ダーリン・イン・ザ・アマゾン   作:イビルジョーカー

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3ヶ月ぶりの更新になってしまいました(−_−;)
色々と大変でちょっと悩み事がありましたが、もう大丈夫です。
今後はできるだけ早めに更新していきたいと思います。




胎動 part1

 

 

 

 

 

 

『バイオキリング……クリムゾン・ブレイク』

 

 ベルトから放たれるのは、もはや死刑宣告に等しい低めの電子音声。

 フェイス・3のバイオキリング。その最初の犠牲者にディケイドはなろうとしていた。

 

「ふむ。遺言くらいは聞いてやろう」

 

 しかしすぐに始末する気は無いらしい。

 一応、死に行く者に対する礼儀くらいは弁えているつもりなのか。残しておく言葉があるなら

 言え、と。そう宣うヴィルムにディケイドは鼻を鳴らす。

 

「フン。大層な余裕だな。まぁ……いい。一つ疑問なんだが、クロックアップに対応できるほどの力……一体どこで手に入れた?」

 

 先にも言ったがクロックアップとは単純な超高速移動ではなく、時間流を自在に行き来する能力。

 故に非クロックアップの状態にある者の干渉は無意味と化す。カウンターしようとしても、クロックアップの発動者には相手の動作が非常にゆっくりと動いて見える為、動きを読むなど造作もないのだから当然だろう。

 真にカブトの装着だったある男は、クロックアップ状態のワーム相手に、非クロックアップで倒した事がある。

 だがそれは、緻密な計画性に基づいた作戦とクロックオーバー……クロックアップが強制解除となる制限時間のタイミング。この二つを押さえた上で成功できたもの。

 間違ってもクロックアップ状態のままで倒した訳では無い。

 にも関わらず、ヴィルムはそれを実現してしまった。ありえないと断じる不可能が可能へと変換した瞬間と言える程の事象だ。

 クロックアップを正確に目視し、対処する。それを可能とするには、性能向上だけでは説明が付かない。

 

「んん? ああ、単純なことだ。公私の中には取り込んだスターエンティティのエネルギーが

 ある」

 

 スターエンティティ。なるほど、確かにそれを使えばクロックアップに対応するだけの力は得られるだろう。

 しかし、スターエンティティは何処かに封印されている筈。既に場所を暴いて入手することに成功したとすれば、その時点で詰みなのだ。こうしてわざわざ自ら始末しに来てる事を考慮すれば、まだスターエンティティを手中に収めてはいないだろう。

 

「もっとも、欠片に過ぎないがな。だがそれでもお前を殺すには十分」

 

「十分……だと。舐め腐られたものだ」

 

 散々言われてこのまま無様に負ける気は更々ない。その意思表明とばかりに立ち上がったディケイドは、再びカードを取ろうとライドブッカーに手を伸ばす。

 

「悪足掻きか」

 

 それよりも早く繰り出されたのは、深紅のエネルギー刃。

 

 三日月状のソレはさながら断頭台の刃の如くディケイドの首を狙い、一直線に向かって来る。

 瞬間。赤い影が割り込んで来たかと思えば、エネルギー刃が縦に分かれ、そのまま左右別方向へと向かって行き爆散。エネルギー刃を叩き割った赤い影は、エメラルドの複眼をギラつかせて低い声を出す。

 

「どーもこんにちわ。んでもって死ね」

 

 挨拶という名の死刑宣告を吐き捨てた赤い影……アマゾン・アルファは、凄まじい殺気をヴィルムへと叩きつける。

 

「これはこれは……随分怖い歓迎があったものだ」

 

「おい、立てるか?」

 

 視線を外さず、ヴィルムのジョークに耳を傾けずスルーしたアルファは自身の背後でダウン気味のディケイドへと声をかける。

 

「なんとかな」

 

 素っ気なく返し立ち上がる。まだダメージが残っている為多少はふらつくものの、所詮すぐに慣れてしまう。

 

「ふむ……ディケイドを仕留められなかったのは惜しいが、ここは退くとしよう」

 

 ヴィルムが選んだのは撤退だった。

 無論、それを許すつもりがないアルファは自前の瞬発力で一気に距離を詰めてヴィルムの首をアームカッターで刈ろうとする。

 

「惜しい。もう少し速ければ届いていたかもな」

 

 その前にヴィルムが肉体を粒子化させ胡散。それによってアームカッターは首を切断する事なく、宙を切るだけに終わってしまう。

 

「チッ。切らせろよ」

 

「悪いが無理な相談だな」

 

 ふと零した愚痴に少し離れた距離で実体化したヴィルムがそう答える

。首を容易くやってやる程、ヴィルムは聖人などではないし、そもそも首をくれてやるなど正気の沙汰ではない。

 

「……あまり本調子にはなれんのでな。殺すのは無理でも拘束はさせてもらうぞ」

 

 そう言って、ヴィルムは片手を伸ばす。それ自体は何ということのない行為で、別段掌から何かが出ると言う訳でもなかった。

 咄嗟に警戒し、腰を低くいつでも駆けられるようにしていたアルファは内心怪訝に思ったのだが、すぐにその意味を知ることになった。

 

「ぐ、ああぁぁッ!!」

 

 ディケイドの苦悶に満ちた声。それを聞いてアルファが振り返ると、全身を紫の炎のようなエネルギーが噴き出しているディケイドの姿がエメラルドの複眼に映り込む。

 

「こ、これは……あぁッ!!」

 

 何とかしようとするが、どうしようもない。

 最初は各部位から出ていた炎は瞬く間にディケイドの全身を包み込んでしまう。その頃にはもう、ディケイドの声はなかった。

 

「死にはせん。が、この世界から消えてもらう」

 

 そう言い、開かれた掌をグッと握り締めるヴィルム。瞬間、そのエネルギー諸共ディケイドの姿はそれが幻影だったかのように一切の痕跡も残さずに消え失せてしまった。

 

「どうなってる?! 何をしたァァッ!!」

 

「そう喚くな。座標の異なる空間に送り込み拘束したに過ぎん。今この場で殺せない以上、こうでもせんと余計な介入をして来るからな。では

、いずれまた会おう」

 

「待て!」

 

 アルファの制止を意に介さず、ヴィルムはその身体を粒子状へと変換させ逃亡。残されたのは、アマゾンの変身を解き、悔しさを滲ませる鷹山だけとなった。

 

「クソッ……また逃しちまった」

 

 悪態を吐くが、ヴィルムという存在自体が異質過ぎるイレギュラーだ。

 ヴィルムが本気を出せば、アマゾンとしての感覚など役に立たなくなる

 気配。臭い。痕跡。それら全てを残さず感じさせず、また認識することさせずにその寝首を掻く事など、ヴィルムには造作もない事。

 敢えてわざと門矢士の前に現れたのは、自身にとっては害虫に等しい門矢士の駆除を目的としながらもスターエンティティを取り込んだ己の性能を試す実験を兼ねた思惑の為に過ぎない。

 そんな相手では、遅れを取ってしまうのも無理はない。ともあれ、一つだけ確かな事がある。

 生死はどうあれ、門矢士が今後この世界に介入することは……無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁ…………マジで消耗半端ないなぁ」

 

 拠点であるコスモスへと戻ったヴィルムことナオミは、ラマルククラブに設けられた生地が赤く外枠が白い椅子へと腰を下ろし、深い溜息を吐き出す。

 スターエンティティという僅かでも強大なエネルギーを得て運用した自身の性能自体は申し分ないのだが、僅かであるが故に消費が激しく、

 安定していないせいで身体に負荷が掛かってしまう点が見受けられた。

 これではフェイス2以上のフェイスは今後二、三回程度しかできないだろう。

 

「……やっぱり必要だね。スターエンティティ本体が」

 

 この問題の解決は生半可な代替案などでは解決できず、やはりスターエンティティそのものを何としてでも探し出し、手に入れなくてはならない。

 

「失礼します」

 

 自動ドアが開き、平坦な声が室内に響く。

 その声の主は銀髪をストレートに伸ばし、口元を黒いマスクで覆った一人の少女だった。

 ゼロツーやナインズが纏う赤いパラサイトスーツによく似たスーツの上に白衣を纏い、口元を含めた顔の下半分をマスクで隠してはいるが、何の感情も湧いていない無機質な雰囲気が嫌でも伝わって来る程にテンションは平坦で、向ける眼差しには暖かみとは真逆の冷たさを垣間見せている。

 彼女の名は『シャジュ』

『ルージュ・セルヴァン』と呼ばれるシリーズのクローン技術で鋳造された人間である。

 シリーズとあるように彼女以外にも何十体もおり、ナインズたちの補佐や監視を主な任務としている。

 ルージュ・セルヴァンはその全てが少女で構成されており、その逆に戦闘方面での戦略実行と補佐を行なっている男性版の『ノワール・セルヴァン』と呼ばれるシリーズが存在する。

 いずれにしろ、役割や性別は違えどクローン人間という点では、ほぼ同じ存在と言っていいだろう。

 

「例の暗号解読に半分ほど進展がありました」

 

「半分ねぇ〜……まぁ、そん位は掛かると思ってたけど、まだ半分か〜」

 

 嘆くしかないとばかりに天井を仰ぎ、手を顔に置いては不満を惜しみなく吐き出す。

 あの日、13部隊の前例のない休暇という日に廃屋の館で手に入れた"スターエンティティの真の在処"がデータとして収まっているUSBメモリ

 その"本物"の中身は幾重にも複雑な暗号化のセキュリティによって守られており、解読は困難を極めていた。

 

「まぁまぁ、上出来と言っておくよ。けどね〜半分じゃダメダメだよ。アレはきちんと完全に解読しないと分かんないからね」

 

「そんなことは分かってます。今、解読班が頑張って取り組んでいるのですらから駄々を捏ねないで下さい。ウザいです、控えめに言って」

 

「えぇぇ……それで控えめなの? 充分辛辣じゃん〜!!」

 

 クルクルと椅子を回し、不貞腐れる。

 その姿からはヴィスト・ネクロやAPEを欺き、見事手玉にとってきた悪しき黒幕としての格も雰囲気もあったものではない。

 そんな彼女の姿に呆れたのか。あるいは怒りを覚えたのか。両眼目蓋が細くなったシャジューの視線から逃れようとすぐ話題を切り替えた。

 

「と、とにかく! 解読班を仕切ってるエータに伝えといてよ。『なるべく早く頼む』ってさ」

 

「善処します。では失礼します」

 

 決して了解とは言わず、限りなく近いが遠い類の返答をする彼女は、やはり無表情でその場を後にする。

 終始表情を変えないその無機質な姿勢はナオミから見れば、生真面目過ぎて面白味に欠けていた。しかし、それでも彼女はAPEのヒトモドキとは比較にならないほど人間味のある個性の持ち主だ。

 少々毒舌混じりだが、上であれ下であれ、それこそ事実上トップの者であるナオミに対しても

 こうするべきという意見があればハッキリと口に出して指摘し、様々な事象や対処における行動力も他の『ルージュ・セルヴァン』にはないものがある。

 そう言った面はナオミにとって実に好ましいと思えた。

 

「邪魔者のディケイドは消えた。ディケイドなしでどう足掻くんだろう……ふふ、あははは! すっごい楽しみなんですけど!!」

 

 嬉々として笑う姿はまるで、楽しい事を前に浮かれる子供のようだ。

 もっとも。彼女の言う楽しみとは残酷を絵に描いたものだが。

 しかしそれを指摘する者などおらず、ナオミはただの少女のように活気よく笑う。

 笑って、笑って。ひたすら笑い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、あんなことしたの?」

 

 普段ならコドモたちが談笑する宿舎のラウンジだが、今回に限ってはそんな空気はない。

 何故か、問われたなら原因は一つしかない。

 イチゴに睨まれながらも表情を変えない一人の少年……『ミツル』にあった。

 

「その件に関しては既にハチさんに言いました。わざわざ貴方に言う必要ってありますか?」

 

「私は隊のリーダーよ! 理由を聞かないなんて無責任なことはしないし

、何よりイクノにあんな無茶をさせて、黙ってるなんてありえない」

 

 部隊のリーダーだから。そして仲間が仲間を傷つけたも同然な行為を見て何もしない道理は、彼女にはない。

 だが、そんな彼女の思いをミツルは鼻で笑う。

 

「でも倒せたんですよ? それに僕らは命がけで戦ってるんだ。多少の無茶は大目に見てほしいですね」

 

「そんな言い訳ッ!」

 

「事実、ヒロは無茶し放題じゃないですか。彼は良くて僕はダメなんですか?」

 

 そう言われると、イチゴは言葉が詰まってしまう。今までを振り返ってみれば、確かにヒロはかなり無茶をしている部類に入る。

 しかし、ヒロには多少の無茶をできるだけの理由がある。

 

「ああ。ダメだな」

 

 コドモたちの会話に鷹山が突如入って来る。その面持ちは気怠げながら目に宿す眼光は鋭さを帯びていた。

 

「あ、鷹山さん」

 

「独りよがりのバカを俺は結構見てきたが、ミツル坊ちゃんもその類だったとは。いやはや……これは、ねぇ」

 

「……随分はっきり言ってくれますね。何が足りないと言うんです?」

 

 やや棘の篭った反抗的意見がミツルの口から出てきた。

 いきなり話に割って入ったというのもあるが、それよりも鷹山の言動自体が癪に障ったからだ。

 まるで、ミツル自身を否定しているかのような。独善的な愚者だと罵っているに等しい鷹山の言葉がミツルの琴線に触れたのだ。

 そんなミツルに対し、鷹山は答える。

 

「ヒロはアマゾンライダーになれる。通常のアマゾンよりもスペックは高く、アマゾンとしての再生能力や治癒力も通常個体より抜群だ」

 

「だから無茶していいと?」

 

「そうだ。人間とアマゾンとじゃ、色々違うんだよ。そこら辺はもう解ってると思ってたんだが?」

 

 人間とアマゾン。例えばの話、双方共に戦闘経験や技術を持たない人と獣人が戦えば、一体どうなるのか。

 答えは単純……獣人が圧倒的だ。

 スペックが違い過ぎるという点が最大の理由であり、知恵を存分に活かした戦術でカバーしない場合を除いて、どうにもできない圧倒的な種としての差だ。

 おまけにアマゾンライダーはその上を行くというのだから、ますますまともにやり合って勝てる相手ではないことは明白。

 

「だからなんですか。そんなことが理由になるとでも?」

 

「事実を言ってるだけだが? そもそも無茶をしたのはイクノの嬢ちゃんであって、お前じゃねぇよ」

 

 鷹山は、反論する暇も与えず続ける。

 

「正確に言えば、お前がさせたってのが的確か? 人様の力をさも自分の物のように誇れる精神は、ある意味見事だな」

 

「ッッ……それでも! 叫竜を倒せたのは事実です!」

 

「ああ。そうだな。全部イクノの嬢ちゃんのおかげだ」

 

 徹底的にミツルを否定する鷹山。

 だが、彼の言い分は間違いではないし、むしろ今現在において間違いを犯しているのは紛れもなくミツルだ。

 イクノは、フランクスのフィードバックによるダメージで医務室へと運ばれ、今現在の容態は安定しているが、下手すれば彼女は命を落としてもおかしくなかった。

 それが何を意味するのか……分からない筈はない。

 

「もし、パートナーが死んだ時、お前はどうケジメをつけるつもりだ?」

 

「ケ、ゲジメ?」

 

「責任を取れって言ってんだよ」

 

 ここまで淡々と飄々だった口調に、怒りの色が滲み始めた。

 

「パートナー殺し。この意味が分からないお前じゃないだろ? ハチにもそう言われた筈だ」

 

「な、なにを……」

 

「殺すなら殺される覚悟持て……って刃兄は言いたんでしょ?」

 

 鋭く、的確で、容赦の一片もない言葉がミツルの心に突き刺さる。

 それを言ったのは他でもない……ゼロツーだった。

 

「殺される、覚悟?」

 

 訳が分からない。

 ゼロツーの言葉を反芻するミツルの顔は、まさにそんな表情だった。未だ理解が及ばないミツルに対し、ゼロツーは冷めた目で続ける。

 

「殺そうとしたなら、自分もそうされる覚悟がないとダメだよ。少なくともボクは、それを持ってるつもりだよ」

 

「ふざけないで下さい! 僕は叫竜を倒したのであって、イクノを殺そうなんて考え」

 

「だから、さ」

 

 少し苛立ちを込めて、さも面倒だと言わんばかりの雰囲気を纏わせてゼロツーは語り出す。

 

「負担させるってことは、命を削らすってことになるんだよ」

 

「……」

 

「ボクは、それを今まで色んなステイメンにして来た。ボク自身の目的の為に……」

 

 ゼロツーの独白に13部隊は何も言えず、ただ見守るしかない。ヒロでさえ、それは変わらなかった。

 

「そうやって、ボクはステイメンを殺して来た。だから、ボクはいつ死んでもいいし、死ぬことを恐れない。恐れてはいけない。それが殺して来たパートナー殺しである自分の背負うべき覚悟で、ボクのケジメなんだよ」

 

 ゼロツーは、これまで己と共に戦い、死んでいったステイメンを覚えている。

 自分と乗るということは、命を削らせ、意図していなくても殺すのと何ら変わりない。

 それを理解しているからこそ、ゼロツーはミツルに言うのだ。

 殺される覚悟を持て、と。

 

「ッ!」

 

 責任を追及するかのようなゼロツーと鷹山の冷たく突き刺さる視線。それから逃れたいとばかりにミツルは何も言わず……言えず。

 勢いでその場から走り去ってしまった。

 

「ミ、ミツル!」

 

 ヒロが呼び止めるが、止まらず。沈んだ空気がラウンジ内に漂い始めた。

 

「あれま。コイツは重症だな」

 

「……今のはさすがに言い過ぎですよ、刃さん」

 

 呑気な口調で言う様にやや苛立ちを覚えたヒロが鷹山にそう言う。だが、当の本人は何処いく風だ。

 

「かもな。だがあれ位言っておかないと……どっかしらで後悔する。釘刺しておくのは必要たぜ?」

 

「……ゼロツーも。言い過ぎだし、それに自分を卑下するような言い方はしないでくれ」

 

「……ふふ、優しいね。ダーリンは」

 

 ゼロツーは笑う。いつもの飄々とした部分はあるが、どうしてか悲しそうにも見える。

 

「でも本当のことだから。ボクは、パートナー殺しのピスティルで、どうしようもない化け物なんだ」

 

 大好きな棒付きキャンディーを口の中で舐めながら転がして言うことではないのだが、それでも、まるで気にしてはいない様子でゼロツーは語る。

 

「だから、さ。もしダーリンが死んで、ボクだけが生き残ったら……その時は、潔くみんなに殺されてもいいよ」

 

 ゼロツーは、屈託のない笑顔で、それが正しいのだと本気で思っているのか。その真意は……他でもない彼女しか知り得ないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







・ルージュ・セルヴァン

短期間での量産が可能なクローン人間。原作におけるナインズのζ、
η、θ、この3名そのまんまの姿をしており、明確な女性としての
性別が存在する。
名前の由来はフランス語で『赤い従者』。つまり原作アマゾンの女
性戦闘員こと『赤ジューシャ』のオマージュ。
男性版のノワール・セルヴァンは『黒ジューシャ』から。
今回登場したシャジュは『従者』が由来。





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