心月流抜刀術を継ぐ者が行くIS   作:一刀斎

2 / 27
第2話その首、ぶった斬るぞ

 授業を受けながら俺は、頭の中でずっと抜刀のイメージトレーニングをしていた。

 

 常日頃からやっている習慣だからほぼ無意識でできる。……石矢魔じゃあ授業で当てられる事ってなかったからな。

 

 二限の授業が終わったが、やっぱりシンドイな。一週間程度の時間じゃあ足りないな。授業の合間で少しでも予習しないと直ぐに置いてかれる。

 

 

 ガタタタンッ!

 

 ………ん?

 

 今、またズッコケたのか?

 みんな織斑の方を見てるから、何かしらズレたことでも言ったのか……。

 

「あ、あなた…本気で、言ってますの!?」

 

「おう、知らん」

 

「し、信じられませんわ…。これぐらい常識ですわよ、常識はずれにも限度がありましてよ……」

 

 

 …………ふむ。

 会話から察するに、また織斑がおかしな発言をしたのだろう。

 聞き耳を立てていた子みんながズッコケたのか。

 

 織斑、会話する暇があるなら予習しないと……あぁ、参考書なかったな。

 

 あ、チャイム鳴った。

 

 

 この時間は織斑先生が担当するみたいだ。

 

「この時間は実践で使用する各種装備の特徴、特性についての説明をする」

 

 装備か……。

 刀と拳銃と鎖とかならよくわかるよ。

 近くに使っている人がいて俺も真似て使った事があったからな。

 

「ああ、そうだ。再来週に行われるクラス対抗戦に出るクラス代表を決めないとな」 

 

 クラス代表……そのまんまの意味か?

 メンドイからパスだな出遅れてるんだからそんな事してる暇無いっての。

 

「クラス代表とは、そのままの意味だ。クラス対抗戦に出ること、生徒会や委員会が開く会議に出席する事が主な仕事だ。あと一度決まったら一年間変更することはない」

 

 やっぱりメンドイヤツだ。

 そんなことより自分の力の研鑽の方が良い。

 

 八式の飛距離や六式の連発とかまだまだ磨かないと。

 暗黒武闘もイマイチだし。

 男鹿にも葵ねぇにも勝てない。

 

 唯一勝てる四式と七式と八式だけど木刀じゃあ効果が低い技だしな。

 

「自薦他薦は問わない。やる気がある奴が一番だがな」

 

 よし、殺気出して俺を選ぼうとしないように誘導しよう。

 イメージは、参式飛燕(ひえん) 燕子花(かきつばた)で凪ぎ払うように斬る。

 

「織斑くんが良いと思います」

「私も!」

 

 よ~し。そのまま織斑になれ。

 

「お、俺!?いや、俺はやら……」

 

「自薦他薦、問わないと言ったはずだ。大人しく席に座れ」

 

「な、なら俺は翡翠を推薦する!」

 

 …………あぁ?

 巻き込むんじゃねぇよ……こちとらもうすでにテメーのせいで巻き込まれてんだぞ……このまま斬り捨てて殺ろうか……。

 

 ヒュッ──バシッ!

 

 危ないなぁ、力は強いが速さが足りないな。葵ねぇの壱式破岩菊一文字のが速いっての。

 

「ふん、よく受け止めたな」

 

「スミマセン、遅かったのでつい掴んじゃいました。現役辞めて腕が落ちましたか?」

 

「……かもな。あとその殺気を消せ。他の奴が怯えて話もできん」

 

「失礼しました。つい、出してしまいました」

 

 ほぼ毎日じぃちゃんか葵ねぇの速さを視てるんだ。あの速さより遅かったら俺にとっては遅いんだよ。

 

「納得がいきませんわ!そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!」

 

 だったら自薦しろよメンドイ事しやがって……。

 あー言うのは関わらないが一番だな。

 

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

 その極東の猿が創ったものを使ってんのは何処の島国さんだって言いたいな~。

 言ったら絶対ギャーギャー騒ぐだろうしな~。

 

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけない事自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で―――」

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理何年覇者だろ」

 

 わースゴーイ。

 火の中にガソリンとかダイナマイトぶちこんだぞバカ(織斑)が……。

 

 無視するか。

 

 …………………。

 

「おい、翡翠!お前もなんか言えよ!」

 

 ………………………。

 

「聞いてますの!」

 

 

 …………………………バカンッ!!

 

 しまった……。

 イライラして机を撫子で真っ二つにしちまった。

 

 新しい物に換えないといけないが、後でいいか。

 

「ギャーギャーうるせーんだよ。その首、ぶった斬るぞ……」

 

 さっきの手を抜いた殺気じゃない、本気の殺気を五月蝿いバカ二人に向ける。

 二人とも漸く黙ったようだな。

 

「次の月曜日の放課後に三人でクラス代表決定戦を行い勝ったものが決める事とする。織斑、オルコット、邦枝は準備しておけ」

 

「……何故俺も入っているのですか……」

 

「お前も一応推薦されている。よって、参加する義務がある」

 

「……チッ…」

 

 んな義務ねーっての……バックレて今から十蔵のじーさんの所に行くか。

 

 貴重品と木刀と九字兼定、割った机を持って後ろの扉から出る。

 

「待て、何処に行くつもりだ」

 

「用務員がいる所に行くだけだ。それとも何だ?止めるつもりか?ブリュンヒルデは、自分と相手の力量差も分からんくらい衰えたのか?」

 

 力量差と言っても大した差はないけど。

 

 

 何も言ってこないからそのまま教室出て十蔵のじーさんを探しに行く。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。