心月流抜刀術を継ぐ者が行くIS   作:一刀斎

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第20話 天災、養子に暴露される

 

 

 昼飯を食べる机に何故かいる目を閉じた少女。

 

 

 あの天災の付き添いか?

 

 

「あっ、はじめまして。私は、篠ノ之束様の養子兼助手をしています。クロエ・クロニクルと申します、翡翠様」

 

 

 俺に気付いて声を掛けてきた。

 

 天災の関係者かよ……。しかも養子って……。

 

 

「あ~。分かっているだろうが一応、邦枝翡翠だ。後、様はつけんでいい」

 

「分かりました、翡翠さん」

 

「そんで?なんで天災とその助手が家にいるのか訊いても?」

 

「まあ、当然の疑問ですからね。簡単に言ってしまえば、束様が翡翠さんに会いたいと申しまして、今日こちらに帰ってくる事は分かっていたのでお邪魔しました」

 

 

 天災に目をつけられたってことか?イヤだな……。

 

 

「そしてコチラにお邪魔した所、束様が一刀斎様に喧嘩を売り一刀斎様がお買いになり、道場の方で闘っていました。一刀斎様の抜刀術に手も足も出せなかった束様がムキになって突貫したのを思いっきり竹箒で叩かれて気絶したので私は葵さんのお手伝いをしに上がらせて頂いたのですが……」

 

 

 ああ、だからじぃちゃん道場の中なのに竹箒持ってたのか……。

 

 葵ねぇがお手伝いを止めたってことは、この娘、クロエは料理が下手なんだろうなきっと……。

 

 

「ご飯出来たよー。あれ、翡翠もう帰ってきてたの!?連絡ぐらいしてよ!」

 

「前からGWの初日に帰るって言ってたから連絡はいいかと……」

 

「ご飯の準備とかあるでしょ!」

 

「すみませんでした……」

 

 

 

 そのままお昼ご飯であるチャーハンを食べる。

 

 

「それで翡翠、IS学園なる場所はどうだった?」

 

「ハッキリと言って、ほぼ全員弱かったよ。織斑先生や十蔵のじーさん以外はあんまりで拍子抜けだったよ。仮にも兵器になっちまう物に対しての心配りがなってなかった。まるで玩具やファッションとでも思ってるのかね」

 

「そうか……。それと十蔵はどうであった、弱くなっとったか?」

 

「全然弱くなってないよ。妖星剣舞を撃ち落とすぐらいは普通にやってたよ」

 

「十蔵さん、変わってないなー。」

 

 

 

 

「お、おじいちゃん……。束さんを置いてくなんて酷いよ……」

 

「気絶しとった、お主が悪い」

 

「同感です、束様」

 

「くーちゃんまでそんなこと言うの!?お義母さんは悲しいぞ!」

 

「……………………」

 

 

 クロエ……まさかの無言でスルー。

 

 あ、なんか涙目になってる。もしかして、じぃちゃんにやられたのが悔しかったのとクロエの無視で堪えたのか?

 

 まあ、どうせ普段の行動による因果応報だろうな。

 

 

 葵ねぇ、優しいな……。然り気無くチャーハンを皿に盛って置いてあげてる。

 

 

 

「食べた、食べた。あーちゃん、チャーハンおいしかったよー。それで、君が二人目の男性操縦者、邦枝翡翠……なら、ひーくんだね!」

 

 

 一人でドンドン先に進んでいくなぁ。

 

 

「クロエ、この人ってこれがデフォ?」

 

「どちらかと言えばデフォですよ。身内と認識されないといけませんが……」

 

「え、コミュ症なの?」

 

「コミュ症認定して良いと思いますよ?そもそも会話する相手が私か織斑千冬のどちらかとしか喋りませんし、誰もいないのに一人で喋ってる事も多いですし……」

 

「それって……イマジナリー・フレンドでもいんの?」

 

「どうなんでしょう?実を言うと私、束様と会ってそこまで経っていませんのでよく分からないんです」

 

「あれ、そうなんだ。じゃあ格好もあのまんまなのか?」

 

「はい。しかも、束様ってお風呂に何日も入らずにそのままなので最近は部屋の匂いがスゴい事になってファブリーズが手離せないんです。それに、服も替えないので同様にボールドが必要なんです。ここに来る前に一ダースずつ買って来たんですよ」

 

「大変だったんだなクロエ……」

 

「分かってくれますか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーちゃん……泣いていい?」

 

「貴女は大人でしょ?しっかりしなさい。それぐらいで泣いてたらキリがないわよ。後、お風呂ぐらい入りなさい。女としてはダメよ、それ……」

 

 

 

 

 そろそろ話を戻すか……。

 

 

「それで?箒の姉さんが俺に何のようですか?専用機の事ですか?」

 

「何事もなかったかのようなスルーだね~。専用機の事もそうだけど、あのいっくん一筋だった箒ちゃんのハートを射抜いた件についてかな~」

 

 

 ウゼェー。そのニヤニヤとした面止めんか。

 

 

「え、翡翠……そんなことしてたの…」

 

「間に受けんなよ、葵ねぇ。箒の織斑に対しての恋心が冷めただけの話だろ、それ……俺は箒に冷めたなら別の恋をすればいいとしか言ってないっての」

 

 

 

「フッフッフッ、まあ、そーいうことにしておくよ。そーだ、ひーくん?君は何の為にISを使うのかな?束さんは興味があるんだー」

 

 

 なんだ、いきなり……。

 

 ISを創った本人がそれを訊くのか?

 

 そういえば、ISって元々は、宇宙で活動する為の物だったけ……。

 

 今のISの扱いに納得してないってことか……。

 

 まあ、今考える事じゃあないな。

 

 

「みんなの為……って織斑は言うだろうな……」

 

「確かにいっくんならそう言うだろうねぇ~、何の面白味もない模範解答だね」

 

「俺は赤の他人よりも自分の為に、そしてコイツの為に使いますよ」

 

 

 そう言って、左の手首に巻いた待機状態の翠鴉を右手の甲でトントン叩いて示す。

 

 

「それってISの為にってことかな?どうして?」

 

 

「ISのコアには意思が宿る。束さんよー、まだ翠鴉が打鉄だった時、形態移行する前にアイス……コア人格が俺に何て言ったと思う?……貴方は私を高みに、蒼空へ連れていってくれますか?って言ったんだよ。それを聞いて笑ったよ。機械なのに人間と同じ事を考えている事を知ってさ、それで決めた。俺はコイツの…アイスの願いの為にISを使う……ま、そんなところだよ。納得したか?」

 

 

 

「そっか……コアNo.137…いや、アイスちゃんはとても良いパートナーと出会えたみたいだね……ロックを勝手に外して束さんのデータを抜き取って最高の形に組み直してしまうほどに……」

 

 

 子供を見る様な目付きだな。自分が作り出した物は、子供ってする人ってことか。

 

 

「そうだ!ひーくん!ひーくんのISのデータもらえる?」

 

「別に良いけど……アイスがデータ盗んで出来たもんですから還元くらいは構いませんけど……」

 

 

 出されたコードを受け取り待機状態の翠鴉に差し込んでデータを渡す。

 

 

「良い事を聞かせてくれたお礼に予備のパーツと武装を作って送ったげるねー。それじゃあ、束さんはこの辺で帰るよー、くーちゃん行くよ~」

 

「はい、それでは…お世話になりました。」

 

 

 

 家の裏に置いていた人参型のロケットで飛んでいった。

 なんだか濃昼だったな……。

 

 

 

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