この素晴らしい世界にΨ難を!   作:さい

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一年以上も放置してしまい本当にすいませんでした!ようやく続編が書ききれました!



女神エリスからのΨ難。

新しく仲間に加わったダクネスとめぐみんの3人で遅めの昼食を酒場で取っていた。

 

ダクネスを仲間に入れたその日から誰かに見られている感じがしていた。ダクネスは隠しているが大貴族だ、だから最初は隠れて護衛でも付いているのかと思ったがそれは違ったようだ。やれやれ本当にめんどくさい事になってしまった。その日、僕は確かめることにした。誰が僕達を付けているか。

 

ダクネスとめぐみんと別れた後、千里眼を使って僕の後を追っていない事を確認する。顔や容姿は既に酒場で確認済みだ。おいおい覗きなんて人聞きの悪い事を言うじゃないぞ。僕は僕を付けているやつを確かめただけだ。それがたまたま女だったがそんなものは些細な事だ。

 

千里眼を使うとダクネスと一緒にいる。どうやら知り合いのようだ、やれやれもう少し早く気付いていればダクネスをパーティーに入れなかったんだがな。瞬間移動で移動して近くの建物の影に隠れる。話し声が遠くて聞こえないがテレパシーで全て聞こえている。話していない内容すらも。ダクネスと一緒にいる銀髪の女の子がきな臭い。透明化をしたまま会話が聞こえる距離まで近づく。

 

「それでさ、ダクネスは今のパーティーをどう思ってるの?」

 

「な、なんだ藪から棒に。気に入っているさ、みんなこんな私にも良くしてくれている」

 

「そっか。ダクネスがそう言うなら良かったよ。あ、そうだ今日少し用事があったの忘れてたよ」

 

「何!?それは大変じゃないか」

 

「うん、ごめんねダクネス。また明日ね!」

 

「ああ!先程行っていた通り皆んなにクリスを紹介しよう!きっと仲良くしてくれる筈だ!」

 

不味い。こんな感覚は久し振りだ。テレパシーでクリス?という銀髪の女の子の声を聞いてすぐに瞬間移動を使いたくなったが止めた。どうせ明日会うなら今、解決しておいた方が良いだろう。

 

「...ねえ、ダクネスはもう行ったから姿。見せてくれないかな?」

 

透明化を見破ったのは鳥束以外では初めてだ。

 

お前は何者だ?

 

「聞かなくても分かってるんじゃないかな?」

 

詳しく言うと違う。テレパシーはあくまで相手が心で考えていることを聞くことが出来るだけで知りたい事を知る能力ではない。だから確認に来たんだ、お前が誰なのかということを。今のやりとりで分かってしまったがな、やれやれ本当にめんどくさいものだ。

 

「ふーん、そっか。これはお願い。いえ少し違いますね、強制的な約束となりますね。私のことは誰にも言わないでください」

 

急に態度が変わったクリス。私の事というのは、女神である自分のことを言わないでほしいということなのだろう。そもそもこんな話誰に話したところで信じる筈がないし、めんどくさいから話す事はないな。

 

「ふう、良かった。君のことは知っていたよ。アクア先輩は、あ、アクア先輩っていうのは」

 

一度会ってるから説明はいい。

 

「そっか。そうだよね。この世界に来てるってことは、アクア先輩に会ってる筈だもんね」

 

それより僕の能力について知っているようだが誰に聞いたんだ?この世界に来てから、僕は大人しかった筈だ。少し飛んだり、瞬間移動したりしただけだ。あとは終始発動している透視とテレパシーくらいだ。...いやこの世界に来た時に念力を少し使ったか、やれやれやむ得ない事情があったにしろ使うところは見極めないといけないな。

 

「いやいや少し飛んだり、瞬間移動するのは大人しかったとは言えないからね!?むしろ念力の方が少しじゃない?はあ、気になってるみたいだから言うけど私達女神は死んだ者の過去を見ることが出来るの。どう言う経緯で死んでしまったのか、とかね。まあ悪人もたまに流れてきちゃうからその予防線。アクア先輩は何故か確認してなかったみたいだけど、この世界に来た時に君の過去を確認してるんだよ」

 

そうか成る程。それで知っていたのか。

 

「うん。それでテレパシーなんて持っていたら私の事バレちゃうから釘を刺しにね。まっ女神って言われても誰も信じないし残念な人って思われるだけだけど。あ、それとあんまり此方に来た人に前の世界の事を教えるのはいけないことなんだけどね。君は君の力の暴走によって死んでしまった。だけどね意思の無い状態でも周りにいた友達は皆んな無傷だったよ。君に対して皆んな涙を流してた。勿論家族もね。だからかな。こんなにも慕われてる人ならボクの秘密も守ってくれるって思ったのは。それじゃ、また明日ね!ダクネスの事よろしくね!」

 

ふ、女神が地上に降りて来ていることは内緒にしておくか。まったくやれやれ。

 

「無事だっ「あ、あ...あぁぁぁぁああああ!!」」

 

「異世界だ。おいおい、本気で異世界だ!え、本当に?本当に、俺ってこれからこの世界で魔法とか使ってみたり、冒険とかしちゃったりすんの?」

 

先程まで誰もいなかった場所に突然現れた男女。喋っている言葉を聞く限り男が僕と同じ転生者だ。しかし...どうして隣に女神アクアがいるんだ?

 

「アクア先輩?どうして?」

 

女神は自由に下界に来られるのか?

 

「来れる筈無いじゃないですか!天界規定に定められているんですから!」

 

叫ぶクリスは焦っているのか口調が女神であるエリスに変わっている。つまり、あそこにいる転生者が特典で女神であるアクアを選んだのか。

 

それは有りなのか?

 

「有り...なのでしょうね」

 

こめかみに手を置きながら困っているクリス。

 

「はあ...アクア先輩が来ちゃったって事は、動きにくくなっちゃうなぁ。ああ、君は聞いちゃったけど本来女神は下界に来てはいけないの。バレるのが一番駄目だけどね。私の場合は転生者が持ってくる特典が死後も残っていて世界のバランスを崩してしまうから回収してるの。武器なんかは、何処かの家の秘宝になっていたりダンジョンの奥に眠ってたりするから回収も中々進まなくてね」

 

それは大変だな頑張ってくれ。それじゃあ僕は帰らせてもらう。

 

「え?ここまで聞いたら回収手伝ってくれるんじゃないの?」

 

どうしてそうなる。僕はめんどくさい事が嫌いなんだ。

 

「お礼もするからさ!ね?」

 

ね?じゃない。僕は絶対に探さないからな?

 

「君の世界に存在しなかった超高級コーヒーゼリー...これでどうだい?」

 

ふ、僕も甘く見られたものだ。コーヒーゼリー一つでこの僕が動くはずがないだろう。

 

その依頼受けよう。

 

いや別に元の世界に存在しなかったコーヒーゼリーに乗せられたわけじゃない。僕は常識人として世界の均衡を保つために動くのだ。

 

「そっかー!ありがとねサイキ君!それじゃアクア先輩達もどこかに行ったみたいだしこれで!またね!」

 

先程まで騒いでいた二人は既に移動したのかいなくなっておりクリスもスキップしながら帰っていった。

 

翌日。

 

冒険者ギルドに行くとめぐみんとダクネスは既にいつもの席に座って朝食を食べていた。

 

「あ!サイキ、昨日はどこに行っていたのですか!?あれから凄い事が起こったのですよ!」

 

凄い事?

 

「昨日冒険者登録をしにきた男女のペアがいたんだが、その一人は最初から上級職になれるステータスで大騒ぎだったんだ」

 

男女のペアということは昨日見た転生者と女神の事だろう。

 

それでどちらが上級職になったんだ?

 

「女の方でしたよ、男の方は幸運の数値が並外れて高くはありましたが幸運なんて冒険者に必要有りませんし、商売人に向いていると言われていたくらいです」

 

「本人の希望で冒険者を選んでいたがな」

 

転生者が高ステータスで始まるという王道では無かったんだな。

 

「オウドウ?なんですかそれは」

 

何でもない。

 

「それでもう一人は上級職のアークプリーストになった、というわけだ」

 

「あ、ダクネス。ごめんね遅くなっちゃって」

 

「おお、クリス。待っていたぞ!皆紹介させてくれ、私の親友のクリスだ」

 

「クリスです♪よろしくね、職業は盗賊をやってまーす」

 

「名乗ってもらったからには此方も名乗らなければいけませんね!我が名はめぐみん!誇り高き紅魔族であり史上最強の攻撃魔法。爆裂魔法を操りし者!」

 

爆裂魔法しか操れない者だけどな。

 

「う、うるさいですよ!サイキ!」

 

僕の名前は斉木楠雄。

 

「それだけか?」

 

他に何がある?

 

「あはは、大丈夫だよダクネス。サイキ君の噂は耳にしてたからね」

 

「そうなのか?クリス」

 

「うん。何でもね最初は上級職になれる高ステータスなのに冒険者を選んだり高難易度のクエストをいくつも一人で達成したりね」

くっこのタイミングでその話をするなんて、僕に喧嘩を売っているようだな。この話は、めぐみんやダクネスは知らない。それをこの二人の前でしたら。

 

「そんな話始めて聞きましたよ!サイキ!どうしてこの私を誘ってくれないのですか!?」

 

「そうだぞ!一人で高難易度クエストを受けるなんてうらやm、危ないではないか!!確かに戦力面では役に立たないのかもしれない。だがせめてモンスターの盾に使ってくれ!はぁはぁ」

 

「ちょ、ダクネス。少し落ち着いて?」

 

この二人を誘わなかったのは理由がある。

 

あまり周りの人に超能力を見せたくなかったという理由と、この二人を連れて行くと効率が悪いからだ。一人なら瞬間移動や空を飛んで迎えるが二人と一緒だとそれが出来ない。

 

お金の余裕が欲しくて空いた時間にやっていたことだし問題ないと思っていたが...バレるとこんなにもめんどくさいとはな。やれやれクリスも余計なことを言ってくれたものだ。

 

正直二人とも虫対策要員だ。それ以外は僕一人だけでどうにかなる。めぐみんの爆裂魔法で一掃してもらうのも楽だが。そういう多人数倒すクエストは、一人の時には受けていない。だから爆裂魔法も特に必要じゃなかった。

 

「そ、それなら仕方ないですね...我が爆裂魔法を使うに値しなかったという事ですもんね!」

 

うん、そうそう。

 

「それじゃあさ。今から少し高難易度のクエストを受けないかな?私も一緒に行ってみたいし、今日だけパーティー組んでもらっちゃ駄目かな?」

 

駄目だな。今日は忙しい。

 

「クリスが一緒なら心強い!私は賛成だ!」

 

「サイキ、今日予定なんてありましたか?無かった筈ですが...私は賛成です」

 

用事なんて無い。ただめんどくさいだけだ。

 

「サイキ君、もしかして私と一緒じゃ嫌だったかな...」

 

凄いな、一言でギルド内の男女問わず敵にした気分だ。これが女神の力なら照橋さんも同じような力を持っていたんだな。

 

分かった、一緒に行くことにする。

 

「やったー!サイキ君ありがとね!」

 

表ではこんなことを言っているが裏では、僕が行くようにわざとしたことがバレバレである。何が女神だ、僕の能力を理解している分、照橋さんよりもタチが悪い。神に愛された照橋さんが女神なら目の前の女神はさながら悪魔に見えてくる。まさか照橋さんが可愛く思えてしまう時がくるなんてな。やれやれ本当にめんどくさいな。

 

「サイキが意見を変えるなんて珍しいですね」

 

ジト目で見るな。そういう理由じゃ無い。

 

「それにしても、用事の方は大丈夫なのか?サイキ」

 

ああ、問題ない。最初から用事なんてないからな。

 

「そうか!これで全員でいけるな!」

 

「そうですね!私もサイキがいないと1日に一回しか爆裂魔法が撃てないので良かったです!」

 

あ、おい...。

 

「サイキ君がいると爆裂魔法を二回撃てるの?」

 

「はい!よく分かりませんが魔力が一瞬で回復するのです!ああ!爆裂魔法が二回も...サイキ!いますぐいきましょう!!今すぐ爆裂魔法を撃ちたいです!」

 

「へえ〜それは凄いね♪」

 

クリスはこの世界に来る前に、僕が使っていた力はある程度知っているだろう。だが逆にこの世界に来る前に使ったことのない能力なら知らない筈だ。

 

前の世界でも何回か使った事があるがそれは、壁を直したりタンスの角に小指をぶつけた怪我を治したりしただけで能力の内容は知らない筈だ。だが魔力が一瞬で戻ってしまうと時間の巻き戻しだと気付かれてしまう可能性がある。

 

これ以上余計なことを言われる前にクエストを受けに行くか。

 

「それではそろそろクエストを受けに行きましょうか!」

 

「そ、そうだなめぐみん。何故か分からないがいつもよりやる気だな」

 

その理由はサブリミナルを使いクエストと爆裂魔法という単語を複数回囁いたからだ。

 

「よーし!私も頑張るよ!」

 

「今日はいつもより爆裂魔法を撃つのです!」

 

残念だがそれは無理だ。

 

「えー!どうしてですか!?」

 

何故なら今回向かうクエストは、ダンジョン探索だからだ。

 

 

 

 

 

最近低レベルの冒険者がよく使うダンジョン内に隠し扉が発見された。そのダンジョン内は、高レベルのモンスターが数多く存在し、高レベルのモンスターが外に溢れでてきてしまわないか心配だということでクエストの依頼をもらっている。

 

「どうしてダンジョンなのですか!ダンジョンでは私なんて何も役に立てないではないですか!」

 

ほお理解はしているんだな。

 

「当たり前じゃないですか!ねえ、サイキ?やはりダンジョン探索は辞めて他の依頼にしましょうよ。ダンジョン以外なら何処にでもいきますから!」

 

ダンジョンの入口まで来たのに、未だに騒いでいるめぐみんは放っておくとして一番の問題は楽しそうに準備している女神であるクリスだ。ダンジョン内なら薄暗いから誤魔化せると思ったが甘かった。どうやら暗くてもよく見えるようだ。

 

「な、なあ。サイキ、めぐみんが可哀想になってきたのだが...」

 

ならついて来なければいい。元々このクエストは、僕一人で受けようとしていた物だ。この依頼をパーティーで受けると女性店員さんの目が死んでいたのを僕は見逃さなかった。そこまでパーティー内の二人に問題があるようだ。

 

「まあまあ、今回は私もいるからさ!」

 

君がいるから心配なんだ。

 

「二人とも...ありがとうございます!」

 

「安心してくれ。めぐみんは私が命をかけて守ろう!」

 

なんだこの盛り上がりは...。この洞窟の先に何があるのか分かっているからこそめぐみんは置いて行きたかったんだがな。やれやれ本当にめんどくさい。

 

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