心月流抜刀術を継ぐ者が行くIS 作:一刀斎
GW最終日に兎からの空輸(直接空から物だけ落としていった)があり、織斑先生に仕事を増やすな、とまた殴り合いになった。
知るかよ、アンタあの兎と親友なら手綱ぐらい握れや。俺の管轄外だっての……。
織斑先生よぉ~ことある事に殴り合いしてくるけど……ただ、殴りたいだけじゃあないよな?
女子たちがISスーツの事で盛り上がってるな……。
俺のは織斑と同じ物だったが、兎の空輸した物の中にあった物を着たところ前の物より着心地が良かったので兎製のを着ることにした。
山田先生によるISスーツの解説を聞いた後、山田先生のあだ名が色々あることを知る。上から読んでも下から読んでもってヤツですね、分かります。
石矢魔の上位陣って下手したら拳銃というより大砲並みの威力ある気がするな……。俺、男鹿、悪魔憑依状態の古市、東邦神姫、殺六縁起、それぞれの王臣たち。結構いるな……。
山田先生は、織斑先生みてーに威圧感がないから嘗められるのではないだろうか?石矢魔は……まあ、同じか……。
「今日から本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各自気を引き締めるように」
教室に入って来た織斑先生の言葉に気を引き締めている生徒たち。……織斑先生じゃあないと気を引き締めんのか?
「各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れないようにな。忘れたものは代わりに学校指定の水着で訓練を受けてもらう。それもないものは……まあ、下着でも構わんだろう」
いや、構えよ。
下着のヤツがいたら授業バックレるぞ。
「……と、まあ、冗談だがな。忘れた奴は見学、欠席扱いだ。しかも、一回で二回の欠席扱いとするから忘れるなよ……」
わぁーお。
織斑先生の後ろに威圧感で、ゴゴゴゴって漫画みたいな音が視えるぞ。
クラスのみんな威圧に馴れてないからガタガタ震えてるな……一部、恍惚とした顔をしてるのは気のせいでありたいな……。
「え、えぇーっと……。今日は、転校生を紹介します。しかも、二人です」
またかよ転校生……。
……ってか何でこのクラスなんだよ。
三組と四組に回せや。鈴は二組だったから次は、三組か四組だろ、普通は……。
十蔵のじーさんが一枚噛んでるのか?最高責任者はじーさんだから仕組んでるかもな……更識も噛んでるか?生徒会長のアイツは色々知る事が出来る立場だよな。
情報がない今、色々考えても仕方がないか……。
開かれた扉から入ってくる二人。
一人は金髪で、男子の制服を着ている奴と、銀髪で眼帯をしている奴。
銀髪の方……クロエに似ているな。姉妹レベルで似ている。……まあ、今はいいか。
「はじめまして、シャルル・デュノアです。フランスから来ました。みなさんよろしくお願いします」
「……男子?」
……あれで男子か?声は高いし、喉仏が見えんし、呼吸が少しおかしいな……胸を締め付けている時の呼吸に似ているな。俺が女体化した時、葵ねえと一緒にサラシを巻いた時のアレに近い気がする。
あ、女子共が息吸ってやがる。
(アイスー、耳だけ保護機能って出来るか?)
〈出来ますよ。不審に思われない様に一応耳を塞いでください〉
(ありがとうな)
そっと耳を塞いでおく。織斑の奴気付いてないな、ご愁傷さま~。
「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を───」
『きゃああああああーーーーーー!!!』
あ、織斑が耳抑えて蹲った。……相当でかかったみたいだな……保護機能万歳だな。
〈音が小さくなったので機能を解除します〉
(アイス、ありがとな。またなんかあったら頼むぜぇ)
「男子!三人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「織斑くんのようなイケメンや邦枝さんみたいなちょいワルなワイルド系と違った、守ってあげたくなる系よ!」
ちょいワルワイルド……?女子共そんな風に俺の事見てんのか。
「あー、騒ぐな。静かにしろ」
「み、皆さん静かにしてください。まだ自己紹介が終わってませんから!」
あの兎の助手であるクロエ似の銀髪眼帯の番か……。
「……挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
織斑先生に向かって敬礼をした。
やることが軍人だな……。モノホンの軍人か?
織斑先生を教官呼びか……。織斑先生の呼び方、個人的にそっちのが違和感が無いと思うのは俺だけではないハズだ。
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」
「了解しました」
教え子って事か……。尊敬…いや、崇拝…かなぁ。めんどうだなぁ~。ああいうのって話を聞かないから嫌いなんだよなぁ~。話を聞かない奴全般嫌いだけどな。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
……………あっ。
これって箒が言っていた織斑と同じらしいパターンのヤツか……。
「え、あ、あの、以上……ですか?」
「以上だ」
山田先生ぇ……。涙目にならんでくださいよぉ。ショックなのは分かったんで。
ボーデビィッヒ……ボーデビ……。ドイツの言い方ってメンドイから銀髪でいいか。
銀髪が織斑の前に移動したな……。
「貴様が…!」
パシンッ!
ビンタしたな……。何か二人の間に何かあるのか?
「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
どーいうことだ?崇拝対象の身内が気にくわないって事か?
他所様が他人の家族の、姉弟の事を認めるだの、認めないを決めちゃあダメだろ。
崇拝の度を越してる気がするな……。
「いきなり何しやがる!」
「ふん……」
織斑を無視して自分の席に座ったな。
「あー…、ではこれでSHRを終える。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同で行う。解散!」
さて、とっとと世話しろとか言われる前に逃げるとしますか。
鍛えた技術でムダに速く教室から出る。
うわぁ……。もう、人がゴミのようだ状態になってきたな。
後ろから織斑ら声がするが、囮……いや、犠牲になってもらうか。
『主さまー。囮も犠牲も同じだと思いまーす』
〈マスター。ワタシもそう思います〉
「そうだな」
校舎から出た瞬間にダッシュで更衣室に向かって着替える。……まあ、下にISスーツ着てるから脱ぐだけだがな。
グラウンドに出て少し待ったところ、後ろから誰かが走って跳んで来たな。
「ひーすーいー!」
つい反射で動いて後ろを向いたら鈴が飛び掛かってきていたので、衝撃が無いように腕が首に回った勢いを殺さずに鈴をお姫さま抱っこで受け止める。
「鈴、危ねーだろ。普段だったら木刀が飛んでくるところだったぞ」
「え、あ、うん、ゴメン……」
「分かったなら今度からは事前に言ってくれよ?」
「…う、うん」
「良い子だ」
「こ、子供扱いするなー!」
あぶなっ!鈴の伸ばした手が顔に当たりそうになった。
「……で?何時までそうしているつもりだ?」
あ、織斑先生居たんですね。
周りみなさんも顔を赤くしているな……。箒の眼が鋭い半眼なのは気のせいではないようだ。
織斑とデュノアがギリギリにやって来た。あの人ゴミに揉まれてたんならしゃーないわな。
「本日よりISを使用した実習を始める。まずは、戦闘を実演してもらう。ちょうど活力が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。凰、オルコット、前に出ろ!」
おうおう、織斑先生の前で文句垂れっぱなしだな……。どうせ選んだ理由なんて専用機持ちって事と御しやすいとでも思ってるんだろうな。
ん?先生が二人に何か言っているな……。
鈴がこっちをチラッと見てきたな。良いとこ見せられるぞ、とでも言ってんのか?
張りきっている二人の対戦相手らしきが落ちてきた。
「あぁーっ! ど、どいてくださいぃ~!」
何で落ちてんだ?山田先生ぇ……。
ここの先生の大半って代表候補生のハズだとじーさんが言ってた気がするんだが……。
まあ、取り敢えず……殴って打ち返すか。
右腕と足のスラスターを展開して少し跳んで、力を込めて……放つ!
─────心月流無刀 空獅子!
グラウンドの端まで殴って落とす。
全く……二、三人動けてない奴がいたからな……、危うく二人程挽き肉になりそうだったな。
結構強めに殴ったけど大丈夫そうだな、たぶん。
はぁー……。織斑が突っ掛かって来そうだな。
「おい、翡翠!何で山田先生を殴ってんだよ!」
「耳元でウッセェーな。ちゃんとこれには理由があるんだよ」
「殴るのに理由があるのかよ!!」
「あるんだよ。……第一にお前を含む生徒が逃げ遅れていたこと。第二に山田先生の操作ミスによる自業自得。一歩間違えたらお前も巻き込まれてるところだったんだぞ。いや、お前がIS展開出来たとしても他の子が巻き込まれて大怪我下手したら死んでもおかしくない落下だった。第三に俺の体が無意識に動いたからだ」
丁寧に説明織斑に説明するが、納得する訳ないよな。
自分が正しいと疑わないからな。
「す、すみません。操作を誤ってしまいました……」
「山田先生、次は装甲が吹っ飛ぶ程度で殴るので気を付けてください」
「本当にすみません!」
「はぁ…、山田先生しっかりしてください。凰とオルコットの相手は、山田先生だ。ああ、言っておくがお前たち二人ならすぐに負けるぞ」
その後、山田先生の闘い方によって、鈴とオルコットが手足も出せない闘いを見ながら、デュノアの解説を聞いた。
能力は高いのにその性格とあがり症せいで実力を十全に出せないってか?そんなんじゃあ代表にはなれないんだろうなぁ。
模擬戦後、実習で使う打鉄を運んで実習が始まる。