.1秒で展開出来るでしょう〉

 

 イメトレってやっぱり大事な模様。

 

 

 やっと、織斑が白式を展開する事が出来た。

 

「よし、では飛べ!」

 

 

 合図と共に垂直に飛ぶ。

 

 暗黒武闘の感覚がここまで活きてくるとはな色々と経験するものだな。

 

 

〈他の人が使っていた時よりも、空を飛ぶ感覚が違って感じます〉

 

(そりゃあ、翠鴉は焱姫に会うまで意識をしっかりと持ってなかったんだろ?仕方ねーよ)

 

 

 飛行しながら翠鴉と会話していたら織斑先生の声が聞こえてきた。

 

『織斑、遅いぞ。スペック上は白式の方がブルー・ティアーズよりも速いんだぞ』

 

 

 スパルタですね、先生。

 考えない織斑にはちょうど良いかもな体に覚え込ませるという意味で……。

 

 

「そう言われてもな……自分の前方に角錐を展開するイメージだっけ?よくわからん……」

 

 

「イメージは所詮イメージですわ。自分のやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

 

 

 オルコットに同意だな。

 自分が決めたイメージの方が良い。

 

 

「邦枝さんは、どういうイメージで飛んでいるのですか?」

 

 

「常に俺の背中に翼…三対六枚の翼が生えていてその翼で飛ぶイメージだ」

 

 

「さっぱりわからん」

 

 

「そりゃあお前が考えてないって事だからだよ」

 

 

『お喋りはそこまでにしろ』

 

 話を制止させる声に、視線を下に下げる。

 

 ハイパーセンサーのお蔭でクラスの子の表情がよく分かる。

 

 箒だけ表情が暗い。どうしたんだ?

 

 

『急降下と完全停止をやってみろ。目標は地上から十センチだ。織斑と邦枝は、地面にぶつからなければ良しとする』

 

「それではお先に行きますわ」

 

 流石、代表候補生に成るだけの実力があるオルコットだな。

 やり方がキレイだからイメージの参考になるな。

 

 

「んじゃあ、俺が次、行くぞ」

 

「お、おう」

 

 

 重力とスラスターの噴出で大分速いな……。

 ぶつからないようにタイミングを────。

 

 

〈マスター!後ろから白式が急速に迫っています!このまま完全停止をすると激突します!〉

 

(何でそうなるんだよ!?翠鴉!どうしたら良い!?)

 

〈地表付近で前方に滑るように移動しながら停止して下さい!〉

 

(分かった!)

 

 

 イメージは、滑り台を立って滑る感じ!

 

 体を起こして翼を広げて空気抵抗を大きくして地表付近までに滑り台で滑るように!

 

 前方に移動したと同時にPICとスラスターで地表付近を右足で止まる様に滑って停止に成功する。

 

 そして、ほぼ時間差なく織斑が地面に激突してクレーターを作った。

 

 危なかった……前方に移動するタイミングを間違えていたら、織斑と衝突して地面に埋まっていたかもしれん。

 

 

「邦枝、私は滑って止まれとは言っていないが…まぁいい、衝突を回避しようとしたことだから今回は目を瞑ろう。織斑、私は地面にぶつからなければ良いと言ったハズだぞ……まだ初心者だからぶつからなければ合格と言おうと思っていたんだがな……」

 

 

 クレーターから上がってきた織斑が、嘘だろって驚いた顔をしている。

 

 織斑先生、普段から褒めるとかしないだろうしな。

 

 

「織斑、次は武装を展開しろ」

 

「は、はい!」

 

 

 正眼の構えで五秒位で展開出来ているな。

 早いのか遅いのかまだよく判断がつかんな。

 

 

「遅い。0.5秒で展開出来るようにしろ。白式は雪片弐型しかないからそれぐらいは出来るようにしろ。次、オルコット。武装を展開しろ!」

 

 

 マジかよ……白式ってブレオンなのかよ。

 俺や葵ねぇ、織斑先生位しか出来ないだろうよ、剣一本って……。

 

 

「はい」

 

 オルコットは左手を肩の高さまで挙げ、真横に手を突き出した。

 一秒以内にデカイ狙撃銃を展開したけど、何処を狙っているんだ?

 俺か?

 危うく反応してぶった斬るところだったな。

 

「流石だな、代表候補生。ただし、そのポーズはやめろ。横に向かって銃身を展開して味方でも撃つ気か?横を見てみろ、邦枝がお前を斬ろうと0.3秒で刀を展開して構えているぞ」

 

 

「……へ?ひぃ!?す、すすすみません!」

 

 

「こっちもスマン。動きが体に染み着いているからほぼ無意識で反射的に動いちまうんだよ」

 

 

 今じゃあ何も考えなくても、技が飛ぶからなー。

 回りのみんなドン引きしてらぁ。

 しょうがないじゃん、考えていると判断が遅れて負けるんだよ。

 負けない為に反射の域まで鍛えたんだから。

 

 

「次からは、正面に展開できるようにしろ。今みたいなのが起こるかもしれんからな」

 

 

「わ、分かりました……」

 

 その後、オルコットは近接武装を呼び出しに苦戦していた。

 声に出すやり方は、初心者用のだったな。

 

「次は邦枝だが……刀の展開に言うことはないな」

 

 

「お、織斑先生。でも翡翠は刀抜いてないぞ?」

 

 

 名前呼び……訂正するのもう疲れた。

 織斑よ、俺が何が得意か言ったハズだろうに……。

 

 

「邦枝は抜刀術を主にしている戦闘スタイルだから、刀を鞘から抜くかどうかは本人が決めることだ。邦枝、他の武装も展開しろ」

 

「了解」

 

 振り下ろす様に斬馬刀『天魔』を出して、次に殴る構えをして腕に装着される特殊籠手の『爪鉄(つめがね)』。

 この爪鉄は殴る為の武装だが、鎖で腕と繋がっているから伸ばして、振り回してぶつける質量武器(モーニングスター)でもある。

 

 ラストに、ソードビット『小通連』、『大通連』、『顕明連』の三つを呼び出す。

 小通連は、防御用で翠鴉が動かすのでほぼオート。大通連は、攻撃用で俺が動かすマニュアル。顕明連は、防御と攻撃両方に使い普段は翠鴉が動かし、余裕があれば俺が動かす共同操作型。

 

 他に白刀『白蓮』と木刀『林墨』があるがまたの機会で良いか。

 

 

「モンド・グロッソの出場選手並みの早さだな……。コツでもあるのか?」

 

 

「コツ…ですか?起きてる時はイメージトレーニングをし続ける事ですかね?こうして話しているときも俺は抜刀のイメージトレーニングをしていますから」

 

 今度からは展開する時と飛ぶ時のイメトレと天魔と爪鉄と三明の剣のイメトレもしないとな。

 今は翠鴉がサポートしているから早く出せるのだろう。

 

「それはもう癖か?」

 

「癖ですね、今じゃあ無意識でやっていますから」

 

 

「お前たち聞いたか?操縦科に行くなら邦枝のレベルまで行けとは言わんが、常にイメージトレーニングを出来る様にして置け。心掛けるだけでも変わっていくものだ」

 

 みんな難しい顔をしているな……。俺はもう習慣だから苦ではないからな。

 

 

「……そろそろ時間だな。今日はここまでとする。織斑、グラウンドを元に戻して置けよ、解散」

 

 

 解散の声と同時にダッシュで更衣室に逃げる。

 

 

 織斑の嘆き声が聴こえるが知らん、グラウンドに穴開けたのお前だろ?……女子、誰も手伝わないんだな好感度上げイベントじゃないのか。

 

 

 

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