農民でも王女を救えば勇者になれますか?   作:甘い苦瓜

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こんにちは甘い苦瓜です。

今回も短いですが、段々と多くしていく予定なのでよろしくお願いします。


第1章
王女は花を摘みたかったんですか?


俺はシオン。農民だ。

 

本当に特徴もないごく普通の農民だ。

 

そんな俺の目の前には赤い顔をした、白いドレスを着た12歳位の少女がモジモジしながら立っていた。

 

少女は金髪碧眼で髪は長く、全体的にお上品な衣装でいかにもお嬢様といった感じだ。

 

色々言ったがつまりは可愛いってことだ。別にロリコンじゃないです。

 

「お前はここの人じゃないよな?」

 

つい脅しっぽい口調になったが、多分大丈夫だろう。

 

「あ、あの…!お花摘みに行かせてください!」

 

花か…花の冠でも作りたいのかな?

 

「花畑なら、そこの林を抜けた先だけど連れて行こうか?」

 

「えっ?あ…いや…違います…」

 

少女は首を横に振る。

 

花畑に行きたいって訳じゃないのか…

 

なるほど分からん。花摘む場所って花畑くらいだろ。

 

俺が回答に困っていると、

 

「ト、トイレを貸してください!」

 

少女は大声でそう叫んだ。

 

「あ、はいどうぞ!そこの家入って奥にあります!」

 

びびって敬語になったが、それよりもお花摘みってトイレって意味だったんだね。

位の高い人はそう言うとか聞いたことあったな。貴族か何かなのかな?

 

家に入っていく少女を見送り、暇潰しに農作業でもしようかと畑を見るとそこには変な黒い人型の物体が倒れ込んでいた。

 

「なんだこいつ…」

 

俺は木の棒でそれを突くと、黒い物体はその木の棒を掴んだ。

 

「お前は人間か?」

 

「喋ったし!」

 

何?こいつ悪魔か何か?

 

弱ってるみたいだし、悪魔は殺せば高額の金が貰える。

このチャンスを見逃す訳にはいかない!

 

俺は小刀を取り出し、悪魔に向かって突き刺す。

 

「いや、ちょっと待っ…」

 

その悪魔を倒すとなぜか形も残らず消えてしまった。

 

「何で消えんだよ…せっかくの金が…」

 

俺が項垂れていると金髪の少女が戻ってきた。

 

「あの…どうしたんですか?」

 

「うん?ああ。なんか弱ってる悪魔が畑に倒れ込んでいたから殺したんだよ。そしたらどこかに消えたんだよ!せっかくの大金のチャンスがぁぁぁぁぁぁ!」

 

「えっ?それって多分魔王です」

 

少女はいきなり変なことを言い出す。

 

「あの?お嬢ちゃん?魔王って勇者が戦うあの魔王のことだよね?」

 

「そうですよ。あの魔王です」

 

意味分かんない。

 

「ちょっと何言ってるか分かんない。詳しく説明プリーズ」

 

「私にも分かりませんよ!本来なら私達王族の強化魔法がないと魔王は倒せないんですよ!何で農民のあなたが倒せるんですか?嘘ですよね⁉︎嘘と言ってください!」

 

少女はいきなり俺の肩を揺さぶり始めた。

 

「ちょ…ちょっと待った!今、君王族って言ったよね⁉︎」

 

俺がその言葉を発すると少女は冷や汗を出しながら固まった。

 

 

 

 

 

 

俺が少女を連れて家に入ると何故か臭かった。

 

「あの…何でこんなに変な匂いがするのでしょうか?」

 

俺は赤い顔でそっぽを向く少女に聞く。

 

「さてはお前…「それ以上は言わないで!」

 

だそうです。

 

「いや、勘違いしないでください!別に間に合わなかった訳じゃないですから!証拠に服が汚れてないじゃないですか!」

 

「漂白魔法って知ってる?」

 

俺が反論する少女に聞くと少女は諦めた顔で、

 

「誰にも言わないでください…」

 

「大丈夫。なんかもう会わない気がするから」

 

「いや…これから毎日会いますよ」

 

いきなり告白ですか?今の子供って進化してますね。

 

俺の親友とか告白するか散々迷っていざ告白しようとしたら、直前で倒れたのに。

 

俺が返事に迷うと、少女は真面目な顔で、

 

「あなたは私の名において勇者に選ばれました。これから私と共に行動してもらいます」

 

いやいやこの子何言ってんのかな?

そもそも勇者はまだ魔王と戦ってるだろ。

 

「勇者が魔王になる話を知ってますか?」

 

「ちょっと待った。俺が本当に魔王を倒したのか?だとしたら俺が魔王になるはずだろ?その話通りなら」

 

「私が漂白ま…トイレに行ってる間に魔王の反応が消えました。つまりは魔王が倒された」

 

今自白したな…

突っ込むとキリがないので突っ込まないでおこう。

 

「魔王は私を追いかけてきました。前の勇者さんが足止めしたかもしれませんが、多分転送魔法でも使って振り切ったと思われます。そしてあなたは私を追いかけてきた魔王を倒したとすれば全ての辻褄が合います。魔王は死体が残りませんので」

 

「俺が魔王にならなかったのは勇者じゃないからか?なら今の勇者が魔王になっている。そういうことでいいんだな」

 

少女は頷き、頭を下げる。

 

「この国。いやこの世界のために勇者になっていただけませんか?」

 

そんな少女に俺は一言

 

「嫌だね」

 

「えっ?ええ…どうしましょうか…既に勇者になる魔法はかけたんですけど…」

 

なんてことしてくれてんだよ!俺には既に選択肢がなかったのか…

 

「…分かった。どうせやるしかないんだろ?俺はシオン。お前の名前は?」

 

すると少女は笑顔で、

 

「私はアリス。ハーベスト王国の王女アリスです」

 

とんでもない位の人だった。

 

 

 

 

 

 

 

少女、もといアリスは俺の向かい側に座る。

 

「あの?王女さん?今気づいたんですけど俺親がいるんですよ。家出と思われないですかね?」

 

「置き手紙でも置いてたら大丈夫ですよ。後敬語じゃないでいいです」

 

そう言うものかな…

 

「まずはこの村の近くにある初心者の街クラインに行きませんか?シオンさんは農民だから、戦闘経験もほとんど無いのでしょうし」

 

「街がどうとかいいけどさ、俺何で魔王を倒せたんだ?王族の強化魔法が必要なんだろ?」

 

するとアリスは少し考え込み、

 

「もうどうでもいいじゃないですか」

 

うわぁ…適当…

第一印象はお上品な少女だったのに…

 

「でも武器とか無いと駄目ですよね…」

 

「この剣でよくね?」

 

俺は愛用している短剣を取り出す。

 

「少々なら私も魔法が使えますし、クラインまでは距離もないですから大丈夫でしょう」

 

やっぱりこの王女は適当らしい。

 

「じゃあ早速行きましょう!」

 

あ、分かった。この子考えるより先に行動するタイプですわ。

 

いきなり立ち上がったアリス王女に引っ張られ、半強制的に俺は魔王討伐への第一歩を踏み出した。

 

「ちょっと待った!まだこの話は終わらせねぇぞ!」

 

なんかいい感じで終わりそうになったけど気づいたことがあった。

 

「この話?何言ってるんですか?」

 

「それは誰かに聞いとけ。それより転送魔法使えばいいだろ!」

 

俺は転送魔法が使えるカードを取り出す。

 

「その手がありました!じゃあ早速使ってください!」

 

「どこまで適当なんだよ。まあいいや。『転送』!」

 

俺は次こそ魔王討伐への第一歩を踏み出した。




始めに言っておきますが、王女さんは本当に漏らした訳ではないです。本当に。

値段の高い香水をこぼしただけです。

少しカードについて説明します。
主人公が使った転送魔法のカードですが、魔法を使えない人でも転送魔法が使えるようになるカードです。
特徴としては使い捨てで、魔力を持っていたら誰でも使えます。
転送魔法以外にも様々なカードがあります。
ついでですが転送魔法は一度行ったことがあればその土地を思い浮かべるだけで使えます。

今日中にキャラ紹介も出しておきます。
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