心月流抜刀術を継ぐ者が行くIS 作:一刀斎
翌日の放課後。
じーさんに呼ばれて、学園長室に直行した。
そこには、織斑先生と更識、じーさんと
「翡翠くん、何で呼ばれたか分かっていますね?」
「そりゃあ、じーさんと織斑先生の端末にポイってしましたからねぇ」
「私としては、なかなか面白い内容でした。良い交渉材料になるでしょう。まあ、織斑先生としては、笑えないでしょうが……」
その言葉を聞いて織斑先生の方を見ると、かなりお疲れの様子。
「邦枝、音声データは事実なのか……」
「本当ですよ。出来れば俺はもうこの件はノータッチでいたいんですが、餅は餅屋ってことで……後、織斑先生話し合い位してくださいよぉ。デュノアの件が終わり次第話し合ってどうにかしてください」
「ああ、すまない。デュノアの件が終わり次第織斑と話し合う事にする。私にとっての問題がまだあるが……」
「それってドイツの銀髪の事です?」
「翡翠くん?ラウラ・ボーデヴィッヒちゃんよ」
更識が銀髪の名前を言っているが無視だ。
「まあな。アイツは私がドイツにいた時の元教え子だからな。元々落ちこぼれであったが私の指導でその才を伸ばして部隊の隊長まで行った。だからか私を崇拝しているからな……ハッキリと言って対応がかなり面倒臭い」
うわぁ……、この人遂にぶっちゃけたぞ。
「慕ってくれるのはまだ良い。だが、あんないちいち命令しないと動かん癖にいらない問題を引き起こすのはお断りだ」
哀れ銀髪。
お前の行動全部裏目になっているぞ。
そういえば、自己紹介の下りで面倒臭いって顔してたな……。
じーさんらが色々やってくれるので今日はとっとと寮に帰った。
朝の鍛錬を終えて部屋に戻ってテレビのニュース速報に耳を傾けたら思わずニュースキャスターの言葉にテレビに振り向いてしまった。
『速報です。ロシアとヨーロッパの国境付近で大爆発がありました。爆心地は酷い有り様となっています。……何故か爆心地で人が地面に減り込んでいたらしく、俗に言う犬神家の姿で発見されたとのことです。発見された人達は非合法組織の構成員らしく、ICPOが事情聴取したところ構成員は、赤ん坊を背負った金髪で雷を纏った悪魔にやられたと意味不明な供述を繰り返しているとのことです。繰り返します…………』
………………………………。
男鹿ーーーーー!?お前かーーーーー!?
何でソコに行ってんだよ!
悪魔関連か?ソロモン商会の残党でもいたのか?
非合法組織って言ってたから強ち間違いでもなさそうだな……。
今度古市に訊いてみるか……、どうせ付いていってるだろうしな……。
そんなびっくりニュースを見た日の放課後のアリーナ。
鈴の付き添いで訓練する事になっていたが、オルコットが来て鈴と模擬戦する事になった様なので審判をする事になった。
模擬戦が始まる瞬間に弾が飛んできたから白蓮で斬り捨てる。
〈照合…確認しました。ドイツ第三世代機《シュヴァルツェア・レーゲン》、搭乗者はラウラ・ボーデヴィッヒです。……音速以上のレールガンに対応して斬り捨てれるモノでしたっけ…〉
(おっと、つい反射で斬り捨てちまったぜ、危ない危ない)
〈マスターの言葉に違和感が……。本当に危ないって思ってませんよね?〉
(よく分かったな)
〈しっかりとマスターの健康状態をモニターしていますので……〉
「邦枝翡翠、私と闘え」
オープン・チャネルで話し掛けてきた銀髪。
いきなり何でだよ不意討ちまでして来て……。
「ふぅ~ん。何でだ?」
「教官が自分よりも強いと言った貴様が本当に強いのか、そして教官よりも強い存在を私は許さない。だからここで潰してやる」
「いきなり不意討ちして何言ってんのよ」
「そうですわよ。貴女も代表候補生ならそれ相応の振る舞い方があると言うものですわ」
面倒臭い……。
ああ、本当に面倒臭い……。
織斑先生が言ってた様に銀髪、クソメンドイな。
「ふん。男に媚を売る売女の分際で話に割り込んでくるな」
ああ、メンドイ、メンドイ、メンドイ。
「へぇー、そっちがその気なら─────」
「ええ、そちらがその気ならば─────」
あー、本当にイライラしてくるな………。
〈マスター?大丈夫…です、か?〉
(大丈夫だぞ?俺はいたって冷静だぞ?ちょっと彼処にいる命知らずにO・HA・NA・SHIするだけだ)
〈アッ、ハイ〉
さて、ぶった斬るぞ、銀髪が……。
鈴とオルコットがこちらを心配した感じで振り返って来る。
「ひ、翡翠…?」
「く、邦枝さん…?」
「二人共手ェ出すなよ?ちょっとあの頭オメデタ自己中に格の違いってモンを教えてくっからよぉ」
「あ、うん」
「は、はい」
「(鈴さん!?どういう事ですか!?邦枝さんブチキレてますわよ!?)」
「(そんなのあたしが訊きたいわよ!?彼処までイライラしてるのなんて……一夏の対応が面倒とか言ってイライラしてたレベルよりも上なんですけど!?)」
「ふん、私のシュヴァルツェア・レーゲンで貴様をつぶ────────」
──────神薙。
「グッ!?貴様ァ!い─────」
神薙の牽制で怯んだ隙に近づいて─────
──────百華乱れ桜。
バッサリ斬る様に刀を当てながら、地面に向かって振り落とす。
「ぐ…ぁ…」
何だよ、全然歯応えの無い奴だな……。
その程度でよく噛みついたな。
戦えって言っときながら、べらべらと話してんじゃねぇよ……。
少年漫画じゃあねぇんだぞ。時代はハイスピードだろ?あれ、クロックアップだっけ?タイムベント?
まあ、いいか。
取り敢えず、こっちに飛んで来て剣を構えて不意討ちしようとする織斑を斬り落とすか……。
「うおおぉぉーーー!!」
白蓮から天魔に持ち換えてっと……。
─────心月流抜刀術参式改
飛燕 燕子花よりも強い威力で周囲、特に後方に力を加えて薙払う。
「うわっ!?」
うん?ああ、運良く剣を構えた状態で突っ込んできたから飛鷹の斬撃が雪片に当たってダメージが少ないのか……。
「クッ!おい、ひ、邦枝!お前何してんだ!」
また、名前を言おうとしたな……。
「何って?喧嘩だよ。銀髪が売って俺が買った喧嘩だ」
「今のは、喧嘩じゃない!一方的な暴力だろ!」
「確かに一方的だったが戦いの最中に油断するのが悪い」
「不意討ちなんて恥ずかしくねーのか!正々堂々と勝負しろよ!」
「先に不意討ちしたのはあっち。不意討ちなんて戦いの常套手段だろうに、お前のさっきの行動も不意討ちだと思うのは気のせいか?」
「違う、俺は────」
「そこまでにしろっ!!」
織斑先生がISの近接ブレードを肩に担いでやって来た。
近接ブレードって生身の人間が持つ物じゃないハズなんだが……。
今度、俺も持ってみようかな。
……というか、何で織斑先生が来たんだ?ただの喧嘩をわざわざ止めに来るか?いや、止めに来るだろうけどさ……。
〈マスター。少し落ち着きましたか?〉
(あー、うん。大分落ち着いたよアイス。何で織斑先生が来たか分かるか?)
〈ハイ。恐らくアリーナのシールドが破壊されたからだと思います〉
アリーナのシールド?
視線を泳がすと一部分だけキレイに割れている。
「全く、アリーナのシールドが破壊されたから急いで来てみれば…。シールドを壊したのは織斑か……説教と反省文を書いてもらうから付いてこい」
「な、何で俺だけなんだよ!?邦枝もだろ!」
「………状況から察するに、ボーデヴィッヒが邦枝に喧嘩を売って邦枝が買ってボーデヴィッヒがやられた、そんな所だろう?」
正解です、織斑先生。
「何とも思わないのかよ。千冬姉の教え子なんだろ?」
───ドスッ。
振り下ろした近接ブレードが地面にぶつかる。
結構イライラしているご様子。触らぬ神ならぬ、触らぬブリュンヒルデに祟りなしってか……。
「織斑先生と何度言えば分かる……。ふん、ボーデヴィッヒは最近自分が強い、選ばれた者とでも思って天狗になっていたからな。ちょうど良い挫折だ、鼻が折れて身の振り方を考えるだろうさ」
銀髪ってそんな感じだったんか……。話なんてしてないからな、知らなかったな。
「今日から学年別トーナメントまで私闘の一切を禁止する。解散!………織斑は付いてこい、取り敢えず説教だ」
織斑先生にドナドナされていく織斑。
呆然とする、中英仏。
地面に倒れたまんまの銀髪。
そろそろアリーナの閉館時間だから帰るか……。
亡国さんの支部の一つが
ベヘモットの団員さんとか別の悪魔とかがいたって事で…。