ダーリン・イン・ザ・アマゾン   作:イビルジョーカー

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早く出来上がったので連続投稿です。どうぞっ。


~キッシング×キミの棘、ボクのしるし~
フラップ×アップダウン 前編


 

 

 

 

パラサイト第13部隊によるアマゾン狩りの結果は余す事なく全員が生還を果たし、尚且つ多くのアマゾンの駆除に成功した為、結果としては申し分ない成果を築き上げたと言ってよかった。

だが、やはりまだ未熟な部分が多くあり今後の課題となる事だろう。

アマゾン殲滅の任務最中に行方不明となったCode703はスタークの発言通り、1階ロビー

で意識を失い倒れていた。

腹部に一箇所、打撲痕があり、左の二の腕には長めに直線状に描かれたような火傷も確認されているが、本人によると高温の蒸気を発していたタコアマゾンの触腕に襲われた際に出来たものらしく、打撲痕もその際殴られたことでできたものだと彼女は言う。

それ以外ではこれと言うほど重傷は見受けられなかったので、その点に関して言えば僥倖と言えただろう。

 

「さて。以上が結果としての報告だが、ここからは別件だ。何故、スタークにあんな真似を?」

 

地球の軌道上に浮かぶ要塞コスモス。

その内部では鷹山を連れたフランクス博士が“ラマルククラブ”と呼ばれる七賢人らの中央本部会議の場で、スタークの行動の是非を問い質していた。

 

「ウェルナー。誤解しているかもしれないが、スタークの行動の意は我々とは無関係なのだよ。アレの独断行為に関しては我々も目に余ると考えている」

 

「とは言え、奴は我々に最も貢献してくれた人物の一人。君達と同じようにな」

 

「だから、今回の件は不問にすると?」

 

淡々と話す主席と副主席。それに対してウェルナー……フランクス博士は、睨みを利かせて返答を投げた。

 

「確かにスタークの行動は我々の意に反したと言ってもいいかもしれんが、それを言うのならお前も同じだぞウェルナー」

 

ゴリラに似た仮面と大柄な体格をした七賢人の一人が、フランクス博士に言の葉の一石を投じた。

 

「お前の数々の無茶……あるいは無意味とも言える要望を今まで叶えてやった来たことを忘れたのか? それを鑑みれば、とやかく言うなどできない筈だが?」

 

ゴリラマスクの七賢人の言葉は正論だった。

現13部隊のテストチームとしての結成しかり、ゼロツーの13都市への滞在しかり、他にも諸々あるがこれらに共通しているのは賢人らの反対意見を押し退け、無理矢理に案を押し通したと言う点だ。

だとすれば、確かにスタークの事をとやかく言う権利などないのかもしれない。

 

「なら、俺に言わせてくれよ」

 

だが、鷹山というコロニーからの派遣協力者ならば話は違う。

 

「無茶な方針にしちまった俺にも責任は当然あるが、スタークの行動のせいでヒロは死に掛けたんだぞ」

 

「……Code016の事か?」

 

「ああ。スタークの奴がした事はアマゾンの活動エネルギーとも言えるギガの大量消費を無意味に起こし、ヒロを殺しかけたのと同じだ。血液の大量出血みたいに規定値をオーバーする位に失くなると下手すりゃ命に関わる。

アイツはどういう訳か俺と同じアマゾンで、“ライダー”になれる。それをよく考えたら、ヒロの損失はそっちにとって痛い筈だ」

 

鷹山の言葉に主席はふぅむと息を吐き出し、何か思案しているようだ。

実際、鷹山の言い分には一理ある。

ヴィスト・ネクロのプランテーション襲撃や他諸々の暗躍。それらは、APE側の人類にとって最悪以上と見て取れる程の被害を齎したのは明白な事実。なんとか警備を厳重にし

、それなりに対策はしているもののアマゾンの脅威を前にしては最新鋭の科学の結晶であるAPEもさすがに手に負えない状況に陥ったのは否定できず、加えて、追い打ちをかけるように叫竜の存在の脅威もあった。

これを上手く打開するには、やはりアマゾンに対しての正しい知識とそれに適した戦い方を熟知する存在が必要、という判断が下され、2つの条件を豊富に有しているコロニーと何度か接触を図り、交渉を繰り返して同盟を締結させるに至った。

鷹山刃圭介という男がコロニー出身であるにも関わらず、協力者としてAPEにいるのはそういった経緯があっての事だ。

とは言え、それでもより活発化していくヴィスト・ネクロの魔の手を防いでいくには鷹山でも限界がある。

そんな中、ヒロことアマゾン・イプシロンの存在は吉報と言えた。今後増加及び悪化していくかもしれないアマゾン関連の危機的事態を想定すれば、切り札は多いに越したことはない。

近々“戦力として実装されるもう1つの切り札”のことも鑑みれば、アマゾン・イプシロンの必要性は一層増すだろう。であればスタークの独断行為がいかに咎められるべきかが分かる。

 

「確かに鷹山博士の言い分にも一理ある。認めよう。スタークには厳重に注意を勧告し、監視も付けさせる。二度とこのような事が起こらぬようにな」

 

主席は、やはり決して変えることのない淡々とした口調を崩さず、あくまで事務的な対応で今後のスタークの処断を二人に言い渡した。

 

「そうならないよう……願いたいな」

 

鷹山は依然として納得いかないと険しい表情を浮かべるが、これ以上何か言っても無意味である事を理解していた為、早急にフランクス博士と共に去っていく。

その去り際の後ろ姿を見ていた主席はふと、呟く。

 

「我等の大望は完遂される。何者であれど、輝ける未来への妨害はさせぬ……」

 

その発言に一体どのような真意が隠されているのか。それを理解する術は、少なくとも七賢人たち以外に有り得ない。

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

もはや周知の事実だが、プランテーションはその全てにおける原動力をマグマ燃料を使用する事で維持されている。

しかし稼働する為の燃料である以上は当然、減る訳だ。決して一個のプランテーションで無尽蔵に生み出す等出来ないし、地中深くからの発掘によってマグマ燃料を手にする事ができる。

従って、使用し続ければやがては底を尽きてしまう。近くに補給施設があればいいがその数はたかが知れる程に少なく、そこに留まって定住しようとしても大量のマグマ燃料を嗅ぎ付けて大勢の叫竜が押し寄せて来る危険性があり、結局移動し続けるに越した事はない

のだ。

よって計画的に安全な順路で移動していくに限るが叫竜の襲撃はこちらの事情などお構いなしに起きるもの。フランクスがあるとは言え、パラサイト部隊の壊滅・全滅は珍しい話ではない。

命懸けの戦いである以上、100%の勝利が保障できないからこそ対叫竜兵器に頼り切る訳にはいかず、そういった事態への緊急対処として逃避の為に移動速度を上げたり、砲撃などのセキュリティーにもマグマ燃料は消費してしまう。

人間が文明を築き、そこで生活を営む以上はエネルギーの消費は必須であり、前時代から

続く性と言っていい。しかし、そうなるとすれば、辿り着く間もなく保有するマグマ燃料の枯渇してしまう危険性もある。

そのような事態にならないしない為にプランテーション間においての“キッシング”と呼ばれる、燃料の受け渡しがある。

今回、そのキッシングが第13都市セラススのプランテーションからの申請で、順路の関係上合流することになる第26都市クリサンセマムのプランテーション間で行われることになったのだ。

 

「ほぇ〜すっげぇなアレ」

 

ガラス張りの籠の中にあるパラサイトの居住区ミストルティン。その外と中の境界線である特殊防護ガラスの前で、13部隊のパラサイトであるコドモ達は、マグマ燃料の受け渡しに必要となる巨大なパイプラインが上手く接続する様子を眺めていた。

 

「でもなんか意味あんのか、アレ?」

 

「アンタ知らないの? キッシングよ、キッシング」

 

どうやら知らないで見ていたらしいゾロメにミクが説明を買って出る。

 

「他の都市とああやって繋げてマグマ燃料を受け渡すのよ。ったく、そんなことも知らなかったの?」

 

「う、うるせぇな。言ってみただけで知ってたよ! んなこたぁ」

 

「絶対知らなかったでしょ」

 

売り言葉に買い言葉、まさにゾロメとミクの為にあるようなものだと思いかねない恒例の

他愛ない痴話喧嘩を繰り広げる二人。

そんな彼等を余所に他のコドモたちは各々に感想を口にした。

 

「すごい……私、初めて見たかも」

 

「僕もそうだけど、結構すごい大掛かりなんだね」

 

初めて見る壮観な光景に感激した様子のココロ。フトシの方も似たような感じではあるがココロほどという訳ではなさそうで、キッシングの大掛かりな作業工程に対し、自分の予想とは大きく違っていた事を実感したかのようだった。

 

「まぁ、マグマ燃料の受け渡しですからね。それにプランテーション2つで大量のマグマ燃料がある訳ですから、それに引かれて尋常じゃない数の叫竜が攻めて来る危険性もある

みたいですし」

 

ミツルがご丁寧に解説を付け加える。

 

「だとしたら、守らないとね」

 

「そうだな。その為の俺らだ」

 

ゴローはやる気に力むパートナーの頭を撫でつつ、そんな言葉を返すが頬を少し赤らめたイチゴに手を払われてしまい、苦笑を零した。

 

「繋がる…か」

 

ヒロはと言うと、他のみんなとは大分違う事に思考を巡らせていた。

ゼロツーと交わした“キス”という行為。

繋がるという点に関してはキッシングと同様であるせいか、ふとそんな事を思い出してしまっていた。

 

「キス…オトナたちは、するのかな?」

 

キスは大切な人同士がやる事だと。前にゼロツーからそう聞いたことがあった。

なら、オトナは?

コドモはキスを知らない。自分も彼女から教えられる前はそうだった。知り得ない筈だった1つの知識が疑問を呼ぶ。それはヒロの頭の中でいくつも増えていき、やがては答えを求めようと探求心と言えるものに変化していく。

何故だが、それが懐かしく思えた。

どうしてかは分からない。あくまで心の隅に置く程度なのだが、それでも懐かしさが無性に湧いてきたのだ。

 

「!!ッ」

 

「? どうかしたヒロ?」

 

一瞬、ヒロがほんの少しよろめいたのを見たイチゴが気にかけるが、当の本人は何でもないと答える。

 

「だ、大丈夫だよイチゴ。ちょっと頭がクラッとしただけだから」

 

「昨日はあんな事があったんだし、体調には気をつけてよ」

 

イチゴの言う“あんな事”とは、昨日に行われたアマゾンの駆除作戦のことだ。

確かにあの時は大変だった。アマゾンにとって自身の力を引き出す活動エネルギーであると同時に生命線にも等しいギガの大幅な消耗は、多大なる負荷をヒロに与えた。

もし、二日間で意識が戻らなければ、確実に命を落としていただろう。それ程に危篤状態だったのは否めない。

そんな状態に陥ったのは自称“七賢人の協力者”と宣うブラッドスタークの仕業なのだが、ヒロに全く非がないとは言い切れない。あの時、ヒロはギガの消耗を考えずリミッターを振り払って全力でアマゾンとの闘争に興じてしまったのだから。

“何故、そんな事をしたのか。”

それを問えば、返答は単純なものでアマゾンとしての自分……途方もない闘争本能に飲まれたからだ。

アマゾンが“獣人”と称される所以はソコだ。

人の倫理や価値観、人としての基準では決して計れない、“獣たらしめる本能”。

アマゾンという種の個がこの世界に生まれ落ちた瞬間から持つ、掟にして枷とも言うべきソレがヒロにもある。

今はただ、人たらしめる理性の仮面の裏側に潜んでいるだけで……。

 

「そうだな。おまけに、よく一人で無茶するしな」

 

自らの奥底で息衝いているアマゾンとしての本能について、しばし陰鬱とした気分で思考に意識を浸らせていたが、そんな彼の話題をゴローが苦笑混じりに振ってきた。

 

「えっ?! そ、そうかな……?」

 

「ホントッそれ! 最近になってヒドくなってるんだから、ちゃんと私達を頼れよ!」

 

時折、垣間見せるイチゴの男勝りな雰囲気に押され気味になり、思わずヒロは苦笑を漏らす。そんな光景を見ていたのは、棒つきの飴玉を口腔の中で舌で器用に舐め転がしていた

ゼロツーだった。

いや、正確に言うとヒロのみに視線を注いでいた。

まるで“ボクの目は誤魔化されない”とでも言っているかのうような、妖艶な笑みを浮かべて……。

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

「イッタァァッッ?! も、もう少し優しくしてよイクノ〜!」

 

「我慢してよ。これでも加減してやってるんだから」

 

パラサイトたちの生活の拠点である館の女子棟の一室。そこには本来なら他のコドモたちと同じくキッシングの様子を見に来ていたであろう二人の少女がいた。一人はベッドに横たわり、一糸纏わぬ姿の上半身を起こしているナオミと彼女の二の腕に出来てしまった酷い熱傷に薬品クリームを塗るイクノ。

この二人が何故キッシングを見学せずにいるのかと言うと、ナオミはあの駆除作戦以降、高熱を伴った体調不良を起こしてしまい、その看病を率先して引き受けたのがイクノだった。

あの時、彼女と逸れてしまったあの状況では助けられなかったとしても致し方ない事だし

、何よりナオミ本人が気にするなと言っているのだ。ならあまり責任に苦しむ必要はない

のだが、それでも親友を助けられなかった事への贖罪……と言うほど大層なものではないのかもしれないが、どのような形であれナオミの役に立ちたいという強い思いがあった。

その表れが看病と言う行為であり、それをナオミがどうと言った所でイクノの決心は揺るがない。

献身的な看病とはナオミも満更ではなかったのだが物静かで丁寧で、そして本の虫な彼女のイメージとは裏腹に薬品クリームの塗り方が少し荒っぽいのは否めないし、熱のせいで浴槽には入れない彼女の為に暖かい濡れタオルで身を拭いた時も、柔らかい生地で出来ているにも関わらず地味に痛かったのはほんの数分前の出来事。

 

「うう……痛いものは痛いし、も〜少しくらい優しくしてよイクノ〜」

 

「そんなこと言われても……」

 

泣き顔で懇願するナオミだが、イクノが困り気味に溜息を吐く。

さほど難しくないと思っていたものでも、実際にやってみると違うこともあると常識として知ってはいるが、彼女本人にはその自覚がないと言うのが致命的だった。

 

“自分のやっていることは普通にできている”。これがイクノ本人の認識だ。

 

手順や方法自体は間違ってはいない。あくまで力加減の一点だけなのだが、どうにも力の

加減がイクノにとっては不得手らしい。

 

「まだ熱ある?」

 

「……うん。まだ少し」

 

イクノの質問にナオミはそう答えた。まだ身体を

 

とは言え、随分快調へと回復した方だ。

体調を崩し始めたばかりの時は高熱で息を荒くし、まともな返事が出来ないほどだった。

 

「そう。………ねぇ、ナオミ。その……」

 

「ストップ。どうせ昨日のアレでしょ?」

 

「……」

 

沈黙は肯定だった。またかと今度はナオミが溜息を吐いた。

 

「気にしなくていいって言ってるでしょ?

アレは仕方なかったの」

 

仕方がなかった。ナオミの言葉は正論としか言いようがない。いったい、どれだけいるのか確定されていない無数のアマゾンが息を潜めている建物の中で、仲間と逸れてしまった

場合、さがすのは相応のリスクが伴われる物だ。

しかも、今回が初めてでアマゾンの駆除経験が全く培われていないコドモ達からすれば、来た道を戻ってナオミの捜索という選択肢を実行に移すのは自殺にも等しい。

 

「イクノの判断は正しかった。気持ちでは否定したとしても、それは事実なの」

 

勇気と無謀は違う。

後先考えず、ただイタズラに感情のままに行動することは大抵の場合、自滅しか齎さない無謀のそれだ。正しい知識とそこから導き出される最良たる結果を現実に活用できる必要な要素。

そして、真っ直ぐ躊躇わずに進む精神力を備えて初めて勇気と呼ばれる。

イクノはその場に置かれた状況を冷静に分析し、最良たる結果として、引き返すことを選択したのだ。決して臆病風に吹かれて見捨てたのではない。

 

「そう、だけど……もっと他に良い方法があったかもしれない。そうしてたら……」

 

“ナオミが襲われて、傷ついて苦しむこともなかったかもしれない”。

 

「ていッ!」

 

「ほにゃァッ?!」

 

突然、脳天から何かがぶつかるような衝撃がイクノを襲った。素っ頓狂な声を上げつつ、ジワリと来る鈍痛に頭を押さえる。

 

「ナ、ナオミ?」

 

視線を下へ伏せていた事とネガティヴな思考に意識を持っていかれていた為に気付かなか

ったが、片手をチョップの形にしているナオミの姿を見れば、衝撃と痛みの原因は彼女に

あると嫌でも分かるだろう。

そんなナオミへ疑問形ながらに名を呼ぶが、返答はある言葉だった。

 

「“誰も、同じ川には二度入れない”」

 

「!! それって……」

 

「うん。昔ヒロが言ってた言葉。確か…元は大昔の哲学者の言葉だったっけ?物事を川に見立て、川は流れ続ける。時間が止まることなく進み続けるようにね。一度入った川は、

二度目に入る川とは別物になってしまってるから、常に一秒一秒と変えている川に同じ状態で二度入ることなんてできない……まぁ、なにが言いたいのかって言うと……」

 

頭を手でポリポリと掻きながら、ナオミは堂々と言った。

 

「“細かいことは気にするな”ってこと」

 

「え、えぇ……」

 

哲学的な用語を使い、意味深な言葉を口にしてもおかしくなかったこのタイミングで出た言葉は単純に『細かいことは気にするな』の一言。

なんとも言えない表情をしているイクノだが、そんな彼女を置き去りにナオミは続ける。

 

「過ぎた事をウジウジ考えて、ズルズル引きずるなんてナンセンスよ。大体、怪我だって

私がヘマして出来たものなんだから、イクノが気にすることなんてないの!」

 

口調を強めにそう言うナオミに対し、イクノは呆然と見ていたものの、やがて自然と笑みを浮かべて“うん”と。頭を縦に振って頷く。

小さい頃にも似たような事があった。

悩みがあって元気のないイクノにナオミは、今みたいに強気なゴリ押しとも言える説法で

励ました事が度々あったのだ。側から見れば無茶苦茶かもしれない。

が、それでも彼女の言葉はイクノにとってはいつも救いになり、助けられたのも事実だ。

 

「ごめんねナオミ。ちょっと気にし過ぎたみたい」

 

「ちょっとじゃなくて、“かな〜りスゴく”でしょ?」

 

「言えてるかも」

 

そんな話をしながらプッと吹き出して二人は笑い合う。

最近、こんな風に楽しく笑うことなんてなかった。イクノ自身、パートナーであるミツルとの溝や叫竜に加えアマゾンとの戦いのせいか昔以上に笑うのが少なくなった。

だが、久々にこんな心の底から楽しく笑う事ができるのはナオミのおかげだ。

 

“本当に残ってくれてよかった”

 

ナオミがこの13都市を去らず、残してくれたことを七賢人たるパパたちに感謝しつつ、イクノは久しぶりの嬉々とした感情でナオミと会話を弾ませていった。

 

 

 

 

 









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