俺こと
「いやー、まさかツヴァイウィングのライブチケットが当たるなんて思ってもみなかったな」
人気ボーカルユニットのツヴァイウィングのライブチケットは完売が当たり前であり金欠の俺には入手困難なものであった。
しかし抽選でチケットがあたるハガキの応募で運よく入手するができ幸運だったと思う。
「普段の行いがよかったからかな?神様ありがとう!!」
つい興奮して大声で叫んでしまい周りから注目を集めてしまった。
「あ、すいません……」
気を取り直しいざ列に並ぼうとしたとき。
「うええぇーーーー!どうして!?今日のライブって
さっきの俺より大きな声が聞こえてきた。
声の主は女の子だった。
「はぁ、わたしって呪われてるかも……」
その女の子は電話を切りそう呟いていた。
話の内容だとどうやら友人が来れなくなったみたいだ。
まあ、俺にはどうでもいいことだが。
そんなこんなでライブ会場に入ってしばらくすると会場が暗くなり曲が始まり天井から白い羽と共に二人の女の子が舞い降りてきた。
赤い髪の子は
二人の登場により会場が一体となりライブは大盛り上がりをみせた。
(ああ、来てよかった、生でのライブがこんなにすげーなんて……)
そう思った時に最悪の事態が訪れた。
ピコピコとふざけた音をだしながら現れたそれの名は……。
「ノイズだーーーーーー!」
誰かがそう叫んだ時には会場はすでに地獄絵図となっていた。
ノイズ、認定特異災害と呼ばれる
「ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!!」
俺はノイズ達にライブを台無しにされた怒りでノイズの出現による恐怖などどこかにいっていた。
「助けてくれぇ!!」
「死にたくない!死にたくない!死にたく……」
しかし周りにいた人達がノイズにより殺されていく様を見てしまい冷静になる。
(ノイズ共に怒りをぶつけようにも俺はノイズ触れただけで死ぬただの人間……逃げなきゃ死ぬだけか、クソが!)
俺はすぐに会場の出口に走り出した。
会場の出口付近ついた時には遠目からでもわかるほど人だかりが出来ていた。
誰も彼もが我先にと逃げようとしており前の人を押し退け逃げようとする人や逃げるのを諦めその場に座り込んでいる人もいる。
仕方ないことだろうと俺は思った、実際に自分もパニックに落ちてたらこの人達みたいになっていたかも知れない。
(そういえばあの子は無事に逃げれたのだろうか?)
ふと、今朝がた見かけた女の子を思い出した。
(この中には見当たらないし……まさか!)
逃げ遅れているその言葉が脳裏によぎった。
(でも、出口は他にもあるしきっと逃げれているかもな)
そう思ったが胸のざわめきが収まらない。
(なんでだ?大体あの子は赤の他人だぞ?そこまで心配する必要なくないか?)
だがざわめきは強まりまるで戻れと身体が言っているみたいだった。
「そこの君!早く避難するんだ!」
気づいたら人混みは無くなっており後は俺だけだった。
「すいません!俺、戻ります!」
「あっ、こら君!」
誘導員の人の静止を振り切り俺はもときた道を走った。
「はあ、はあ、あの子は!?」
会場内に戻り周りを見渡すと目を疑う光景が入ってきた。
「ノイズと……戦っている?」
そう女の子二人がノイズと戦っていた、しかもその二人は先ほどまでステージの上で歌っていたツヴァイウィングの二人だった。
「なんでノイズと戦えるんだ?いや、それよりもあの子は!」
一度ツヴァイウィングの二人から視線をはずしあの女の子を探すと観客席がくずれた所に彼女はいた。
「まってろ!今そこに行くからな!」
しかしその子にノイズが迫っていた。
「逃げろ!」
ノイズがその子に飛びかかろうとした時ツヴァイウィングの片翼の一人天羽奏がそれをふせいでいた。
「駆け出せ!!」
天羽奏の言葉に従い走ろうとしたが足に怪我でもしているのか走れずにいた。
さらに追い討ちをかけるように大量のノイズが天羽奏に襲いかかり徐々に天羽奏が纏っている鎧や槍が欠けその破片があの子に突き刺さった。
「あっ…………」
その子の胸からは大量の血が吹き出し一目に致命傷である事がわかる。
「おい!死ぬな!目を開けてくれ!」
倒れたその子に天羽奏が駆け寄る。
「生きることを諦めるな!!」
天羽奏の必死の呼び掛けにその子は意識を取り戻したみたいだった。
「今日はこんなに沢山の連中が聴いてくれるんだ……。だから私も、出し惜しみ無しでいく……。とっておきのをくれてやる、絶唱……」
その子から離れた天羽奏はすでにボロボロになった槍を掲げ歌った。
「Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el baral zizzl
Gatrandis babel ziggurat edenal
Emustolronzen fine el zizzl」
風鳴翼の呼び掛けに答えず彼女は儚く歌いきった。
(なんだよ……これ……)
その歌を聞いた瞬間俺はまるで自身の身体が壊れていくようなそんな激痛に襲われていた。
あまりの激痛に俺は立っていれなくなりその場に倒れ薄れいく意識の中で最後にみた光景は消え去るノイズ達と倒れる天羽奏の姿だった。
「ここは……」
意識を取り戻した俺は病院のベットにいた。
「どうやら意識が戻ったみたいだな。三日間も意識がなかったんだぞ君は」
そんな俺に赤いシャツをきたおっさんが話しかけてきた。
「あんたは?」
「ああ、すまない。俺の名前は
「わかりました、でも1つだけ教えてください」
「ふむ、なにかな?」
「天羽奏とその近くにいた女の子は無事ですか?それだけ教えてください」
「なるほど、安心するといい。二人とも無事とは言えないが生きてはいる」
「そうですか……ありがとうございます」
そう言って俺は再び眠りに落ちた。
それから2年間俺の周りの環境は激変した。
メディアによる報道によりあの事件で生き残った人の多くまたその家族は批判やいじめなど受け一時期社会問題まで発展した。
(くだらねぇ)
俺も例に漏れずその対象になったが他人から何を言われようと正直どうでもよかった。
「まあ、それも最初の1年間だけだったし今となってはどうでもいいか!」
現在俺は高校に上がり学費を稼ぐためふらわーというお好み焼き屋で働いていた。
「おばちゃん、俺今日は用事があるからそろそろ上がってもいいですか?」
「わかったわ、音谷くん最近ずっとお手伝いに来てくれてるからね、気をつけていってらしゃい」
「ありがとうございます!ではお先です!」
そう言い俺はある場所に向かった。
「いやー、今日はツヴァイウィングのCD発売日だからな!売り切れになる前にいかねーと」
既に夕方だが俺は全力で走った。
「今時CDなんてっていう人もいるけどCDのほうが好きなんだよな特典も豪華だし」
そう言いながら目的の場所に着いた時異変に気付く。
(静かすぎるな……いつもならこの時間帰宅する人がいるからそんなに静かでもないのに)
その瞬間ピコピコと忘れられない音が聞こえた。
「ノイズかよ……」
すぐに踵を返しシェルターがある場所に向けて走り出す。
「くそ!またノイズに邪魔されんのかよ!」
もし神様がいるのならあまりにも無慈悲だろうが!
「こっち!」
逃げてる最中に聞こえた声の主は小さな女の子の手を引きノイズから逃げていた。
「おい!お前!そっちはシェルターとは逆だぞ!」
俺の声は届いてないのかその女の子は走り去っていった。
「ああ!くそ!またこんなかよ!これで死んだら恨むぞちくしょう!」
ノイズを巻きその女の子を追った。
「どこいったんだ、あの子は……」
既に周りは暗くなり俺は追っていた女の子を見失ってしまった。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
ふと歌が聞こえ光が柱となり輝いているのを見た。
「あそこか!」
俺は歌が響くその場所に急いだ。
「はあ、はあ、この近くのはずなんだけど……」
その時上から歌が聞こえ頭上から鎧を纏った女の子と共にノイズの群れが降ってきた。
「一体どうなってだよ……」
俺が呆気にとられていると近くでバイクのエンジン音が聞こえた。
バイクは俺の横を通り過ぎノイズの群れに突っ込んでいく。
「バカ!死ぬぞ!」
だがそのバイクはノイズを蹴散らして進みバイクから翔んだ人物は俺も知ってる人物だった。
「風鳴……翼?」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
風鳴翼は鎧を纏い瞬く間にノイズを殲滅していった。
「今日は疲れた……」
黒服の人達が事態の収拾をしているなか俺はため息まじりにぼやく。
「大変でしたね、温かいものどうぞ」
「温かいものどうも」
黒服のお姉さんから紙コップを受け取り一息つく。
(それにしてもさっきの子どこかで見たような気がするんだよな……)
つい先ほどノイズに追われてた子を思い浮かべる。
(まあ、どこかですれ違ったとかだろう)
そう思い帰ろうとしたら黒服の人達に囲まれていた。
「えーと、まだなにかありますか?」
「すみません、あなたには我々と共に来ていただきます」
ガチャン
「なんでですか……ガチャン?」
気がつくと俺は重々しい手錠をかけられていた。
「すみません、抵抗はしないと思いますが一応拘束させてもらいます」
いつの間にか隣に立っていたイケメンの黒服にそう言われ車に乗せられる。
「なんでだーーーーーーー!」
そんな感じで俺は半分くらい強引に拉致られた。
「すいません、俺ってどこに連れていかれるんですか?」
「………………」
(また無言かよ)
車の中で色々と話したがこんな感じにずっとシカトされ着いた場所は。
「私立リディアン音楽院?なんで女子高なんかに……」
「さあ、こちらです」
黒服に促され車を降りると俺と同じように手錠かけられているあの子がいた。
(あの子も連れてこられたのか……それと風鳴翼も一緒か)
イケメンの黒服に連れられエレベーターに乗る。
(気まずい、なにこの空気の重さ耐えられないんだけど……)
「さあ、お二方危ないので捕まってください」
「あの危ないって……」
その子が質問し終える前にエレベーターはもの凄い速さで降り出し俺とその子は恥ずかしながら大声で叫んでしまった。
(どこまで降りんだよ……このエレベーター)
そして着いたのかエレベーターが停止する。
扉が開いたその先には……。
「ようこそ!人類守護の砦、特異災害対策機動部二課ぇ!!」
先ほどの空間とは真逆の感じのパーティー会場があった、横で風鳴翼が頭を悩ませイケメンの黒服は乾いた笑いをしてるしあの子にいたっては巨乳の眼鏡お姉さんに絡まれてるし……。
「あの子の名前、
垂れ幕に大きく立花響と書かれてた。
そして当の本人────立花響はなんかわーわー騒いでた。
「やっと話が終わった」
長い説明うけを適当に会場をぶらぶら歩きながら俺はぼやく。
「おい、お前」
「にしてもまさかこんな所にこんな場所があったなんてな」
「おい!聞こえてんだろ!」
「今日は疲れたしはやく帰りてーな」
「無視すんな!」
ボカッ!
「痛てーな、誰だよ」
急に後ろから頭を叩かれ誰だと思って振り替えるとそこには最近までアーティスト活動を休止していた天羽奏がいた。
「……お身体の方は大丈夫なんですか、それと好きです、サインください」
「おう、ありがとうよ、あとその言い方は勘違いされるぞお前」
「? それで俺になにか用ですか?天羽奏さん」
「天羽奏なんて堅苦しい言い方はよしてくれよ、あたしの事は奏でいい」
「わかりました、では奏さん」
「さんもいらないし敬語も別にいいぜ」
「それはさすがに馴れ馴れしくはないですかね?」
「そうでもないぜ、なんたってあんたは私の恩人だからな」
恩人とな?俺には心当たりがない、人違いじゃないか。
「すいません、誰かと間違えてませんか?」
「んなわけねーだろ、音谷律それがあんたの名前だろ?」
「そうですけど奏さんは……」
「だから敬語はいらないって言ってるだろ!」
「わかった。でも本当に心当たりがないんだよ」
「お前は2年前のライブで……「おーと!それはこの何でも出来る女と評判のこの
奏の言葉を遮って来たのはさっき立花響に絡んでいた眼鏡お姉さんだった。
「はあ、つまり絶唱ってやつのフィードバックを俺が半分くらい肩代わりしたと……すいません、言ってること全然わかりません」
俺はこの了子さんに色々教えてもらった。
シンフォギアシステムの事、この組織の事、そしておれ自身の事。
「まあまあ、最初はそんなものよね、まあとりあえずあなたも脱いでもらおうかしら」
「なんで!?」
「検査の為によ。さあ!」
そう言いながら了子さんは俺の服を脱がせようしてくる。
「やめてください!」
「いいじゃない、男の子なんだから気にしない気にしない!」
「気にします!他にも人いますしなにより女の子の前では脱げません!」
俺は必死の抵抗をしなんとかズボンは死守した。上は持っていかれてしまったがな。
そんなこんなで検査が終わりぐったりとした状態で歩いていると同じくぐったりしている立花響を見つけた。
「あ、どうも」
「こちらこそどうも」
「…………」
「…………」
「えっと、お互いに大変でしたね!今日は!」
長い沈黙に耐えれなかったのか立花響は俺に話しかけてきた。
「そうだな」
「あ、私の名前は立花響っていいます!」
「知ってる」
「じゃあ!お兄さんの名前はなんですか?」
「音谷律」
「なるほど、では律さんって呼びますね」
「いきなり下の名前かよ。あと多分俺とお前タメだぞ」
「うええーー!そうなの!じゃあ律くんって呼ぶね!」
同い年とわかった瞬間急に馴れ馴れしくなってきたなこいつ。でも不思議と悪い気はしない。
「ねぇねぇ、律くんは私の事なんて呼んでくれるの?」
「普通に立花でいいだろ」
彼女どころか女友達すらいない童貞の俺にそんな事聞くなよ。
「むー、なんで奏さんの事は下の名前で呼ぶのに私は名字なのー、私の事も響って呼んでよー」
こいつさっきの会話を聞いてたな。
「あれはなんか流れでそうなったんだよ、本来なら彼氏彼女でもないのに下の名前なんて呼べるか!」
「なら私の事も流れで響って呼んじゃおうよ!」
「なんでそうなる!」
そんなやり取りをしている内に時間が過ぎ響は同じ部屋の親友が心配するからとかなんとかで帰った。
「なんかさらに疲れた気がする」
響がいなくなり俺は先ほどよりもぐったり
「そこの君」
「もう帰りたい……」
「聞こえているのだろう?返事くらいしたらどうだ!」
「てか眠くなってきた……」
「無視をするな!」
バキッ!
「なんかスッゴいデジャヴを感じる……」
振り替えるとそこにはもう一人の片翼、風鳴翼がいた。
「あのさ、ツヴァイウィングって結構荒っぽいの?それと好きですサインください」
「な!?急になにを言い出すのだ!初対面の相手に!?」
なぜか赤くなりながら風鳴翼は答える。
なにかおかしかっただろうか?奏に言ったことと同じ言葉だったのだが。
まさか俺みたいな男に好きですって言われて勘違いするわけないよな、ファンとして好きですって意味だし奏は理解してたし。
「あの、ファンとしてなんですけど……」
「なっ!?し、知っていたぞ!私みたいな無骨者にそのような意味を持っているとは思っていない!」
「そんな事はないと思うけどな」
「まあ、世辞として受け取っておこう、ところでなぜ奏には敬語なのに私にはタメ口なのだ、一応私は君より年上だぞ?」
「なんとなく、奏にも既にタメ口だし」
「そうなのか?奏がいいなら私も……。まあ、それはともかく私は君に礼をいいにきたのだ」
「礼?」
「2年前のライブ時の事だ、奏を救ってくれてありがとう」
「たまたまだよ、俺が自分でしたわけじゃないし」
「それでも今こうして奏は生きている。あの場に君がいなければ奏は死んでいた」
風鳴翼は俺にもう一度頭を下げ礼を言う。
「まあ、俺もツヴァイウィングの二人が無事でよかったですからそれよりサインください」
「ふふっ、サインくらいいくらでも書いてあげよう、名前は音谷律でよかったか?」
「おっしゃあ!!ツヴァイウィング二人のサインゲット!ありがとうございます!風鳴さん!」
「私の事は翼と呼んでくれ、音谷」
「風鳴さんじゃダメなのか?」
「それだと司令と同じだからな、……不満か?」
「まあ、そう言うことなら……」
こうして1日して女の子3人と名前を呼ぶ間柄になったことを神様に感謝した。
「では私はこれから仕事があるから失礼する」
「そうか、なら俺もそろそろ帰るよ」
こうして俺は帰路につきふとある事を思い出した。
「あ、そう言えばCD買えてねーーーーー!」
そんな俺の叫びは夜の闇に消えていった。
やっと原作キャラがでましたがキャラ崩壊してないかな?と不安になりながら書きました。
結構展開がぐだぐたな感じもしますがどうか温かい目で見守ってください。
感想などくれたら嬉しいです。