俺は決断を迫られた。だが、答えることができなかった。
「なんて顔してんだ」
「ああ、ノーヴェか.....いや、スカさんがな...」
彼女はノーヴェ。スカさんの娘達の中でもよく俺と話す子だ。
「なるほどな」
「期待した俺が馬鹿だったよ」
何処までも自分自身がスカさんに期待していた事に少しイラつきを覚える。仕方がないといえばそれで済むのだがな。
俺はスカさんの元を離れてキッチンに向かっていた。なんだかんだ言っても自分はかなり料理のできる方だと思う。明らかにスカさんよりかは。
以前スカさんの作った料理を食べたことがあるのだが、見た目は完璧なのだが味が.....
「うぷっ」
「どうした!?大丈夫か!?」
思い出したら少し気分が悪くなってきた。ノーヴェに背中をさすられながら一命をとりとめる。
「ありがとう、ノーヴェ。少し楽になったよ」
「それならいいんだがな」
この後、全てが変わってしまうなんてこの時の俺は考えすらしなかった。
『巧君~!遂にボトルが出来上がったよ~!』
「マジか!?すぐ行く!!!」
「転ぶなよ~」
基地に響いたスカさんの声に俺は反応してスカさんの元へ走り出した。
「ヒャッホホホホホホホホホホホ、ヒャッホイ!!!!」
ビルド本編の桐生戦兎の様に叫けびながら
______________
「フェイトちゃん、ここに行って来てくれるか?」
「! ここって....」
機動六課の隊長、八神はやてはある書類をフェイトに手渡した。
「そこにフェイトちゃんの思い人がいると思うんや」
「ふぇ!?」
フェイトはわたわたし始める。これも全てタヌキの策略である。
「ち、違うよはやて。お兄さんは、その.....」
「やっぱり気になってるやないか~」
それに気付いていないフェイト。只々はやての玩具にされている。暫くするとはやてはフェイトをいじるのを止める。
「ふぅ、満足や....」
「もう、はやては.....」
そこから今回の任務について詳しい内容を話し出した。
「それじゃ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
今回の任務はスカリエッティの基地と思われる場所へ潜入する事。
そしてそれをフェイトただ一人で行うという事。気合十分にフェイトは隊長室を後にした。
はやてはフェイトが来た為に停止させていた記録映像を再び再生し始める。
「漆黒の破壊者か....一体何者なんや?」
あの日、エイミィが残した漆黒の破壊者が初めて現れた時の記録を観ながらたった一人の部屋で呟く。
リインフォース・ツバイが報告に来るまではやてはその記録映像を再生し続けた。
はやてが再生し続けたお陰で動画内だけで何十体ものの巨大アリジゴクが犠牲になったのだった。
何だかんだ言って彼?が一番の被害者なのかもしれない.....
ま、魔法少女を襲ったんだから慈悲もないよネ!