『おい、しっかりしろ!相棒!』
『嘘でしょ…。ねえ、しっかりしてーー君!』
俺を呼ぶのは、誰だろう。目を開けようにも開けられない。聞こえるのは、誰かの呼ぶ声だけ。
『ーー君!こんな、こんな事って…』
『先輩!しっかりしてください!』
『ーー先輩…。嫌だよ、私たちを置いて行かないでよ…』
『センセイ!目を閉じたらダメクマよ!』
『…ダメです。皆さん、もう先輩は…』
『ンだと、おい!ーー!お前は先輩が死んで寂しくないのかよ!!』
『僕だって、こんな事言いたくないですよ!!』
みんな、俺は…。…あれ?
みんなって誰だ?そして、
俺は誰だ?
ピーーーーーー
俺がこの世界で最後に聞いたのは、人間の死亡を宣告する無情な電子音だった。
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俺が次に目を覚ましたのは、霧の中を進む高級車の中のような空間で、俺はその場所の名前を辛うじて覚えていた。確か、ここの名前は…
「ようこそ、我がベルベットルームへ」
目の前の、鼻の長い老人が呟く。そう、ここはベルベットルーム。朧気にしか覚えてないが、何かの節目ごとに訪れた経験がある。
「死に際になってからここを訪れるのは、あなた様が初めてでございます」
そう言ったのは老人の右隣にいる分厚い本を持った女性。
「あなた様は不思議な人だ。現実世界で死んでなお、ここを訪れるという事は、恐らく、あなた様はまだ何かを成さないといけないのでしょう」
俺が成さなければならない事?待て、俺は確か前にもこんな事が…まずい、記憶が飛びかけてる。思い出せない、何が、起こってる?
「恐らくそれはーーーの仕業かと。現実世界の時間であなた様が亡くなられた時、自分の力とあなた様の記憶を代償に蘇らせると言っていたので」
蘇らせる?そんなことできる存在が俺が生きていた場所にいたのか?
「正確には、別次元への『転生』の形になりましょうな。ただ、場所や時間軸はどうなるか分かりませぬが。私どもの管轄外なもので」
すると、車の外から光が差し込んでくる。
「そろそろ時間の様ですな。では、あなた様の新たなる旅路が有意義なものになりますよう」
そこで、俺の意識は暗転した。
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次に目を覚ますと、そこは森の中だった。俺の今の服装を見てみると、どこかの学校の学生服を着ていた。持ち物は、竹刀袋に携帯、そして、顔写真付きの学生証らしきものだった。学生証を見てみると、どうやら自分の名前は「鳴上悠」と言うらしい。そして、ポケットから謎の紙が落ちた。
『悠へ
この手紙を読んでると言うことは、無事に生き返れたようね。気がついているかもしれないけど、あなたは自分の名前以外のほとんどの記憶を失ってるわ。それと、その竹刀袋の中身は私からのプレゼントよ。なんか、その世界物騒そうだったから刀を持たせたわ。でも、これだけは忘れないで。記憶を無くしても、絆は消えない。ーーーM』
Mなる人物が自分を蘇らせたらしい。完全に記憶が無くなったらしく、自分の名前以外何も思い出せない。竹刀袋を見てみると、確かに日本刀が一本あった。これを日本刀と認識できるということは、知識までは消えてないようだ。
色々考えていたその時、
「ねえ?」
振り向くと、金髪のロングヘアに黒いワンピースの綺麗な女性が佇んでいた。ここはどこかと、声をかけようとしたその時。
「あなたは、食べてもいい人間?」
またしても、自分を暗闇が包み込んだ。
主人公設定
・鳴上悠
種族:人間?
性別:男
年齢:20(物語開始時点)
初期装備:日本刀
詳細:八十稲羽に帰省していたある日、トラックに轢かれそうになっていた少女を庇い死亡。
と、思われたがある人物の力により自分の記憶と引き換えに別の世界で新たな生を受ける。
能力:???を操る程度の能力(分かる人には伏字の意味が無い)