ダリフラ20話……すっごい宇宙戦争規模の超展開になりましたね(-_-;)
宇宙からやって来た真の敵、地球外生命体ヴィルム。
それとフランクスと叫竜、マグマ燃料の真実に加えてココロの妊娠フラグ。
情報量がヤバい20話でした(;''∀'')
というか、本当に残りの話数で上手く纏められるのかちょっと心配ですね。
まぁ、今までが最高だったんで、最終回で多少コケたとしても個人的には大丈夫です。
でも多分、あの展開を見た視聴者の人たちは大抵が
( ゚д゚)ポカーン
となった筈。もうアレです、『つまり、どういうことだってばよ』レベルですねww
そんなこんなで、最新話どうぞ。
午後7時丁度。
プランテーションの外側に設けられた訓練場で、アルジェンティアとクロロフィッツの両機体が相対の位置で向かい合っていた。
「さっさと終わらせますよイクノ」
「分かってる」
コックピットの中で淡々とした口調で告げるミツルに、イクノもまた平坦な声で答える。どうもこの二人は他のペアと違い、ドライな関係らしい。
「ふふん! あんまし余裕でいるとミクたちが
勝っちゃうかもね」
「かもじゃねぇ、勝つんだ!」
一方で喧嘩もするが、その分、なんやかんだでお互いを信頼しているゾロメとミクのペア。数値ではアルジェンティア組に分があるが、技術的な面ではクロロフィッツ組に分がある。
どちらが勝つか、現段階では分からない。
「ダーリンはさ、どっちが勝つと思う?」
腕に絡み付くように寄って来たゼロツーは、面白そうに笑みを浮かべ
てはそんな問いをヒロに投げかけて来た。
「え、うーん……クロロフィッツかな?」
「なんで?」
「技術的な面だとミツルたちの方が強いから、かな? 数値ではゾロメたちに分があって、しかもアルジェンティアは元々接近戦に特化した機体。だから勝率で言えばアルジェンティアだけど、最終的に戦いは技量や技術の差で決まると思うんだ。数値の低下で機体が動かなくなるなんて事にならない限りはクロロフィッツが勝つと思うんだけど……どうかな?」
「なるほど。一理あるけど勝負は何が起こるか分からないからね〜」
「同感だ。ありえないことが起こるのが戦いってもんだからな」
その背後で鷹山は、のんびりとした口調でそんなことを言いつつ、好物でもある骨付きの鶏肉に噛り付いていた。
「ちょっとゼロツー! ヒロにベタベタし過ぎ!!」
と、ここで少し苛立ち気味にイチゴがゼロツーへ言い寄る。
ヒロに対し羞恥なく接触するようなスキンシップ行為を諌めているようだ。
「えぇ〜いいじゃん別に。イチゴはダーリンの何なの?」
「私はこの隊のリーダーなんだ! だから、そういう風紀を乱す真似は見過ごせないの!」
「はぁぁ〜、偉そう」
心底面倒臭い。という気持ちを隠さず、表情に気怠さを滲ませることで平然と見せつけて来るゼロツー。そんな彼女に当然の如くイチゴは納得する筈もなく、睨みを利かせて語気を強める。
「貴方はこの13部隊のメンバーの一人になった……だから、あまり勝手なことはせず、ちゃんとルールを守って」
「善処はするよ、一応」
適当に相槌を打つという雰囲気の返答だが、もうすぐアルジェンティアとクロロフィッツの試合が始まる為、これ以上はと大人しく引き下がるイチゴ。
その様子を隣で…間近で見ていたヒロはハラハラしたものの、とりあえず事なきを得たとばかりに内心胸を撫で下ろす。鷹山はその様子を面白いとばかりにニタニタと笑いながら見ていたが。
「では、始め!!」
ハチの合図と共に開幕のコールが鳴り響く。
今回はあくまでフランクス同士での訓練なので、主力武装は使わず、警棒のような武器で戦うことになる。先手を打ったのはアルジェンティアだった。
「くらえぇぇぇぇーーーー!!!!」
活気盛んなゾロメが勢いよく雄叫びを上げ、アルジェンティアはそれに応えるように左手に持った警棒を振り上げ、左側から横薙ぎにクロロフィッツの首の部位めがけダメージを与えようと差し迫る。
「甘いですよ」
しかし割と無駄の多い大振りな為、容易く動きを捉えたミツルはあくまで余裕な態度を崩さず、クロロフィッツを操り、左腕のフィンで防いで見せた。
「なら、こいつでどうだ!」
だが、それで終わる訳はなかった。
アルジェンティアは、次の一手に右側から膝蹴りをクロロフィッツの腰部位に叩き込んだ。
「くッ!!」
衝撃で体制が崩れたクロロフィッツに生まれた隙を見逃さず、アルジェンティアは背中に回り込むとクロロフィッツの背に警棒を叩き込んだ。
「うッ、がはッ!!」
「ハッハッハッハッ!! なんだ大したことねーなぁ! このまま決めさせてもらうぜ!」
『もう。優位だからって油断しないでよ』
既に勝利の余韻に浸っているゾロメにミクが注意を促すも、当の本人は気にせずといった様子で軽く聞き流していた。
『まだ、終わってない!』
正直、あまり乗り気ではなかったイクノだが、こうも一方的にやられて、しかもバカにされた風な態度を取られては物静かな性分の彼女もさすがに頭に来る。
闘志を燃やし、立ち上がったクロロフィッツはアルジェンティアの頭と籠手部位を両手で掴むと背負い投げの形で、機体を地へと叩きつけた。
「ぬおわわッ!!」
『きゃああッ!』
そのまま押さえつけるクロロフィッツ。
このままの状態が続けば、ハチの審判によりクロロフィッツに勝利が告げられる。
無論、このまま終わればだが……。
『ッ!!』
形勢逆転かと思われたクロロフィッツの動きが鈍く、そして出力にいくらかの低下が出てしまった。
「チャンス!!」
この急な変化による隙をゾロメは見逃さず、蹴りを一発クロロフィッツの腹部へと打ち込み脱出。クロロフィッツの拘束から解放されたアルジェンティアは距離を取り、戦況は振り出しに戻ったと言っていいものとなった。
「ど、どうしたんだろ。いきなりパワーダウンしたみたいに見えたけど……」
「ありゃ実際そうなってんだよ。
どうにもイクノ嬢ちゃんとミツル坊ちゃんの相性はよくないみたいだな。数値は他と比べて低いし、出撃時も起動までに時間が掛かかっちまってる。パートナー替えた方がいいんじゃないか?」
ナオミの戸惑いが混じった疑問に鷹山はそう答え、そして近くにいたハチに提案を一つ振るが、それは一蹴されてしまった。
「最初の内はよくあることです。この程度でパートナーを替えることはありえません」
「そうかい」
鷹山は大して気にした様子はなく、そのまま視線をアルジェンティアとクロロフィッツの両機へと向けた。
「しっかりして下さい、イクノ」
「はぁ…はぁ…はぁ…わ、分かってる!」
クロロフィッツのコックピット内では、体力の消耗に息を切らすイクノのにミツルが冷めた目で見下す光景が展開されていた。体力消耗はフランクスの操縦運動によるものではなく、単に数値の低下から来るものだ。
二人がパートナーになって以降、その数値は正直なところ芳しくなく、13部隊の中では一番低いと言ってもいい程。ミツルはそんな現状に嫌気が差しており、その矛先をイクノへと向けている。
「はぁ……全く。次で決めますよ」
「分かったわ……」
何とか数値を伸ばし、調子を取り戻した。
その間アルジェンティアは様子を伺う為か、今の所は静観を決め込んでいた。しかしゾロメの性格を鑑みればそれも続かない筈。現にそれを証明してみせた。
「様子見じゃ埒が明かねぇ! 一気に決めるぜェェェッ!!」
「予想通りですね。これだからゾロメは単細胞で読み安い」
ここで決着を付けると意気込むゾロメに対して、ミツルは嘲笑を隠すことなく冷やかしの言葉を吐き捨てる。両機は睨み合い、そして同時に一歩前へ踏み締めした瞬間。繰り出される右拳。
アルジェンティアのものだ。
落とした警棒を拾わず、パンチによる一撃で仕留めようと図ったゾロメは渾身を込めて拳を握り繰り出した訳だ。だが、クロロフィッツは自らに向けて放たれたアルジェンティアの拳に対し、すぐさま一手を進めた。
「なにぃぃ?!」
驚愕の声がゾロメの口から漏れる。
クロロフィッツは少し数値が戻ったとは言え、それでもまだ動きに鈍さが見てとれる状態だ。
にも関わらず、高速で繰り出されるパンチに対し受け止めるわけでも、かわすのでもなく、アルジェンティアの手首の部分に右手を当て、そのまま拳の軌道をズラしたのだ。
口にするのは楽なことだが、アルジェンティアは接近戦に重きを置いた機体。近接戦術において本領発揮するアルジェンティアに対し、クロロフィッツは遊撃・支援型で、それに適った戦闘で初めてその性能を全力に引き出せるのだ。
だが、今回の模擬戦は主要武器を一切使わない、形式としては白兵戦のそれと言っていい。
接近戦型と遊撃・支援型。
白兵戦でどちらが勝ちを得るかなど、分かり切ったも同然。
しかも、動作が緩慢になってしまったクロロフィッツではアルジェンティアの攻撃の対処は圧倒的な確率の差で難しい筈。しかしアルジェンティアの拳から繰り出されるパンチは威力こそ強いがその分
、あまりに単調過ぎた。
その為、技術面では上を行くクロロフィッツがそれを即座に見抜き対応して見せた訳だ。しかもこれで終わりではないらしい。
「これで……ッ!!」
「うぉぉッ?!」
クロロフィッツは軌道をズラした途端、アルジェンティアの手首を掴みぐいっとこちら側へ引き寄せる。
そして、アルジェンティアとクロロフィッツ……両機の顔と顔がぶつかり合いかねない程のゼロ距離にまで近づき、
「トドメですッ!!」
一気にアルジェンティアの腹部を膝部位を用いて蹴り上げた。
※ ※ ※
そこを普通、あるいは通常という枠組みに置くにはあまりに異質と言える場所だった。相応しい言葉は“尋常ならざる場所”。
または“常軌を逸した異常過ぎる空間”と称しても間違いではない。
天井。床。左右の壁。建物ならコンクリートや石材、または木材などで形作られる筈だが到底そういった類のもので作られていないと。一目見れば分かるものがその役割を果たしていた。
肉だ。
辺り一面に蔓延る肉。肉。全てが有機的な肉塊で覆われ形作られ、時折、箇所ごとに生きていることを意思表示でもしているのか脈打ち、蠢いている。
空間内は暗闇に包まれ、中央には一筋のスポットライトのような光が照らし出し、その中に誰かがいた。
「第13プランテーションにおける作戦失敗……アマゾン・アルファの抹殺には至らんか」
それは老紳士と呼ぶに相応しい風貌と、その上にマントを羽織る格好で身を整えた一人の男性。年齢は60か80は年月を経ていると想像できる皺の堀が深い顔に更なる皺を作り、苦虫でも噛み潰したような嫌気の差す表情。
言葉を吐かずとも内心に込めた苛立ちを隠すことはなく、目には見えない圧として周囲に放っていた
。
「随分とご機嫌斜めだね、プロフェッサー」
老紳士をプロフェッサーと呼ぶ声。年若き質から鑑みれば少年のようだ。
そして、それは的を得ていたとばかりに老紳士の前に暗闇からスポットライトの領域へと姿を現わす。漆黒のローブに覆われ、フードを深く被っているせいでその全貌を把握することはできないが、背丈から子供のそれであることは声も相成ってよく分かる。
「アマゾン・アルファの抹殺が失敗に終わったのだ。色々と手間を掛けた割にこのザマとは情けない……やはり幹部直轄の者にやらせた方がよかったようだな」
「その意見には俺も賛成だッ!」
今度は別の声が聞こえる。聞くに青年と年月を重ねた男の声だった。
「つーかよ、そろそろ俺たち幹部が直々に出てもいいんじゃねーか? 勿論、その一番槍はこの俺がやらせてもらうがな」
やがて暗闇から現した声の主は、やはり青年で20代くらいに見える。光に照らし出された容姿は、ヒョウ柄のジャケットを上半身に素の状態で羽織ったもので、その中は裸しかない。
下半身には漆黒の革製の長ズボンを着用し、凶悪な人相の笑顔とライオンのように逆立った髪形から、第一印象が“危険人物”と認識されてもおかしくなかった。
「それが無理ってんなら俺の部下どもが適任だ。そこいらの下っ端とは訳が違う。あの赤いアマゾンの首を取ってこれるぜ」
「ははっ、吠えるね〜子猫ちゃん」
ローブの少年が若干小馬鹿にした風に笑いかけるが、ヒョウ柄男はさして気にした様子はなく少年を鼻で笑い返す。
「ハッ! 言ってろ“シャドウ”。必ず、任務は完遂する」
「だといいね」
ローブの少年……シャドウの大して興味ないとでも言わんばかりの態度にさすがのヒョウ柄男も癪に触ったのか、チッと舌打ちをわざとらしく漏らす。そんな彼に紳士服の老人は命令を下した。
「いいだろ。作戦実行の決定権は私の管轄。お前がそこまで言うのであれば第13プランテーションにおける作戦の実行指揮権を認め、お前自身の出撃も許可しよう」
「おお! 感謝するプロフェッサー!」
「幹部をわざわざ派遣するのだ。果たせ」
「任せろ! この“ザジス”に抜かりはねぇぇッ!!」
吼えるように堂々と。既に勝利は我が手にと言わんばかりの高揚した気風を纏い、ヒョウ柄男…ザジスは笑いながらその場を後にする。
残されたプロフェッサーと呼ばれる老紳士とシャドウという名の少年の両者。しばし無言だったが少年の方から声が紡がれた。
「アマゾン・アルファは一筋縄じゃいかない相手だよ? それに向こうにはもう1匹いるし、確か……イプシロンだっけ?」
「報告によるとそうらしいな。しかもコドモのパライサイトでもあり、フランクスの力を引き上げる何らかの要因があるらしい」
「ホントに? 本来アマゾン細胞にそんな力は無い筈だけど…どうやら相当特殊なアマゾンのようだね」
「ああ。さすがの私も……らしくはないが、科学者として高揚を御しきれん」
ニヤリと。老紳士は自身の言葉を体現するかの如く、さぞ面白いとばかりに口の端を吊り上げ、凄惨な笑みを顔に張り付かせた。
「アマゾンの方のイプシロンだけど、調査は僕に任せてよ。上手くすればこっちに連れて来れるかもしれない」
「ふむ。お前の向こうでの立場なら可能だな。任せるぞ」
「うん! プロフェッサーも無理しないで頑張ってね」
そう言い残して、今度はシャドウがその場を去る。最後に残されたプロフェッサーも物々と物思いに耽る独り言を零しつつ、そこから去って行った。
ついに登場しました。ヴィスト・ネクロの幹部の方々!
死神のような不吉な印象を彷彿とさせる老紳士『プロフェッサー』。
ヒョウ柄のジャケットを身に纏った青年『ザジス』
そして、少年らしき雰囲気を醸し出す『シャドウ』。
他にも幹部はいますが、今回はこの三人だけです。
感想、ご指摘、遠慮なくもらえると幸いです。