ダーリン・イン・ザ・アマゾン   作:イビルジョーカー

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連続投稿です!

※ちょっとした編集を加えました。


戦う理由

 

 

 

 ああ、まただ。

 

 この匂い……コレがあるから、俺は俺じゃなくなる。

 

 腕を切り裂く。

 

 胴体を切り刻む。

 

 頭を蹴り飛ばす。

 

 その全てが楽しくて、嫌なのに、どうしようもなく快楽に変わって、どうにかなってしまいそうになる。

 

「アァァァァッッ!!!!」

 

「ギィッ!」

 

 アリアマゾンの頭部が繰り出されたイプシロンの鋭く、早く、そして力強い手刀の一撃を喰らい瞬く間にその命を消失させる。

 女王蟻のアマゾンが生み出した、子であり兵とも呼ぶべきワーカーのアリアマゾンら総勢15体。

 数としては程度が知れ、ランクもDと低い。

 故にイプシロン1人でも対処は可能で、現にもう1体しか生き残っていない。

 というより、その1体もたった今絶命した為、もはやワーカーのアリアマゾンは全滅したと言うべきだろう。

 しかし厄介な事にイプシロンはまたアマゾンとしての本能を活性化させてしまい、未だ自我はきちんとあるもののいつ暴走してもおかしくない状態だった。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、……」

 

 そんな言葉を口からを零して、液状に崩壊しつつあるアリアマゾンの胴体中央の部位から抜き取ったのは、アマゾンの生命維持であり、同時に脳とも言える中枢臓器。

 肉体は死んでも、ソレだけはまるで生きている事を証明するようにドクン、ドクンと鼓動を静かに鳴らしていた。

 

 それが美味そうに思った。

 

 普通なら思わない筈がアマゾンの本能が表に出始めている今、イプシロンの身体は人間のものでなくともタンパク質を欲し、中枢臓器に対しての食欲を誘発させていた。

 

「ヒロ!」

 

 あと少し。ほんの数秒経っていたら何も言わず、喰らいついていたかもしれない。そんな状況から正気に戻させ、うまく逃してくれた声の方へと素早く振り返る。

 

「ハァ、ハァ……イチゴ?」

 

 声の正体はイチゴだった。

 見るとナナや他のコドモたちもおり、その顔はまるで悍ましいものを見るかのような、何かに対して一線を引いた表情だった。

 唯一、ゼロツーは違ったもので感心、単純に凄いものを見て呆気に取られたと言った風な面持ちでヒロを見ていた。

 

「! ッ」

 

 すぐにさっきまでの自分を思い出し、中枢臓器を地面へと叩きつけるように捨てたヒロは何故? どうして? などと疑問の言葉を頭の中に浮かんでは消えるを繰り返し、軽度のパニックに陥っていた。

 その影響か、アマゾン・イプシロンとしての姿から元の人間体であるヒロの姿に戻ってしまったものの、既に大元の女王蟻のアマゾンはアルファによって駆逐されているので特に問題なかった。

 

「その、大丈夫?」

 

 恐る恐ると言った感じでイチゴが近づき聞いて来た。

 

「う、うん……大丈夫……大丈夫なんだ」

 

 イチゴに対して、というより、あくまで自分に対して強く言い聞かせるようにそう答えるヒロは顔色を蒼褪め荒い呼吸を吐き出す。

 未だパニック状態から抜け出せていない状態だった。

 

「みんな!」

 

 と、その時だった。

 

 近くの林の茂みから必死で走って来たとばかりに肩で息をする1人の少女。それは紛れもなく、探していたナオミに他ならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

※ ※ ※

 

 

 

 

 

 

 

「そ、れ、で? 何か弁解すべき事はある?」

 

「うぅぅ…………ありません」

 

 元いた浜辺に戻って早々今回の無断行動に関しての説教をざっと1時間程か。耳にタコができるくらいにズカズカと言葉の弾丸がマシンガンレベル……というほど速くはないが。

 それでも大量に耳朶を撃ち抜き、聞く側にしてみれば新手の拷問だったのは言うまでもないだろう。

 更に直々に拳骨をもらい、ぷっくりと腫れて膨らんだタン瘤まで貰ったナオミは正座姿勢でオヨヨ……と。

 そんな言葉が出そうな位には涙を滲ませていた。

 

「もう心配させないでナオミ。あそこにはアマゾンがいたんだから……

 ……」

 

「あはは……ホントごめん。ほら、普通ならこんな機会ないし、ちょっとその、探検とかに興味あったから……」

 

「それで何かあったら元も子もないでしょ」

 

 イクノの言葉は本当に心底ナオミの安否が心配だったと。声質からそう読み取れるものでナオミはバツ悪そうに苦笑しつつ、言い訳を交えて謝罪を述べるのだがソレをナナがにべもなく切って捨てた。

 

「ま、せっかくの休日なんだ。罰とか諸々は後回しにして、とりあえず楽しい一時を再開しようぜナナさん」

 

「……あんまり甘やかさないでほしいんだけど?」

 

 気前のいい笑顔の鷹山に対し、ナナはそんな彼の発言にジト目を送るがまるで何処行く風。大して気にしてはいなかった。

 

「はぁぁ。まぁ、いいわ」

 

 溜息を一つ吐いて、ナナはそう言う。

 

「今だけは見逃すわ。けど終わったら相応の罰を与えますからそのつもりで!」

 

 最後辺りの語気を強めてそう言うナナにナオミは何も反論できず、しょぼんと申し訳なさそうな、あるいは残念そうな面持ちで気を落とす。

 そんな姿を見れば可哀想、と感じるかもしれないが結局は彼女が自分が好き勝手して招いた自業自得な為、弁護できないのが悲しい所か

 。そんな事があったものの、全員怪我も何もなく例の浜辺に戻って来れた13部隊は日が暮れる夕方まで泳ぎ競争や砂遊び、貝殻集め、何故か蟹探しなどの諸々をやり尽くした。

 

 そして、夕食のバーベキューが始まる。

 

「おお! うめぇなコレ!!」

 

「ホントね! よく焼けてて美味しいわよ」

 

 ゾロメ、ミクが牛肉の刺さった串を手に取り齧り付くのだが、味は中々の絶品だったらしい。

 

「はい、ナオミ」

 

「ありがとうイクノ」

 

 ナオミに野菜も混じった串を渡すイクノは、彼女とほぼ同じタイミングで一口齧り付く。心なしか嬉しそうだ。

 

「ほら、ゼロツーも」

 

「ありがとうゴロー」

 

 ゴローもゼロツーへ串を渡し、ゼロツーは特に拒否する理由もない為素直に受け取り、礼を言った。

 そして、やはりと言うか甘いモノをかけて食べ始めた。と言ってもハチミツではなくブルーベリージャムだ。

 

「うへぇぇ?! そんなもんまでかけるの?」

 

「ゼロツーちゃんらしいね」

 

 ココロは笑って言うものの、ミクは完全に引き気味である。いくらゼロツーが甘党とは言え、そもそも合うものではないと認識しているミクからすれば引かずにはいられないし、何より、初めてゼロツーが食堂に食べに来た時だって口を押さえ、吐き気に耐えていたのだ。

 こういった反応は仕方ないだろう。

 

「ふふん。食べもせず合わないって考えるのは早計だね。ナンセンスだよ」

 

「いやいや、ないから」

 

 そんなミクにゼロツーは心外な、とばかりに文句を言うが、やはりミクの価値観は変わらない。

 

「お前、相変わらずアホな食い方してんなぁ〜」

 

 そんな2人を見て、鷹山は呑気に間延びした

 ような気の抜ける口調で呆れを吐いて来た。

 基本的には口には出さないのだが、前々から思っていたのか。

 いい機会だから、という考えでの物言いかは判断しかねる所だが、ともかくミクと同調する様はさも“自分はまともだ”、と。

 そんな主張を言いたげな様子だが生憎の所、はっきり言って彼はゼロツーとさして変わりなかった。

 

 唯一違うとすれば、その方向性。とでも言うべきか。

 

 鷹山が手に持っているのは鶏肉がこんがりと濃い茶色に焼かれ香ばしい匂いを放つ、一本の串。

 

 それになんと生卵をかけたのだ。

 

 しかも。そのかけ方は、よく知る二つに割るではなく普通に握り潰すというもの。ドロリとした黄身と白身……だけでなく、なんと砕いた時に出た細かい殻の欠片ごと混ざったソレをかけたのだ。

 

「「ちょっと待てェェェェェェ!!!!」」

 

「うるせーな。何だよ大声出して」

 

 ゾロメ、ミクから飛び出たストップの声が鷹山……のみならず13部隊全員の鼓膜を突き刺さんばかりに揺らした。それに対し、いきなり何でそんな声を出すんだ、とジト目を流して抗議の声を上げる鷹山だが2人の勢いは止まらなかった。

 

「百歩譲って卵は有りとして、何で殻ごとなんだよ!!」

 

「そうよ! 口切れるし、バッチィわよ!」

 

 譲らず退かない勢いの2人の意見が、鷹山の異様な行為に異議を申して立てた。

 ゾロメとミクの意見を整理すれば彼等の言いたいことは常識、という側面を考慮すれば何ら可笑しい指摘ではない。

 卵の殻はそれ自体に味はなく、食感的には無機物。もっと分かり易く言えば噛めば砕ける

 砂利の粒を食べてるような気分だ。

 更に付け加えると生卵のままで殻を食べるのはオススメできない。

『サルモネラ菌』、『カンピロパウダー菌』という二種類の有害な菌が付着している為、70℃の加熱処理が行われてないと大変危険である。

 それなりに切れ味もある為、口の中を切る可能性もあるがアマゾンである鷹山ならば菌を含めてその辺りは大丈夫だろう。

 しかし、それを抜きにしても卵の殻ごと混ぜ込んで食べる、という何とも食欲を唆られない食べ方はよっぽどの曲者感性でもない限り共感が難しいだろう。

 卵の殻をカルシウムとして溶かして食事に混ぜ込むならまだ分かるのだが、そのまんま、と言うのは衛生面からしてもマズい。

 そういった知識を幼少期から徹底して教育させられているコドモたちにすれば、鷹山独特の食事はかなり異様に見えてしまうのだ。

 

「まぁ、アマゾンだし。平気だって」

 

「でも、それ不味くないんですか?」

 

「……あたしも、美味しそうに見えない」

 

 ヒロとイチゴが不味いんじゃないか? と言う疑念を込めた視線で質問して来るが、鷹山は特に気にする事なく無視。一口を大きく開けガブりと。

 串から肉を嚙み千切り、卵の殻がバリボリと咀嚼していく度に硬質な音を奏で、最終的には実に美味そうに喉を鳴らし飲み込んでしまった。

 

「ふぅ……ああーまーアレだ。カルシウム摂取のつもりだよ。つもりっつーかきちんと摂ってるけどな」

 

「ああ、卵の殻ってカルシウムだから」

 

「いやいや! 何納得してんだよヒロォ!」

 

 生卵の殻を使っている事が問題であって、カルシウム摂取だから……などと言うのは、ただの言い訳にしかならない。

 にも関わらず妙な所で納得するヒロにゾロメが間髪入れずツッコミを叩き付けた。

 

「諦めなさいゾロメ。彼、色々言ったところで辞めないから」

 

 と、ナナからの仲裁が入った。

 しかし言葉の内容自体は意外なもので、鷹山を庇護してるかのようなものだった。

 

「お、ナナさん分かってるね〜」

 

「小さい頃から付き合わせてれば慣れもするわよ」

 

 どうやら、今に始まった事ではないらしい。

 

 そんな2人の会話にイチゴは疑問を覚えた。

 

「ナナ姉と刃さんて、知り合ってどの位?」

 

「ん? ナナさんがまだガーデンに居た頃だな」

 

「え?! そんな昔から?!」

 

 直接聞いたイチゴもだが、13部隊のコドモたち全員が大小あれど驚きを顔に出していたナナは……ハチもそうだが他の都市のコドモの管理者たちと同じで、良くも悪くも生真面目な性質の持ち主だ。

 飄々と勝手しくさる性根の鷹山とそりが合うのか、と問われればどう見たって合わないと口を揃えて第3視点の他者らは言うだろう。

 そんな2人が結構な年月で知り合って交流していたのだ。

 驚くなと言う方が無理であろう。

 

「昔は結構野良のアマゾンがガーデン周辺に屯っててな。念の為にってことで警備と万が一の対処にって事でよく呼ばれてたんだよ。初めてガーデンに来たのが、15の時だったな」

 

「お、俺たちと変わらない年から、アマゾンに?!」

 

 2度目の驚愕する事実に目を大きく見開き、いかにもな狼狽ぶりを見せて来るヒロだが、鷹山は続ける。

 

「……色々あってな。誰に言われた訳でも、無理やり弄られた訳でもない。全部俺が決めて自分でやった事だ」

 

「……」

 

 妙に重いトーンの声で言う鷹山の言葉は誰かが何かを言えるような

 、そんな軽く緩い空気の形成を阻止するには十分なものだった。

 

「せっかくだからお前らに聞いておきたい。13部隊はなんで、叫竜やアマゾンと戦うんだ?」

 

 オトナがそう決めて、命じたから。

 

 多くのコドモはそう答えるし、それが彼等にとっての常識だ。事実13部隊に所属するコドモ……ヒロやイチゴたちもそうやって教育され、今に至ってる。

 

 フランクスのパラサイトとして。

 

 アマゾンを駆除する『駆除班』として。

 

 定められた敵を相手に戦っている。

 

 そう言えばいい筈だ。なのに不思議とコドモたちは、そういった言葉を口から出さずにいた。直感ながらにそう言えばいい訳ではないのだと、薄々ながらに感じていた為だ。

 

「ぶっちゃけ、俺はお前らが戦う必要なんて無いって思ってる」

 

「刃ッ!」

 

 止めようとしたのか、ナナの諌める声が出て来るがそれを無視して続けた。

 

「俺はお前らに今日に至るまで対アマゾン、それを応用した対叫竜の戦い方を覚えさせ、訓練させて来た。何故だか分かるか? それが俺へ頼まれた仕事だったからだ。お前達はいい具合に成長してるし、事実として実績もある」

 

 アマゾンの駆除任務では、13都市内で起こったアマゾンの大量発生という危機的状況をアルファがミツルとココロ救出の為に不在だったにも関わらず、誰一人欠けることなく生き残った。

 叫竜との戦いでは鷹山の考案した戦術や戦法を応用する形で駆使して戦い、殲滅。撃破数は他の都市の部隊よりも高い戦績を叩き出し、それを確定付けるのは、やはりキッシング時の両都市防衛戦において発生したイレギュラーであるCode090の謀反によるクーデターの際の対応、連携における立ち回りは見事なものと言って間違いない。

 そのおかげで090にどういう理屈か操られていた超巨大グーデンベルグ級の撃破に成功した。

 

 まさしく、目覚ましいまでの素晴らしい成果だ。

 

「だが。お前らと一緒に暮らして、俺なりに情も湧いちまった。だから俺個人として言えば……死なせたくないからだ」

 

 13部隊がここまでに至れたのは、鷹山刃圭介という一人の男の協力があってこそなのは言うまでないだろう。自分のおかげだ、と傲慢に憚らずな自己顕示をすることなく。あくまで自身に課せられた任務の一環として当然と平淡に鷹山自身はそう捉えていた。

 しかし13部隊のコドモらとの接触・交流をもって、その平淡とした認識に一種の揺らぎが生じていた。

 

「だからこそ、仕事関係なしに敢えて問う。お前らがなんで戦うのか

 を。もし何もないなら……俺はお前らを戦わせない。ゼロツーには自分で決めた戦う理由がある。これはコイツを除いた、お前ら13部隊に向けてのもんだと思え」

 

 私情で語る鷹山の言葉。それは自身に課せられた責務をドブに捨てるようなものだろう。戦う為に生まれ、教育され、努力を積み重ねて。そうやって成長して来たコドモたちに対し投げかける言葉としては、『最低』の部類に入る。

 

 傲慢にも程があるとも言ってもいい。

 

 だが、それでも。

 

 鷹山は情が湧いてしまった。死なせたくないと思ってしまった。

 だがコドモたちにも明確な感情と意思がある。もし自分で考え選んだ上での戦う理由があるならば、仕方ないと諦めるつもりだ。

 しかし無いのであればここを離れ、コロニーに保護させる他ない。

 と言うのもAPEとコロニー双方の取り決めの一つに何らかの理由でパラサイトとして戦えなくなってしまったコドモが生じた場合、双方合意の上ならばコロニーが保護目的に基づき送迎する手筈となっている。

 APEにとってパラサイトとして使えなくなったコドモを自分達の下で生かしておく必要も、理由も、意味もない。だからこそ使えなくなったコドモをコロニーが貰ってくれると言うのなら、わざわざ『剪定』する時間を無駄に浪さずに済むし、要らぬコドモがいなくなってくれる。そういった面で一石二鳥に好都合なのである。

 コロニーにとっては人道的配慮から保護を申し立てており、これまで過去に数人のコドモを保護し、健全な人としての暮らしを与えている。

 もっとも今回の場合、13部隊は全員フランクスを動かす上で必要となる最低限の数値をクリアしており、身体的な異常・疾患等一切ない健康体。更にフランクス博士を上手く説得する難関がある為、鷹山が個人で勝手にどうこうする訳にもいかないのだが。

 それでも最悪の場合を想定すれば、鷹山は是が非でも保護させるし

、その為の交渉カードも持っている。

 今、この問いで13部隊の誰かがそうなるのか。それを見極める為のある種の儀式といってもいいのかもしれない。

 その一方で問いを投げかけられている13部隊のコドモらの一人であるヒロはきちんと鷹山の言葉を聞いた上で、失礼も承知だがゼロツーに対する疑問を感じ、それについて考えていた。

 

 ゼロツーの戦う理由。

 

 それは彼女のパートナーとなった今でも本人の口から明かされていない事だった。

 ヒロから見て、ゼロツーという少女は妄執的信念、と言ってもいい位の目的に対する強過ぎる渇望を抱いているように見えた。

 死を恐れず、どんな傷を負うことも厭わない彼女の戦いに対する在り方は、そういった物が無ければ成立しない類のものなのだ。

 

 そうでなければ、容易に諦め、放棄する。

 

 掲げる意義も課された使命も。

 

 過酷な道を猪突猛進と駆けると言うことは、並大抵の努力と思いでどうにかなるものではない。

 

 彼女をそこまでさせる『目的』。

 

 パートナーとして、気になりはするものの、パートナーと言う立場を利用して彼女の領域に踏み込むのは躊躇う為、ほんの少し触れる事

 さえもなかったヒロだが、改めて思うとその目的が一体何であるのか

 。

 今になって、ヒロは自身の胸の内にしまい込んでいた興味が蓋を押し退けかけ、ほんの少し滲み出るかのように、微々たるものだがその思いが強まった気がした。

 

「そ、そんなもん決まってる!」

 

 この中で誰よりも逸早く声を上げたコドモ……それはゾロメだった

 。

 

「パパたちが俺たちに戦えって言ったからだ! それに叫竜を倒して倒して、倒しまくればいつかオトナになれる!!」

 

 オトナへの羨望。そこに由来する願いがある種の目標となっていたゾロメだからこそ、この中で一番に声を上げたのかもれない。

 

 そして、続いて声を上げのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 





刃さんが卵の殻と食べる描写は、龍騎の王蛇こと浅倉さんを意識して
オマージュ的にしたもの。
実は中の人同士で結構仲が良く、鷹山仁役の谷口 賢志さんは『鷹山 仁』というキャラクターを形作る上で浅倉を意識したらしいです。


まぁ、簡単に言ってしまうと『中の人ネタ』ってヤツ。




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